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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
78/229

078 アニマルドームでの暮らし 


『カナカナ、パンですよー。あさですよー』

「うーん……リトくん、おはよー」

 

 最近リトくんとは朝しか会っていないみたい……。

 かなえはベットから起き上がると、居間へ行きリトくんにパンを選んでもらう。


「はーいリトくん、どれにする?」

『ぼくねー、茶色いパンがイイ!』

 リトくんが選んだのはシナモンレーズンパンだ。

 リトくんの足元にちぎったパンを置くと、足で抑えながら食べ始める。


『おいしいな、あまいパン』

 リトくんは、パンをあっという間に食べ終わり、満足したのかピョンピョンと飛びながら嬉しさを表す。


 かなえはリトくんに、最近のアニマルドームの話をすることにした。

 家が新しく2つ出来たこと、子猫達に大きな丘を造った事も。すると、

『ぼく、山にいきたい! ピーちゃんよんで来るね』と、リトくんは窓の隙間から飛び立って行く。

 アニマルドームの話をしたら、山を思い出したのかな……。

 

 かなえは朝食を食べようとして、

「あっ! 今朝は皆で食べるんだった……」と、思い出す。

 何も考えず、いつもの習慣で動いていた……。


 出掛ける支度をして、みんなの朝食を何にするか考えていると、リトくんとピーちゃんが窓の隙間から入って来る。


「ピーちゃん、久しぶりね。元気だった?」

『うん、あたし山にいくのー』

「そう、じゃー今日はみんなで行こうね」

 かなえは準備を終えると、リトくんとピーちゃんを連れて牧場へ移動する。


『おお、今日はみんな一緒じゃな』と、ジジさんが目を細めてリトくんとピーちゃんを見ている。

『ジジ、ババ!』と、リトくんとピーちゃんはジジさんの背中に飛び移る。

『かなえさん、今日もありがとう』ババさんも、体調が良さそうだ。


「はい、それでは皆さん、出発しまーす」

 そしてあっという間にアニマルドームの砂浜に到着する。


「はい、着きました」

 リトくん達は、山の方角へ飛び立って行く。

 かなえは歩き出そうとするジジさん達に、マリーのお爺さんだけでなく、リリララ姉妹もここに住んでもらう事にした事を伝えると、


『そうかい、ここも賑やかになっていいじゃないか』と、ジジさん。

『そうね、かなえさんには妹分も必要よね』と、ババさん。

 かなえの話が終わると、ジジさん達は慣れた足取りで、山の方向へ登って行く。

 そしてお爺さんの家の木の陰にジャンプすると、庭に入って行く。


「あっ! みんなお揃いで。お爺さん、起きていて大丈夫ですか?」

「ああ、かなえさん。おはよう。昨夜は美味しい食事をありがとう。おかげでグッスリ眠れたよ」と、顔色が良くなっているお爺さん。

 リリララ姉妹も、もう起きれたようでお爺さんの庭の畑を眺めている。


「かなえさん、おはようございます」と、リリちゃん。

「ララの庭にもいっぱい野菜とフルーツがあるんだよー」とララちゃん。


「そう、良かったね。食べ頃になったら、食べてね。ちょっと準備して来るから待っててくださいね」

 かなえはお爺さんの家のキッチンに行くと、選んでおいた朝食を出し、庭のテーブルに食事を並べ始める。


「私も手伝います」と、リリちゃんと一緒に全て並べると、

 畑の所で話しているお爺さんと、ララちゃんに向かって、

「用意ができましたよー」と呼び、

 みんなでテーブルを囲み食べ始める。

 

お爺さん用の朝食は、消化が良いポタージュスープと、柔らかいパンとバナナヨーグルトにして、かなえ達はパンケーキのブルーベリーソースがけや、野菜たっぷりのシチューとサラダ、ヨーグルトに、ピーチアイスティーにした。


「ララ、パンケーキすきー」と、ララちゃんはパンケーキを頬張っている。

「ララ、ちゃんと野菜も食べなよ」と、リリちゃん。


「うん……ララ野菜も食べるよー」とララちゃん。

 お爺さんはそんな様子に目を細めながら、温かいスープにパンを浸して食べている。


 かなえは朝食を食べながらお爺さんに、子猫達の事を話し始める。

 まだ片手に乗るくらい小さかったのに、リリララ姉妹とマリーに手伝ってもらい、今では元気にすくすく育っている事を。


 それにかなえのいつも使っているジャンプの機能の事。それと隠すのが面倒なので、動物と会話ができる事も話す。


 すると、


「やっぱり―! 私、かなえさんは子猫達と話しているように見えたんです。おかしいなと思ってましたー!」と、リリちゃん。

「ごめんね。驚かせちゃったみたいね……他にも言っていない事が幾つかあるけど、少しづつ話して行くね」


「はい、その方がいいです」と、リリちゃん。

 ララちゃんはあまり良く分かっていないようだ。


「本当かね? かなえさんはマリーとも話せるのかい?」と、お爺さん。

「はい、普通に話せます。マリーはとても賢くて優しい犬ですね」

 かなえはマリーとの会話を幾つかお爺さんに話す。


「それに、お爺さんの家を訪ねたのは、マリーの希望だったんです。マリーはずっとお爺さんの事を心配していたようです」

「そうかね……わしは幸せ者だな」お爺さんは嬉しそうに目に涙を浮かべる。


 湖を眺めながらの美味しい朝食を食べ終わると、お爺さんにシロンに出してもらった薬を渡す。

「この飴を舐めて下さい」

 注意書きには「体力、気力が回復しつつある老人用の飴」と、表示されている。

 

 かなえはリリララ姉妹に、この島や周辺の事を話し、

「この辺を散策して来たらいいわ。ちょっと動物達が不思議な動きをしているかもしれないけど、気にしないでね。またお昼にここに戻って来て」と、伝える。

 

 お爺さんには、暫らくはゆっくり家に居て休む事。元気になったらそこの離れで瀬戸物を造る道具があるので造れることを話すと、


「えっ! 道具があるのかね?」と、お爺さんは慌てたように離れの建物に向かう。

「そんな急に走らないでください!」と、かなえがお爺さんの後を追うと、リリララ姉妹も後に付いて来る。


「おお、まだ私は作れるんだな……」お爺さんは離れの瀬戸物を造る道具が、並んでいるのを見てポロポロと涙を流し始めた。

「お爺さん大丈夫ですか?」

 かなえが心配になり聞くと、


「かなえさん、ありがとう。ここにはマリーがいて仕事も出来るなんて。まるで時間が戻ったみたいだ……」

「ここにあるものは、お爺さんの所からそのまま移動して来た物です。もし何か他に必要な物があれば言ってくださいね。そこにある焼き釜も、移動出来ますし……」


「かなえさん、ありがとう。わしは昨日までもう色々とあきらめていたが、もう一度頑張ってみるよ」

 お爺さんの目が嬉しそうにキラキラしている。

 やはり、仕事の道具はお爺さんにとって大事なものだったんだな。

 

 話が一段落したので、

「じゃー、そろそろ行きますね。またお昼に来ます」

 かなえはそう言うと、リリララ姉妹と一緒にお爺さんの家を出て行く。


「あの山に行く途中にはお花畑があるのよ」と、いくつかお勧めの場所を教える。

 リリララ姉妹が、楽しそうに島から橋を渡って行くのを見届けると、ジャンプで牧場へ移動して行く。



 さぁー、きれいにするぞー!

 かなえは牛舎に着くと、力を少し弱めながらウオッシュを掛けて行く。

 一通り、掃除が終わったので、牧場もウオッシュを掛けながら、ひと回りする。


 

 全て終わったので、次はドームシティーで食事の調達だ。

 人数が増えて来たので多めに注文しておいた方がいいな……。


 かなえは、まずラウンドカフェに行くと、飲茶を一通りとお爺さん様にお粥も頼み、料金を支払うと、次に総菜屋、イタ飯屋、そしてリトくんの好きそうなパンや、人間用にも色々仕入れ、ジャングルフードにも行き、バナナの皮に包まれた料理を注文する。


 そしてスープ屋に行くと、大柄なダンさんがかなえを迎えてくれる。

「こんにちは。パーティーでは美味しいデザートスープをありがとうございました。とても好評でしたね」と、かなえがお礼を言うと、

「ああ、良いパーティ―だった。声を掛けてくれてありがとう」と、ダンさんからもお礼を言われる。


 かなえはいつもの様にスープを大量に頼み、今回は特に消化に良さそうなのと、野菜嫌いな子用のスープも注文する。

 かなえは支払いを済ますと、大きなカバンに次々とスープを詰め、ポーチのフォルダに移動させて行く。

「それじゃーダンさん。また来ます」そう言うと、注文していた他のお店の料理を取りに行く。

 

 全ての料理をカバンに積め終わると、

 どうしようかな……そうだジルさんの所へも顔を出しておこう。

 かなえはお菓子な店の前まで移動すると、扉を開けて中に入って行く。



「こんにちは」

 お店の中は甘い香りが立ち込めている。

「あら、かなえさんじゃない」

 

 ジルさんは今日も奇抜な格好だな……。

 パンツは黒くてシンプルだが、上半身は白地の光沢のある生地のシャツに、幾つも虹が描かれている。

 ジルさんの服装はいつも派手だが、とても似合っている。


「この間は素敵なお菓子と手品を、ありがとうございました」

「あら、どういたしまして。こちらこそパーティーに声を掛けてもらえて嬉しかったわ」

 ジルさんの手品は独学だそうで、たまに機会があると披露しているそうだ。まだネタがあるそうなので


「また、機会があったら披露してくださいね」と、頼んでおく。

 おやつ用に3箱お菓子の詰め合わせを購入し、お店を出ようとすると、


「そういえば、門の側に温泉っていうお風呂の施設が出来たそうよ。知ってた?」と、ジルさんに聞かれる。

 うーん、知っているも何も……。

「いえ、知りませんでした。どんなところですか?」


「お風呂が色々あって、気持ちがいいって聞いたわー。それに売店に私のお菓子を卸すようにって、連絡が来たの。ダンの所にも来たそうよ」

 そうか。温泉で売る商品は、元々あるドームシティーのお店から頼む事にしたんだ。


「だから、届けるついでに温泉に入ろうってダンと話していたのー」と、ジルさんは嬉しそうにしている。

 そうやって、ジルさんのように食品などを届けた人達が温泉に立ち寄り、口コミで広がって行くのだろう。


 やっぱり女神様って凄いんだなー……。


 

 一通り買い物が終わったので、アニマルドームの砂浜に戻って来る。


 次はー……掃除を済ませよう。

 かなえはクイーンの小屋から、モモちゃん、キングス達、ジジさん達の小屋まで掃除して行く。


 

 最後は……、

「あっ、マリー達居たんだ。ちょっと掃除しちゃうね」

 子猫達は庭や丘を行ったり来たりしながら、元気に走り回っている。そんな様子を見守っているマリー。

 かなえは、小屋と丘の掃除に、ミルクや餌の補充を終えると、


『ねぇ、かなえ。今から子猫達を外へ出して、お爺さんの所まで連れて行こうと思うんだけど、一緒に来てくれない?』と、マリーに言われる。


「いいよ。私もこれからお爺さん家に行くところだから、一緒に行こう」

『ありがとう。この調子で走り回られたら、と思うとちょっと不安だったの』


 それはそうだろうな。柵の無いところに子猫達を放したら、捕まえるのが大変そうだ……。

「そうだ、マリー、この小屋をお爺さんの家の隣に移動させて、庭をつなげるのはどう? 子猫達には大きな庭になるし、もう少し大きくなるまで慣れてもらえるでしょ?」


『そうね。それならお爺さんの側に居られるし、子猫達にも良い刺激になるわね』

「じゃー、早速移動するね。もし気に入らなかったらすぐに戻せるから」

 

 そうと決まれば……、

 かなえは地図を出すとお爺さんの家の柵を広げ、倍の大きさにする。そして家と離れの仕事場の並びに、子猫達の小屋を移動する。丘は小屋の前の庭の中心に設置する。

 

 子猫達は目の前にあった丘が急に消えたので、驚いて探し始める。

 かなえはケージを取り出すと、

「はい、みんなこの中に入ってー」と、移動させると、周りの柵も片付けて、小屋や庭があった場所にウオッシュを掛ける。



「マリー、じゃーこのままお爺さんの所へ行こう!」

 かなえは子猫達の入ったケージを持って、マリーと一緒にジャンプで移動して行く。

 







 





 


 





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