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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
77/229

077 新しい家 


 「あそこがあなた達に用意した家よ」

 

 かなえは前方にある、赤い屋根で白い壁の家を指して言うと、

「わぁー! あそこがララ達のおうちなのー?」

 と、ララちゃんが駆け出して行く。それを見兼ねたリリちゃんが、


「ララ、危ないから待ってー」と、追いかけて行く。

 庭に入りたそうにしているララちゃんに、

「いいよ、その柵の扉を開けて入って」とかなえは言い、みんなで中に入って行く。


「ヤッター! ララの庭だよー、ひろーい!」と、芝生の上でクルクル回り始めるララちゃん。

 リリちゃんもそれを見ながら笑っている。

「それじゃー、お家の中も見てみようか」と、リリララ姉妹を案内する。


「わぁー、すごーい」

 部屋の中は、壁と天井は白で床はナチュラルな木の色。家具も床と同じ様な木で出来ていて素朴な感じだ。クッションやソファーには赤、ピンク、花柄を使い、部屋の雰囲気を明るくしている。

 ララちゃんは嬉しそうに家中の扉を開けて、確認し始める。


「ひろーい! お部屋がいっぱい、大きいベット!」と、ララちゃんが目をキラキラさせている。

 奥には部屋が3部屋あり、それぞれ可愛らしい部屋になっている。


 二人は全て部屋を見終わると、居間に戻って来てクッションの効いたソファーに座る。

「かなえさん、本当にここに私たちが住んでいいんですか?」とリリちゃんが聞いて来る。

「そうよ。もしこれからも動物ギルドで働いてくれるなら、ここに住んでもらい、色々手伝ってもらいたいの。どうかな?」


「いいよー。ララこのお家すきー」と、ララちゃん。

「はい、さっきは驚きましたが、ララがこんなに喜んでいますし、これからも働かせて欲しいです。それに……こんな可愛いお家に住むのが夢だったんです。だから少しくらい不思議な事があっても目を瞑ります」と、リリちゃん。


 フフッ、不思議な事は少しじゃないから、驚かせない様に小出しにして行った方がいいかも……。


「そう、ありがとう。暫らくはお爺さんの看病をしてもらいたいけど、時間がある時はいつでもドームシティーに連れて行けるし、学校にも通ったり、乗馬教室だって行っていいからね」

「はい、ありがとうございます」と、リリちゃん。


「じゃー、遅くなるからお爺さんの所へ行こうか」

 かなえは、リリララ姉妹を連れて50メートル程離れたお爺さんの家へ歩いて行く。


 リリララ姉妹は夕日に染まって来た空や湖を眺めて、足を止める。

「きれいな夕日ですね」とリリちゃん。

「そらがオレンジだねー」とララちゃん。

 

 お爺さんの家の玄関の前まで来ると、

「もし、お爺さんが目を覚ましてたら、挨拶だけしてね」

 と言って扉を開けると、お爺さんが驚いた顔をして居間に立っていた。


「あっ! お爺さん、起きて大丈夫ですか?」

「ああー、あなたは……ここはどこだろう? わたしは夢でも見ているんだろうか?」

 お爺さんはいきなり知らないところで目を覚まし、驚いて居間まで出て来た様だ。

 マリーはお爺さんの横で見守って居る。


「とりあえず、そこに坐りましょう」

 お爺さんとリリララ姉妹に、目の前の広いソファーに座ってもらう。

 

 かなえは、お爺さんに、

「許可も無くお連れしてすみません。でも、ここならマリーとも一緒に暮らして貰えます。だからお爺さんの体にも良いと思いました」と言うと、


「いや、かなえさんと言ったかな。私はきっと夢を見ているんだろうな」と、お爺さんはマリーや、部屋の中や広い芝生を眺めながら、まだ現実だとは信じられないようだ。


「あのー、それよりお爺さんには栄養が必要です。それに私達もお腹が空いて来ましたので、そこのテーブルで夕食にしましょう。もう準備は出来ていますから少し待っていてください」

 

 かなえはキッチンに移動して3人分の夕食と、お爺さんには消化の良さそうなリゾットと、温かいハーブティーを用意すると、

「リリちゃん、ララちゃん、運ぶの手伝ってくれる?」と二人を呼び、料理をテーブルに運んでもらう。

 

 そして側に居たマリーには、

「マリー、休憩して来て。子猫達は小屋に居るから」と言い、

『ええ、ありがとう』と、マリー用の扉から軽い足取りで出て行く。


「さぁ―食べましょう」

 ご馳走が並んだテーブルにみんなで座ると、食事を始める。

 かなえはお爺さんに、


「無理をしないで、食べられるだけ食べて下さいね。もう何も心配せずにここで暮らしてください。ここならいつでもマリーに会えますし、このリリちゃんララちゃんもお隣さんなんですよ」


「そうだよー。ララのお家、赤い屋根なんだよー」と、ララちゃんは食べ物を口の周りに付けながら、お爺さんに伝える。


「やっぱり、夢なんだろうな……私はさっきまで起きられなかったのに、今はこうして可愛い子達と一緒に、広い部屋で食事をしているんだからな……」


「おじいちゃん、夢じゃないよ。ララのお家も広いんだよ―」とララちゃん。

 リリちゃんは隣で笑っている。

 こうやってみんなで食事をするのは楽しいな……かなえの心は温かくなる。

 お爺さんも、リリララ姉妹もみんな笑っている。


 暫らく食べ終わった後も話をしていたが、お爺さんもララちゃんも眠そうにしているので……もうお開きにしよう。

 かなえはお爺さんに「明日朝食を届けますね。ここは片付けておきますからゆっくり休んでください」と言い、寝室に行ってもらう。


 そしてかなえはリリララ姉妹に、簡単にお爺さんの世話でして欲しい事を話すと、

「じゃーもう遅いからお家に帰ってね。明日起きたら、外のテーブルでみんなで朝食を食べるからまたここに集合ね」と言い二人を返す。

 外灯を何ヶ所も設置したので、リリララ姉妹は問題無く戻れるだろう。


「シロン、お爺さんは、大分元気になったみたいね」

「はい、薬も効いたようですが、マリーが側で見守って居たので元気が出たようです」

 そうなんだ……良かった。それならマリー達もここに住めば良いな。

 かなえは食事の後をウオッシュで一気に片付けると、


「シロン、マリーと子猫達は小屋に居るの?」

「はい、居ますがそれよりジジとババを牧場に連れて行くべきでしょう」

 はっ! そうだった。うっかり忘れてた。

 


 かなえは一気に雲の温泉までジャンプすると、深く眠っている様子のジジさん、ババさんを牧場へ連れて行く。そして次にキングスとクイーンも。

 みんなはもう、かなえが居なかったらここに住み着いてしまいそうだ。

 

「じゃー、ルークスとモモちゃんはどうしてる?」

「山の頂上で、眠っています」

 そうなんだ。流石にあの子達も夜になると寝るのね。最近小屋に帰っていないみたいだし、このままでいいな。


 かなえはマリー達の小屋へ移動して行く。

 マリーは丘の前で眠そうにしながら子猫達を眺めている。


「マリー、今日はお疲れ様。マリーのおかげでお爺さん、大分調子が良くなったみたい。夕食も全部食べれたわよ」

『そう、良かった。ありがとう、かなえ』

「いいのよ。それよりマリー達もお爺さんの家で暮らす? それともここから通う方がいいかな?」


『そうね……そろそろ子猫達も、ここの柵を飛び越える位まで成長したし、少しづつ他にも連れて行こうかしら。今日はこのまま寝て、明日にでも連れて行ってみるわ』


「うん、わかった。マリーが考えたようにしてね。私は何でも手伝うから」

『ええ、助かるわ』


 お爺さんの具合が回復して来たので、マリーも嬉しそうだ。

「じゃー私は帰るわね。もしキングス達に会ったらリリララ姉妹もここに住むって伝えておいてくれる? お爺さんの事は話したから」

『そう、わかったわ』


 かなえは話が終わったので、リリララ姉妹の家の前に移動する。

 外灯がリリララ姉妹の家を照らしている。家の中もまだ何ヶ所か灯りが点いているようだ。


「シロン、二人はちゃんと眠れたかな?」

「リリちゃんはシャワーを浴びていますが、ララちゃんはもう寝ています」

 そう……問題無さそうね。

 

 

 かなえはもう帰ろうとしたが、女神さまが言っていたドームシティーの温泉が気になったので、少しだけ寄って行くことにした。

  

 スクーターを取り出すと、ジャンプで西門の温泉の上空に移動する。

 温泉全体が見渡せるくらい高い位置にスクーターを停めて、何処が変わったか目を凝らしてみると、もう一つ温泉施設が増えている。


「へー、あそこが小型、中型用動物の温泉かー」

 雰囲気はかなえの設置した他の温泉と似ているが、もう少し湯船を小さくして数を増やしている様だ。


 

 もう20時ぐらいだが馬用の温泉には馬達が何頭か湯船や休憩場に居るのが見える。人間用の温泉にも男性用には数人入っている様だ。


 レストランは……ああ、あの辺だな。レストランと言うよりもっと庶民的な食事処と言った雰囲気で親しみが持てる。売店の様な所もあるから、食べ物などを買って、好きな所で食べる事も出来そうだ。

 建物の天井が透けているので、中の様子が良く見える。


 

 隣の放牧地に昨日温泉に入ってもらった馬達が、居るようなのでかなえはそこまで降りて行く。

「こんばんは。昨日は温泉を試してくれてありがとう」

 かなえは昨日1番に温泉に入って行った、大きな黒い馬に声を掛けると、


『おお、あんたか。温泉はなかなか良かった。今日も2回行って来たぞ。おかげて体が軽い!』

 はぁー! 2回もって、相当気に入ってくれたのね。

『ぼくは今日1回入ったよ。温泉っていいねー。泡がブクブク出て楽しい!』と、若い雄馬。

『そうね、体がポカポカして、温泉に入るとすぐ眠くなっちゃうのー』と、若い雌馬。


「ねー、今日はどんな馬達が温泉に居たの?」

『外から来る馬達が多かったな。御者がそこの温泉の入口まで連れて来たから、何が何だかわからず、入って来たらしい。それでわしらが、先にお湯の中に浸かっているのを見て驚いておったわ。ワッ、ハッ、ハッ!』

『ぼくねー、他の馬達に教えてあげたよー。みんな泡のお風呂にビックリして面白かったー』と若い雄馬。


「そう、みんなありがとう。初めて入る馬達は、驚くかもね。他の馬達に教えてくれて助かったわ。また、何かあったらよろしくね』

『ああ、いいぞ。わしらが頼んで作ってもらったんだからな。せいぜい新入りには教えてやるさ』と、元気そうなグレーの雄馬。

 

 かなえは他にも気になって来たが、もう遅いので帰ることにする。

 また、日中様子を見に来よう……。

「それじゃあ、皆さん、ありがとう。また来ます」

 そう言うと、部屋までジャンプで戻って来る。


 

 はぁー、終わったー。

 かなえは寝る支度を済ませると、寝室のベットに入る。

 

 今日も色々あったなぁー。

 

 マリーのお爺さん、一時はどうなるかと思ったけど、夜にはビックリするくらい回復した。

 マリーが生きる支えだったのかも。

 今度、年配の人が動物を連れて来たら、飼い主の事も気を付けておかないといけないな。

 将来を心配して動物を手放し、マリーのお爺さんみたいに体調を崩したら大変だもの……。


 さぁー、明日は早く起きてみんなで朝食を食べよっと……。

 かなえは、何を食べようかと考えながら眠りに就いた。




――――――――――――――――

 ポイント 

 

 プラス  1000  極度の疲労、栄養失調に効くシロップ、老人用

 マイナス  

        

 残り    222万9100 

 パワー   498


――――――――――――――――

 立て替え   8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)



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