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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
73/229

073 ドームシティーの温泉 

 うーん……そうだな。アニマルドームではやはり、泡風呂が1番人気みたいだからな。それとトンネルシャワーは外せない。休憩場は必要だし……。

 よし、大体決まった。


 かなえはまず、地図を出して女神さまが造った空き地を表示させる。次に西門から入って来てすぐの所に、広場と馬車の駐車場を造る。

 

 まずは、動物達の温泉から……。 

 トイレは重要だな。

 毎回使用後に高圧洗浄でいつも清潔に保てるようにする。


 それからの長いトンネルシャワーを幾つか造り、そこをゆっくり進んで行くと温泉に入れるようにする。

 

 次は浴槽か……。

 初めて温泉を経験する馬達でも驚かない様に、傾斜を緩やかにして、入りやすくしておく。このお風呂には疲労回復効果を付ける。


 温度はぬるめにして疲れを取ってもらおう……。

 温泉の周りには広めに休憩場と水飲み場も設置しておく。


 その後は、周りとのバランスを考えながら大きさを調整する。そして、浴槽を幾つも設置すると、傷の回復風呂、体力促進風呂、免疫強化風呂。神経痛、筋肉痛、関節痛に効く薬湯、毛並みの良くなる美容と健康風呂の湯をそれぞれ入れて行く。

 

 泡風呂には血行を良くするマッサージ効果と癒し効果を、強度を弱から最強までの4段階にして設置する。 


「なんか地味だなー」

 浴槽も休憩場もグレーの石で作っていたのだが、雰囲気が暗い。

 幾つか色を変えて行き、一番気に入った白い石にし、床はすべり防止効果を付ける。


 トンネルシャワーの中が薄暗いので、周りの素材を透過させて行き、外からの光を取り込む。夕方になるとトンネル内と温泉を明るく照らす灯りの機能も付ける。 


 出口にも灯り付きのトンネルを設置し、温風機能で濡れた体が乾くようにする。

 温泉を出たところを広い放牧場にし、水飲み場とトイレも設置し、牧草も植えておく。


 あとは使用した馬達から意見を聞いて調整して行けばいいな……。


 次は人間用の温泉も造ろう。

 放牧地の隣は公園にして、ベンチや椅子テーブルを置き、木を植える。

 その隣に入口から下駄箱、ロッカールームと脱衣所、トイレ、大きな鏡を設置する。

 

 次に長めのトンネルを二つ作り、入口にシャワー機能、出口に温風機能を付ける。

 そして広い空間に、順番に様々な形の浴槽と、洗い場を設置して行く。

 

 温泉の効能は馬達のと大体同じだが、細長い浴槽も造り歩いて行くと自然と筋力、体力を強化出来る機能も付ける。

 小さな小部屋を何ヶ所か造り、スチームとサウナ機能を付ける。


 動物用の温泉は周りを透明なドームで囲み、温泉の外からも様子が見えるように透明にする。人間用は、男性用と女性用を分け、別々にドームで囲み、半透明にし、光が通るようにする。 

 その他に人間用には休憩場、仮眠室、ジムの様な運動が出来るスペースも造る。


 本当はレストランやカフェの様なものもあった方がいいが、そこまで準備するのは大変なので、広場を大きめに取り後からお店を設置できるようにしておく。

 


「こんな感じでいいかな……」

 今までかなえが、アニマルドームで造った温泉や、昔行ったことのある温泉を参考にして、なかなか良い温泉施設が出来上がった。


 この温泉は全体的に真っ白な石で出来ているので、スッキリと清潔感がある。白は汚れが目立つので、白い石全体に自動浄化作用を持たせ、いつも清潔さを保たせる。温泉のお湯も毎日入れ替え、気持ちよくお風呂に入れるようにする。


 その他にも細かいところを調整し、西門の温泉が出来上がった。

 これと同じ設備を東門、南門、北門に造ると……、

「あー、終わったー」


「シロン、これでいいと思う?」

「はい、良いと思います。細かいところは後から変更可能ですし、余っている土地は、温泉を追加したり、広場や公園を作ったり、必要なら住居を造ることも出来ます」

 そうね、温泉を増やすにしても様子を見てからにしよう。


 出来上がると、早く動物達にも試してもらいたくなって来る。

 かなえはアンディーの乗馬教室の隣の放牧地と温泉に設置した放牧地をつなげられるように準備する。

 トンネルシャワーの入口と、トンネルの温風機能を出口に取り付けたので、後はもうビジブルにすれば、すぐにでも馬達に入ってもらえる。



「シロン、今何時?」

「16時になります」

「アニマルドームのみんなはどうしてる?」


「ルークスとモモちゃんはアニマルドームを階段機能で上がって行き、ドームを出て500メートル上空まで行っています。

「はぁーっ!? もー何でそんな上まで行ったんだろう……」



 かなえはスクーターを取り出すと、ルークス達の居る上空にジャンプして行く。

『あー、カナカナ!』

『キャッ、キャッ』

 かなえが急に横に現れたので、ルークスとモモちゃんが声を上げる。

「ちょっと、あなた達どうしてこんな上まで来たの?」

 

 

 ドームから出た地上500メートルは、アニマルドームの山の頂上も大分下に見え、周辺のドームも見渡せる。

 モモちゃんは飛べるし、ルークスには階段機能があるから落ちる事は無いと思うけど、出来ればもう少し安全な所で遊んでもらいたい。


『ぼくね、空がどうなっているか知りたいの』

「空? ルークス、今いるここも空だよ」

『ぼく、一番上がどうなっているか知りたいの』

「でも、1番上は息も出来なくなるし凄く寒いから凍っちゃうんだよ」

『へーっ、でも僕行ってみたい』

 どうしよー困ったなー。


「シロン、ルークス達をどれくらいまで上に連れて行けるの?」

「普通の動物では危険ですが、ルークスとモモちゃんなら1万メートル上空でも、数分なら問題無いでしょう」

 そうなんだ……。1万メートルってジェット機が飛ぶような高さだったよね。


「そこまで連れて行くには、何に気を付ければいいの?」

「カーペットに乗り、シールドをかなえとルークス達の2つに分けて掛け、到着したらルークス達だけシールドを解除して下さい。数分周辺の空気を体験させ、すぐにシールドを掛けなおしてください。危険ですので間違ってもかなえは外には出ない様に気を付けて下さい」


 

 あまり気は進まないが、高度が上がると危険だという事を知ってもらう、良い機会になる。今のうちに行っておいた方がいいのかもしれない。

 かなえはカーペットを取り出すと運転席に座る。


「ルークス、モモちゃん、これで上まで連れて行ってあげるから乗ってちょうだい。上に着いたら、シールドをちょっとの間だけ解くから、冷たい空気を体感してみてね。わかった?」

『いいよー。僕上に行くー』

 ルークスとモモちゃんが嬉しそうにカーペットに乗り込んで来る。

 カーペットを透過させ、かなえと、ルークス達にシールドを別々に掛けると、



「それじゃー出発!」

 かなえは、カーペットを少しづつ上昇させて行く。

 カーペットは全く揺れずに上昇して行くので、まるで透明なエレベーターに乗っているような気分になる。



『わぁー、すごーい。山が小さくなる!』と、ルークス。

 アニマルドームの山がどんどん小さくなって行き、ドームシティを中心とした周りのドームが広がっているの様子が見える。


 この辺りまでは前にもみんなと来たことがあるが、ここから上は初めてだ。

 あーっ! 耳が変だ……気圧の影響だな。

 ルークス達は問題無いみたい。


 

 西の方角が夕日で染まり始めている。

 雲が周りに浮かんでいる位置まで登って来ると、

『わぁー、空の中まで来たー!』とルークス。

『キャッー、ソラー!』と、モモちゃんも嬉しい様だ。

 そのまま上昇させて行くと、


「かなえ、そろそろ1万メートルですのでこの辺で止めて下さい」とシロン。

 かなえはカーぺットを停止させると、

「はい、ここまでね。これ以上は危険だから駄目なの。よく観察してね」


 ルークスとモモちゃんは、辺りを観察している。きっとかなえの何倍も良く見えている事だろう。



『あれ、なーに?』

 モモちゃんは上空にを見ながらかなえに聞く。

「えっ!? あれ?」

 かなえは目を凝らすが上の方は暗くなっていて良くわからない。

 ルークスも一緒に上空を見始めたが、見られないようだ。


「モモちゃん、何が見えたの?」

『うーんと、長いニョロニョロ』

「はっ!?」

 良くわからないが、今はそれよりも……、


「ここは凄く寒いけど外に出てみたい? 無理しなくていいよ」

『うん、ぼく寒いのヘイキ―』と、ルークス。

『モモちゃん、さむくないよ』と、モモちゃん。

「わかった、じゃ、ちょっとだけシールドを解除するからね。行くよ!」



 かなえは早速ルークス達のシールドを解除すると、ルークスのたて髪が勢いよく揺れ始める。

 あー、大丈夫かなー。

 モモちゃんの様子は何も変わらないが、上の方を気にしている様だ。ルークスはちょっと体を強張らせているようにも見える。

 飛び出して行かれない内に……。


 かなえはルークス達にもう一度シールドを掛ける。

「どうだった―? 風が強そうだったね」

『うん、ぼく、ちょっと寒かったー!』と鼻の周りを赤くしているルークス。

 わっ! ルークスのたて髪が凍ってる!

 

 かなえが指摘すると、モモちゃんが、

『わー、ルークの髪、へーん』とからかう。

『えー? あーホントだー! つめたー』と、ルークスは嬉しそうだ。


「モモちゃんは、大丈夫だった?」と、かなえが聞くと、

『うん、モモちゃん、寒くないよ。ニョロニョロもう居ない』と、モモちゃん。

 またニョロニョロの事を言っている。それよりマイナス50度にはなるみたいだけど、寒くないなんて、ドラゴンって物凄いよ……。

 

 

 だんだん空の夕日が濃くなって来た。急ごう。

「じゃー、みんな、戻るよー!」と、かなえはカーペットを下降させて行く。

 夕日でオレンジ色に染まっている空や地上はとても美しい。

 モモちゃんも、ルークスも興味深そうに景色を眺めている。


「ルークス、モモちゃん、雲の上の温泉には入ったの?」

『ううん、パパが入っているのは、みたー』とルークス。

 この子達は温泉にはあまり興味が無さそうだ。じっくりお風呂に浸かるのは退屈なんだろうな。


 そのままカーペットは下降して行き、ルークス達が居た地上500メートルの地点まで戻って来た。

「あなた達、どうする? ここで降りる? それとも降りたいところはある?」

『うーんと……ここでいいよー』と、ルークス。

『いいよー』と、モモちゃん。


 かなえはカーペットを停止し、シールドを解くと、

「はーい、到着でーす。降りていいよー」と言うと、

 ルークスとモモちゃんは上空に飛び出し、駆け出して行く。


 これで、ルークスはあまり上の方は寒いから、行かないかもしれないけど、モモちゃんが心配だな。なんか変な物が見えたみたいだし。でも、注意しても聞かないだろうな……。何かいい方法が無いか考えよう。

 かなえはジャンプで雲の温泉に来ると、眠っているジジさんと、ババさんを牧場にジャンプで連れて行く。


 キングスとクイーンも小屋に寝かせる。

「あら? シロン、マリーはどこかな?」

「マリーは、小屋に戻っています」


 かなえはマリーの小屋まで歩いて行くと、もう子猫達と一緒に丘の中のクッションの上で眠っていた。

 マリーは、温泉の時間を減らして世話をしてくれたんだな……。


 


 かなえは砂浜のテーブルで食事を済ませてから、ドームシティーの温泉に戻ることにした。



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