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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
69/229

069 パーティ―開始 

 かなえは張り紙を書き終えると公園の入口から出て行く。

 

 そういえば、2階の部屋から見たとき、公園の木が無いのに気が付いたけど、女神さまがパーティーの準備をしていたのね……。


 動物ギルドの正面の公園の木が1本無くなり、空いたところがパーティー会場の入り口になっている。

 

 一晩パーティーをやるだけなのに、大きな木を取り除くなんて、女神さまぐらいしかやらないだろうな……。

 近くなったので便利だけど。 

 

 

 公園側の入口の木の所にも丸いガラスの電飾が幾つも灯り、夕日の空を照らしている。

 

 かなえが動物ギルドの扉に、会場変更案内の張り紙を貼り付けていると、前に1台の馬車が停まった。

 

 かなえが振り返ると、ガーデニングのお店の人とその隣にもう一人薄いグレーのスーツを着た髪の長い男の人が乗っている。


「やぁー、植木を運んで来たよ」

「どうも、ありがとうございます」

 かなえは荷台に積んである、植木の所まで行くと注文した植木装飾に、きれいに花が飾られているのを見つける。

「わぁー、素敵ですねー」


「この隣に居るのが、友人の芸術家でグレンだ。私はドンと呼んでくれ」

「はい、わかりました。私はかなえです。グレンさん初めまして……この動物ギルドの入口の植木もグレンさんの作品なんですね。私とても気に入っているんですよ」


「灯りを付けるのもいいもんだな」と、グレンさんが馬車から降りて扉の両脇の植木を眺めている。

「はい、今日はパーティーなので特別です。あっ、それでパーティー会場が向かいの公園に変わったんです。」

「そうか、ならこれを運んで行こう」と、ドンさんとグレンさんが装飾された植木を向かいの公園へ運んで行く。


 かなえも後から公園に入ると、入口の所でドンさんとグレンさんが立ち尽くしている。

「こんなに、広いところでやるのか!」とドンさん。

「ここの木にも灯りが付いているんだな」と目を輝かすグレンさん。

 そうです、私だってさっき知って驚いたばかりです……。


 どこにドンさん達の植木を飾ろうかな……。

 すると、

「かなえ、いらっしゃい。ここに飾ってもらったら」と、女神さまの方を見ると、頭上の木と木の間に細い線が渡してある。


 なるほど、あれなら上からぶら下げられて丁度いいかも。

「それじゃー、あちらの方へ運んでもらえますか?」

 かなえが誘導し、女神さまが準備よく用意していた踏み台を使い、ドンさんに取り付けてもらう。


「あら、いいじゃない。面白い装飾ね」と、女神さま。

「そうですね。やはり花があると雰囲気が変わりますね」と、かなえが言うと、

「そうだなー。飾り方で雰囲気が変わるもんだな」と、ドンさん。

「ああ、良い感じだ」と、グレンさん。



「こちらは隣に住むメグさんです。パーティーを手伝ってもらっています。ドンさん、グレンさんも楽しんで行ってください」と、話していると、入口からに見覚えのある人が入って来る。



「あっ!」リッカ―ショップのショーンさんとお手伝いの人二人だ。

「今日はありがとうございます。宜しくお願いします」と、かなえが近寄って行き挨拶すると、

「場所が変わったのも驚いたけど、こんなに広いとは思わなかったよ」とショーンさん。


「はい、急きょ変更になったんです……」

 かなえは一緒に来た、手伝いの二人にも挨拶すると、飲み物のカウンターへ案内する。


 あら、いつの間にか飲み物が全部置かれている。

 女神さまだな……助かったけど。

 

 

 そうだ! リリララ姉妹に会場が変更になった事を伝えないと。

 かなえは動物ギルドに入って行くと、やはりリリララ姉妹がドレスを着て待っていた。


「お待たせー。ドレス可愛いね。二人ともとっても似合ってる!」

 リリララ姉妹は嬉しそうな笑顔を見せる。


「急に会場が変更になって、向かいの公園になったの。だから一緒に来てくれる?」

「はーい!」リリララ姉妹はかなえが来てホッとしたようで、お絵かきセットを持って一緒に移動する。


「それじゃー二人はここに坐ってね」と、入口のケーキの様なテーブルに二人を連れて行く。

 いつもと違う公園の豪華な雰囲気を見て……、


「わぁー、可愛い!」と、声を上げるリリララ姉妹。

 でも、薄紫のドレスと、薄いピンクのドレスを着た二人の方が、おとぎ話から出てきたように可愛らしい。


 かなえはケーキの様なテーブルにネームプレートを並べ、今来ている人達に付けてもらうように、リリララ姉妹に頼む。

 

 すると、入口にお菓子な店のジルさんと、スープ屋のダンさんが出来上がった料理を持って入って来る。


「ジルさん、ダンさん。運んでいただき、ありがとうございます」

 ジルさんはゴールドのジャケットに黒いパンツ、そしてシルクハットをかぶっていて、今日はマジシャンみたいだ。ダンさんは、シンプルな生成りのジャケットに細いストライプのパンツを履いてる。


「あら?! ステキな所じゃない」

「そうだな」と、 

 ジルさんとダンさんは会場を見渡す。


「では、こちらに運んでもらえますか?」

 かなえは料理の置かれているカウンターに案内する。

 ジルさんの届けてくれた大皿は、カラフルで一口サイズのお菓子だ。見たことがあると思ったら、カラフルなお菓子の他に、動物ギルドの看板のデザインが施されているものもある。


「うゎー、素敵ですね。食べるのがもったいないみたいです」とかなえが感想を述べると、

「やーね。食べ物なんだから、取っとかないで新鮮な内に食べて欲しいわ」と、ジルさん。

 

 ダンさんのは冷製スープ。デザート用にゼリーやフルーツを入れて甘くしているそうで、オレンジ色をしている。

「色鮮やかでおいしそうですねー」

「ああ、おいしいぞ」とダンさんはいつもの様に言葉少なめだ。

 ジルさん達は友人のショーンさんが飲み物カウンターに居るのを見つけ、近づいて行く。


 

 そうしているうちに、時間になりリアちゃんとお爺ちゃんお婆ちゃんが揃って入って来る。

「まぁ、かなえさん素敵なパーティー会場だこと」と、リアちゃんお婆さん。

「ありがとうございます。リアちゃんのレモン色のドレス、可愛いですね。では、皆さんこちらへどうぞ」


 かなえはリリララ姉妹の居るカウンターに案内し、ネームプレートを付けてもらう。

「リアちゃん、この二人は私の所で働いているリリちゃんとララちゃんよ。後で一緒にお話ししてね」

 リアちゃんは半分お婆ちゃんの後ろに隠れながら、


「はい……」と、恥ずかしがりながら返事をする。

 かなえは、荷物を置くところと、食事と飲み物の場所を説明し、

「それでは、楽しんでくださいね」と、話すとまた次の人達が入って来る。


 仕立屋のフィーナさん、ハッピーキッズのローナさん親子だ。

 この二人が並んでいるのは初めて見るけど、よく似てるなー。

 かなえは挨拶し、簡単に説明する。

 

 その後から印刷職人のジョディーさんと、看板屋アナンさん、看板を取り付けてくれた若者も入って来る。

 

「あっ! ルルちゃん」

 次に入って来たのは水色の可愛いドレスを着たルルちゃんと、シモンズさんに一緒に暮らしているアレックスだ。

「良く来てくれました」

 かなえはルルちゃんに、リリララ姉妹を紹介しシモンズさん達に、簡単な説明をする。


 その次は、一段と派手で真っ赤なドレスを着たパティさんと、黒いスーツを着たカイさん。

 目立つな……二人並ぶとフラメンコダンサーみたいだ。

 

「かなえ! ちょっと、こんな立派なパーティーだとは知らなかったわ!」

 パティさん広い会場に響きわたるような元気な声だ。


「パティさんカイさん、今日は来て頂きありがとうございます。どうぞ楽しんで行ってくださいね」

 かなえは二人にもネームプレートを付けてもらい、簡単に説明をする。



 次に入って来たのは……ちょっとやつれた雰囲気のジョーさんだ。いつもの作業着の服装に茶色いジャケットを羽織っている。


「あっ! ジョーさん。来てくれたんですね」

 かなえはネームプレートを渡し、説明すると、

「シロンお願い」と、出してもらったのは、白い飴で注意書きには「睡眠不足、疲労、緩和飴」と表示されている。

  

 かなえは慌てて、

「ジョーさん、倒れる前にこの飴を舐めて下さい」と、渡し、こっそりウオッシュもかけておく。

 来てくれたのは嬉しいが、倒れられたら大変だ。


 その後はかなえの知らない人が2、3人づつ何度かに分けて入って来る。

 招待状は持っているので、パティさんの知り合いなんだろう。

 5人って聞いてたけど、もう10人以上入って行ったな……。

 会場が大きくなって助かったかも。


 一段落したので、受付をリリララ姉妹に頼み、かなえは見回って行く。

 飲み物カウンターでは、ショーンさんが忙しそうに飲み物を作っている。

 デザートの所にはジルさんがいて、リアちゃんのお婆さんに何か説明している。


 食べ物は、まだ結構あるので大丈夫そうだ。

 ルルちゃんが、シモンズさんの隣に静かに座っていたので、

「ルルちゃん、ちょっと紹介したい子がいるから来てくれる?」と誘い、ルルちゃんをリアちゃんのところへ連れて行く。


 リアちゃんはギルド室長のお爺さんと一緒に要るが、ちょっと退屈している様だ。

「リアちゃん、この子はルルちゃんって言うの。リアちゃんより少しお姉さんかな。とてもしっかりしているのよ。あそこにお絵かき出来るテーブルがあるから一緒に来ない?」


「えっ? お絵かき?」

 リアちゃん、絵を描くのが好きなのかな?

「そうよ。色々ペンやスタンプもあるから一緒に行ってみる?」

「うん!」

 リアちゃんは嬉しそうなので、かなえはルルちゃん、リアちゃんと一緒にお絵かきテーブルに行くと、女の子専用テーブルと、表示されている。


 フフッ……女神さまが書いてくれたのかな。


 

 テーブルには何色もの画用紙と、ペン、クレヨンにスタンプ。のりとハサミも置いてあり、大き目のビーズとカラフルな紐やリボンも置いてある。


 これも女神さまがプラスして用意してくたようだ。


「わぁー!」

 そのお絵かき、アクセサリー工作セットを見た女の子二人は嬉しそうに声を上げた。

 


「それじゃー、色々作ってみてね。他の2人も連れて来るから、リアちゃんを宜しく」

「はい、分かりました!」

 ルルちゃんはお絵描きが好きなようで、嬉しそうにペンを選んでいる。


 かなえはリリララ姉妹の所ヘ行き、

「もう受付はいいわ。お腹空いたでしょ? 好きな料理と飲み物を選んでね。あと、お絵かきコーナーにリアちゃんとルルちゃんがいるから、一緒に遊んでね」と話す。


「はい。わかりました」と、リリちゃん。

「うん、おなかすいたー」と、ララちゃん。

 二人は、足を弾ませて、食べ物カウンターに向かう。


 

 すると一人で、乗馬教室のアンディーが慌てて入って来る。

「あー!かなえさん、遅れましたー」

 アンディーは急いで来たからか、ジャケットの襟が折れているので、治してあげる。


「大丈夫ですよー。ゆっくりして行ってくださいね」

 かなえはネームプレートを渡し、簡単に説明すると、シモンズさんの所へアンディーを連れて行く。


「あーっ、あなたは!」と、アンディーは声をあげる。

 アンディーとシモンズさんは顔見知りだったようだ。乗馬教室とシモンズさんの家は近いし、馬つながりで知り合いでもおかしくない。隣にいるアレックスとも話している。


 

 すぐ側にジョーさんが、ぽつんと椅子に坐っているので、芸術家のグレンさんの所へ連れて行き紹介する。

「グレンさん、この人は家具職人のジョーさんです。あの飲み物カウンターの切り株を作ったんですよ。ジョーさん、グレンさんはあそこに飾っている植木装飾を作った芸術家さんです」

 

 するとお互いの作品に興味を惹かれたのか、話をし始める。

 あの二人、シャイな感じだけど話が合うみたいで良かった……。

 

 リリララ姉妹もお絵かきテーブルに行き、楽しそうに話しているようだ。

 

 賑やかなのはやっぱりパティさんの所だな。お友達と一緒に話を弾ませている。

 女神さまは、リアちゃんのお爺さんとなにやら話込んでいる。


 あの二人、ギルドの定例会議の時も話していたような……。でもあの時は女神さまの姿は大分今とは違ったような気がするけど。

 何かありそうだな。あの室長、もしかして女神様の本当の姿を知って居るのかな……。


 リアちゃんのお婆ちゃんは、ハッピーキッズのローナさんと、年齢も近いのか楽しそうに話している。

 ……ローナさんの緑のドレスも素敵だな。


 かなえもお腹が空いて来たので、適当にお皿に料理を乗せ、飲み物をショーンさんから受け取ると、静かなシモンズさん達のテーブルに行き、空いている席に腰を掛ける。




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