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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
65/229

065 ルークスも飛んだ 



『カナ、カナパンでーすよー。おはよー』

 フフッ、今日はおはよーも付いた。


「はい、リトくんおはよー」

 昨夜は早めに眠れたので頭もスッキリだ。


 かなえは居間に行き、ご褒美パンを取り出すとリトくんに選んでもらう。

「はい、今朝はどれにする?」

「うんとねー、ぼくみどりのパンがイイ―」

 

 リトくんが選んだのは野菜の色なのかみどり色のパンだ。

 かなえはちぎってあげると、

「はい、どーぞ」とリトくんに渡す。

『あー、葉っぱのあじ―』とリトくん。

 何だろう? ほうれん草か何かかな。


 かなえも食事を済ませ朝の準備を終えると、リリララ姉妹に食事を届ける。

「はい、今日のランチね」

「ありがとーございます」と、ララちゃんが眠そうに挨拶する。

 

 かなえは部屋に戻ると……リトくんはやはり居ないな。

「シロン、リトくん達はまだ家にいるのかな?」

「ハイ、まだリアちゃんと一緒にいるようです」

 

 そうか。それならもう出掛けよう。


 

 かなえはジャンプで牧場へ移動する。

 ふふ、今日もジジさん、ババさん一緒だ。

「おはようございます。今朝の調子はいかがですか?」

『かなえさんのおかげで、とっても元気よ、だってね……』

『おい、話していると遅れるぞ』と、ジジさんがババさんの会話を止める。


「はい、それでは出発しまーす」

 かなえはジャンプでジジさん、ババさんをアニマルドームの砂浜へ移動させる。

「お待たせしました。ジジさん、ババさん、今日も楽しんでくださいね」


『まー、ありがとう。あの温泉があれば毎日が楽しいわー。それに……』

『もう行くぞ』と、ジジさんがもう橋の方へ向かって行くので、

『それじゃー、今日もお世話になりますねー』と、ババさんも早足にジジさんを追いかけて行く。


 ババさん、話の続きは何だったんだろう。かなえは少し気になった。

 機会があったら、ババさんに話を聞いて見よう。

 でも、ジジさんと、ババさんはいいコンビだなー。


「シロン、みんなの様子を知らせて」

「はい、キングスとクイーンは、牧草地から山の方角に向かっています。ルークスとモモちゃんは……何かしています」


「は!? 何かって何?」

「シロンどこにいるの?」

「山の入口の前です」


 かなえはジャンプで移動して来ると……あらっ?

「ルークス、モモちゃん、何してるの?」

 ルークスがモモちゃんの背中に足を乗せている。

『あー、カナ、カナ。ぼくねー、モモちゃんの上に乗ってそらを飛びたいのー』


「えーっ!?」

 さすがにそれは無理なんじゃ。

「でも、ルークス。モモちゃんの背中はルークスと同じくらいでまだ小さいし、体重だって同じくらいなんだから重たいでしょ?」


『ルークおもくないよ。カナカナ、見て』と、モモちゃんは言うと、ルークスのお腹の下に潜り込む。

 そしてモモちゃんは、

『うーん!』と唸ったかと思うと、ルークスがヨロヨロっとしてフワッと地面から浮いて前に進み始める。

 

 まるでモモちゃんがルークスをおんぶしているみたいだ。


『ヤッター、飛んでるよー』とルークス。

 全く、モモちゃんは力持ちだな。

 でも……どうすればいいんだろう。低空飛行なら危なくないけど。


「シロン、ルークスが落ちても大丈夫か、落ちない様にするものってある?」

「幾つかありますが、この場合落下の時に静止する階段落下機能が良いでしょう」

 はっ? それだと危なくないの? 

 仮にモモちゃんが、高いところまでルークスを連れて行っても、下まで一気に落ちる危険が無くなるのかな……?


「シロン、じゃーその機能をルークスに付けてくれる?」

「はい、分かりました。高さは1メートルにしておきます……準備出来ました」


 うーん、一見何も変化が無いからわからないな。

 ルークスが落ちても平気なのを確認するには……。


『モモちゃん、ルークスをこれくらいまで持ち上げてくれる?』

 かなえはルークスを乗せて飛んでいるモモちゃんに、かなえの背の高さより上を指して頼む。


『いいよー』とモモちゃんはスーッと上に上昇する。

『たかい、たかい!』とルークスは喜んでいる。


「それじゃールークス、そこから飛び降りて見てくれる?」

『いいよー』

 ルークスは全く問題ないようで、モモちゃんのところから『ポンッ』と、下に降りると……地上より少し上で静止する。

 

 ちょうど1メートル位降りたところだな。


『あれーっ!』と驚くルークス。

「ルークス、もう一度そこから下に降りれる?」

『うん!』

 ルークスは『ポン』と地面に着地する。

 

 大丈夫そうだけどもう少し確かめたいな。


「それじゃーもう一度、モモちゃん、ルークスを乗せてあそこの川の上まで飛んでくれる?」

『いいよー』と、モモちゃんはルークスのお腹の下に入りモゾモゾと動いた後、

『うーん!』と声を掛け、ルークスを持ち上げてスーッと川の方へ飛んで行く。


「そうしたら、モモちゃん、もっと上まで行ってくれる?」

 今度はモモちゃんに地上4メートル位上まで上昇してもらうと、

「ルークス、そこから川に向かって飛んでみて?」

『いいよー!』とルークスは川に飛び込むと……。

 

 やはり1メートル位下で、静止した。


『あれー、僕、下に降りれなくなっちゃったのー?』

 ルークスはちょっと悲しそうだ。

「ルークス、もう一度ジャンプして見て」


『うん』

 ルークスはもう一度ジャンプすると、やはり1メートル下で止まる。

 よし。これならルークスは安全ね。


「ルークス。飛んでいる時に落ちたら危ないから、少しづつ落ちるようにしたのよ。いいでしょ?」

『うーん。いいよー!』

 ルークスは『ポン、ポン』と飛んで地面に降りて来る。

 ちゃんと降りられるってわかったようで、ルークスには問題ないようだ。


 安全の為に、この機能は使えそうだ。


 

 

 もう大丈夫そうなので、かなえは牧場へ移動して行く。

 牛舎に着くと中の掃除を始める。使われていないみたいに綺麗だが、ミルクタンクにミルクは溜まって来ている。

 設置した鏡ももう見飽きたのか、ほとんど汚れていない。


「餌も減らないしなー」

 でも元気に暮らしていてくれれば、牛舎まで来てもらう必要も無いか。

 かなえは牛舎の掃除が終わると、スクーターを走らせ牧場を点検しながらウオッシュを掛けて行く。



 一通り終わると、部屋に移動し動物ギルドに降りて、パーティーの準備を始める。

 必要な物はポーチに入っているからセットするのはギリギリでいいんだけど、人目のある所では出せないしなー。


 かなえは取りあえず、室内の飾り付けをする。室内用のライトやウェルカムサイン等、少しづつ貼り付ける。荷物置き場も作って……。

 家具の移動は明日でいいな。


 奥の部屋から冷やす飲み物を移動させ冷蔵庫に詰めて行く。

 氷はポーチに入っているのを使えばいいし……。

 

 そうだ! 飲み物の装飾用にフルーツを使ってもらおう。

 アニマルドームのフルーツが沢山あるので、使えそうで良かった。

 ごみ箱も幾つか必要だな。

 

 それに、子供たちが退屈しないよう、お絵かきコーナーも作ろう。

 クラフトショップでマジックや色鉛筆に、動物や花等のスタンプがあったので買っておいた。


 午後から子猫達が来るので、危なそうなものは奥の部屋に移動させておく。

 今、出来るのはこれくらいかな……。


 かなえはアニマルドームに戻ると、クイーンの小屋から順番に掃除をして行く。

 子猫達の小屋まで来ると……みんな良く眠っている。

 マリーは居ないから、もう温泉に行ったのだろう。

 小屋の掃除を全て終えたので、砂浜に移動する。  


 パーティー用に作ったネームプレートとペンを取り出すと、招待した人の名前を書き込んでいく。

 職人さん達が多いな。

 後はパティさん、カイさん、それに誰か5人来るって言っていたな。ルルちゃんとシモンズさん達に、リアちゃん家族にお隣さんもいる……。


 今わかっているだけで20人は超えている。

 誰か連れて来る人がいたとして30人超えたりして……。

 これは大変だ。奥の2部屋もパーティー用に準備しておこう。

 

 かなえは自分のネームプレートには「アニマルドーム、かなえ」と書き込んでおく。

 一通りネームプレートを書き終える。

 わからない人は受付でその場で書いてもらえばいいな。


 次は―……。

「シロン、ルークス達はどうしてる?」

『モモちゃんに、高いところへ連れて行ってもらっては、階段落下機能で降りて行くのを繰り返しています』


「ふふっ、そうなんだ」

 様子を見に行ってみよう。


 かなえはジャンプでルークス達の居る、水路へ向かう小川の横に移動して来る。

 あー、やってる、やってる。

 ルークスはモモちゃんに50メートル位上まで連れて行ってもらうと、1メートルづつ階段落下機能で降りて来ている所だった。


 モモちゃんはルークスの横で『キャッ、キャッ!』とクルクル回りながら楽しんでいる。

 空中でもルークスと遊べるのが嬉しいのかな。


 かなえはスクーターに乗ると、ジャンプでルークスの横まで行く。

「ルークス、どう? 階段に慣れた?」

『あー、カナカナ、うん、ぼくの階段見えないけど長いんだよー!』


 ルークスは、トントントンと、空中の階段を軽快に降りて行く。

 途中で『モモちゃーん!』とルークスが呼ぶと、モモちゃんがルークスを上の方まで乗せて行き、再びルークスが空中の階段を降りて行く。


 まー、危なくなさそうだから大丈夫ね。

 モモちゃん、さっきよりルークスを軽々乗せているように見えるけど……。

 モモちゃんだから、もう何でもありね。


 キングスにルークスの空中階段の事を話しておいた方がいいだろうな。

 いきなりルークスが、空中に浮かんでいるのを見たら驚くだろうし。


 かなえはジャンプで3合目の温泉に移動する。


 まだいつもより早い時間なので、みんなまだ起きている。

「キングスー、ちょっと伝えておきたいことが出来たんだけど」

『おお、なんだ? ルークスか?』


「そう。皆さんにも聞いていて欲しいんだけど……」

 みんな、湯船に浸かりながらかなえの方に体を向ける。


「今朝、ルークスがモモちゃんに乗せられて飛んでいるのを見たの。それで……」

 かなえは今朝のルークス達の様子と、危ないので階段落下機能を付けた事。それに、ルークスが空中で浮かんだり、降りて来ても驚かない様にと話した。


『そう。モモちゃん、ルークスを持ち上げて飛べるのー? 力持ちね』とクイーン。

『そうか、わかった。ルークスが怪我をする危険が無くなるならその方がいいな』とキングス。


『それは面白そうだな。わしも試してみたいのー』と、最近やけに気が若いジジさん。

『そうねー、面白そうだわー』と、ババさん。

「それは出来ますけど……」

 上空に行かないと使う機会が無いと思うけどな。


『例えば、この3合目から空中の階段で降りて行くことは出来るのかい?』とジジさん。

 そうか、この山からなら使えるか。


「シロン、山から空中階段を使えるの?」

「はい、可能です。階段の奥行や高さも変えられますので、歩幅に合った階段が作れます」


 そうか。それなら面白いかも。


「出来るみたいです。午後から階段落下機能を試してみましょう、また後で来ますね」


 かなえはそう言うと、砂浜に移動し早めにランチを済まし子猫達の所へ移動して行く。





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