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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
63/229

063 パーティーに出席する人達 


『カナ、カナあさですよー』

『カナ、カナパンですよー、起きて―』


「あー、リトくん……おはよう。良く寝たなー」

 かなえは布団の中で伸びをする。


『カナ、カナパンちょーだい』

「うん、わかった。わかった」

 かなえは居間まで歩いて行くと、パンを取り出してリトくんに見せる。

「はい、どれがいい?」と、かなえが聞くと、


『うーんとね、ぼく黒いつぶつぶパンがイイ』

 あーこれね。リトくんが選んだのは、レーズンの細かいのが練り込まれたパンだ。

「はい、どうぞー」

 リトくんは嬉しそうにパンを受け取ると、ついばみ始める。

「お味はどうですか?」

 かなえがリトくんに聞くと、

『うん、おいしいよー。黒いパンは、あまいパン!』

 

 かなえは朝食を食べ朝の準備を済ますと、食事をリリララ姉妹に届け部屋に戻って来る。


 リトくんは……もう居ないな。

「シロン、リトくんとピーちゃんはこっちに向かう気配はある?」

「いいえ、まだ家のかごの上にとまっています」

 そうか、ならこのまま行こう。


 かなえはジャンプで、牧場へ行くとジジさんとババさんが並んで待っている。

「おはようございます。今朝もお揃いですね」

『おはよう。かなえさん。今日も宜しくね。私はもうーあの温泉が楽しみで仕方が無いの。それでね……」


『ほら、話が長くなると行くのが遅くなるぞ』とジジさんがババさんの会話を遮る。

 フフッ、この2頭は普通に夫婦じゃないの……。ジジさんは暫らく、アニマルドームの事をババさんに隠すのが大変だったんだろうな。


 かなえはジャンプでアニマルドームへ移動する。

「お待たせしました。そういえば、ジジさんの小屋を大きくして、ババさんも入れるようにしておきましたので、気が向いたら利用して見て下さいね」


『まぁーそうなの。ありがとう』と、ババさん。

 でもやっぱり今は温泉に行きたいようなので、

「それじゃー行ってらっしゃい」とジジさんとババさんが山の温泉に向かって行くのを見送る。


「シロン、他のみんなはどうしてる?」

「キングスはクイーンと一緒に牧草を食んでいます。ルークスとモモちゃんは水路を泳いでいます。そして、マリーは子猫達に添い寝をしています」


 いつもこの時間はだいだい一緒だな。

 キングスはクイーンと行動しているみたいだけど、どうなったかな?

 まー、クイーンが嫌がっていないようだったら、暫らく見守ろう。


 かなえはジャンプで牧場の牛舎に移動すると、順番にウオッシュできれいにして行く。一瞬で窓の曇りや、部屋の空気もきれいになる。敷き詰めている藁もふんわりとさせ、水や餌を入れ替えると、牛舎の掃除はお終いだ。


 最近慣れて来たからか、ウオッシュのクオリティーが上がったような気がするな。


 牧場に出て行き、インビジブルにして気になった所にウオッシュを掛けて行く。

 植えた牧草が元気に育っていて、牛達も嬉しそうだ。

 これでいいな。


 かなえはアニマルドームに戻る前に、気になっていたのでオアシスインに行く事にする。

 入口の横へジャンプすると、中に入って行く。

 ルルちゃんがカウンターにいたので、


「ルルちゃん、久しぶりー! 元気にしてた?」と挨拶する。

 今日のルルちゃんの服装は、ピンクの光沢のあるワンピースに白いレースのエプロンをして、髪には赤いリボンをしている。

 今日もとっても、可愛いらしい。


「はい、かなえさん、お久しぶりです」

「ルルちゃん、パーティーには参加出来そう?」

「はい、あさってですね。参加します!」

 ルルちゃんは、年相応の笑顔を見せてくれる。


「そう、良かった。カーラさんの具合はどう?」

 かなえは妊娠しているカーラさんの様子が気になったので、オアシスインに来たのだ。

 ルルちゃんが言うには、カーラさんは手伝いの人が来ているのに、なかなか仕事を休みたがらないので、家族で心配しているそうだ。


 最近やっとウエイトレス業は休み、帳簿を付けたり仕込みを手伝ったりと、裏方に徹しているようなので、かなえはカーラさんに会えないか聞いて見る。


「ちょっとお待ちくださいね」

 ルルちゃんが奥に入って行き、暫らくしてカーラさんが出て来た。

「やぁー、かなえ。元気にしてたかい?」

 カーラさんはいつもの様に元気そうだ。お腹はまだ見た目では大きくない。


「カーラさん、おめでただそうですね。おめでとうございます」

「ああ、聞いたんだ。そうだよ。でも周りが休めってうるさくってね。あたしは、全然元気なのに」

 

 カーラさんは、ルルちゃんを産むときに、つわりが酷かったので、旦那さんは早めに休んで欲しいらしい。


「シロン、お願い」

 ポーチを開けると、ピンクの小さい飴が沢山入っていた。

 注意書きには「妊娠初期から中期の母子共に健康を保つ飴」と、表示されている。


 かなえはカーラさんにその飴を渡す。

「あーこの飴、あんたが前にもくれただろう。ちょっと、むかむかしたときにこれを舐めると、すぐに治まって助かったよ」


「そうですか、じゃーこれも効くと思いますよ。何か体調がすぐれない時は舐めてみて下さいね」

「ありがとう。恩に着るよ」

 カーラさんはさっぱりとした笑顔を見せてくれる。


「それからパーティーなんですけど、ルルちゃんが来てくれるって聞いたんですけど」

「ああ、ルルが楽しみにしていてな。シモンズさんが一緒に連れて行ってくれるそうだから頼んだんだ」


「そうですか。私も気を付けておきますから、大丈夫です。他に女の子が3人居ますからルルちゃんも楽しめると思いますよ」

「そうか、それは良かったよ」

 話が終わったので、カーラさんに挨拶をすると、オアシスインを後にする。


 カーラさん、元気そうで良かった。

 またその内様子を見に来よう。


 次に気になっていたのは、不動産ギルドのパティさんだ。あの人にはパーティーの招待状を預けたからどうなったか聞いておかないと。

 

 かなえはジャンプで移動すると、不動産ギルドに入って行く。

 おー、パティさんは派手な赤いドレスを着ているのですぐにわかる。


「あらー、かなえ! 待っていたのよー」

 ギルドに入って来たかなえを見つけたパティさんが、大きな声を上げる。

「パティさんお久しぶりです。お元気ですか?」

 凄く元気そうだけど……。


「ええ、私はいい感じよ。それよりパーティーはあさってじゃない! かなえに伝えたかったのは、人数がチョッと増える事よ」

「えっ? 増えるってどれくらい?」

「えーと……5人ぐらいかしら」


「そうですか……」

 5人ぐらいなら増えてもなんとかなるか。ちょっと狭くなりそうだけど、その時は奥の部屋も使ってもらえばいいかな。


「わかりました。それくらいなら何とかなりそうです」

「そう、良かったわ」

 

 かなえはアニマルドームのフルーツ盛り合わせを渡すと、

「あら―ありがとう。この前のもとっても美味しかったわー」と喜んでくれる。

 かなえは挨拶をして不動産ギルドから出て来る。


 良かったー。パティさんに聞いておいて。

 5人も来るならコップやお皿などもう少し多めに準備しておかなきゃな。

 食べ物や飲み物は、多めに注文してあるから大丈夫だろう……。


 次はパーティー用の飾りつけを幾つか見に行こう。

 かなえは前に見つけておいた、まかない亭の並びの路地の店に向かう。


「ここだー」

 お店の名前は「クラフトショップ」

 いろいろ、手作りしたい人向けの材料や、パーティーグッズも揃う。

 

 お店の中に入ると、様々な材料が売られていた。かなえの目を引いたのは、扉に付けられる、ウェルカムサイン。それと様々な電飾。

 クリスマスツリーのように、扉の両脇に置いてある植木に飾ろう!

 

 かなえは夢中になってしまい、買い物カゴがいっぱいになる。

 あー、重い。これ以上買ったら買い過ぎね。

 かなえは支払いを済ませてお店を出る。


 さー、これでいいかな。かなえは買い物袋をポーチにしまう。

「シロン、ジョーさんの体調はどう?」

「健康ですがパワーが落ちています。おそらく栄養が足りていないのでしょう」

「えー! またちゃんと食事していないのかな?」


 かなえはすぐ側のまかない亭に行くと、まだ11時ぐらいなので並んでいる人はいない。なのでジョーさんのランチと、かなえのランチをテイクアウトで注文し別々の袋に入れてもらう。

 自分の分はポーチにしまい、ジョーさんのランチを持ってお店の横へジャンプで移動し中に入って行く。


「ジョーさん、居ますかー?」

「おー、ちょっと待っててくれー」

 奥で家具を作る音が響いている。今、手が離せないのだろう。


「かなえでーす。ランチの差し入れに来ただけですから。ここへ置いておきます」

「おお、済まないなー」


 本当に忙しいらしい。

 かなえは最後に「パーティー明後日ですよ。来てくださいねー」と念を押すと外に出る。


 まだお昼には少し早いが、切りがいいのでアニマルドームの砂浜に戻ると、ランチを食べることにする。


 かなえは先ほど買ったばかりの、まかない亭のランチを出すと食べ始める。

天丼と中華丼が半分づつ乗っていてボリュームたっぷりだ。

 人が並ぶ人気店だけあって、とっても美味しい。


 ジョーさんも同じランチだが、温かいうちに食べてくれればいいんだけど……。


 あーお腹いっぱい。

 かなえは頑張って食べたが、まだ4割は残っている。前にお店で食べたときは半分でお腹いっぱいだったのだから、1人前を完食するのは無理がある。かなえはそのまま蓋を閉じて、また夜にでも食べることにする。


 また眠くなって来るが、一つやってみたいことがあったので、先に皆の小屋を掃除に行く。順番にウオッシュを掛け、最後に子猫達の小屋に行くと、子猫達は寝ているようで、マリーは居なかった。


 かなえは子猫達の小屋の掃除と餌の補充を済ませると、ケージに子猫達を移し動物ギルドに向かう。

 まだ時間が早いので、リリララ姉妹はまだ暫らく来ないだろう。


 先ほど買って来た飾りの中から、外の扉の植木用に買った電飾を取り出し、取り付けて行く。

 この電飾は透明な丸いガラスのライトで小さな白いリボンが取り付けてある。


 そのライトが紐に等間隔で付いているので、もともとある植木の装飾を隠さない様に、グルグルと電飾を巻いて行く。


 両脇の植木を飾り終わると、電源を付けてみる。

 うーん……。まだ明るいから感じが分からないな。

 かなえは、また夜にでも試してみることにする。


 動物ギルドの中に戻ると、ちょうどリリララ姉妹が下から登って来る。

「かなえさん、外で何かしていたんですか?」とリリちゃんに聞かれる。

「うん、外の植木にパーティー用のライトを付けていたんだー」


「えー、見せて下さい」と、リリちゃんとララちゃんが扉の外へ出て行き植木を眺める。

「……」感想は無いみたいだ。

「それは、暗いところで電気を付けてみないと、わからないんだ」


「そうなんですか……」リリララ姉妹が扉を閉めて中に入って来る。

「夕方、暗くなってきたら、点けて見てね」


 かなえは後をリリララ姉妹に任せ、部屋からアニマルドームの砂浜へ戻って来る。



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