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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
62/229

062 ルークスとモモちゃんのおでかけ 

 かなえは、子猫達をリリララ姉妹に任せると、アニマルドームの砂浜に戻って来る。

 椅子に坐ると、3日後に控えたパーティーの段取りを考えることにする。


 前の日の金曜には、家具を動かしパーティー用に並べ替えよう。隅に、パーティーに来る人達の為の、ジャケットや荷物置き場も作った方がいいな……。

 基本、立食にするつもりだが、年配の人もいるので、2階やリリララ姉妹の椅子も借りて、端に並べよう。

 使用する食器や飲み物もまとめておこう。


 かなえは、考えているうちに眠くなったので、

「シロン、30分経ったら起こして」と、砂浜に横になる。

 湖の波の音が耳に心地良い……。


「かなえ、起きてください」

「……」

「かなえ、起きて下さい。ルークスとモモちゃんが外へ出て行きます」

「は? 今なんて」

「ルークスとモモちゃんが、アニマルドームから出て行きました」


「えー!? 大変! 現在地を教えて」

 かなえは驚いて飛び起きると、

「南門から南の方向へ、向かっています」

 かなえは急いで、スクータを取り出しジャンプでルークス達の所へ移動する。


 

 あー! いたいた。ルークスは軽快に走りながら、モモちゃんはその横を飛びながら、普通に道を進んで行く。


「ちょっと、あなた達どこへ行こうとしているの?」

『あー! カナカナー』とールークス。

『カナカナだー』と、モモちゃん。

 全く悪びれた感じは無い。


「ドームから出たら、ダメでしょ! 誰かに見られたら大変よ!」

『そうなの?』とルークス。

『何でダメなの?』と、モモちゃん。

 そうか、ちゃんと説明はしていなかったかな。何て言おう……。


「あなた達は、ここには居ない動物だから、いきなり姿を見せると人が驚くの。私がちゃんと説明していなかったのが悪かったね」

『ふーん』と、ルークス。

 モモちゃんはあんまり、気にしていない感じ。


「それで、あなた達はどこへ行こうとしてたの?」

『モモちゃんが、外もいっぱい建物があるって言ったから、ぼく見たかったんだ』と、ルークス。

 うーん、どうしよう。もうアニマルドームだけでは物足りなくなったのかな。


「シロン、何かいい方法は無い?」

「それでは、ルークスとモモちゃんを、人から見えない様にしたらどうでしょう」

「えっ? 人からだけ見えない様にも出来るの?」

「はい、出来ます。人から見えなければ問題無いでしょう」

 それはそうね。


「シロン、お願い」

「はい、もう大丈夫です。かなえには見えるようにしてあります」

 そうね。私も見えないと大変だもの。

 かなえが何やらやっているので、飽きてしまったモモちゃんは、スーっと飛び始め、ルークスが『待ってー』と、後を追う。


 何か心配だなー。

「シロン、ルークスも空から景色を見せる事は出来るのかな?」

「はい、乗り物はスクーターの他にも色々用意してあります。ルークスやモモちゃんを乗せるのでしたら、カーペット『小』がいいでしょう」


「は? カーペットって乗り物じゃ無いでしょ?」

「出しますので、見て下さい」

 目の前に「パッ」と、ダブルベット位の大きさの水色のカーッペットが現れ、角に1つ座椅子の様なものとハンドルが付いている。


 うーん、もしかしなくても、これにルークス達を乗せて私が運転するのよね……。


「シロン、運転は難しくないの? それにルークスが動いたら危なくない?」

「運転は、スクーターと同じですし、シールドを掛ければ危険はありません」

 そうか……。それなら大丈夫かな。


 かなえはスクーターをしまい、カーペットの操縦席と言うには簡単な椅子に腰かけると、やはり人には見えない様にシロンに設定してもらう。

 かなえはスクーターと同じように、上昇し前に進み始める。

 大きいからぶつからない様にしないとな……。



 しばらく進むと、ルークス達が見えて来る。かなえは少し前まで進み、カーペットを着地させる。

 それを見て、近寄って来るルークス達。

『カナカナ、なにこれー!』とルークスが驚く。

『あー!』とカーペットの上を飛びながら見ているモモちゃん。


「うーんと、これに乗れば空からドームの様子が見られるよ」

『ヤッター! ぼくも空を飛べるのー?』と、ルークスが言うと、

『ヤッター!』と、モモちゃんも一緒に喜んでいる。


「そうだよ。みんな、カーペットに乗ったらおとなしくしててね」

『いいよー』と、ルークス。

『ハーイ』と、返事だけはいいモモちゃん。


 ルークス達がカーペットの上に乗ったのを確認すると、シールドを掛け、温度を調節する。そして、カーペットを上昇させ、前に進み始める。



『飛んでるよー!』ルークスは身体を乗り出して下の景色を見ている。

「シロン、カーペットの一部を窓にして、下を覗けるように出来る?」

「それでしたら、カーペットを透過するのが良いでしょう」

 なるほど、カーペットを透明にすれば下が見えやすいね。

 かなえはシロンに言われたように、透過させて行くとカーぺットがドンドン薄くなり、消えた。


『ヤッター、良く見えるよー』と、ルークスは喜んでいるが、かなえは地面が丸見えで体を支える物が見えないので、不安定な感じでちょっと怖い。


 モモちゃんは、カーペットが見えなくなると体を浮かせてルークスの様子を見ている。

 

 操縦に少し慣れて来たので、スピードを上げて、中心のドームシティーへ向かう。

 途中、幾つも建物や、草原、畑、川や湖を越え、だんだん人が増えて来るのが見える。


 始めて見る景色に、ルークスは目を大きくして眺めている。

 モモちゃんは、前にも見ているので、ルークスを見ている方が面白い様だ。

 


「そろそろ、ジジさんが住んでいる農場だよ」

 かなえはミルクドームまで来て、牧場が見えてくるとルークスに説明する。

 中にはかなえ達に気が付いて、上を見上げている牛もいる。


『へー、ジジはここに住んでるんだー』

 ルークスには面白いようで、牛や、建物の様子を眺めている。


 ミルクドームを離れてドンドン中心に進んで行く。すると馬車を引いている馬達が、立ち止まりかなえ達を見上げ、突然止まった馬に、原因が分からず御者が困っている。


 そうか、町中は他の動物達からも見えない様にしないと、迷惑が掛かるな……。

 かなえは他の動物からも見えない様にインビジブルしておく。


 

 そのままカーペットを進ませて、中心のドームシティーに入って行く。

「ここは、私が住んでいるところだよ」

 かなえはルークスに説明する。


『馬がいっぱい! 人がいっぱい! 建物いっぱい!』と、興奮したルークスの声が、大きく響く。

 かなえも、初めてこのドームシティーを見たときは驚いたのを思い出す。他の世界から来たルークスは、もっと驚いただろう。


 オクタゴンのセンターパークが見えて来たので、かなえはカーペットの高度を下げて行き、地面に着地する。



「ここの公園の中なら遊んで来ていいよ。他の人や動物にぶつからない様に気を付けてね」

 かなえはシールドを解除し、他の動物達にルークスとモモちゃんの姿が見えるようにすると、


『うん、わかったー』と嬉しそうに駆け出して行くルークスと、

『ハーイ!』と、後に着いてフワフワと飛んで行くモモちゃん。


 ルークス達はどんどん駆けて行き、木にとまっている鳥たちに話しかけたり、人が連れている犬に近寄ったりと、目が離せない。

 でも今の所、迷惑をかけて居ないようなので、大丈夫だろう。

 かなえは近くのベンチに座る。


 

 そこへ……、

「ディンドーン、ディンドーン、ディンドーン」

 ベルハウスの時を知らせる鐘の音が、響き出す。


 いつ聞いても心が和む音色だ。

 フフッ、ルークス達は初めて聞く鐘の音に驚いて、飛び跳ねている。


 暫らく遠目に、様子を見ていたが、

 そろそろ帰る時間だな……。


 かなえはルークス達の側にジャンプで移動すると、

「はーい、そろそろ帰ろうね。みんなが心配するよ」と言うと、


『ねーあの音なに? きれいな音』とルークス。

「えっ? あー、鐘の音の事? あれは時間を知らせる音なの。朝から夜まで1日に6回鳴るのよ」

『ふーん』

 ルークスは返事をしたけどわかったかな?


 かなえはカーペットを取り出し、

「ハーイ、乗って下さーい。出発しますよー」と、ルークス達を乗るように促す。

 モモちゃんは、ルークスの後にピッタリくっ付きながら浮いている。

 かなえはシールドを掛け温度調節をすると、

「それじゃー、出発しまーす」と、カーペットを、動かして行く。



 カーペットを再び透過させ町の様子が見やすく、ぶつからない程度に低空飛行を続ける。

『うゎー、食べ物がいっぱーい』と、ルークスは市場のフルーツ屋さんを眺めている。

 モモちゃんもルークスが驚く度に、真似をして『うゎー』と、声を上げている。


 ドームの端まで来ると、キングス達が住んでいた放牧地が見えて来る。

「ここにキングスとクイーンが住んでいたんだよ」と速度を落として説明すると、

『へー、パパ、ここにいたんだー』と、ルークスが興味深そうに放牧地の馬達を眺めている。


 

 そろそろいいな。

 かなえはカーペットの高度を上げて行き、ドームシティー全体が見える所まで登ると、

『わー、まる―い!』と、下に見える丸い形のドームシティーを見て驚いている。

 隣のモモちゃんも『まるーい』とルークスのまねをしている。


 かなえはもっと、高度を上げて行き、周辺のドームが全て見える所まで何キロも上昇すると、

『わー! ドンドン小さくなる……まるがいっぱーい!』

 ドームシティーを取り囲む、大小様々な49個のドームを見て興奮するルークス。


「ルークス達の住むアニマルドームはどこにあるかわかる?」

『うーん』ルークスが悩んでいると、

『モモちゃんわかるよー』と、勢いよく飛び出そうとしたモモちゃんは『ゴン』と、シールドにぶつかり跳ね返って来る。

 

「モモちゃん、急に出たら危ないって言ったでしょ?」

『ハーイ』と、返事だけは良いモモちゃん。

「シロン、ここでシールドを解いても大丈夫?」


「まず、カーペットを停止させて、モモちゃんが出たらすぐシールドを戻してください。この辺りは酸素も薄く気温も低いので気を付けて下さい」

「うん、わかった」


「モモちゃん、外は寒いから気を付けてね。いいよって言ってから外に出て」

『うん』

 かなえは、シールドを解くと、一気に冷気が流れ込む。


「いいよー!」

 モモちゃんが飛んで行ったので、もう一度シールドを掛けて温度調節をする。

「ああー、寒かったー」

 室内が暖かくなって来てホッとする。


 ルークスはそれより、ドンドン遠ざかって行くモモちゃんが気になるようだ。

『あー! モモちゃんが行っちゃう』と寂しそうな声を出すルークス。



「わかった。今、追いかけるから」

かなえはモモちゃんの後を追いスピードを上げて行くと、前方を飛んでいるモモちゃんが見えて来た。



『あー! モモちゃーん』ルークスはモモちゃんが飛んでいる後姿を見つけて、声を上げる。

「モモちゃんを追いかけるよー!」

 かなえはカーペットのスピードを上げて行き、モモちゃんを追いかけるがなかなか追い付けない。


 ちょっと、モモちゃん前より早くなってない……?

 モモちゃんは飛行機みたいに高速で飛んでいる。

 かなえは、ジャンプでモモちゃんの横に来ると、気が付いたモモちゃんが速度を緩める。



『モモちゃーん! 早いねー!』ルークスは隣を飛んでいるモモちゃんに話しかける。

『うん、モモちゃん早く飛べるよー』調子に乗ったのか、モモちゃんはグルグル回ったり上に行ったり落ちて来たりと、曲芸の様な飛行を始める。


『ワァー! モモちゃん、凄ーい!』

 ルークスはモモちゃんが飛んでいるのを喜んで見ている。

 確かに、モモちゃんは飛ぶ能力が飛躍的に伸びている。

 かなえが気が付かないうちにメキメキと上達したようだ。



いつまでもここには居られないので、

「そろそろ、帰るよー」と、かなえがモモちゃんに向かって声を掛けると、

『いいよー、行こ―』と、モモちゃんはアニマルドームに向かってまた高速飛行を始める。


『あー! モモちゃーん』とまた、悲しそうな声を出すルークス。

 かなえは面倒なのでモモちゃんの飛ぶ少し先にジャンプすると、凄い速さでモモちゃんに追い越される。


 そんなことを繰り返しながら暫らくすると、見慣れた山が見えて来る。

『アーッ! 山だ―』

 ルークスもアニマルドームが見えたようで声を上げる。


「ルークス、どこに降りる?」

『ぼくねーモモちゃんの居る、山の上がいい』

 へっ? モモちゃん山の上に降りたんだ。良く見えるね。あー、ルークスだって驚異的な身体能力だから視力もいいんだろうな……」


「うん分かった」

 かなえはカーペットを山まで近づけて行き、頂上まで行くと地面に着地させる。

 シールドを解いて、

「ルークス、もう降りていいよー」とかなえが言うと、ルークスは水を飲んでいるモモちゃんの側に近づいて行く。


 かなえはカーペットをしまうと、

 あー、終わったー。と一息つく。前もそうだったが、空の高速での移動は緊張するようで、地上に降りて来るとどっと体がだるくなる。

 ルークス達はもういつもの調子で、山を駆け下りて行く。


 

 もうそろそろ時間なので、かなえはジャンプで子猫達を迎えに行く。

 動物ギルドに入って行くと子猫達は遊び疲れたのか、良く眠っている。

「ご苦労様―。はいこれー」

 かなえは食事を渡し、アンディーに言われていたことをリリララ姉妹に伝える事にした。


「アンディーが言ってたけどあなた達二人とも、乗馬の素質があるみたいよ。だから気が向いたらまた行って見たら?」

「はい、わたしもまた行きたいと思っていました」と、リリちゃん。


「ララも、馬乗りたーい」とララちゃん。

「そう、良かった。今度のパーティーにアンディーも来る予定だから、何か聞きたいことがあれば話してみてね」

「ハーイ」とララちゃんが元気に返事をする。


 かなえは子猫達をそっと、ケージに入れて部屋から、アニマルドームの小屋へ戻って来る。


 もう一度、ケージを開けて子猫達を寝かせる。

 餌を確認し、軽く周りにウオッシュを掛ければお終いだ。

 

 次に3合目の温泉は……、

 いたいた。キングス達と、ジジ達カップルが良く寝ている。

 みんな温泉を気に入ってくれるのは嬉しいけど、運動不足にならないかな。

 何か考えた方がいいかも。


 かなえはジジたちを先に牧場に送り、キングスとクイーンも別々の小屋へ移動させる。

 マリーは上かな?

 かなえは5合目に移動すると……みつけたー。

 マリーが休憩場でグッスリ寝ている。

 かなえはジャンプで小屋まで移動させ、子猫達の隣にマリーを寝かせる。


 

 見上げると、リトくん達が木の枝から舞い降りて来て、かなえの肩にとまる。

「リトくん、ピーちゃん、お待たせ―。今日は楽しかった?」

『うん、いっぱい食べたー』と、リトくん。

『あたしも食べたよー』と、ピーちゃん。

「そう、良かったね」


 かねはリトくん達を連れて、ジャンプで部屋に戻って来るとサーッと窓から飛び立って行くリトくんとピーちゃん。

 

 

 終わったー!

 これで今日のやることは済んだのよね。

 

 かなえは食事を済ますと、いつもの温泉泡風呂をシロンにセットしてもらい、ゆっくりお湯を楽しむ。

「あー、極楽極楽」

 昔、テレビで、年配の人がお風呂に入る時に行っていたっけ。

 体の疲れが溶けて行く。


 また寝そうになったので、かなえはお風呂から出ると、ウオッシュで乾かしパジャマを着てベットに入る。

 

 フフッ……。 かなえは今日一日の事を振り返る。

 毎日何かしら起こって退屈しないなー。特にあの元気なルークスとモモちゃんがいるからな。


 

 まー、楽しいからいいか……。

 かなえはゆっくり目を閉じた。




――――――――――――――――――――


<かなえのIDカード>

 変更のあった場合表示


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 ポイント 

 

 プラス   2000 健康塩飴乳牛用、元気な子牛用飴ミルク味

       2万  ジャグジ― 設置

 マイナス   

        

 残り    207万5100  

 パワー   498


――――――――――――――――

パーティーの準備 合計 24万5000

――――――――――――――――

 立て替え   8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)





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