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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
60/229

060 クイーンと温泉 


「それじゃー、宜しくね」

 かなえは、子猫達をリリララ姉妹に頼むと、2階にあがって来る。

 そろそろ子猫達をここに連れて来るのも難しいかな。

 リリララ姉妹の悲しがる顔が浮かぶ。

 

 動物ギルドが忙しくなれば、子猫の世話どころじゃなくなるだろうけど、まだまだ軌道に乗るのは時間が掛かりそうだし。子猫の代わりになる何かがあれば……。

 

 今は思いつかないからまた考えよう。 



 次はー、クイーンの受け入れ準備をしよう。

 かなえは、モモちゃんの小屋にジャンプで移動する。

「モモちゃんは、いつもここに居ないな」

 いったい何時寝ているんだろう。まぁー元気だから問題は無いんだけど。


「シロン、ルークスとモモちゃんはどうしてる?」

「今は、山の頂上で昼寝をしています」

「ハハッ!」

 そうなんだ。ちゃんと眠い時は休んでいるなら大丈夫ね。

 

 かなえはモモちゃんの小屋の隣に、クイーンの小屋を設置する。

 そして、牧草地のクイーンの所へジャンプして行く。


「クイーン!」

 かなえは、木陰で休んでいるクイーンを見つけて声をかける。

『待ってたのよー! 早くあの温泉に入りたいわ』

 クイーンは嬉しそうにかなえの側にやって来る。

 

 かなえは前にキングスを連れて行くときに面倒だったので、先に鞍をシロンに選んでもらいポーチから出してクイーンに取り付ける。

 わからないところはクイーンに聞いたので、何とか出来た。


「クイーン、他の馬達に挨拶しなくていいの?」

『いいのよ、もう話してあるから』

 そういえば少し、離れた所から何頭かの馬が、クイーンを見守って居る。

「あの馬達には、なんて話したの?」

『キングスに会いに行って来るって言っておいたわ。それで気に入ったらそこで暮らすって話したから』

 

 そうなんだ。馬達の別れって人間よりもサッパリしているんだな。


「それじゃー、アンディーに挨拶してから行くから」

 かなえは、クイーンと一緒に乗馬教室の建物まで移動して、アンディーに借りていたキングスの鞍を扉の前に置いた。


「クイーン、あなたに乗っていい?」

『いいわよ。どうぞ』

 かなえは扉を「カンカン」と鳴らすと、ジャンプでクイーンの鞍に移動する。


『えーっ! あなた急に乗らないでよ!』

 クイーンは、かなえがいきなりジャンプで、背中に移動したので、ビックリしたようだ。

「ごめーん、クイーン。だって私小さいから、まだ普通に乗れないのよー」


 かなえはふと扉を見ると、いつの間にかアンディーがもう出て来ていた。

「あっ、アンディー、もう準備が出来たから、クイーンを連れて行くね」

 

 アンディーは、いつからクイーンとかなえのやり取りを見ていたのか、不思議そうにしている。


「かなえさん、鞍を自分で付けられたんですか。随分と上達したんですね」

「あっ、そうなの。キングスで練習したから出来るようになったのよー」

 と、誤魔化しておく。

「そうですか」

 

 

「それじゃー私達は行くね。どんな様子かまた知らせに来るからー」

 かなえは慣れない仕草で、クイーンに乗って行く。 アンディーが後ろでまだ見ているで、

「クイーン、そのままゆっくり歩いて行ってね」と、言いながら、

  

 後ろを振り向きアンディーも居ないのを確認すると、木の陰に回ってもらい、アニマルドームの砂浜にジャンプする。


 あー怖かった。無事到着だよ。

 まだ乗馬に慣れないかなえは、ジャンプでクイーンから降りる。

「それじゃー、鞍を取り外すね」

 かなえは順番に取り外していく。


『やったわー、あたしここで暮らせるのねー!』

「そうね。クイーンの小屋に案内するからこっちに来て」

 かなえはクイーンを先ほど設置した小屋まで連れて行く。


「ここがクイーンの小屋よ。何か必要な物があったら言ってね」

 クイーンは小屋の中に入って行くと、

『わー、藁がフワフワで気持ちいい!』と、嬉しそうに藁の上で、ゴロゴロし始める。


「クイーン、これからどこに行きたい? 案内するけど」

『そうねー、あたしあの、おいしい草が食べたいわ』

「わかった。じゃー行こう」


 かなえはスクーターを出して、クイーンと一緒に橋を渡って行く。

 牧草地に着くと、クイーンは嬉しそうに草を味わい始める。

『ここの草、どうしてこんなに美味しいのかしら。おいしそうなフルーツも生っているじゃない。嬉しい!』

 

 クイーンはここを気に入ってくれているんだな。その調子でキングスも気に入ってくれればいいんだけど……。


「シロン、キングスはどうしてる?」

「3合目の温泉にいます」

 まぁー、そうだとは思ったけど。


「クイーン、キングスが温泉にいるみたいだけど、クイーンも行く?」

『そうね。温泉にも行きたいわー!』

 クイーンは、もうお腹はいっぱいになったようで、山の方へ軽く走り出す。

 引退したと言っても、クイーンはキングスより若いからか、山へ向かっていく足取りはとても軽やかだ。


「クイーンはまだ若くて元気そうに見えるけど、引退したのよね?」

『ええ、そうよ。あたし、まだ引退する年齢じゃなかったんだけど……事故を見てから馬車を引くのが怖くなったの』

「事故?」


『そうなの。あたし怖くって……』

 クイーンは話したく無さそう。よほど怖い目に遭ったんだろう。


「クイーン。わかった。思い出さなくていいよ。ここの温泉に入って嫌な事は忘れてね」

『ええ、そうね。温泉! 嬉しいわー』

 クイーン。もう立ち直ってる……。


 かなえとクイーンは、山道を登り1合目の温泉へやって来る。

「クイーン、ここのお風呂も入ってね。まず、このトンネルシャワーで体をきれいにしてから入って」

『ええ、わかったわ』

 かなえは温泉の説明をして、クイーンは1番目の湯に入る。


『このお湯、最高ね。体の疲れが取れて行くわ』

「このお湯は疲労回復と神経痛に効果があるのよ。調子が悪い時はこのお湯にゆっくり浸かってね」


 かなえは隣の熱いお湯と、水風呂の説明をすると、

『それより今日は、あの泡風呂に入りたいわ』

「それならまず手前のミルクの湯にも入ってね。あのお湯に入ると毛並みが良くなって行くわよ」


『まー、そうなの? そう言えば久しぶりにキングスを見たら、毛並みの色つやが良くて驚いたのよ……』

「そうね。キングスはここに来た時より、健康になっていると思うよ。そろそろ上に行って見る?」

『ええ、そうね。行きたいわ』


 かなえはクイーンを連れてジャンプで3合目の広場に移動すると、温泉に入って行く。

 おー! 勢ぞろいだ。でもルークス達は居ないか。

 ジジさんと、ババさんが泡風呂に入り、キングスは休憩場で寝ている。そしてマリーはトンネルシャワーに入っている。


「マリー、今日からここで暮らす、クイーンよ。昨日会ったかな?」

「クイーン、マリーよ」

『よろしく』とトンネルシャワーを浴びながら挨拶するマリー。

『ええ、こちらこそ、宜しく』とクイーン。

 後は皆、紹介は済んでいるな。


『あたしは、この白い湯に入るわー』

 クイーンはかなえが話した、毛並みが良くなるお湯に興味があるようだ。


 かなえは奥の泡風呂まで移動して、ババさんに話しかける。

「ババさん、温泉はどうですか?」

『ここは、凄いわねー。私はずっと驚きっぱなしよ!』

 ババさんが興奮気味にかなえに話す。

 そのババさんとは対照的に、ジジさんは静かに泡風呂に浸かっている。


「そうですか。気に入って頂けたら、嬉しいです」

『もちろんよ。こんな良いところを、ジジったら内緒にしてたのね』

 ジジさん、ちょっと困った顔をしているよ。


「それはジジさんのせいでは、ありません。ここはまだ出来たばかりで、どれくらい動物達を、受け入れられるかわからないので、ジジさんには内緒にしてもらうように、頼んでいたんです」

 ジジさんは『そうだそうだ』と、うなずいている。

『あら、そうなの? それなら仕方が無いわね』

 ババさんは納得してくれたようだ。


『わしは、もうあがるよ』と、ジジさんは、泡風呂から出て来ると休憩場のキングスの隣にうつ伏せになった。

「ババさんも、適当な所で休憩してくださいね。泡風呂は刺激が強いので……」

『ええ、そうね。でもこのお湯は心の奥のモヤモヤが溶けて行くような気がするわ』


「はい、この泡風呂は癒し効果があるんですよ。ちなみに隣のミルクの湯は、毛並みが良くなりますよ」

『まぁー、そうなの? ジジったら最近体中、ツヤツヤしていい匂いがすると思ったら、やっぱり温泉の効果だったのね』

 かなえは、ババさんに牧場の牛達には、ドームの事を内緒にしておくように、お願いしておく。


 ババさんの周りのお湯の泡が消えたので、かなえは「そろそろ休憩する時間ですよ」と、ババさんを、休憩場に案内する。ババさんは眠っているジジさんの横にうつ伏せになる。


 暫らくすると、クイーンが泡風呂に入って行く。

『あー、気持ちいいわねー。この泡風呂最高だわー』

 クイーンもこの泡風呂がお気に入りの様だ。

「ちゃんと、お水も飲んで、休憩もしてね」

『ええ、わかったわ』


 かなえはミルクの湯に入っている、マリーの所へ行く。

「マリー、ここも混んで来たから、明日にでも弱めの泡風呂を造るね。マリーはどんな効果があったら嬉しい?」

『そうねー、やっぱり疲労回復が良いかも』

「そう、わかった」


 かなえは3合目の温泉にウオッシュを掛けると、温泉から出て行く。

「あー! リトくん達の事を忘れていた! シロン、リトくん達はどうしてる?」

「ドームシティーのセンターパークの木に居ます」


 もうすぐ夕方だが、一応どうするか聞いて見よう。

 かなえはリトくん達の居る公園へジャンプする。

 かなえは木の枝にとまっている、リトくん達に声かける。


「リトくーん、ピーちゃーん!」

 リトくん達はすぐかなえの声に気が付いて、舞い降りて来るとかなえの肩にとまる。

『カナカナー!』リトくんがかなえの名を呼ぶ。

「遅くなったけどー、山に行くなら連れて行くよ。どうする?」


『ピーちゃんどうする?』リトくんはピーちゃんに尋ねる。

『あたし、ごほうびパンがイイ!』とピーちゃん。

『いいよー。カナカナ、ごほうびパンちょーだい!』とリトくん。

 かなえはリトくんのパンを取り出すと、ピーちゃんに見せて、


「どれがいい? 好きなのを選んで?」と、聞くと、

『うんとねー、赤い実パンがイイ』と、ピーちゃん。

 ピーちゃんこのパン好きだなー。かなえはそのパンをちぎるとピーちゃんに渡す。


「リトくんは、いいの?」

『ぼくねー。ピーちゃんと一緒に食べるからいいの』とリトくん。

「わかった。それじゃー、また明日ね」


 かなえはジャンプで自分の部屋に戻ると、子猫達を迎えに行く。


 今日も子猫達は動物ギルドの部屋中を走り回っている。

「わー、みんな元気ね!」

「あっ、かなえさん。はいっ。元気いっぱいで捕まえられません!」と、子猫達の後を追うリリちゃん。


「こらー! 待てー」と追いかけるララちゃん。

 子猫達は鬼ごっこでもしている気分なのだろう。逃げるのが楽しくて仕方が無い様だ。


 かなえは、ケージを取り出すと、

「みんなー、帰るよー」と声を掛ける。

 すると、ケージに我先にと、入って行く子猫達。

 

 かなえはケージの扉を閉める前に、

「はい、あなた達、世話をしてくれたリリちゃん、ララちゃんにありがとうは?」

 と言うと、

『ありがとーリリ』『またねーララ』『またあそぼーね』と、一斉に鳴き始める。 


リリララ姉妹は、子猫達の言葉は理解できないが、一斉に鳴きだした姿が可愛らしく、嬉しかったようだ。

「みんな、また明日ねー」とリリちゃん。

「また、あそぼ―ねー」とララちゃん。

 

 言葉はお互いにわからなくても心が通じ合っていっるんだな。

 かなえは、2階に戻るとアニマルドームの子猫達の小屋へ、戻って来る。


「はい、出ていいよー」

 かなえはケージの扉を開けて、子猫達を庭に放つ。

『わーっ!』『あーっ』『えーい』

 子猫達は、庭に戻って来れたのが嬉しいようで、一斉に出て来ると走ったり、ジャンプしたり、ボールにじゃれたりと忙しい。


「もう少ししたら、マリーも戻って来ると思うから、遊んででねー」

『うん』『いいよー』『はーい』

 子猫達はもう遊ぶのに夢中だ。


 かなえは3合目の温泉へジャンプして行くと、皆良く眠っている。

 まず、ジジさんとババさんね。かなえは2頭を牧場へ連れて行く。

 次は―、キングス。その次はクイーン。そして最後にマリーを小屋へ移動させる。


「シロン、ルークスと、モモちゃんはどうしてる?」

「今は、湖から水路に向かって川を泳いでいます」

「体の調子はどう?」

「2頭とも、何も問題はありませんね。毎日鍛えているので、パワーが増えています」

 へー、ルークス達は、本当に凄いな!


 かなえは一通り終わったので、自分の部屋に戻って来る。


 ゆっくり夕食を食べ、寝る支度をしてベットに入る。


 今日はババさんと、クイーンもこのアニマルドームの仲間になったのよね。

 皆、大人だし仲良くやって行けるだろう……。


 また明日も良い1日でありますように……。

 かなえは目を閉じて眠りに着いた。


 

――――――――――――――――――――

<かなえのIDカード>

 変更のあった場合表示


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 ポイント 

 

 プラス   1000 ジジの健康塩飴

       1000 ババの免疫強化塩飴

 マイナス   

        

 残り    205万3100  

 パワー   498


――――――――――――

 ネームプレート 50枚  5000    

 パーティーの準備 合計 24万5000


――――――――――――――――

 立て替え   8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)






 


 

  

 



 

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