058 キングスとクイーン
次はー、ルークスとモモちゃんの様子を見に行こう。
「シロン、ルークスとモモちゃんはどうしてる?」
「水路を一緒に泳いでいます」
そうなんだー。かなえはスクーターを出して水路までジャンプする。
「ルークス、モモちゃん、仲良くしてるのー?」
『あーカナカナ! うん、ぼく仲良くしてるよー』
『モモちゃんも、仲良くしてるよー』
フフッ……モモちゃんは水面ぎりぎりを浮きながら足を動かしている。自分では泳いでいるつもりだけど、浮いちゃっているみたい。
「モモちゃんは、私と一緒に帰る? それとも島の小屋で寝るの?」
『モモちゃん、ルークと一緒にいるー!』
「そう、わかった。ルークス、モモちゃんの事お願いね」
『うん、いいよー!』とルークス。
モモちゃんと一緒に泳げるのが嬉しそう。
モモちゃんを部屋に連れて行って、またルークスの所へ飛んで行こうとされても大変だからなぁー。ここに居れば大丈夫だろう……。
かなえは次に3合目の温泉へジャンプして行く。
「あら?」
もうマリーは居なかった。
かなえはマリー達の小屋へ移動すると、子猫達を見守って居るマリーを見つけた。
「マリー、今、温泉に迎えに行ったのよ」
『そう。起きたらもうキングス達が居なかったから、走って来たの』
かなえはマリーに、動物ギルドの部屋で子猫達が走り回っていた事を話す。
『そう。あそこでは走るのは狭いかもねー。寝るだけならいいけど』
「うん、動物ギルドに連れて行けるのはあと少しかも」
『いいわよー、子猫達も手が掛からなくなって来たし』
「そうね。リリララ姉妹にも聞いて見るね」
だんだん空が夕日でオレンジ色になって来た。
かなえは帰ろうとしたら、キングスが丁度起きて小屋から出て来る。
「キングス、おはよう」
『ははっ、わしは今までこんなに寝たりしていなかったんだが、あの温泉に入ると眠くなってな』
「うん、それで健康ならいいじゃない」
『ああそうだな』
「そう言えば……」
かなえはキングスに、クイーンに会って来たこと。『ここに来てみたい』と言っていた事を話すと、
『おお、そうか。それは良いな。今から連れて来てくれ!』とキングスは鼻息も荒く積極的だ。
「えっ!? 今から……うーん」
確かに、今ならアンディーはもう家に帰る頃だろうから、クイーンは連れ出し易いけど……。
「うん、わかった。クイーンに聞いて『行きたい』って言ったら、連れて来るね」
『おお。そうか、頼む!』
「でもキングス。クイーンはキングスの事どう思っているかわからないから、しつこくしたらダメだよ」
『へ? そうか? クイーンはわしに気があると思っていたが……』
「私には良くわからないど、とにかくクイーンが嫌がることはしないでね!」
『ああ……わかった』
かなえはジャンプで放牧地のクイーンの所に移動する。
クイーンは……いたいた。白いから夕方でも目立つな。かなえは水を飲んでいるクイーンに近づいて行く。
「クイーン、また来ちゃった」
『あら、どうしたの?』と、かなえを見て驚くクイーン。
「あのー、今からキングスの所へ行くのはどうかな?」
『えっ、今から? ……いいけどー。あたし、あんまり夜は走りたくないわー』
「大丈夫よ。移動は一瞬だから走らなくてもいいのよ」
『えっ?』
クイーンはかなえが言っている意味が分からなくて、不思議そうにしている。
「説明は難しいから、このまま移動しまーす」
かなえはクイーンを連れて、まず島の砂浜へジャンプする。
夕日でオレンジ色に染まっている湖が目前に広がる。
『えー!? ここはどこなのー!』
クイーンは周りをキョロキョロと見渡しながら、驚いている。
「ここは、アニマルドームの島なの。クイーンのいたドームシティーから馬の足で5時間は離れているのよ」
『そんなに離れているの? でも急にここに着いたのは……』
「私はジャンプと言う、瞬間で移動できる機能が使えるの。驚いたと思うけど、すぐに慣れるよ」
『ここにキングスも居るの?』
「ええ、キングスや他の動物達もいるわよ。キングスの所へ行く?」
『ええ、そうね。連れて行って』
クイーンは知らない場所にいきなり来て緊張しているから、キングスに会わせた方が落ち着くだろう。
「シロン、キングスはどこ?」
「橋を渡った牧草地で食事中です」
そうか、キングスは温泉で寝ていて、食べていなかったから、おなかが空いたのね。
「クイーン、それじゃーキングスの所へ移動しまーす」
かなえは不安そうな顔をした、クイーンを連れてキングスの所へジャンプして行く。
『おおー、クイーンじゃないか。元気だったか?』
『ええ、キングス。それより急にここへ着いたのよ! あたし驚いちゃった』
『そうだな。わしも初めの頃は驚いていたよ。ハッハッハッ……』
キングスはやけに機嫌がいい。
「キングス、わたしは暫らく島の砂浜に居るから。クイーン、あとで迎えに来るから、キングスから話を聞いて見てね」
『ああ、わかった』とキングス。
『そうね、そうするわ』とクイーン。
クイーンは、キングスの顔を見てちょっと安心したみたい。
かなえは砂浜へジャンプで移動して来ると、ここで夕食を食べることにする。
あー、お腹が空いたー。かなえはジャングルフードのサマーセットに飲み物はパッションスカッシュ。デザートはマンゴパフェにした。
サマーセットはバナナの皮に包まれていて、カレーピラフにナッツやフルーツ、野菜が入っていて、グリーンサラダも付いている。スープは春雨とマッシュルームのクリームスープだ。
「あー幸せ!」
夕日からだんだん紫色になって行く空を見ながら、心とお腹が満たされていく。
「あー、眠いー」
お腹がいっぱいになってもう、眠くて仕方が無い。
「シロン、私ちょっと寝るから、クイーンが困っていそうだったら起こしてね」
「はい、分かりました」
「かなえ、起きてください」
「え? ……もう朝?」
かなえは何時もの調子で目を覚ますと、
「まだ暗いじゃない……あら、そうか砂浜で寝てたんだった」
かなえは食事をした後に、そのまま寝てしまったんだ。辺りは夕日が沈んで夜になっている。
かなえが設置した外灯が砂浜や橋、それに向こう岸を照らしている。
「シロン、今何時?」
「20時30分です」
「えー、もうそんな時間!」
シロンに起こされなかったら、朝まで確実に寝ていただろう。
「シロン、クイーンはどうしてる?」
「今、3合目の温泉に居ます」
えー!? キングス、クイーンを温泉に連れて行ったんだ。
かなえは急いで温泉へジャンプして行くと、
想像したのとちょっと違う状態で……。
クイーンがルークスとモモちゃんに囲まれて、泡風呂に入っていた。
「クイーン、温泉はどう?」
『あら、カナカナね。この子達に聞いたわー』
あら、クイーンも私の事をカナカナって呼ぶのね……。
『ぼくねー、クインすきー、ママみたい!』とルークス。
『うん、ママみたいー』とモモちゃん。
え!? モモちゃんもママみたいに思うんだ。
体が白いからかな……?
クイーンを子供たちに取られたからか、キングスは休憩場でふてくされているように見える。
「クイーン、このアニマルドームを案内してもらったの?」
『ええ、あれからおいしい牧草を食べて、この山へ来たのよ。途中でこの子達に会って一緒に来たのよ。あたし、ここが気に入ったわ。とても気持ちが良いんだもの』
「初めての時は、体に負担がかかるから、そんなに長い時間は入らない様に気を付けてね」
『ええ、気を付けるわ』
ルークスと、モモちゃんはクイーンの周りを『ママ!』『ママ!』と言いながらグルグル回っている。
そう言われて、クイーンは嬉しそうにしている。
『フフッ、まさかあたしが、ママって呼ばれる時が来るとは思わなかったわー』と、クイーン。
「クイーン、ここの事なんだけど、まだ準備している所で、他の動物達にはまだ内緒にしておきたいんだけど……」
『ええ、わかったわ。だってこんなところがあるって知ったら、みんな仕事なんかしないで、ここに来たくなっちゃうわよ』
クイーンはドームシティーの馬車を引く馬達の事を言っているんだろう。
いつかドームシティーで働く馬達の為にも、何か考えよう。
「クイーンはここに住みたい? 他の馬達と離れることになるけど」
『そうね、まだ短い時間しかいないけど、温泉はあるし、こんなに可愛い子達がいるんだもの、あたしはここに住みたいわ』
「そう、わかった。それならアンディーとも話してみるね」
『ええ、宜しく』
クイーンは嬉しそうだ。キングスとはどうなるかわからないけど、子供達には慕われている。
「クイーンそろそろ、ドームシティーに戻らないと」
『え? そうね。わかったわ』
クイーンは名残惜しそうに、湯船から出て来る。
『あなた達と会えて楽しかったわ。ありがとう。キングスもまたね』
『えー、かえるの?』と、ルークス。
『また来てね』と、モモちゃん。
『ああ』とキングス。
かなえはクイーンにウオッシュを掛けて乾かすと、ジャンプで放牧地に戻って来る。
『あーあ、あの場所を知ってしまうと、ここが退屈に思えちゃうわね。カナカナ、私を早く迎えに来てね』
「ええ、アンディーに聞いて見るね」
『何だか、気分が良いわー、体もいい匂いがするし』
「ゆっくり休んでね」
『ええ、そうするわ』
かなえは、ジャンプで自分の部屋に戻って来る。
あー、長い一日だった。
シロン、私に美肌と疲労回復に、癒し効果のある泡風呂をお願い。
「はい、分かりました」
今日は頑張ったし、みんなを見て居たらかなえもゆっくりお湯に浸かりたくなった。
「あー、気持ちいい……」
「かなえ、起きてください」
「は? あー、また湯船で寝てたー」
かなえはお風呂から出て、ウオッシュを掛けて乾かすと、パジャマを着てベットに入る。
やっとベットに入れたー。
おやすみなさーい。
かなえは一気に深い眠りに落ちて行った。
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<かなえのIDカード>
変更のあった場合表示
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ポイント
プラス 1000 ジジの健康塩飴
マイナス 4万5千 食事の調達、6ヶ所。
残り 205万1100
パワー 496
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ネームプレート 50枚 5000
パーティーの準備 合計 24万5000
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立て替え 8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)




