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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
57/229

057 アニマルドームまでの飛行 


 かなえは子猫達を連れて、動物ギルドに向かう。

 子猫達をクッションの上に寝かせると、リリララ姉妹が動物ギルドの部屋へ入って来る。

「昨日はどうだった?」

 かなえはリリララ姉妹に昨日の休みの様子を聞く。


「昨日は、お店をたくさん見てカフェで食事をしました」と、リリちゃん。

「ララねー、ケーキ食べたんだよー」と嬉しそうに話してくれるララちゃん。

「そう、良かったね」


 かなえは今週の土曜日に行う予定のパーティーについて、少し話しておくことにした。

「土曜日のパーティーなんだけど、二人にも手伝って欲しいの。だからその日は13時からでは無くて、パーティーの始まる前の17時に来てくれる?」

 その後も2人にやって欲しいことを幾つか頼んでおく。


「パーティーが始まって、1時間ぐらいは手伝ってもらうけど、他に女の子が2人来る予定だから仲良くお話したり、食事をして楽しんでね」

「はーい!」ララちゃんの大きな返事が部屋に響く。

「あのー、その日は子猫達はどうするんですか?」と、リリちゃん。

「あー、その日は犬のマリーに見ていてもらうから大丈夫よ」


 かなえは話が終わると2階の部屋に戻って来る。

 リリララ姉妹に話していて、閃いたことがあったので久しぶりに印刷職人の……確かジョディ―さん? に、会いに行こう。

「シロン、印刷職人さんはジョディ―さんで合ってる?」

「はい、正解です」


 かなえはジャンプでお店の前に移動する。

「こんにちはー!」

「あら、いらっしゃいませ。あなた、久しぶりじゃない」

「はい、その後、お変わりないですか?」


「何よー、他人行儀ね。パーティー今度の土曜日でしょ? 楽しみだわ」

「はい。お待ちしています。それで今日はまた一つ頼みたいんですが……」

 かなえはジョディ―さんに欲しいもの説明すると、


「あら、それくらいならすぐに出来るわよ」

 と、ジョディ―さんが奥からサンプルの紙を持って来てかなえに見せる。

 かなえは紙とデザインを選んで注文する。

 かなえは暫らく待っていると、


「はい、出来たわよー」とジョディ―さん出来上がったものを持って来てくれる。

「うあー、早いですね。いい感じです」


「それじゃー土曜日、お待ちしています」

 かなえは料金を支払いお店を出る。


 かなえがジョディ―さんに頼んだのは、パーティーで使うネームプレートだ。

 リリララ姉妹に、パーティーの受付を頼むつもりだが、来た人にネームプレートを胸に付けてもらおうと、考えたのだ。ほとんどの人が初対面だろうし、名前や宣伝したい人は肩書なども書けば、話しやすいだろう。


 次は、食事の買い出しも行っておこう。

 かなえは、総菜屋、イタ飯屋、ラウンドカフェ、ジャングルフード、それにモモちゃんとリトくんが好きそうなパンと、リリララ姉妹が好きそうなデザートも買っておく。


 あー、終わったー。

 食べ物を注文しては、袋に詰めるのを繰り返していたので、結構体力を消耗する。


 さー、アニマルドームへ帰ろう……あれ? 私いつの間にかアニマルドームの方が、自分の帰る場所だと思ってたみたい。

 まー、動物ギルドの2階は寝に帰るだけだしね。

 

 かなえは最近、日中の大半をアニマルドームで過ごしている。


 そういえば……リトくん達はどうしてるかな?

「シロン、リトくん達は何処に居るの?」

「今は……ドームシティーから出て、アニマルドームの方角へ飛んでいます」

「えー!? 何を考えてるんだろう!」


 かなえは急いでリトくん達のいる所へジャンプする。

 ドームから出たので、空気がじめっとしていて気温も高めだ。周りは草原みたいだな……あれかな? 小さな点が二つ移動しているのが見える。

 かなり上の方を飛んでいるようで呼んでも聞こえそうに無い。

 かなえは辺りに誰も居ないのを確認してスクーターを取り出すと、ジャンプでリトくん達の所へ移動して行く。


「ちょっと、リトくん、ピーちゃんどーしたの!? こんな遠くまで来て」

『あーカナカナ!』

『カナカナだー』

 リトくんもピーちゃんも急にかなえが空に現れたから驚いたようだ。

 でも嬉しそうに近寄るとかなえの肩に並んでとまる。

 

 かなえはまず、インビジブルで不可視化にしてからシールドでスクーターの周りを囲み、温度と湿度の調整をする。


「それでどうしてここまで来たの?」

『ぼく山にいくのー』とリトくん。

『そう、あたしも山にいきたいの』とピーちゃん。

「だからって、山までは凄く遠いのよ……」

 でも……いつもジャンプで往復していたから、リトくん達もどれくらい離れているか知らなかったんだろうな。


「わかった、それじゃー、このまま飛んでアニマルドームまで行きましょう。リトくんとピーちゃんはそのまま肩の上に居てね」

『いいよー』

『わかったー』


 その方がどれくらい離れているかわかって、もう山まで飛んで行こうとは思わないだろう。

「じゃー行くよー!」

 かなえはスクーターをアニマルドームに向けて走らせて行く。


 すると始めて見るドームが見えて来る。

 ドームシティーはアニマルドームを入れて、49の大小様々なドームで囲まれているが、実際明るいところで見たのは初めてだ。

 かなえは辺りを見学しながら、アニマルドームへ向かう。

 リトくんとピーちゃんも始めて見る景色を楽しんでいるようだ。


「シロン、あとどれぐらいで着きそう?」

「この速度でしたら。1時間半で到着します」

 うーん、それでは着いたらすぐ夕方になってしまう。

 かなえは速度を3倍にしてスクーターを走らせ始めた。


「ちょっと、速度を上げるよー」

 このスクーターは速度を上げても安定していて全く揺れない。

 

 それでもリトくんとピーちゃんは、初めて体験する高速飛行に、

『キャー』『はやい―!』と、ジェットコースターにでも乗っているように騒いでいる。


 30分近く経過するがアニマルドームがあるはずの場所に何も無い。ただ草原が広がっているだけだ。

「シロン、アニマルドームが見当たらないんだけど」 

「今は外からは見えません。アニマルドームの動物達には見え、出入り出来るようにしておきますか?」

「えっ!? そうね、お願い」

 

 すると急に、目の前にアニマルドームの山が現れた。

『わぁー! ついたー』

『やまだよー』

 と、リトくん達も到着したのが分かったようだ。

 かなえはドームの中へ入って行き、シールドを解除して、


「リトくん、ピーちゃん、山に着いたよー」

 すると、2羽は、スーッとかなえの肩から飛び立って行く。




「シロン、そう言えばモモちゃんにはかなり離れている所から、アニマルドームの様子が見えていたみたいだけど……」

「このドームの不可視化の機能は一般的な動物や人間に対して作用します。モモちゃんの様な規格外のドラゴンには、通用しません」


 は? そうなの? モモちゃんはいろいろ凄いけど、視力も規格外なんだな……。




 はー、なんだかアニマルドームに着いたら、緊張が解けて眠くなって来た。

 昨夜の寝不足や疲れはシロンの飴で回復した筈だったけど、今になってぶり返して来たのかな……。


 かなえは砂浜へ移動すると、横になる。

「シロン、30分したら起こして……」

「はい、わかりました」



「かなえ、時間ですよ。起きてください」

「うーん……わかったー」

 砂浜で大の字になって眠っていたかなえは、シロンに起こされて目を覚ます。

 ここは静かだなー。

 

 かなえは横になったまま、空を見上げて耳をすます。聞こえてくるのは、目の前の湖の流れと、風に木の葉が揺れている音ぐらい。

 気温もちょうどいいし、昼寝にはもってこいの場所だ。


 少し寝るだけで、大分頭がスッキリした。

「シロン、みんなの様子を教えて」

「はい、キングス、マリーとジジは、3合目の温泉で眠っています。リトくん達は山の頂上の木の枝で休んでいます。ルークスとモモは水路を泳いでいます」


 ハハッ、ルークス達は元気だなー。

 キングス達はもう毎日温泉に入って休憩場で昼寝するのが日課になっているわね。


 今は問題無さそうだな……。

 かなえはキングスが話していた、クイーンの所へジャンプで移動して行く。


 クイーンはドームシティーの放牧地の木陰でうつ伏せになってウトウトしていた。

「こんにちは、クイーン。調子はどう?」

 クイーンは眠そううな目を開けると、


『あら、あなたは……今日はどうしたの?』

「最近どうしているかなと思って……」

『そう。あたしは、あれから体調はいいわ。餌も元に戻ったようだし』

「良かったわね」


『そういえば、キングスはどうしてるの?』

「キングスは元気よ」

かなえは最近のキングスの様子を掻いつまんで話す。

温泉の事は驚かせそうなので、まだ内緒にしておく。


「それで、クイーンもキングスの居る所へ遊びに来ない?」

『えー? あたしはここを出られるのかしら?』

「ええ、大丈夫よ。私に任せて」

 乗馬教室のアンディー達が帰る夕方からか、休みの時ならクイーンをここから連れ出しても問題無いだろう。


『それなら、ここから出て知らないところへも行ってみたいわ』

 良かった。クイーンもここから出る事に興味があるようだ。

 でも、キングスに対して特別な感情は無さそうね……。

 まー取りあえず、連れて行って見てキングスがどう出るかよね。


 クイーンは出掛けるのはいつでも良いそうなので、タイミングの良い時に呼びに来ることにした。


 かなえはアニマルドームの砂浜へ戻って来る。

「シロン、今何時?」

「15時45分です」

 もうそろそろ帰る時間ね。

「リトくん達はどこ?」

「山で木の実を食べているようです」

 そうなんだ……。リトくん達はまだ遅くなりそうだな。

 

 かなえは先に子猫を迎えに行く事にする。

 ジャンプで移動して、食事を持って動物ギルドに降りて行くと、

 子猫達が柵から出て、動物ギルドの中を走り回っている。


「あらー、どうしたのー?」

 かなえは慌てて子猫達を捕まえようとしている、リリララ姉妹に尋ねると、

「柵の中に居るのが狭そうに見えたから、出してあげたら走り回って……」と、リリちゃん。

「マーブル待ってー」と、子猫の後を追うララちゃん。

 

 島でルークスやモモちゃんに鍛えられているから、子猫達は日に日にすばしっこくなって来ているのかも。

 かなえは置いてあったケージを開けて、

「みんな―、帰るよ! この中に入って」と、走っている子猫達に向かって言うと、

『あー、カナカナ』『おうち―?』『ぼく、かえる―』と、かなえの所へ集まって来て、ケージの中へ入って行く。


 それを見ていたリリララ姉妹は、

「すごーい! 子猫達が自分でケージの中に入った!」と、驚いて見ている。

「きっと、このケージを見せたから帰ると思ったのかもね」とかなえはリリララ姉妹に話しておく。

 もうこの狭い柵の中で遊ばせるのは無理があるのかも……。


 かなえはクッションの辺りにウオッシュを掛け片付けると、2階からジャンプで子猫の小屋へ移動して来る。

「ハイお待たせ―。着いたよー」

 子猫達は元気にケージから出て来る。


『やったー!』『おうち―』『ママいないねー』と言いながら庭の中を走り始める。

 かなえは暫らく子猫達の相手をしていたが、もう遅くなるので皆を迎えに行く事にする。

「ママを連れて来るから、ここで待っててね。わかった?」


『うん』『はーい』『いいよー』子猫達は返事はするが、それより遊ぶのに忙しい様だ。

「お腹が空いたら、ご飯とミルクがあるからねー」

 かなえはそう言うと、3合目の温泉へジャンプで移動する。



「みんな良く寝てるなー」

 3頭共、休憩場で良く寝ている。

 最初にマリーを移動させようと思ったが、子猫達に起こされたら可哀想なので、まずジジさんを牧場へ連れて行き、キングスを小屋まで移動する。


「シロン、リトくん達は?」

 砂浜に向かって飛んで来ています。

 そう。丁度いいな。

 かなえは砂浜まで歩いて行くと、リトくん達が山の方から飛んで来るのが見える。

『カナカナー』とリトくんが言いながら、かなえの肩にピーちゃんと一緒にとまる。


「それじゃー帰るよー」

 かなえは、リトくんとピーちゃんを連れてジャンプで部屋まで移動する。

 

 部屋に着くと、リトくん達は、窓から出て公園を、リアちゃんの家の方角へ飛んで行った。


 


 


 






  




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