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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
52/229

052 新しい仲間

 かなえは子猫を動物ギルドへ運んで行く。

柵を広げ寝床を準備すると、ケージから子猫達を出して、クッションに寝かせる。子猫達周辺と、動物ギルド内にウオッシュを掛けておく。


 足音を響かせてリリララ姉妹が中に入って来た。

「それじゃー今日も宜しくね。知っていると思うけど、明日はお休みだから楽しんでね」

「はーい!」ララちゃんが元気よく返事をする。

「何をするか決めたの?」


「はい、明日はおいしいケーキ屋さんがあると聞いたので行こうと思っています」と、リリちゃんが嬉しそうに話してくれる。

「ララねーケーキいっぱい食べるんだよー」とララちゃんも目をキラキラさせている。

「そう、それは楽しみね。でもあんまり食べ過ぎないように気を付けてね」

「はーい!」とララちゃん。

 

 大丈夫かな……。

 でも嬉しそうだし、たまには羽目を外す事があってもいいよね。


 かなえは子猫達を二人に任すと、部屋からドラゴンの小屋へ戻って来る。


 ドラゴンの子は……まだ眠っている。

「シロン、この子の様子はどう?」

「少しづつ回復していますが、まだ起きるには時間が掛かりそうです」

 そうなんだ。良くなって来ているなら大丈夫ね。


「シロン、リトくん達はどうしてる?」

「センターパークの木にとまっています」

 

 ちょっと様子を見に行こうかな。

 かなえはリトくん達の居る、木の下へジャンプで移動する。


 いたいた。木の枝に2羽仲良くとまっている。

「リトくーん、ピーちゃん!」

 リトくん達はかなえの呼ぶ声を聞くと、パーッと舞い降りて来る。


『カナ、カナ―!』リトくんはいつになく嬉しそう。

『カナカナ、まってたの』とピーちゃんも、何か用事だったのかな?

『ごほうびパン、ピーちゃんにちょーだい』と、リトくん。

  

 なんだー。待っていたのは、パンをピーちゃんにあげたかったからね。 

 仲がよろしいことで。

 かなえはパンを取り出すとピーちゃん向かって、

「どのパンがいいかな?」

『あたし、その、ちょっと赤い実が入っているのがいい』とピーちゃん。

 あ、これね。真ん中に近い、細かくなった赤い実がちょっと透けて見える。


 かなえは崩れないようにちぎって、ピーちゃんに渡すと、嬉しそうにしている。

「リトくん、今日はここに居る? それとも山に行くの?」

『うーん、ピーちゃんどうする?』とリトくん。

 ピーちゃんはパンを銜えていて話せないので、かなえがパンを手に乗せると、


『あたし、ここでいい。パン食べるから』とピーちゃん。

『ぼくもここでいいよー』とリトくん。

「そう、わかった。リトくんはパンはいらないの?」

『ぼくあさ、たべたからいらないよー』

 リトくんとピーちゃんは、木の枝に戻って行く。

 フフッ、仲がいいなぁー。

 

 かなえはもう一度、ドラゴンの所へジャンプで戻って来る。

 まだ眠っているな……。

 かなえはそっと、ドラゴンの背中に触れてみる。


 まだ生まれて間もないからか、白い小さな鱗がびっしりと生えた背中は、思ったよりも柔らかく、しっとりとしている。背中にある羽はまだ小さく縮こまっている。

 まだ生まれて間もないのに、仲間に追い出されるなんて……可哀想に。



「かなえ、ドラゴンが目を覚まします」

 えっ、そうなの? かなえはすぐ側に接近していたので、少し離れて様子を見る。目覚めたときにいきなり、かなえがすぐ側にいたら驚くだろう。


 ドラゴンが静かに目を開けると、周りを見渡しているようだ。

 うゎー! 目の色が薄いピンク色だー! 

 

 ドラゴンはかなえを見つけて後ずさり震えだす。

「こんにちは。驚かせたかな? ここは安全よ。もう怖いことは無いのよ。安心して!」


『……』


「わたしはかなえって言うの。人間よ。ここにはいろいろな動物が居るの。みんな優しいから仲良くしてくれるよ」


『ヤー、コワイ―』

 かなえが少し近づこうとしたら、怖がって声をあげたドラゴンの子。

「怖くないよ。大丈夫よ」

「シロン、何かない?」

「はい、どうぞ」

 ポーチを開けると水色の小さな飴が出て来た。注意書きには「強い悲しみ、恐怖の緩和飴、ドラゴンの子用」


 かなえは飴を取り出すと、ドラゴンの子が、

『ヤー!』と、うずくまる。

 すると後ろから足音がしてルークスが小屋の中へ入って来た。


『わー、起きたんだ。ねー名前なに?』

 ルークスは怖がるドラゴンの子にかまわずどんどん近づいて行く。


 ドラゴンの子はルークスを見ると、姿は違うが自分と同じ真っ白い体のルークスに興味を持ったようだ。

かなえの時よりも警戒心を解いて、ルークスを見つめている。

『ぼくのお家はねー、隣にあるんだよー。だから一緒にあそべるよ』と、ドラゴンの子に話しかける。


『遊ぶの? こわくない?』

『こわくないよー! 川を泳いだり、山に登ったりして楽しいよー!』

 良かった、ルークスが話しかけてくれたおかげで、ドラゴンの子は大分落ち着いて来たみたい。

 かなえももう少し近づいて行くと、

「ねぇ、この飴あげるから舐めて? おいしいよ」


『……』と、無言でまだ警戒している様だ。

 かなえはポトッとドラゴンの子の前に水色の飴を置いと、また少し下がる

『大丈夫だよ。舐めてみて、おいしいよ』とルークスが言うと、

 ドラゴンの子は恐る恐る、飴に近づき口の中に入れる。

 モグモグと口を動かして……、


『あー、おいしー、あまい!』とドラゴンの子。

 少しづつドラゴンの子の顔から緊張が取れて行き、表情が柔らかくなる。


「安心して、ここでは怖いことは何も無いの。楽しいところよ」

『楽しいよ! 温泉もあるし泡もブクブク出ておもしろいよ』とルークス。

『おんせん?』とドラゴンの子。

『そうだよ。こんどいっしょに行こうね』とルークス。


 良かった。ルークスが居てくれて……。


「あなた、お腹が空いているんじゃない?」

 かなえは準備しておいたドラゴンの餌を容器に入れて、ドラゴンの子の所へ持って行く。

「食べてみてくれる?」

『うん』

 その子は初めに匂いを嗅いでいたが、ペロッと舐めると安心したのか、ムシャムシャと食べ始める。


 食べてくれた……。これで一安心だ。

 ルークスは食べて居るドラゴンの子に、

『おいしいの? いっぱい食べなね』と声をかける。

 ルークスは子猫の面倒も見てくれるし、優しいお兄さんだ。


 今度ルークスにも何かご褒美をあげなきゃな。 


 食べ終わったドラゴンの子の口にまだ食べカスが付いていたので、ウオッシュを掛けてきれいにする。

「あなた、名前はあるの?」とかなえが聞くと、

『なまえ? ヤーッ、なまえ嫌い!』とドラゴンの子。

 どうしたんだろう。何か嫌な名前でもつけられたのかな。でも名前は必要よね。

 

「そう。それなら……あなたの瞳、桃色できれいだからモモちゃんはどう? 後で変えたくなったら変えてもいいから」

『モモちゃん……?』とドラゴンの子。

『モモちゃんいいねー。可愛い!』とルークス。

『……カワイイ? うん、いいよ。モモちゃん』とドラゴンの子。

「そう。それならあなたの事モモちゃんって呼ぶね」


 お腹がいっぱいにになったのか眠そうにしている、モモちゃん。

「もう少し寝たらいいわ。また起きたらお話ししましょう」

『そうだよ。僕も隣の小屋で寝てるからね!』とルークス。

 モモちゃんは横になるとすぐに目を閉じて眠りに着いた。 


「ありがとう、ルークス。あなたがいてくれて助かったわ」

『うん、ボク、モモちゃんと仲良く出来るよ!』

「そうね。ルークス、もう昼寝の時間かな?」

『ボク、いっぱいおよいだからお腹空いた』

 ルークスは隣の自分の小屋へ向かう。


 初めはどうなるかと思ったけれど、モモちゃんは食事もしたし、大丈夫そうね。

 次は―、温泉ね。かなえは1合目の山の温泉へジャンプする。


「あっ、ジジさん」

 ジジさんだけが1番目のお湯で、背中に打たせ湯をしている。

「他の皆は居ないんですね」

『ああ、もう上へ移動して行ったよ。わしはここでもう少し休んでから、上へ向かうとするよ』

 ジジさんにとっては1合目から3合目へ登るのも大変な労力なんだろうな。


「私も、ここを見回ったら、上に移動するので一緒に行きますか?」

『おおそうか。それは助かるよ。昨日は登ったんだが、帰りはもう起きていられないんだよ』

 それはキングスもマリーも一緒だけどね。


「わかりました。準備が出来たらお知らせしますね」

 お湯は浴槽に浄化作用があり汚れはしないが、念の為全体にウオッシュを掛けておく。


「ジジさん、おまたせしました。3合目の温泉に行きましょう」

『おお、頼むよ』

 ジジさんは湯船から上がって来たので、ジャンプで一緒に3合目の広場に移動する。

 中へ入って行くと、マリーがトンネルシャワーの中に居る。

 キングスはジャグジーでくつろいでいる。もうあの泡の強さに慣れたようで、気持ち良さそうにしている。


『あら、ジジ、連れて来てもらえたのね』とマリー。

『ああ、助かったよ』とジジさん。

 ジジさんは手前の美肌効果のあるミルクの湯に入って行く。

 

 そういえば皆、最近毛並みが良くなっている気がする。この美肌効果のある湯には毛並みを良くする作用もあるのかな……。


『あの白い子は起きたの?』とマリー。

「ええ、さっき目が覚めたわ。最初は怖がっていたんだけど、丁度ルークスが来て話しかけたら、安心したいみたい……。食事をしてまた眠ったのよ。瞳が桃色だったから、名前をモモちゃんにしたの。また今度みんなに紹介するわね」


『へーそうなんだ。良かったわね』とマリー。

『そうか。うちのルークスは偉いなー』とキングス。

「そうなの。後でルークスを褒めてあげてね」とかなえは言っておく。


 かなえは一旦自分の部屋に戻ると、マリーが使用していた部屋にモモちゃんの寝床を作ることにした。まだ夜モモちゃんだけで、あの小屋に一晩中寝かせるのは不安だ。隣の部屋なら、何かあった時すぐ対処できる。

 部屋にウオッシュを掛けて、シングルベット位の大きさのマットを設置し、下に敷くヒーターとその上にシートをかぶせる。


 小屋にも設置したドラゴンの子用の餌と、トイレも準備しておく。

少し早いが子猫達を迎えに行く。


 今日の夕食と明日の朝食を出すと、下へ降りて行く。

「今日は少し早いんだけど、子猫達を連れて行くね」

 かなえは食事を渡す。

「明日は楽しんでね」

「はい!」リリララ姉妹は嬉しそうにしている。


 かなえは子猫を連れて、アニマルドームの小屋へ移動する。マリーはまだ来ないだろうな。

 かなえは眠っている子猫達をクッションへ寝かせて行く。

 部屋と庭にウオッシュを掛けて、ミルクと餌を補充しておく。

 これでいいわね。

 

 隣のジジさんの小屋はほとんど使った形跡がないが、ウオッシュを掛けておく。    

 

 その隣はルークスの小屋だ。

 中を覗くと『スース―』とルークスが寝息を立てて眠っている。

 おでこの角が2センチぐらい見えて来ている。赤くなってはいないが、念の為、ウオッシュを掛けて薬を塗る。


 その隣が、モモちゃんの小屋。

 モモちゃんは、静かに眠っている。


「シロン、温泉に居るキングス達はどうしてる?」

「皆、眠っています」

 そう、なら丁度いいわね。

 

 かなえはジャンプで、温泉に着くと、まず眠っているジジさんを牧場へ送り、次にマリー、そしてキングスを小屋へ移動させる。


 そしてまだ眠っているモモちゃんを連れて、自分の家のモモちゃんの部屋へジャンプする。

 

 クッションへ移動させると、モモちゃんが目を覚ました。

「あっ、モモちゃん。おはよう。良く眠っていたわね」

 モモちゃんは、小屋と様子が違うのでキョロキョロしている。

「ここは私の家なの。夜は暫らくここで過ごしてね。また明日小屋へ連れて行ってあげるね。そうしたら他の動物にも紹介するから」


 モモちゃんは寝起きでまだボーっとしている様だ。

『あの子は?』

「あの子? ああー、もしかしてルークスかな? 今は寝ているわよ。また明日会えるよ」

『うん……』

 モモちゃん、寂しそうだな。


「モモちゃん、お腹が空いたでしょ? ここに餌があるから食べてね。隣がお水で、その隅にトイレもあるからね」

「シロン、何か無い?」

 すると目の前に、小さなピンク色の子馬のぬいぐるみが出て来て、注意書きには「癒し効果のあるぬいぐるみ。ドラゴンの子用」と表示されている。

 かなえはそのぬいぐるみをモモちゃんに渡すと、


『あー、かわいいー』と嬉しそうに受け取る。

 前足で掴むと、上手に抱っこして、落ち着いたのか、不安そうだった表情が取れて来る。


「モモちゃん、私は隣の部屋に居るからね。何かあったら呼んでね」


 かなえは居間へ移動すると、食事を済ませ寝る支度をする。

 もう一度モモちゃんの様子を見に行くと、ぬいぐるみを抱えて眠っている。

 餌を見ると無くなっていたので、食欲はあるようだ。


「シロン、モモちゃんの具合はどう?」

「もうほとんど回復しています。今晩良く寝れば、明日には元気になるでしょう」

 そう、良かった。


 かなえはベットに入ると、

「シロン、モモちゃんに何かあったら教えてね」

「はい、分かりました」


 今日も色々な事があった。

 明日はモモちゃん、皆と仲良くなれればいいな。


 かなえはゆっくり目を閉じた。



――――――――――――――――――――


<かなえのIDカード>


 変更のあった場合表示


 ――――――――――――――――

 ポイント 

 

 プラス   1000 ジジの健康塩飴

       1000 お婆さん神経痛緩和飴

        2万 ドラゴンの受け入れ 

       1000 悲しみ恐怖の緩和飴 モモ用

1000 癒し効果のあるぬいぐるみ


 マイナス    

        

 残り    209万3100  

 

 パワー   499


――――――――――――


 パーティーの準備 合計 24万      


――――――――――――――――

 

 立て替え   8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)





 



 


 


  

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