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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
51/229

051 女神様からの贈り物 2 


 「カナ、カナ、パンちょーだい、ごほうびパン」


……フフッ、ご褒美パンね。


「リトくん、おはよー」

 リトくん、朝食だけ実家に食べに帰って来る感じかも……。

 かなえはベットから起き上がると、居間に歩いて行く。

 何だか、体がスッキリして軽いなー。昨夜のお風呂が良かったのかな?


 かなえの後を飛んで来たリトくんに、ご褒美パンを出すと、

「リトくん、どのパンがいい? これ?」

 かなえはピーちゃんが昨日選んだパンの隣を指さすと、

『うん、そのパンがイイ!』

 リトくんは嬉しそうに飛び跳ねる。

 かなえはパンの中心に近いところを丁寧に取ると、リトくんに渡す。


「はい、どーぞ」

 リトくんは元気にパンを食べ始める。

『パンパンパン、ごほうびパン、木の実パン』

 へー、それには木の実が入っていたんだ。

「リトくん、昨日食べたパンは何が入っていたの?」

『うーん、赤い実パン!』

 そう、中身が違うから変化があっていいね。


 かなえは朝食と朝の準備を済ますと、リリララ姉妹にランチを届けに行く。

「おはよー。はいどーぞ」

 かなえはララちゃんに渡すと、部屋に戻って来る。

 リトくんはピーちゃんの所ね。

 

「シロン、リトくんはまだピーちゃんのところかな?」

「はい、リアちゃんに何か食べさせてもらっています」

 あーあ、リトくん食べ過ぎかも。

 どうしよー。待ってると遅くなるなー。また後で様子を見に行けばいいかな。


 かなえはジャンプでジジさんの居る牧場へ移動する。

「おはようございます。ジジさん」

『おお、今日は小鳥達は居ないんだな』

「そうです。まだピーちゃんのところに居るので、あとでまた連れて来るかもしれません」

 かなえはジジさんに健康塩飴をあげると、一緒にアニマルドームの砂浜へジャンプして行く。


 砂浜に着くと、丁度キングスが小屋の方から歩いてくる。

「キングスおはよー。ルークスは眠ったの?」

『ああ、ひと泳ぎしてミルクを飲んで、眠ったところだ』

 ジジさんと、キングスは並んで橋を渡って行く。


「シロン、マリーと子猫達はどうしてる?」

「マリーは子猫達に添い寝をしながら眠っています」

 この時間は子猫達もルークスも寝ている時が多いなー。


 かなえはジャンプで牧場に移動する。

 牛舎の外壁や屋根にウオッシュを掛け、内側からも、きれいにする。

 今日は、外からもきれいにしたので、窓がピカピカに磨かれているのが分かる。ちょとガタガタしていた窓枠も、スムーズに動くようになった。


 一通り掃除が終わり、牛達にも問題が無いようなので、アニマルドームに戻って来る。

 まず、ルークスの小屋に移動して、きれいにする。

 ルークスは居ないので何処かに出掛けたようだ。

 ミルクの交換もしておく。

 

 次は子猫達の小屋に移動すると、ルークスが一緒に遊んでいた。

 ふーん、今日もルークスが面倒見ているんだ。


「おはようみんな! 元気そうね」

 子猫達はルークスの後を追いかけパタパタと早歩きをしている。

 こうやって毎日ルークスに相手をしてもらったら、子猫達も足腰が鍛えられるなー。 

 その内アニマルドーム中を走り回るようになるんだろうな。


「マリー、調子はどう?」

『昨日はここへ運んでくれてありがとー。起きたらもう薄暗くなっていて、この小屋の中で寝ていたんだもの』

「フフッ……みんな熟睡して起きる気配がなかったのよー」

『あの泡のお風呂は凄いわー、後で行くのが楽しみ!』


「マリー、明日は動物ギルドは休みだから、子猫達はここにいてもらうつもりだけど、私が面倒見ようか?」

『お温泉は子猫達が寝ている間に、行くから大丈夫よ』

「私も気を付けておくね。マリーが寝ちゃっても。またここへ移動してあげるから」

『……ありがとう』


『ぼくも、子ねことあそべるよー!』と、ルークス。

「そうね。ルークスが子猫達と仲良くしてくれて助かっているわ。ありがとう」

『うん、ぼくおにいちゃんだからねー』とルークスが声をあげる。

 

 ルークスは子猫達がまとわりついても嫌な顔一つせず面倒見ている。運動神経が優れているからか、子猫達を踏んだりすることもない。


『ルー、ルーまって―』と、

 子猫達がチョコチョコとルークスの後を追うのが可愛らしい。


 かなえは子猫達の小屋に入ると、ウオッシュできれいにしていく。ミルクと離乳食を準備して、トイレもウオッシュできれいにする。

 庭と動物達にもウオッシュを掛けて砂浜に戻って来る。


 今日も平和だなー。子猫達はすくすく育っているし、ルークスもいい子だ。他の大人達も健康だし、このアニマルドームを楽しんでくれている様だ。リトくん達も……今は居ないけど。


「シロン、リトくん達はどうしてる?」

「リアちゃんと家の前の公園に居ます」

「今日もリアちゃんと一緒なんだ。ピーちゃん嬉しいだろうな」

 そのままで大丈夫だろう。


 今日はお休みだし、のんびり過ごせそうだなーと思っていると……、

「かなえ、上から何か近づいてきます!」

「は? 何が?」

 かなえは上を見上げるが何も見えない。

「あと5分ほどで目視できるでしょう」


 かなえは暫らく空を見上げていると、丸くて白い物が見えて来た。

「あっ、見えた!」

 ゆっくり降りて来るのは見覚えがある、卵を平たくしたような形の……、


「ルークスが入っていたのと同じだー!」

 だんだん近づいて来てハッキリして来る。


『あれ、なーに?』

 白い物体が見えたのかルークスと、その後ろからマリーも砂浜へやって来る。

『あれって、ルークスが入っていたのと同じじゃない?』

 マリーもルークスの時を思い出したようだ。


『ぼく、と同じ?』

 ルークスは何の事だかわからないようだ。

 キングスとジジさんも白い物体を見上げながら橋を渡って来る。


 女神様、また何か送って来たのね。やっと最近落ち着いて来たと思ったら……。

 のんびり出来そうにないのね。


『今度は何だね?』と、砂浜へ辿り着いたジジさん。

 キングスも白い物体を興味深そうに眺めている。


 ゆっくり降りて来た白い物体は、静かに地面に着地した。

 大きさは2メートル位の卵を潰した様な楕円形で、ルークスの入っていたのと瓜二つだ。

 皆で周りを囲んで凝視するが何も反応もない。かなえは皆を少し下がらせて、その物体に触れると、前と同じように横に亀裂がサーっと入った。

 

 かなえは上の部分を静かに持ち上げると、蓋が開いて……中に白い動物が丸くなって眠っている。

 大きさは、マリー位かな。ワニかトカゲかな? 白いワニって珍しいかも。

「かなえ、これはドラゴンの子供です。まだ生まれて2週間前後です。大分弱っていますね」

「えー!? 今度はドラゴンって女神様、何考えているのよー!」


『なに? ドラゴン?』

 興味深そうにドラゴンを見ているルークス。

『ドラゴン? そんな生き物は知らないな』と、キングス。

『ああ、わしもこんな姿は、見たことが無い』とジジさん。

『色はルークスみたいに白いけど、形は全然違うわね』とマリー。


 どうしよー。ルークスは馬みたいだしなんとなくわかったけど、ドラゴンの子の育て方なんて想像も付かないよ……ミルクは飲まないよね?

「かなえ、蓋の裏側に紙が付いています」

「え? あっ!」

 こもは、ルークスの時と同じだわ……。

 かなえは身体を伸ばして、張り付いている紙をはがすと、


「この子、体が白いから仲間から追い出されたの。可愛がってあげてね。メグより」

 はっ? メグ? もー、ユニコーンの次はドラゴンって……。

 

 でも目の前の弱っている生き物を放ってはおけないわね。

 仲間から追い出されるってどんなに辛かっただろう……。


「シロン、ドラゴンの子の育て方を教えて」

「はい、弱っていますので、寝床にヒーターを敷いて温めてください。餌は用意できますし、プロの実の栄養が強化された木を植えれば問題ありません」

 

 弱っているし、キングスもマリーも既に子育てしているから、この子の世話は私がやるべきね……。

「わかったわ」

 まずは、この子の小屋を造ろう。

「みんな! この子は弱っててまだ起きないから、もう少し元気になったら声をかけてあげてね」


『ああ、そうだな』

『ええ、分かったわ」

『もちろんだ』

『うん、ボク、仲良くできるよ』と、様子を伺っていた動物達も戻って行く。

 

 かなえはドラゴンの入っている入れ物をもう一度閉めると、ジャンプして、ルークス達の小屋の隣に移動する。

 

 小屋の大きさはとりあえず、ルークス達と同じ馬2頭分の大きさにする。

 クッションはマリー達と同じぐらいの大きさにして、下にヒーター機能のあるマットを敷き、その上に薄いマットをかぶせておく。

 

 眠っているドラゴンをジャンプでクッションに寝かす。

 背中に小さな羽が生えていて可愛らしい。足が大きいなー。

 ライオンや、トラの子供のように体に対しての足の大きさが随分と大きい。

 大きくなるんだろうな。


「シロン、この子はどれぐらいまで大きくなるの?」

「おそらく40メートルから50メートルの間でしょう」

「えー! そんなに大きくなるの?」

 

 今はマリーやルークスと同じくらいなのに……。

 そんなに大きくなったらどこで暮らせばいいのかな。

 今は心配しても仕方が無いか。


 かなえはお水とエサ入れを設置する。餌は縦型で下に置いた容器が空になると、センサーでソフトクリームのようにニューっと出て来るようだ。

 ドラゴンの子の入っていた入れ物をポーチの中にしまっておく


「シロン、この子に何かあげられる薬はあるの?」

「ドラゴンはとても生命力が強い生き物です。このまま眠っていれば回復するでしょう」

 そうなんだ。やっぱり普通の動物とは違うんだな。

 こんなに可愛いのに、体の色が違うぐらいで追い出すなんて……。どんなに辛かったんだろう。


「かなえ、そろそろお昼の時間です」

「あっ、そうね。わかった」

 先に他の用事を済ませて来よう。

「シロン、この子が起きたら知らせてくれる?」

「はい、分かりました」


 かなえは砂浜に移動してランチを早めに済ませ、子猫達の所へ移動する。

「子猫達、元気ねー」と子猫達を見守って居るマリーに話しかける。

『そうね、元気に育っているわ。ところであの白い子の様子はどう?』

「まだ、目が覚めないの。でも眠っていれば自然と回復するみたい」

 子猫達はもう簡単に丘をよじ登っている。

 

 暫らく遊んでいたが、子猫達は眠くなってきたのかマリーの所へ近寄って来る。

 

 みんな、マリーの事は『マー、マー』と呼んでいる。ママのマなのか、マリーのマなのかわからないけど、どっちでもいいな。

 

 タイガはマリーのうつ伏せの背中へ登ると、こてっと眠ってしまう。マーブルもその後を追って来て、上に登れないままマリーのお腹の前で眠り始める。レオンはマリーの前足を枕にして眠った。


「マリー、何か大変なことは無い?」

 マリーは子猫達を愛おしそうに眺めながら、

『いいえ。あたしはこの子達の世話が出来て嬉しいわ。今では本当に自分の子の様な気がしているの』

「そう、良かった」

 マリーは本当に嬉しそうだ。

 

 かなえは子猫達をケージに入れるとジャンプで自分の部屋へ移動する。











 



 






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