050 温泉ジャグジー
かなえは砂浜に着くと、ランチにする。あまり時間が無いので、テラスカフェのハンバーガーのセットを選ぶ。このハンバーガーのパンはモチモチでフワッとしている。
プロの実ハンバーグとアボカドの組み合わせが絶妙で、かなえのお気に入りだ。それにサラダと揚げたてのスイートポテトフライがサクッとしていて、いくらでも食べられそう。炭酸の効いたオレンジスカッシュで喉を潤す。
食べ終わると子猫達を迎えに行く。
なんと、庭で子猫達はルークスと一緒に仲良く遊んでいた。
「ルークスが、みんなと遊んであげてるの?」
『うん、ぼくおにいちゃんだから、仲良くするよー』
ルークスがうつ伏せになり、その上をよじ登る子猫達。
『ルー、ルー』と、ルークスの事を呼んでいる。
ルークスはちゃんと力を加減して、子猫達の相手をしている。
マリーは少し離れて遊んでいる様子を眺めている。
「マリー、子猫達は元気に遊んでいるのね」
『ええ、ルークスがたまに、子猫達の面倒を見てくれるから助かっているわ』
かなえはルークスの泳いだり、走り回っている姿ばかり印象にあるので、子猫達の遊び相手になってくれているのは、意外だった。
ルークスはちゃんと子猫達の名前も覚えたようで、『痛いよ、タイガ』『登ってみな、レオン』『マーブルがんばれ』と、話しかけている。
暫らくすると、子猫達がウトウトし始め、ルークスに寄り掛かって眠り始める。
かなえはケージを取り出すと、子猫達を順番に中へ入れて行く。
「ルークス、子猫と遊んでくれてありがとう。またよろしくね。じゃー行くわ、マリー」
そして、かなえは自分の部屋へジャンプで移動する。
動物ギルドへ降りて行くと、もうリリララ姉妹が椅子に坐って待っていた。
「お待たせ―。ちょっと遅れたわね。子猫達を宜しく」
もう、子猫達の柵は広げて、トイレも移動してあり、リリララ姉妹が用意してくれたようだ。
「準備しておいてくれたのね。ありがとう」
かなえはウオッシュだけ掛けると、子猫達の入ったケージを渡し、あとをお願いする。
かなえは部屋からアニマルドームの砂浜へ移動すると、気になったので、温泉にジャンプして来る。
うゎー、今日もみんな入り浸りだ!
温泉には、ジジさんと、キングスは1番目のお風呂で強めの打たせ湯をして、マリーはトンネルシャワーに入っている。
マリー、早いなー。さっきまで小屋に居たのに。
「マリー、またトンネルシャワーに入ってるの?」
『ええ、そうよ。これは気持ちがいいわー』
マリーはもう慣れたもので、全方向からのシャワーを楽しんでいる。
「ジジさん、キングス、打たせ湯はどうですか?」
『ああ、良いぞ。丁度この首の付け根にあてるのがいいんだ』とキングス。
『わしは背中全体にあてるのがいいぞ』とジジさん。
ジジさんもキングスも打たせ湯が相当好きなようだ。
かなえは2番目と3番目のお湯の方へ様子を見に行く。
うーん、熱い温泉と、水風呂は刺激が強いから、長く楽しむには、1番目のお湯やトンネルシャワーなのね。
「シロン、他にどんな温泉があるの?」
「はい。お勧めは、美肌効果のあるミルクの湯と、心と体を癒すジャグジーです」
「えー! 何それ。私だって入りたいよー」
でも動物達に美肌効果て……。フフフッ。なんか面白そうだな。かなえは新たな温泉を設置することにした。
場所はどうしよう……。今の温泉から少し離れた3合目の広場から入れる場所に造ろう。ジジさんには大変だろうから、ジャンプで連れて行ってあげればいいな。
かなえは3合目の広場に移動する。
地図から立体の山の内部を選択し、背の高さぐらいまで広げると、浴槽を二つ選び設置する。
大きさは、1番目のと同じでいいわね。
50メートルぐらいの長さで、道に沿うようにカーブを付けて行く。深さは1番深いところで2メートルにしておく。
休憩場所も浴槽に沿うように造り、水飲み場も設置する。体が綺麗になるので入ってすぐの所にトンネルシャワーを設置しておく。
素材も透過させ周りのごつごつした雰囲気を壊さない様にする。
最後にお湯ね……。
手前の湯船に美肌効果のミルクの湯、その隣は癒し効果のあるジャグジーを選択する。
へー、きれいねー。
一瞬で湯船が乳白色の湯で一杯になる。そのお湯に触れてみるとサラサラしていて肌に優しい感じだ。お湯に触れた指がしっとりしている。
「シロン、このお湯を、家のお風呂に出すことは出来るの?」
「はい、可能です」
なんだーもっと早く行ってよー……。今夜の楽しみに取っておこう。
その隣はジャグジーを選択したつもりだが、きれいな透き通ったお湯が入っているだけで、何の動きも無い。
「シロン、あの温泉、ジャグジーになっていないけど?」
「今は泡立っていませんが、誰かが入るとその周りだけに泡が立つようになっています」
えーっ!? どんな仕組みなんだろう。不思議……。
かなえはジャグジーの湯の中にも手を入れてみると、みるみる泡が出て来て、手がマッサージされる。
へー、これは気持ちいいな、皆も喜びそう。
「シロン、この泡の強さは調節できるの?」
「はい、今は弱ですが、他に中、強、最強があります」
うーんどうしよう。みんな結構強いのが好きみたいよね。かなえは「強」に変更してもう一度手を湯の中へ入れてみると、
「ボコ、ボコ、ボコ」と泡が噴き出て来る。
ヒャー! これは強いよ。みんな大丈夫かな……。
まずは試してもらった方がいいな。
かなえ移動して、未だに温泉や、トンネルシャワーに入っている皆に「3合目に新しい温泉を造ったので試して欲しい」と頼みにいくと、
『へー、もちろん行くわよ!』とマリーも乗り気で、
『おお、そうか、面白そうだな』と、キングスが言い、
『それは、試してみなければな』と、ジジさんも興味を示す。
かなえは皆を連れてジャンプして、3合目の温泉へ移動する。
パッと見はお湯の色が白いぐらいで1合目の温泉とたいして変わらない。
「ハーイ、まずはこの白いお湯を試して見て下さい。お湯の温度は1番目のお湯と同じです」
皆、底が見えないので恐る恐る足を進めて行く。
「お湯の深さも1番目のとたいして変わらないので、安心して入ってください」
キングスは背が高いので奥の方まで行き顔が出る所で止まると、
『このお湯はぬるぬるして不思議だな』
ジジさんも首まで浸かると、
『そうだな、だがいい匂いがするな』と言い、
『そうね、なんだか体にいい感じはするわ』とマリーも言い、みんな結構気に入ったようだ。
かなえは次に隣のジャグジーに皆を案内する。
「このお湯は、一見普通に見えますがジャグジーと言って、勢いよく泡が出て来ます。強さは変えられますので、入って見てどんな感じか教えてください」
まずキングスが先に入って行くと足にボコボコと泡が立ち始める。
『なんだこれは! キングスは驚いたようだが、1歩づつ足を進めて行く』
キングスの周りに泡が勢いよく立ち始め、
『凄いぞー! これは気持ちがいい!』
キングスは気に入ったのか、奥へ入って行く。
その様子を見ていたジジさんとマリーも、中に入ると、
『おおー! こんなのは初めてだー!』とジジさんも興奮している。
『キャー! 何この泡! ワァー』とマリーには勢いがあり過ぎのようだが、負けじと、中へ入って行く。
「泡の勢いが強すぎたらもう少し弱くしますけど、どうですか?」
『わしは、この泡でいいぞ』とキングス、ジジさんも、
『そうだな、この泡は良いなぁー』と、嬉しそう。
『あたしには、強いけど疲れたら休憩するから平気よ』と、マリーもこのままでいいらしい。
3頭の周りから勢いよく泡が立ち、癒し効果に皆、気持ち良さそうにしている。
「シロン、皆の体の具合はどう?」
「今のところ問題ありません、お湯の癒し効果で心身共に、より健康になり免疫力も上がっています」
そうなんだ。良かった。かなえが思った以上に動物達に効果があるようだ。
「シロン、ルークスはどうしてる?」
「川を島に向かって泳いでいます」
そうか、それならルークスにもこの温泉を見せて説明しておこう。
かなえはジャンプでルークスの所へ移動する。
「ルークス! 体調は大丈夫?」
『あー、カナ、カナ、ぼく元気だよ』
ルークスが止まらずに泳いでいくので、かなえはスクーターを出してルークスを追いかける。
「ルークス、新しい温泉を造ったから見に来てくれる? 説明しておきたいの」
『うーん。いいよ』
ルークスは泳ぎを止めると、歩いてかなえの所へやって来る。
びしょびしょのルークスにウオッシュを掛け、スクーターをしまうと、3合目の温泉にルークスと一緒にジャンプして行く。
『ここ?』
ルークスは1合目に来たように見えたのか、不思議そうにしている。
「ルークス、1合目の温泉と似てるけど、ここは3合目の温泉なの。温泉のお湯も白いでしょ?」
でもルークスは、奥にいるキングス達を見つけたようで、そちらの方が気になっている。
ルークス、この白いお湯は身体をきれいにするの。あと、そこにあるのはトンネルシャワーね。1合目のと同じで、上からもシャワーが来るから、ルークスはまだ入らないでね。わかった?
『うん、ぼくわかったよ。パパ何してるの?』
「じゃー見に行ってみよう」
ルークスはキングス達の居る泡のお風呂をみると、
『わー! ブク、ブクになってるー!』
ルークスもお湯の中へ入って行こうとするので、
「ルークス、泡が強いから、ゆっくり入って慣らさないとだめよ」
『ハーイ』
返事は良いが、ドンドンお湯の中に入って行くルークス。
『ギャー! ブクブクがイターイ! おもしろーい』
ルークスは初めは痛く感じたようだが、面白さの方が勝ったようで、キングスの所まで泳いでいく。
『パパー、ブク、ブク面白いねー』
『おお、ルークス、足が着かないだろう。大丈夫か?』
『ぼくねー、泳いでるからへいきだよー』
こんな勢いのある泡の中で、泳げるのは普段から鍛えているルークスだからだろう。中身はまだ小さい子どもなのに、身体は普通の馬よりずっと体力がある。
「シロン、ルークスはこのままお湯に入っていても大丈夫?」
「はい、ルークスの体力は問題ありませんし、このお湯の癒し効果で、心にも良い影響を与えているようです」
そうなんだ。このジャグジーはルークスにも効果があったのね。
良かった……。
かなえはルークス以外の皆に向かって、
「そろそろ、1回出て休憩してください。ずっと入りっぱなしだと体調を崩しますよー」
「シロン、動物達が具合が悪くなるのを防ぐ方法はある?」
「それなら、30分経つと、止まるようにように設定したらどうでしょう?」
「えっ、それって、ジャグジー以外の打たせ湯とかトンネルシャワーにもできる?」
「はい、可能です。時間も好きなように設定可能です」
「うーん、それなら全部30分で一旦止まるようにしてくれる?」
「はい、分かりました」
するとルークス以外の、キングス、ジジさん、マリーの周りの泡が消える。
「皆さん、長すぎると止まるようにしたので、その時は休憩してくださいね」
『えー、まだ平気だったのにー』とマリー。
『そうだな、だが何事も適度というものがあるからのう』とジジさんは納得してお湯から上がって来る。
『そうだな。ルークス、休憩するぞー』と父親らしい態度のキングス。
『ハーイ』ルークスはキングスの後を嬉しそうに着いて来てお湯から上がる。
マリーも泡が出ないとつまらないのか、渋々お湯から上がって来る。
「毎日温泉に入るのはいいですが、ちゃんと運動もして食事も取って下さいね」
『うーんそうだな……』『ハーイ』『気を付けるよ』『わかってるわよ』
皆返事だけはするが体が温まり怠いのか、休憩場所で横になると、眠り始める。
あーあ、またみんな寝ちゃったー。まー慣れるまで仕方が無いか。
もうすぐ夕方になるので、
かなえは皆、それぞれの小屋に移動させ、ジジさんも牧場まで送る。
部屋にジャンプして食事を用意すると動物ギルドに入って行く。
「おまたせー。みんないい子にしてたかな?」
「はい、タイガが元気に柵を登ろうとしていました」とリリちゃん。
「でもタイガ、すべって落っこちたんだよー」とララちゃん。
「そうなんだ、その内柵も登れるようになるかもね」
かなえは食事を渡すと、眠っている子猫達をケージに入れて行く。
「それじゃー、ありがとう。また明日ね」
かなえはジャンプでマリーの眠っている小屋へ移動する。
マリー熟睡してるなー。
子猫達をケージから出して、ベットへ寝かせる。
全体にウオッシュを掛け、ミルクと離乳食を準備しておく。
さーこれでいいわね。
かなえは部屋に戻って来る。
やっと終わったー。
「シロン、リトくん達はどうしてる?」
「リアちゃんの家で、餌をもらって食べています」
そう、なら大丈夫ね。
夕食を食べ終わると、お待ちかね。
「シロン、ミルク風呂のジャグジー出来る?」
「はい、それに癒しの効果も付けましょう」
ヤッター! ミルク風呂の美肌効果とジャグジーの癒し効果の両方なんて、楽しみ。
湯船に入ると、白いお湯がブクブクと泡を立て始める。泡の強さは弱にしたが、適度な刺激がありかなえには丁度いい。
「あー気持ちいい―!」
気のせいかもう肌がスベスベになっているようだ。
そして、身も心も癒され幸せな気分になる。
これなら、動物達もなかなか湯船から出たくなくなるのも良くわかる……。
お風呂から出ても、良い気分が持続している。
ベットに入り今日起こった事を思い出す。
リアちゃん、ピーちゃんの飛んでいる所が見れて嬉しそうだったな。
「シロン、今日もありがとう」
かなえは幸せな気分で眠りに着いた。
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<かなえのIDカード>
変更のあった場合表示
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ポイント
プラス 1000 ジジの健康塩飴
2万 温泉の設置2か所
1000 お婆さん神経痛緩和飴
マイナス
残り 206万9100
パワー 499
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パーティーの準備 合計 24万
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立て替え 8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)




