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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
47/229

047 リトくんの宝探し

 

『カナ、カナ、パンですよー、おはよう』

「は……?」

 リトくん、パンがもう挨拶になってるよ。



 かなえは起き上がると、居間へ行きパンをリトくんに食べさせる。

 今日は、オートミールレーズンパンにしてみる。

『おいしいパン、おいしいパン』

 リトくん、このパンも好きなのね。ピョンピョン跳ねている。


「リトくん、今日はアニマルドームに行った方がいいかも」

『なに?』

 リトくんはかなえがそんなことを言うのが不思議なようだ。

「何か楽しいことがあるかもよ? ピーちゃんも来てから教えてあげるから、迎えに行って来れば?」

『うん、ぼくピーちゃんむかえいくよ』


 リトくんは不思議そうにしていたが、ピーちゃんを迎えに窓の隙間から飛んで行った。


 かなえは支度をしてリリララ姉妹にランチを届けると部屋に戻って来る。

リトくん達は……ピーちゃんも一緒に椅子の背の所にとまっている。


「ピーちゃん、おはよう」

『カナカナ、どうしたの?』

 ピーちゃんも何があるのか知りたい様だ。

 アニマルドームに着いてから話しても、この場で話しても同じだから今話そう。


 かなえは一つ、紐の付いた木の実ボールを取り出すと、リトくんとピーちゃんに見せる。

 リトくんは『あー、きのみ、ちょーだい』と乗り出して来る。

「リトくん待って。これから説明するから」


 かなえはリトくんとピーちゃんに、木の実のボールをアニマルドームに隠した事。隠したボールか、紐だけでもいいので集めてかなえの所へ持ってくる事。全部見つけたらご褒美をあげると、説明する。


 リトくんは『いいよ、はやくいこー』と、慌てだし。ピーちゃんも『ごほうび―』と、嬉しそうにしている。


 かなえの説明でわかったかちょっと不安だが……。

リトくんとピーちゃんが、退屈しないで楽しんくれればそれでいいからな。


 かなえはジジさんの所へリトくんとピーちゃんを連れてジャンプする。


「ジジさん、おはようございます」

『お? 今日はいつもと何か違うな』

「リトくん達に新しい遊びを教えてあげたら、早くアニマルドームに行きたいみたいです」

『おう、そうか』

 かなえはジジさんに飴をあげると、ジャンプで砂浜まで移動する。すると、


『ピーちゃん、いくよー』リトくんはピーちゃんと一緒に、一気に舞い上がり山の方へ飛んで行った。

『おお、リトは元気がいいな』

 かなえはジジさんにもリトくん達の宝探しの説明をする。

『なるほど、それは小鳥達には良さそうなあそびだな』と、ジジさんは思ったようだ。


「じゃージジさん、行ってらっしゃい」

 ジジさんも歩き出し、橋を渡って行く。


「シロン、他の皆の様子はどうかな?」

「子猫達は眠っていますし、マリーはプロの実を食べています。ルークスも小屋で寝ています。キングスはルークスが寝ているのを見ています」


 今朝も、問題無さそうね。かなえは牧場の牛舎へジャンプで移動する。

 牛舎の中の、ミルクタンクがまたいっぱいになって来ている。そろそろまたケンが、ミルクを運びに来るだろう。ミルクタンクやその周辺にもウオッシュを掛ける。牛舎の奥の方までウオッシュを終えると、ジャンプで砂浜に戻って来る。


「シロン、リトくん達はどうしてる?」

「今、木の実ボールを見つけて、どこに置いておこうか迷っているようです」

「そう……シロン、何かリトくん達が見つけた木の実ボールを、入れておける入れ物は無いかな?」

「色々ありますが、かごはどうでしょう? 何ヶ所か木の枝にでも取り付けておけば、使えるでしょう」

「そうね、それはいいかも」


 かなえは早速、リトくん達のいる所へジャンプする。

「リトくん! もう見つけたんだ。見つけた木の実ボールを入れるカゴを枝に付けておくから、そこに入れておけばいいよ」

 かなえは、ポーチから縦、横、高さが20センチ位のかごを取り出して、リトくんに見せる。


『うん、わかったー』

 リトくんは咥えていた木の実ボールを、かごに入れると、また飛んで行った。

 かなえはスクーターを出すと、木の枝の上の方にカゴを取り付ける。他に、山の側の木の枝と、南門の側にも取り付けておく。

  

 途中で飛んでいるピーちゃんを見つけたので、かごの事を伝えておく。

 リトくんもピーちゃんも、別々に探してるんだ。楽しんでもらえたらいいけど……。



「かなえ、ルークスが温泉の中で鳴いています」

「えっ、ルークスが温泉!?」


 かなえは嫌な予感がして、ジャンプで移動する。

 あらー……!


 温泉のお湯の中で立ち尽くすルークス。おでこがはれている。

「ルークスどうしたの?」

 かなえはルークスをお湯の中から休憩場にジャンプで移動させる。

『あーん。いたいよー! おでこがいたい―』

 ルークスはお湯の中でおでこをぶつけたようだ。


「シロンお願い」

 するとポーチの中から「角が出て来る時の痛み止めスプレー、ユニコーン用」と、表示された容器が出て来る。


 かなえはルークスのおでこにウオッシュを掛けてから、スプレーする。


 すると、痛がっていたルークスが、

『もう。いたくないよー!』と喜んでいる。

「ルークス、おでこをどこかでぶつけたの?」


『ううん、パパがおんせんのこと言ったから、ぼくきたの。せなかにおゆがぶつかるときもちいいていった。ぼくおでこかゆいから、お湯ぶつけたら、いたくなったの』


 そうか。キングスから温泉の打たせ湯の事を聞いて、角が生えそうなおでこにあてたら、お湯の勢いが強すぎて腫れたのね。


「ルークス、おでこにお湯をあてるのは、強すぎたね。ちゃんと角が生えて来るまでは、止めておこう。でも温泉に入ったり、川を泳ぐのは大丈夫よ」


 ルークスは安心したのか眠そうにしているので、小屋に連れて行き少しミルクを飲ませて寝かせる。眠っているルークスのおでこをよく見ると、小さな薄いグレーの角の先端がおでこから出ている。


 あーっ! ルークス、角が生えて来た!


 大きな事故じゃなくて良かった。ルークスは活発だから目が離せない。

 普段から気を付けておかないとな。



 かなえはキングスの所へジャンプしてルークスの事を話に行く事にする。

 キングスは、牧草地で草を食んでいた。

「キングス、ちょっと話したい事があるの」

『ああ、かなえか、どうしたんだ?』


 かなえはルークスの事を一通りキングスに話す。

『そうか、ルークスは温泉に行ったんだな。そんなに興味があるようには見えなかったんだが』


「これからは何か新しい事を紹介する時、ルークスにもちゃんと説明するわ」

 話が終わると、かなえは山の頂上にジャンプして来る。


 椅子に坐って景色を見ながら、ボーッとする。

 何だかどっと疲れた……。


 するとシロンが、


「かなえ、どんな時でも事故が起こることはあります。そのすべてに責任を感じる必要はありません。かなえは動物達が楽しめるようなドームを作りました。そして山も造り温泉も出来ました。これからもそれを続けて行ってください」


 かなえは自分を責めている所だったので、シロンの言葉がありがたかった。

「シロン、ありがとう。私の事を良く分かっているのね」


「かなえ、飴をどうぞ」

 えっ? かなえはポーチを開けると半透明の中ぐらいの飴が入っていて注意書きには「落ち込んだ時の気分回復飴、責任感の強い女子用」と表示されている。

 フフッ、何だか注意書きを見ただけで元気になったような気がする……。


 かなえは飴を口の中に入れて舐め始める。

 あっ、おいしー。かなえが好きだったミントの香りがする。

 みんな美味しいって飴を舐めてたけど、かなえがポーチからの飴を舐めたのは初めてだった。


 この世界に来てから大きな変化が続き、毎日気を張っていたんだな……。

 飴を舐めて緊張感が溶けて行く気がする。

 無理をせず、自分のできる事をやろうと思えた。



「シロン、心配かけてごめんね。私は復活したわ。リトくん達はどうしてる?」

「まだ木の実ボールを探しているようです」

 まだ探してるんだ……。

 かなえは心配になったので、ジャンプして行く。


「リトくん、まだ木の実を探しているの? そんなに急がなくてもいいんだよ。ゆっくり美味しい実を食べたり、ピーちゃんと遊んだら?」

『うん、ぼく、きのみぼーるいっぱいみつけたよ。ごほうびある?』

「全部見つけたら、ご褒美あげるよ。何個見つけたか見せてくれる?」

 かなえはスクーターを出してリトくんと一緒にカゴの中を見に行く。


「リトくん、いっぱいみつけたね」

 ピーちゃんが他のかごにも入れているか見に行こう。

 かなえとリトくんは、他の二つのかごの中を確かめに行く。

 リトくんのかごに木の実ボールは10個、後のかごには5個入っている。

 全部で15個か。どうしよう。まだ35個は見つかっていないんだけど。

 おまけで、あと5個見つけたらご褒美にしようかな。


「リトくん、あと5個でご褒美だよ。見つけられる?」

 リトくんは数字ではピンと来ないだろうから、かごに入った5個の木の実ボールを見せ「これと同じ数よ」と、言っておく。


 するとリトくんはまた、木の実ボールを見つけに飛んで行く。

 リトくん真剣だなー。

 あと5個ならすぐ見つけられるだろう。


 



「かなえ、またフルーツを収穫したらどうでしょう? 丁度食べ頃な実が沢山生っています」

「あっ、そうね。腐らせたらもったいないな」



 あまり考えず、アニマルドーム全体に、沢山フルーツの木を植えたからなー。いっそ市場で売ろうかとも考えたが、営業妨害はしたくないし……。とりあえず、ポーチからフォルダのフルーツにしまっておけば新鮮なまま取っておけるから、収穫しておこう。


 かなえは、ジャンプしてフルーツや木の実のある所へ移動する。


「わー、ホントだ!」

 食べ頃のフルーツがたわわに実っている。

 かなえは思わず目の前のアプリコットに齧りつく。

「あー! 美味しー」

 


 かなえは袋を出しどんどん収穫して行くと、馬車の荷台3台分ぐらいになった。

 沢山あって動物達だけでは食べきれない。

 これはやっぱり皆に分けてあげたいな。


 パーティーでお土産って手もあるけど……。そんなに大量にフルーツを出したら出所を怪しまれちゃうかな……? やっぱり別々に配った方が良いかな。うーん。


 思いつかないから、また後で考えよう。


 

 かなえは山の温泉へジャンプで移動する。

「あっ、ジジさんここに居たんですね」

『ああ、この温泉は気持ちいいな。もう毎日の日課になりそうだ』

「それは、良かったです。何か変更したり手を加えて欲しいところはありましたか?」


『うーん、そうだな。ここはそのままでいいと思うが……次に造るなら、温度を変えてもらえると、変化があっていいかもしれんな』

「温度ですか? もっと熱くても大丈夫なんですか?」

『ああ、長くは入れんが、もう少し熱いお湯も試してみたいのー』

「わかりました。また午後からでも造ってみますね。他にも何かあったら言ってください」


 かなえは次にリトくんの所へ移動する。

「リトくん、木の実ボールは見つかったかな?」

『うん、ぼくみつけたよ。ピーちゃんもあるよー』

 かなえは何個見つけたのか、かごの中を覗いてみる。

 リトくんあれから4個も見つけたんだ。後一個は……。


「リトくんがんばったね。あと1個だよ。他のかごも見てみようか」

 かなえとリトくんはもう二つのかごへ移動し中を確かめる。

「リトくん!2個はいってるよー。全部で21個だからもういいよ」

『ごほうび?』

「うん、そうよ。ご褒美あげる。ピーちゃんも呼んで来よう」


 リトくんとかなえはピーちゃんのところへ移動する。

「ピーちゃん、もう探さなくていいよ。全部で21個になったからご褒美だよ」

『やったー! ごほうび―』

 

「ご褒美は何がいいかな? あまり難しいのはダメだけど希望を言ってみて?」

『ぼくパン、大きいパンがいい!』とリトくん。

「えっ? リトくん、パンでいいの? パンは毎日食べてるでしょ?」

『ぼく、パンすきー。大きいパンがいい!』

 せっかくのご褒美なのにパンがいいんだ……。

 フフッ、リトくんらしいな。


「わかった。リトくんには大きくて美味しいパンがご褒美ね。ピーちゃんは何がいい?」

『あたし、リアとここであそびたい』

 えっ!? ここで……。


「ピーちゃん、リアちゃんとここで遊びたいんだ。でもここは遠いし、まだ人は連れて来れないの。でも、公園ならいいよ」

『うーん、こうえんリアとあそぶいい?』

「うん、いいよ。リアちゃんとお婆ちゃんに聞いてみるよ」

『やったー!』


 そうか、ピーちゃんはリアちゃんと、外で遊んだことは無いものね。今日帰りにでも聞いてみよう。リトくんの大きいパンも後で買いに行こう。

 


 かなえはジャンプでルークスの小屋へ移動する。

「シロン、ルークスはどうしてる? 水路を元気よく泳いでいます」

 そうか、もう調子を取り戻したのね。良かった……。


 かなえはミルクを交換し全体にウオッシュを掛けておく。


 もうすぐ12時なので砂浜にジャンプしてお昼にする。

 今日は午前中から濃い1日だな……午後は少しゆっくり出来るかな。

 

 かなえは食べ終わると、眠っている子猫をケージに入れてジャンプで移動して行く。





 






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