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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
36/229

036 水泳訓練 



 そろそろ時間ね。かなえは13時近くに動物ギルドに降りて行き、全体にウオッシュをかける。するとリリララ姉妹も地下から上がって来て、

「かなえさん。タイガの歯見ました!」とリリちゃんが言い、

「タイガの歯小さいのー」とララちゃんも話してくれる。


「そう、二人ともタイガの歯を見たのね。他の2匹も歯茎が盛り上がって来てるからもうすぐね」

「ふーん」と二人ともうなづいている。

「それじゃー宜しくねー」と、二人にまかせると、かなえは自分の部屋から砂浜にジャンプする。


 前方にキングスがルークスのボール遊びの相手をしているのが見えた。

 キングス、もう苦しそうだよ……。


「シロン、ルークスに泳ぎを教えるにはどうしたらいいの?」

「丁度良い物があります、どうぞ」

 すると、目の前に高さのある半透明な浮き輪の様なものが現れた。

「シロン、これ何?」

「これは動物用の浮き輪(小)です。その空いたところから体を押し込めば胴体にはまり、水中で浮くことが出来ますし、慣れれば自分で装着できるようになります」


「へー凄いなー」

 人が使うような輪の形ではなく、アルファベットのCの様な形で体にはめて使うんだな。これなら動物の体にも付けやすそうね。

「慣れて来たら、少しづつ空気を減らして行き、最終的には浮き輪無しでも泳げるようになります」

「なるほどー、ありがとう。シロン」

 かなえは浮き輪を持つと、ルークスに近寄って行き、

「ルークス、これを付けて泳ぐ練習をしようか?」


『えー、なに?』と、ルークスは始めて見る浮き輪を見て不思議そうにしている。

「これはね、浮き輪っていうのよ。これを体に付けると体が浮いて泳ぎやすくなるの」

『うーん』

 ルークスちょっと不安そうだな。すると、


『そうか、楽しそうじゃないか。かなえわしにも使えるのか?』

 と、キングスがルークスに興味を出させようと、自分も一緒に泳ごうとしている。

 偉いなー、キングス。


「シロン、キングス用の大きな浮き輪もあるの?」

「あります。どうぞ」

 すると、ルークスの浮き輪より二回り大きな浮き輪が現れる。

『かなえ、それをわしに付けてみてくれ』


「大丈夫? キングス。無理しないでね」

『ああ、大丈夫だ。たのむ」

「わかったわ」

 

 かなえはキングス用の浮き輪を持つと、上からかぶせる。少しきついかと思ったが、押し込むと丁度キングスの胴体にはまった。

 見た目はもの凄い迫力で笑いそうになるが、かなえは我慢する。


『パパ? 何?』とルークスは不安になり、

『パパは泳ぎに行くからな。ルークスは嫌ならお留守番だぞ』と、キングスが波打ち際まで行くと……、

『パパ、ぼくも行く、待って』と、ルークスはキングスの後を追って行き……、

『かなえ、頼む。ルークスにもそれを付けてやってくれ』


「うん、わかったわ」

 かなえはルークスの浮き輪を持って、側に近寄ると、

「ルークス、浮き輪はめるよ。じっとしててねー」

 と言いながら、スポッと背中にはめて……丁度良い大きさの様だ。


『じゃールークス付いて来い』

 キングスが湖の中に足を入れ少しづつ奥に入って行く。

『パパ待ってー』とルークスもその後に続く。

 そのまま水の中に入って行くと、ルークスの体が浮いて、


『キャハハハッ、パパ―足が付かないよー』

 ルークスは水に浮くと言う初めての感覚を楽しんでいるようだ。そのまま奥に行くとキングスの体も浮き始める。

『オー、何だこれは! ハッハッハッ、面白いな』

 キングスも初めて水に浮いたようだ。

 2頭共両足を動かして水の流れる方向に進み始める。


「大丈夫? 無理しないでね。」

『ああ、面白いぞ。水の中がこんなに楽しいとは思わなかった』

 キングスは本気で楽しんでいるみたい。ルークスも、

『キャハ、キャハ』と、パパと一緒に泳げるのが嬉しいのかはしゃいでいる。

 2頭がどんどん離れて行くので、かなえは心配になりスクーターを出すと、後を追い始める。


「疲れたらすぐに、岸に移動するから言ってね」

『ああ、でも浮かんでいるだけで、水の流れで進むからたいして疲れないぞ』

『かなえも泳いだらどうだ?』

「えっ、私も?! うーん考えてみるわ」

 キングス元気そうね。ゆっくりな流れるプールみたいだから浮かんでいるだけなら、そんなに疲れないかも。


 橋の下をくぐってそのまま進んでいくと、橋の上からマリーが顔を出して、

『なにしてるのー?』と驚いて尋ねてくる。

「泳ぎの練習してるのよー」と言うと、

『あたしも泳ぎたいー!』と今にも湖に飛び込みそうなので、かなえは急いでマリーのところへジャンプする。


 話を聞くと本当に泳いでみたいそうなので、シロンに浮き輪(小)のルークスと同じサイズの浮き輪を出してもらうとマリーに装着し、一緒に先に進んでいるキングス達に一番近い砂浜にジャンプする。


「マリー、最初はゆっくり水の中に入ってね」

 かなえはスクーターに乗ってマリーを誘導する。

『わかったわ』と返事をすると、

 マリーは少しづつ足を水の中に進めて行き、すぐに体が浮き始める。


『わー浮かんだわ。凄ーい! 面白いわ!』

 やはりマリーも初めて泳いだんだ……。

 マリーは上手に足を動かして進み始める。

「マリー、上手だねー。じゃーこのままキングス達のところにジャンプするよ」

 かなえはマリーと一緒に、泳いでいるキングスとルークスのところにジャンプした。


『おお! マリーもやって来たのか。どうだ? 水に浮くのは良い気分だな』と、キングス。

『ええ、凄く面白いわ。フワフワして体が軽いわ』とマリーも嬉しそう。

 そのままみんなで喋りながら、泳いでいると砂浜で驚いて見ているジジさんを見つけた。するとマリーが、


『ジジもおいでよー、泳ぐの楽しいよー』と声をかける。

『キャッ、キャッ。おもしろいよー』とルークスも夢中だ。

『想像以上にいいぞ、一緒に泳ごう』とキングスも誘う。

 ジジさんは『……』まだ驚いているのか声を発しない。かなえは皆から離れてジジさんの所へ行くと、


「ジジさん、体に浮き輪を付けるので溺れる事はありません。皆と一緒に泳ぎませんか? もし嫌になったらすぐに砂浜に戻りますので」

『そうか……わしが泳ぐ日が来るとはなぁー』ジジさんは覚悟を決めたようで、

『じゃー頼む』と言われる。


 かなえはシロンに頼んで出してもらったのはキングスの浮き輪と長さは同じくらいだが一回り大きく膨らんだ浮き輪が出て来た。

 ……そうか、ジジさんは重いからこれぐらい大きい浮き輪じゃないと浮かないんだな。

 かなえは浮き輪を持ち上げると、ジジさんの体に押し込んではめる。

 うーん、物凄い姿だけど笑っちゃいけない。ジジさんは真剣なんだから。かなえは懸命に笑いを我慢した。


「じゃー、ジジさん水の中へ入って行って下さい」

『ああ』

 ジジさんは、足を進めて行くがなかなか体が浮かない……と思ったところでフワッと、ジジさんが揺れ出して、浮かんだ。

『おおっ、これが浮く感覚か。面白いな。体が軽くなった』

 ジジさんも浮かぶのは初めてなのね。


「じゃーこのまま皆のところにジャンプしますね」

 かなえは一瞬でジジさんを連れて少し先を泳いでいるみんなのところに、ジャンプする。


『おー来たか』とキングス。

『ジジどう? 楽しいでしょ』とマリー。

 ルークスは皆で泳げるのが楽しいのか、はしゃいでいる。


「疲れたら教えてくださいねー。すぐ砂浜に移動しますよー」

 いずれにしても初めての泳ぎだから、あまり長時間は良くないな。お年寄りが2頭いるし……。

「長くても、1周したら岸に上がりますよ。水中ではより体力を消耗するので、後で疲れが出ます」

 みんなうなづいているが泳ぐのに夢中で、たいして気にしていない。


 暫らく泳いでいると、リトくんとピーちゃんが近寄って来て、スクーターに乗っているかなえの肩にとまった。

『カナ、カナなに?』

「リトくん、ピーちゃん、驚いたでしょ? みんな泳ぐ練習をしているのよ。初めて泳ぐから、体に浮き輪を付けて泳いでいるの」

『ふーん』と、リトくんとピーちゃんはわかったのか、観察している。

 

『カナ、カナ、ぼく、ピーちゃんおよぐ?』

「えっ! リトくん達は泳ぐのはちょっと無理だろうなー」

「シロン、何かリトくんとピーちゃんが水を楽しめるものはある?」


「はいあります、どうぞ」と、現れたのは紐の付いた浮き輪のサイズのボートだ。小鳥がとまれるように、棒が渡してある。

「うーんどうだろう。リトくん、これボートだけど。水に浮かべたら中に入ってみる?」


『いいよ!』

「そう、わかった」

 かなえは紐を持って、ボートを水に浮かべるとリトくんがパッーと舞い降りて行き、ボートの中の棒にとまった。

水の動きに合わせてボートが揺れるのが面白いのか、


『ピーちゃん、たのしいよーおいで―』と呼ぶと。ピーちゃんも後に付いて飛んで行き、リトくんの隣にとまる。

 たまに水が跳ねてボートに入って来るのも楽しい様で、2羽はルークスと変わらないくらい『あー!』『キャー!』と、騒ぎだした。


 キングスとジジはゆったりと水に浮かんでいるのを楽しみ流れに任せている。

 マリーはたまに足かきをして先に進んだり、戻ったりして自分の好きなように泳ぎ、ルークスも騒ぎ疲れたのか水に浮かんで周りを見回している。

 リトくん、ピーちゃんもボートの動きに慣れて来て上手にバランスを取っている。もうすぐ一周の地点まで来ると、


「みんな、そろそろ岸にあがりますよー」と言い、

 ジャンプで砂浜に戻って来る。するとみんなは、

『急に体が重くなったぞー』とジジさん、

『体がだるい―』と、キングス、

『なんだかまたお腹が空いて来たわ』と、マリー。

『ぼく、まだおよぎたいよー』とルークス。

『ボートすき、たのしい』とリトくん。

『ボートいいね』とピーちゃん。


「それじゃーみんなお腹が空いたなら食べに行って来てねー」

 と言いながら、浮き輪を外しウオッシュで濡れた体を乾かしていく。

 マリーは走って食べに行き、ルークスもミルクを飲みに行った。リトくんとピーちゃんも美味しい実を探しに飛んで行き、残されたのは年寄りの2頭。

「ジジさん、キングス、大丈夫? 泳ぐのは思ったより体力を使うでしょ?」

 砂浜に寝転んでいるキングスとジジさん。


『ホントだな。体が石になったみたいに重たく感じるよ』とキングス。

『ああ、その通りだ。だが、泳ぐのは楽しかったな』とジジさん。

「シロン、お願い」

 かなえはシロンにに頼んでポーチを開けると、二つ半透明な大きい飴が出て来る。注意書きにはそれぞれ「泳いだ後の筋肉疲労、体力回復の塩飴。雄牛用、雄馬用」と表示されている。飴をジジさんと、キングスの口に入れてあげると、


『ああー体が楽になって行くー』とキングス。

『そうだなー。体が軽くなってきた』とジジさん。

 

 しばらくすると、2頭も動く元気が出て来たようで『腹が減って来たな』と、食べ物を求めて立ち去って行った。


 ルークスに泳ぎを教えるつもりが、みんなで泳ぐことになるとは思わなかったなぁー。それに浮き輪を付けたみんなの恰好ったら……!

 カメラがあったら撮りたかった。


「ウフッ、フフ、アハハハ…!」

 かなえは我慢していた笑いをやっと吐き出すことが出来てスッキリした。

 暫らくは思い出し笑いをしそうだな。


 まだみんな戻って来そうにないので、部屋にジャンプして、リリララ姉妹の食事とメラニーさんからもらったピーチパイを袋に詰め、動物ギルドに降りて行く。

「お待たせ―、何も問題無かったかな?」

「はい、子猫達も良くミルクを飲んで眠ってます」

「そう、ご苦労様」

 

 かなえは食事を渡して、子猫達の入った保育器を受け取り自分の部屋に戻って来る。子猫達だけで部屋に置いたままにするのは不安なので、保育器をケージに入れるとポーチにしまう。

 再びアニマルドームの砂浜に戻って来ると、リトくんとピーちゃんが枝から移って来てかなえの肩にとまる。

 みんなまだ来る気配が無いなー。

 かなえはピーちゃんを先に送る事にして2羽一緒に家の玄関にジャンプする。


「カン、カン」

「ハーイ」

「あら、かなえさんピーちゃんを連れて来てくれたのね。ありがとうございます。さぁーどうぞ」

「もう遅いので、今日はここで失礼します。これフルーツです。沢山もらったのでお裾分けです。どうぞ。それじゃーピーちゃんまたね」

 玄関を閉じると、かなえは歩きながらリトくんに聞く。


「リトくん、先にお家に戻ってパン食べる? それともジジさんとマリーを迎えに行く?」

『ぼく、迎えに行く』

 リトくんもう眠そうだな。まぁー我慢できなくなったら肩で、寝ればいいね。かなえはリトくんを肩に乗せたまま、アニマルドームの砂浜に戻って来る。

 かなえは椅子に腰かけて、リトくんを見ると……、

 あーあ、やっぱりリトくん寝ちゃった。


 暫らくすると、ジジさん、キングス、マリーが一緒に橋を渡って来るのが見える。皆、足の遅いジジさんの速度に合わせているんだなー。今日1日で随分仲良くなったように見える。一緒に泳いだのが良かったかな……。

 辺りは段々薄暗くなって薄紫の空がきれいだな。星も幾つか輝いている。

 

 かなえの所に辿り着くと、

『お待たせー』とジジさん、

『遅くなったわ』とマリー。

『旨い草を見つけたよ』とキングス。


「それじゃー帰りますか。キングスまた明日ね」

 かなえはジジさんを牧場に送り、マリーを連れて部屋に辿り着く。

『今日は楽しかったわー。ありがとう。かなえ』

 そう言うとマリーは自分の部屋に戻って行く。

 

 かなえは肩の上で眠っているリトくんを手に包むと、イスの背にとまらせる。

 ポーチからケージを取り出し、保育器を出すと台の上に置く。

 消化の良さそうなスープとパンで軽く夕食を済ませ、寝る支度をすると、起き出した子猫達の世話をして、ベットに入る。

 ……隣は静かだからもうマリーは眠ったのね。


 かなえも疲れてはいるが、皆に楽しんでもらえたので心が軽い。

 ベットに入り今日の事を思い出す。

 まさか皆が泳ぎをあんなに楽しんでくれるとは思わなかった。また浮き輪をした姿が蘇って来て……。

「フフフッ、ハハハハ」

 

 いつの間にか眠りに着いていた。



――――――――――――――――――――


<かなえのIDカード>

 表示

 名前  カナエ リュウゼン

 年齢  16才

 職業  動物ギルド長、ミルク牧場従業員

 特技  動物の世話、歌声  

 持ち物 乗馬体験チケット3回分

  ポイント 10000

 お財布  10000

 パワー 5 

 ――――――――

 非表示

 名前  竜禅かなえ

 年齢  16才(32才)

  職業  アニマルレスキュー、女神様の子分、アニマルドーム管理人

 特技  人間、動物とのコミュニケーション、癒しの声

 持ち物 ブレスレット、ポーチ

 

 ポイント 

 プラス   2000 ジジ、キングス滋養強壮塩飴  

     2000 ジジ、キングス疲労回復塩飴

 マイナス    


 残り   2百6万8500  

 パワー   497


 ――――――――――――――――

 動物ギルド用  


 手提げ袋関係 3万  手提げ袋(100枚 仕立屋)

        5千  デザイン画(看板屋)

        2万  印刷職人 

               

 カード追加分 1万  印刷職人 

 

 合計     6万5千


――――――――――――

パーティーの準備

  

  5千  パーティーの招待状印刷

1万8千  ラウンドカフェの料理盛り合わせ(大)3皿


――――――――――――――――

 立て替え   8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)








 



 


 










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