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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
33/229

033 動物達の名前 




「かなえ、かなえ、起きてください、子猫が目を覚ましましたよ」

「うーん……おはようシロン」

 かなえは目を覚まし、子猫達の居る保育器の方に目をやると、マリーとリトくんが何やら、子猫達に話しかけているようだ。


「みんな、おはよう」

 かなえは保育器を持って、居間に行く。

 

 2匹目も起きたみたい。

 かなえは、最初に起きた、丸い模様のある子猫にミルクをやりながら……えーと、あなたはトラみたいな斑点があるからタイガね? 

「リトくん、マリー、子猫達の名前が決まったのよ。私が今ミルクを上げている子が、タイガよ。それで隣の目つき鋭いのがレオン。シマシマ模様のまだ寝ているのがマーブルだったはず……シロン、合ってる?」

「はい、正解です」

「リトくんも、マリーも覚えてあげてね。みんな男の子よ」

『えーと、タイ、レオ、マーでしょ?』とリトくん

『わかったわ』とマリー。

 

 子猫達は手足の力が付いて来たので、起き上がってよろよろと歩けるようになって来た。

 毎日成長しているんだな……。

 かなえは子猫達の世話を済ませる。


「リトくんは。パン食べるの?」

『うん、パンちょーだい、しらないパン』

 えー知らないパンって……おなじのは飽きたってこと? うーん。

 かなえはフォルダのパンのリストを見て、リトくんの好みに合うのを探すと、


「あっ、まだあげてないパンがあった!」

 見つけたパンはコーンの粉で焼いたコーンパンだ。リトくんにちぎってあげると、

『パン、パン、しらないパン、きいろパン』

 ふふっ、リトくん喜んでる。やっぱり変化が必要なんだな。


「そうだ! シロン、ユニコーンの子はどうしてる?」

「今はキングスと一緒に砂浜に居ます」

「なら、ミルクの量はどうかな?」

「お昼までは持ちます」

 キングス、ちゃんとお父さんしてるみたいね。良かった……。


 かなえは朝食を済ませ、シャワーを浴び支度を終えると、子猫達とリリララ姉妹のランチを持って地下に届ける。

「おはよー、はいこれ。猫ちゃん達と、ランチね」

 リリちゃんが眠そうに扉を開けてくれる。

「それじゃー宜しくねー」

 

 かなえは出掛ける準備を終えて、そろそろ農場へと思っていると、パサパサッと窓のところで音がして、ピーちゃんが止まった。

『あーピーちゃん』

 リトくんが羽をパタパタさせて喜んでいる。

「ピーちゃん、おはよう。鳥かごから出してもらえたのね?」


『うん、あたしそととびたいの』とピーちゃん。

「丁度良かった。今から農場へ行こうと思っていたのよ。ピーちゃんも一緒に行こうね」

『うん』

 良かった。ピーちゃん、外に行きたいと意思表示して、出してもらえたんだ。大きな進歩ね。


 かなえは、リトくん、マリー、ピーちゃんを連れて、農場にジャンプする。

 すると待ち構えたように、ジジさんが丘の上にいて、


「おはようございます。ジジさん。今日も一緒にアニマルドームでいいですか?」

『ああ、頼むよ。わしは毎日あそこに行くのが楽しみでね。旨い草もあるしな』

 かなえはジジさんに塩飴を上げると、シロンから聞いたキングス達の現在地に少しずらしてジャンプする。


「キングス、ユニコーンちゃんおはよう。どう?少しは慣れたかな?」

『ああ、ルークスはミルクも飲んだし、昨日よりも調子が良さそうだ』

「えっ? キングス、その子の名前ルークスにしたの?」

『ああ、ルークスって悪くないだろう?』

「そうね、キングスにも響きが似ていて、この子にピッタリな感じがする! みんなはどう思う?」

 かなえが他の動物達の聞くと、


『わしは、良い名だと思うよ』とジジさん。

『そうね。いいんじゃない?』と、マリー。

『ルーク、ルーク』と羽をパタパタしているリトくんも、気に入ったみたい。

 ピーちゃんだけは『……?』と、首をかしげている。


「ピーちゃん、この子は昨日このアニマルドームにやって来た、ユニコーンのルークスよ。宜しくね」とかなえが話すと、ピーちゃんは、

『うん』と返事をして恥ずかしそうにしている。

 ルークスはキングスにピッタリくっ付いて嬉しそう。

 ほとんど黒に近いこげ茶色の大きなキングスと真っ白で小さなルークスは対象的。ルークスの深い青い目の色もきれいだなー。


「キングス、ルークスのミルクはお昼頃また交換するね……それじゃー私は行くわ」

 動物達はそれぞれの気に入った場所に移動して行き、かなえも牧場の牛舎にジャンプする。


 牛舎の掃除を済ませ、餌と水桶をウオッシュしていると、一頭の大きな白黒の雄牛が牛舎に入ってくる。

 あら? この雄牛さんは見たことなかったかも。


「こんにちは。大きな雄牛さん。始めましてかな?」

『そうだ。本当に俺たちの言葉が分かるんだな……あんたが池の子牛を助けたのか』

 池の子牛って、ああ、あの溺れそうになっていた子牛の事か。


「ええ、まぁーそうですけど、何かありましたか?」

『いや、あの子は元気にしている。今日はお礼を言いに来たんだ。それに……」

「お礼? もしかして貴方はあの子のお父さんですか?」


『ああ、そうだ。あんたが来てくれて助かったよ。それで……」

 ……この雄牛さん何か言いたそうだけど何だろう?

「他に何か困っていることはありますか?」

『いや、そのー……あんたが旨い飴をくれると聞いてな』

 そうか! 飴が欲しかったのね。


「わかりました。今あなたにピッタリの飴を出しますね。シロンお願い」

 かなえはシロンに頼んでポーチから取り出したのは、ミカンぐらいの大きさのグミのような柔らかい黄色い飴だ。注意書きには「元気いっぱいな雄牛の精神安定効果 りんご風味の塩飴」と表示されている。

 

 ふふっ、元気いっぱいなんだ。見るからに元気そうだものなぁー。飴が美味しいって聞いて、舐めてみたくなったのね。

「はい、どうぞ口を開けてください」

 かなえは雄牛の口の中に飴を入れてあげた。その雄牛は飴を舐め始めると、


『おお! ホントだ! これはうまい。塩味とりんごの香りがクセになりそうだ』

 と、気に入ってくれたようだ。あっという間に舐め終わったようで、まだ欲しそうにしている。

「雄牛さん、飴は薬なので、1日1回以上はダメですよー」とかなえが言うと、

『ふん、わかったよ』とちょっとガッカリしたのか、大きな体をゆっくり動かして、牧場の奥に戻って行った。


 かなえは牛舎の掃除が終わったので、ジャンプでユニコーンのルークスの小屋に移動する。まだ誰もこの辺りには居ないようだ。

 かなえは小屋の中と周りもウオッシュをかける。すると下にあったわらが、敷いたばかりのように、フワッと盛り上がった。

 ……これなら気持ちよく寝られるだろうな。


 その後、スクーターに乗ると木の上ぐらいの高さを飛びながら、少しづつウオッシュをかけて行く。

 かなえが設置した木や草花も、健康そうで青々としている。


 するとマリーが前足で一生懸命穴を掘っているのが見えたので、スクーターの高度を下げて行き、マリーの横で止める。

「マリー、何をそんなに掘っているの?」

『あら、かなえ。わからないけど、急に穴を掘りたくなったの』

「そう。いいのよ。何でも自分の好きな事をやってね。いくらでも掘っていいわよ」

 

  穴掘りは犬の本能とも言われているが、ストレスが原因の場合もある。マリーも長い間お爺さんと暮らして、走り回れなかったストレスがまだ残っているかもしれない。かなえがマリーを引き取ってから、まだ5日だからな。

 

 かなえはシロンに飴を出してもらい、ポーチを開けるとゴルフボール位の柔らかいグミが入っていて注意書きには「精神の安定、心と体の栄養。大型犬用 ミルク味」と表示されている。

 かなえは穴を掘り続けているマリーに呼びかけると、砂だらけの顔にウオッシュをかけて、


「マリー、あなたにも飴をあげるわ。どうぞ」と、

 マリーの口の中に入れる。すると、

『あー、美味しい! ミルクの味ね。何だか懐かし味ね』

「良かったね。それじゃー私は行くわー」

 かなえはスクーターの高度を上げて行く。

 マリーはしっかりしているからわかりにくいけど、まだ気を付けて見てあげないとな……。

 

 その後もかなえはアニマルドームの中をウオッシュし、一通り終わると、島の砂浜の椅子に坐って休憩する。


 そういえばパーティーの計画が進んでなかったな。

 かなえは、紙とペンを出し頭の中で決まっている、計画を練ろうとしたが……なんだか眠くなって来て頭が動かない。

「シロン、今何時?」

「11時20分です」

「そう、ちょっと休むから12時に起こしてくれる?」

「はい、わかりました」

 かなえは毎日、夜中に子猫の世話で起きているので、眠れるときに眠ろうと、砂浜に横になった。


「かなえ、起きてください。12時ですよ」

「うん、起きます」

 かなえは目を開けると、動物達が勢ぞろいしてかなえの周りを囲っている。


「はっ? みんな集まってどうしたの?」

『カナ、カナへいき?』と、リトくんが心配して。

『具合でもわるいのか?』とキングスがかなえを覗き込み、

『ちょっと、驚かせないでよ』とマリーが慌て気味で、

『調子が悪い時は休んだ方がいい』とジジさん。

 ピーちゃんも心配そうにジジさんの背中にとまって見ている。


「違うのよ!」

 かなえは慌てて起き上がると、みんなに伝える。

「急に眠くなったから、横になって寝てただけよ。心配かけちゃったみたいでごめんなさいね」


『そう。仕方が無いわよね。あなた夜中に子猫の世話をしてるし』とマリー。

『子猫?』と、ジジさんとキングス。

 ルークスはぴったりキングスにくっついている。

 そうかジジさんとキングスはまだ子猫達に会ったことなかったな。


「ジジさんと、キングスはまだ知らないと思うけど、私子猫を3匹引き取ったから夜は世話しているのよ。だからたまに今みたいに急に眠たくなるの」

『そうか、それなら眠くなっても仕方がないな』とジジさん。

『子育ては大変だ』とキングスはもう経験があるのか、頷いている。

「それに私、この砂浜で昼寝をするのが好きなの。だからまた私がここで寝てても驚かないでね?」

『そうね、ここは昼寝には丁度いいわよね』とマリーが言うと、

 みんな『うんうん』とうなづいている。


「じゃー皆は好きな所に行って来てくださーい」

 すると動物達はまたお気に入りの場所に移動を始める。

 心配してくれるなんて、ありがたいな。かなえは心が温かくなる。


「さっ、ルークスのミルクを替えて来よう」

 かなえは、ルークスの小屋にジャンプする。

 そして残り少ない大きな哺乳瓶を外すと、いっぱいにミルクが入った哺乳瓶をジャンプで移動させ設置する。

「これでよしと!」

 殆ど空の哺乳瓶はまたポーチにしまっておく、


 再び砂浜に戻って来ると、かなえは椅子に腰かけて今日のランチを選んでテーブルに並べる。

 今の気分は……メープルシロップたっぷりの雑穀パンケーキにオクラや根野菜がたっぷり入ったピリ辛ガンボスープ。それとグリーンサラダに、アイスアップルティー。

「いただきまーす」

 メープルシロップの甘みが口の中に広がって、

「幸せー!」

 キレイな砂浜で湖を見ながらの美味しいランチは格別だなー。

 

 

 少し休んで、元気が出たかなえは、きれいに食事を平らげると動物ギルドの自分の部屋に戻って行く。


 




 

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