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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
32/229

032 女神様からの贈り物 



「かなえ、起きてください。時間ですよ」

「えっ? はい。あっ、私寝ちゃったんだ」

 かなえは砂浜で起き上がると、服に着いた砂を叩いて落とす。


 ジャンプで動物ギルドの2階に戻って来ると、床にパラパラっと砂が落ちる。

「あーあ、髪も砂だらけだー!」


 かなえは自分と床にウオッシュをかけてきれいにする。

 動物ギルドに降りて行くと、丁度リリララ姉妹もやって来た。


「ご苦労様。猫ちゃん達は良い子にしてた?」

 と、かなえがリリララ姉妹に聞くと、


「はい、目が覚めると元気に手を動かしています」

「あのね、名前決めたよ」とララちゃん。


「そう! 何にしたの?」とかなえが聞くと、


「えーと、この丸い模様があるのがタイガで、目つきが鋭いのがレオン、シマシマが濃いのがマーブルにしたんですけど、いいですか?」と、リリちゃん。


 そうなんだ。よくある名前だけど覚えやすくていいかも。


「うん、いいと思うよ。みんな男の子だしね」

 二人とも一生懸命考えたのだろう。かなえが了承したので嬉しそうだ。かなえは寝ている子猫達に向かって、


「あなた達、名前が決まったよ。タイガ、レオン、マーブルだって。良かったね」

と、伝えておく。また起きたら教えてあげよう。

 

 かなえは後を二人に頼み、2階の自分の部屋に戻って来る。


「シロン、私子猫達の名前忘れそうだから覚えておいてね」

「はい、わかりました」



 さー、今日は特に用事が無さそうだからパーティーの計画でも立てようかな……。

 

 せっかくやるならみんなに楽しんでもらいたいしなー。お土産も何か考えよう。


 かなえの頭の中はもうパーティーの事で一杯だ。

 

 誘うのは10人ぐらいにして、家族か友人にも来てもらおう。そうなると20人位として計画を立てればいいかな。

 

 すると急に、


「かなえ! アニマルドームに何か侵入して来ました」と、シロン。

「えっ? でもあそこはまだ不可視化されているし、入れないんじゃないの?」


「はい、おそらくシンが言っていた女神様からの何かかもしれません」

「そうか! 大変! シロン場所を教えて」

 かなえは場所を確認して、ジャンプして行く。



「あれ? 別に何もないけど」

 辺りを見回したけど何も怪しいものは見当たらない。


「シロン、どこにあるの?」

「上です、上空から降りて来ます!」

 

 かなえは上を見上げると、確かに何か大きな卵を少し平たくしたような形の白い物体が、ゆっくりと降りて来る。


「シロン、あれは何かしら?」

「おそらくあの中に何か入っているのでしょう」


 うーん、シロンにもわからないか……何だろう?

 すると、やはり気になったのか他の動物達も集まって来た。



『あれは何だね?』とジジさん。

『不思議なものが降りて来るな』とキングス。

『ねーあの中に何が入っているの?』とマリー。

『カナ、カナおおきいのなに?』とリトくん。

 

 やはり皆、気になるようだ。

 そうしている間にもゆっくりと降りて来た白い物体は、とうとう地面に着地して止まった。


 かなえが日本で乗っていた軽自動車ぐらいの大きさはありそうだ。

「中に一つ生命反応があります」とシロン。

 

 でも継ぎ目が無いのにどうやって開ければいいのかな?

 

 かなえが恐る恐る白い物体に触ってみると急に、グルッと横に線が出来た。


 かなえは念の為皆に少し離れてもらうと、上の部分を持ち上げてみた。

 すると、上部がコンパクトのように開いて、中には小さな白い子馬が眠っていた。


 これは間違いない。女神様からだわ。この子馬どこから来たんだろう……。

 

 かなえは、子馬が眠っている辺りを探っていると、ふたの部分の裏側に紙が貼り付いていた。


 取り外して見てみると、


「かなえへ、別の世界で母親とはぐれて弱っていた子を見つけたの。あとは宜しくね。 女神」

 と、書かれていた。


「えーっ、子馬の面倒はどうやって見ればいいんだろう!」

「かなえ、子馬ではありません。おそらくユニコーンでしょう」


「は? ユニコーン? それって伝説の生き物じゃないの?」

「いえ、地球ではそうかもしれませんが、別の世界では普通に生きています」

「そうなんだ……」

 

 よく見るとおでこの辺りが小さく盛り上がっている。

 あそこから角が生えて来るのかな?


「この子の体調はどうなの?」

「健康は6、パワーは4です。おそらく母親とはぐれて暫らく時間が経っていたのでしょう」

 

 そう可哀想ね……。


 かなえは周りで様子を伺っている動物達に説明する。


「この動物はユニコーンと言う種類なの。母親とはぐれて弱っていたところを保護されて、ここへ送られて来たの。しばらく様子を見るけど、元気になったら仲良くしてあげてね」


『ユニコーン?』と皆が首をかしげている。やはり知らないんだな。

「そうよ姿は馬に似ているけど、大人になるにつれ、おでこに角が生えて来るのよ」

『ふーん……』


 みんなユニコーンに興味があるのか側に寄って来て眺めている。入っていた容器はクッションが効いていて分厚いので、小さいユニコーンの子も寝心地が良さそうに、丸くなって眠っている。


「シロン、このユニコーンは生後どれくらいなの?」

「おそらく生後1週間から2週間の間でしょう」

 

 大型犬のマリーより一回りは大きそうだけど、まだ生まれて間もないんだ。すごく細いから栄養が必要だな。


「シロン、まさかユニコーン用のミルクなんて無いよね?」

「あります。別の世界の動物用の食料も幾つか用意してあります。このユニコーンの子用に設置するタイプの哺乳瓶もあります」


 そうなんだ。それは助かるけど……。女神様いったいここにどんな動物を連れて来ようとしてるんだろ……。かなえは少し不安になる。


「シロン、その設置する哺乳瓶を見せてくれる?」

 かなえが言うとすぐに、大きな哺乳瓶が台に固定されて出て来た。

 

 へー、大きなタンクが付いたウォーターサーバーみたい。

 

 哺乳瓶の角度や高さを調節出来、ユニコーンの子が吸い易いようになっているようだ。


 この哺乳瓶、タンクのように大きいけど……。


「この哺乳瓶のミルクの量は丁度1日分です。温度調節と殺菌効果もあるので、1日1回取り換えて下さい」

 そうなんだ、それなら助かるな。


「シロン、この子を何処で育てるのが良いかな?」


「このアニマルドームと考えるなら、他の動物達も目の届き易い中央の島に近い方が良いでしょう」


 そうね。それじゃー島の湖の側にユニコーンの小屋を設置しよう。

 


 かなえは地図を出すと小屋を選び、かなえがいつもいる砂浜から50メートル程奥に入った、大きな木の隣に設置した。


「シロン、このユニコーンの容器ごとジャンプしても大丈夫?」

「はい、いつもと同じ要領で移動できます」


 そうか、それならこの哺乳瓶も一緒に……。

 それと、まだユニコーンの側から離れない動物達に向かって、


「みんな、これから砂浜の近くのユニコーンの小屋に移動するけど、どうする?」

『わしは見に行くよ』と、キングス。

『そうだな、わしも行こう』と、ジジさん。

『ちょっと面白そうだからあたしも行くわ』と、マリー。

『ぼくいくよー』と、リトくん。

 

 フフッ、みんなユニコーンに興味深々なんだな。


「じゃー、みんな一緒に移動しまーす」

 かなえはジャンプで一緒に移動した。


 目の前には設置したばかりのユニコーンの小屋。

 かなえはユニコーンの寝ている容器ごと、ジャンプで小屋の中に移動させる。ミルクもすぐ飲めるように、ユニコーンの側に設置する。

 

 暫らく皆で眠っているユニーコーンを眺めていると……。

 長いまつ毛が動いて、透き通った青い瞳が現れた。。


『……ママー、ママー』

 ユニコーンは母親を探しているようだ。直ぐに私や他の動物達に気づくと、

『……』

 

 ちょっと体を強張らせている。怖がっているのかも。


「大丈夫よ。怖がらないで。知らないところに来て驚いたでしょ? でもみんな優しいから安心してね」

 かなえはそう言うと、頭を撫で始める。


「シロン、何か無い?」

「はいどうぞ」

 

 かなえは、ポーチを開けると、中くらいの白い飴を見つける。注意書きには「ユニコーンの精神安定と体力快復の飴 ミルク味」と表示されている。


「はい、これは元気になる飴よ。おいしいよ」と、

 ユニコーンの口に入れると……、


『うん、おいしー』

 少しづつユニコーンの体の強張りが取れてくる。

 

 他の動物達も体を乗り出して見守っている。


「皆、新しいあなたのお友達よ。一番大きいのがキングス、次に大きいのがジジ、その隣がマリーと、小鳥のリトくんよ。それから私はかなえ、宜しくね」


 すると、動物達をジーッと見ていたユニコーンの子は起き上がると、キングスの側に近寄って行き、


『パパ? パパ―!』

 と、嬉しそうにしている。

 キングスは驚いたみたいで、声が出ないみたい。

 

 そうよねー。ユニコーンも馬もほとんど形は一緒だしこんな小さかったら間違えてもおかしくないかも……。

 

 ユニコーンの子は嬉しそうにキングスに体をこすりつけて居る。

 

 もしかしてキングス、嬉しそう? ふーん。それは良いかも!

 

 キングスは、何日か前まであんなに意気消沈してたけど……。

 慕ってくれるユニコーンの子が出来たら、キングスも寂しくないだろう。


「キングス、どうする? 嫌だったらちゃんと説明するけど」

『うーん、そうだな。まさかこの歳でパパと呼ばれる日が来るとは思わなかったが……まぁーいいんじゃないか』


「そう、ありがとう! キングスが、この子を気に掛けてくれたら、とても助かるわ」

 かなえは、ユニコーンの子に向かって、


「良かったわね。パパになってくれるみたいよ。あなた名前はあるの?」

『なまえ、なに?』

 

 そうか、まだ無さそうね。それなら……。


「キングス、この子に名前を付けてあげてくれる? ゆっくり考えていいから」

『名前か―、そうだな。考えてみるよ』


 もうキングス、さっきまでと全然顔つきが違うよ。ユニコーンの子を見る目がパパじゃなくてママみたいに温かい目になってる!



「ここにあなたのミルクがあるの。飲めるかどうか確かめたいから飲んでみてくれる?」

 と、話しかけると、ユニコーンの子はキングスを見てキングスがうなずくのを確認してから、哺乳瓶に近づきミルクを飲み始める。


 お腹が空いていたのか、勢いよく飲み始め、満足するとまたキングスの側に戻って行く。

 

 ミルクも問題無さそう。でもこの分じゃキングスとユニコーン用の小屋を用意した方が良さそうね。


「キングス、隣に一緒に寝られるように大きめな小屋を作るけどいいかな?」

『ああ、そうだな。たのむよ』

 

 かなえは外に出ると、地図を出して、すぐ隣に2頭用の大きな小屋を設置し、わらをたっぷり敷いて、ユニコーンのミルクも設置する。


「出来たよー。あなたと、キングスの小屋を作ったからここで寝てね」

 ユニコーンの子は、パカ、パカッと早足で出来上がった小屋に入って行き、


『パパー、パパきてー』と呼び、キングスも嬉しそうに小屋に入って行く。もうこの先はお任せしよう。

 その様子を見ていたリトくんは、


『キングス、パパなの?』と不思議そうにしている。


 かなえは、

「あの子はまだ赤ちゃんだからパパかママが必要なのよ。キングスがあの子のパパになってくれるんだって」


『ふーん』とリトくんは納得したみたい。

『面白いものを見たなー』とジジさん。

『キングス、嬉しそうだから良かったんじゃない?』とマリー。


「みんなもうすぐ帰る時間だけど、少し走ったり飛んで来た方が良いんじゃない?」

『そうね、ちょっと行ってくるわ』と言いマリーは駆け出して行き、


『そうだな、もう少し美味しい草でも食べて来るかな』とジジさんが歩き出し、

『ぼく、おいしいみたべるー』とリトくんも飛んで行った。


 ユニコーンの子は眠ったのか、キングスが小屋から出て来た。


「キングス、あなたも走って来るなり食べるなりして来ていいわよ。私がここで様子を見ているから」

『そうかい、それじゃーわしもちょっと行って来るよ』そう言うとキングスも、駆けて行った。

 

 ユニコーンの入っていた容器はウオッシュしてポーチのホルダーにしまっておく。


 暫らくすると動物達が戻って来たので、ユニコーンをキングスに任せ、ジャンプでジジさんを送り、家に戻って来る。



「もうみんなはお腹がいっぱいかな?」

『ええ、あたしはいらないわ』とマリー。

『ぼく、パンちょーだい』とリトくん。


「でもリトくん、木の実をたくさん食べたんでしょう?」

『うーん、パンちょっとちょーだい』

 どーしても食べたいんだな。


「わかった、ちょっとだけあげるね」

 かなえは雑穀クルミレーズンパンを、いつもより少なめにちぎってあげる。


『パン、パン、パン、おいしいなぁー』

 おしりを振って踊ってる。リトくんほんと、パン好きねー。


 かなえは昼間に買ったジャングルフードのトロピカルランチと、小さいおかずを幾つか、それにバナナココナッツジュースに、明日の朝食用のセットを持って下に降りて行く。


「二人ともお待たせ―」

 

 リリララ姉妹は嬉しそうに子猫達の様子を話してくれる。目が見えるようになると、子猫達も活動的になるんだろう。


 かなえは用意した食事を渡すと、保育器を持って2階に戻って来る。

 リトくんはもう眠っていて、マリーも奥の部屋で木の棒を齧っているようだ。


 かなえはお昼にタップリ食べたので、夜は軽く食べて寝る準備をする。


「シロン、ユニコーンの子の様子とミルクの減り具合はわかる?」

「はい、今はミルクを飲んで眠っているようです。キングスも一緒に添い寝をしています。ミルクはまだ半分以上あるので明日の午後までは持つでしょう」


「そう、ありがとう」

 キングス、ちゃんとパパさんしているんだな。

 

 ……良かった。

 

 かなえは子猫の世話をして、しばらく撫でて遊んでやると、ベットに入り眠りに着いた。



――――――――――――――――――――


<かなえのIDカード>

 表示

 名前  カナエ リュウゼン

 年齢  16才

 職業  動物ギルド長、ミルク牧場従業員

 特技  動物の世話、歌声  

 持ち物 乗馬体験チケット3回分

 ポイント 10000

 お財布  10000

 パワー 5 

 ――――――――

 非表示

 名前  竜禅かなえ

 年齢  16才(32才)

 職業  アニマルレスキュー、女神様の子分、アニマルドーム管理人

 特技  人間、動物とのコミュニケーション、癒しの声

 持ち物 ブレスレット、ポーチ

 


ポイント 

 

プラス   1000   ジジの目に効く塩飴 

       3000   牝牛親子の飴 3個

       2万   ユニコーンの受け入れ

 マイナス  3000   ジャングルフード 3食分

       5000   パーティーの招待状印刷

     

 残り    2百5万8500  

 

パワー   497


 ――――――――――――――――

 動物ギルド用  


 手提げ袋関係 3万  手提げ袋(100枚 仕立屋)

        5千  デザイン画(看板屋)

        2万  印刷職人 

               

 カード追加分 1万  印刷職人 


合計 マイナス 6万5千


――――――――――――――――

 立て替え   8万(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)


      


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