026 完成した手提げ袋
「かなえ、かなえ 朝ですよ」
「……うーん? シロン、もう時間かー」
かなえは眠い目をこすってベットから起き上がる。昨日のように寝過ごさないよう、シロンに頼んでおいたのだ。昨夜は子猫の世話で2回起こされた。そろそろ子猫達も起きる時間だろう。
リトくんはやはり、保育器の子猫達をジーッと眺めている。
「リトくん、おはよう。子猫達を見ているのは楽しいの?」
『カナ、カナ。こねこおもしろいよ、パンちょーだい』
リトくんの「パンちょーだい」を聞くと、なんかホッとするなぁー。
かなえは起きると居間に行き、リトくんに雑穀ミックスナッツパンをあげる。
すると、
『おいしいパン、いっぱいパン』と嬉しそうに、羽をパタパタとしている。
リトくん、やっぱり雑穀とかナッツが好きなんだな……今度、パンだけじゃなく、雑穀も買っておこう。
子猫達も目を覚まし始める。世話を終えると、ウオッシュを子猫とリトくんにもかけておく。
『カナ、カナなに、かぜ?』
やっぱりリトくん気が付いたかー。
「リトくん、今の風はウオッシュだよ。汚れたりしたら病気になるから、毎日やろうね。子猫にもやっているよ。リトくんは「?」と不思議そうに首をかしげている。
「リトくん、今日はピーちゃんのところへ一緒に行く? ピーちゃんに会って外に行きたいか聞いてみようか?」
昨日ギルド室長にマーブルトークで連絡をもらったので、今日様子を見に行く予定だ。
『うん、ぼくピーちゃんのとこいく』
リトくん、ピーちゃんの話をする時は嬉しそうだな。
かなえは朝の支度を終え、子猫達をリリララ姉妹に預けると、リトくんと一緒にピーちゃんの家の前にジャンプして行く。
―― カン、カン ――
「ハーイ」
出て来たのはリアちゃんのお婆ちゃんだ。爽やかな笑顔で出迎えてくれる。
「かなえさん、わざわざありがとうございます。さ、どうぞ入って」
かなえはリトくんを肩に乗せたまま、居間のピーちゃんの鳥かごの前まで行く。かなえが付けたリボンは鳥かごに付いたままだ。
かなえはすぐに、鳥かごを開けると「ピーちゃん、外にいこうか?」と指に乗せ、リトくんの隣にとまらせる。
リアちゃんはちょっと悲しそうにピーちゃんを見ている。
「リアちゃん、ピーちゃんは空を飛ぶのが好きなの。たまに外に出してあげようね? ちゃんとリアちゃんの居るお家に戻って来るからね」
かなえがリアちゃんに話しかけると「うん」と返事をしてくれた。リアちゃんわかっているけど、悲しいんだな。
ちょっとリアちゃん可愛そうだったかな……悪いけど後はお婆ちゃんに任せよう。
かなえはピーちゃんを連れて、家を出るとピーちゃんに聞いてみる。
「ピーちゃん、どうしてリボンを外して下に落とさなかったの? 外に行きたくなかった?」
『あたし、そといきたい。でもリアかなしい』
やっぱり、リアちゃんの気持ちを考えて遠慮してたんだ……。
「そうね、私、何かいい方法がないか考えるね。今日は忘れて、いっぱい遊んでね」
ピーちゃんは、不安そうにしている。
「ピーちゃん何処行きたい? 公園? それとも牧場?」
『あたし、ぼくじょーいきたい』
『ぼくじょーいこう、ぼくじょー』
リトくんは、元気いっぱいだ。
みんなで牧場にジャンプし、ジジさんのいる丘に着いた。
「おはようございます。ジジさん。今日はピーちゃんも一緒です。よろしくお願いしますね」
『おう、そうか。よろしくな』
リトくんがジジさんの背中に移ると、ピーちゃんも後に付いてジジさんの背中に飛び移る。
かなえはジジさんに塩飴をあげると「それじゃ楽しんでね」と言葉を残し、牛舎にジャンプして行く。
牛舎はいつも同じで、牛の気配はない。かなえは順番にウオッシュをかけて行く。ミルクタンクのミルクの量が大分減っていたので、ケンがミルクを運んで行ったのだろう。
何処も問題が無さそうなので、かなえは自分の部屋にジャンプで戻って来る。
さっ、今日は何からやろうかな……。
そろそろ手提げ袋を見に行った方がいいな。
かなえはジャンプで仕立て屋の前まで行き、お店の中に入って行く。
「こんにちは」
「ハーイ」
仕立屋のお姉さんが出迎えてくれる。
「いらっしゃい、待ってたわよ」
お姉さんは奥から包みを持って来て開けると、出来上がった手提げ袋の束が入っていた。
「えっ? もう出来たんですか?」
「ええ、そうよ。集中して一気に作ったわ。おかげで腕があがったわよ」
「それは良かったです。体調はどうですか? 無理をしてどこか調子が悪いところはありませんか?」
「そうねちょっと、肩から腕にかけて凝っているのよね」
「シロン願い」と小さな声で囁きポーチを開けると、
透明な水色の飴が幾つか入っている。注意書きには……「肩や腕の筋肉の疲れに。1日1個」と表示されている。お姉さんに飴を渡すと、すぐに1つ舐め始めた。
「わー、スーッとして美味しいわ。体がスッキリしたような感じがする」
この飴もお姉さんに喜んでもらえたようで良かった……。
かなえは手提げ袋50枚を受け取ると、
「それじゃーまた来ます」と、お店を出て行く。
次は印刷職人の店ね。
かなえはジャンプしてお店の中に入って行く。誰も居ないので「こんにちは」と声をかけると、奥から印刷職人さんが出て来る。
「あら、いらっしゃいませ。頼まれたもの出来てるわよ」
お姉さんが棚の中から印刷された手提げ袋を見せてくれる。
「わぁー! ステキ! キレイに出来ましたねー。ありがとうございます」
動物ギルドの看板のデザインと文字のバランスが絶妙で目を引く。
「ホントに私の店の名前も印刷したわよ」
印刷職人さんが言うように、仕立屋と看板職人に、印刷職人の店の名前と住所も印刷されている。
「はい、私が想像したよりもずっと素敵です」
動物ギルドのマークと住所だけより、他の店の名前があった方が信用度が増すような気がする。
「あら、そう? 喜んでもらえたようでよかったわ」
「あのー今日は、残りの50枚を持って来ましたので宜しくお願いします」
「わかったわ。2、3日で仕上げておくわね」
「それから前回来た時に、手提げ袋の印刷の料金をお支払いしていませんでした。100枚合わせておいくらになりますか?」
「そうねー。2万ドームでいいわよ」
「えっ、いいんですか? ありがとうございます」
かなえは支払いを済ませ、シロンに印刷職人さんの体調を診てもらい出て来た飴は「疲れ目に効く目薬。一日3回まで」と表示されている。
印刷は細かい作業だから、目が疲れるようだ。印刷職人さんはすぐに試して、喜んでくれた。
かなえは印刷された手提げ袋から1枚取り出すと……。
「どうぞ、この手提げ袋を使用して宣伝してくださいね」と言って、お店から出て来た。
次は……看板屋さんに行こう。
かなえはジャンプでお店の前まで行き、扉を開けて中に入って行く。
「こんにちは」
「やぁ、君かい。いらっしゃい」
「今日は、仕事の依頼ではないんですが、前にお話しした手提げ袋が出来上がったので、お持ちしました」
かなえは、印刷職人の店で受け取ったばかりの動物ギルドのマークが入った手提げ袋を渡す。
「これは、素敵な看板を作って、絵にしてくれたお礼です」
「えっ、いいのかい?……これは? うちの店の名前と住所も入っているじゃないか!」
「はい、今回この手提げ袋を作るのに、協力してくれたお店の名前も印刷させてもらったんです」
「へー。嬉しいね。これは持ち歩いて宣伝しなきゃいけないな」
「はい、是非よろしくお願いします」
喜んでもらえて良かった。
次は……もう一度仕立屋のお姉さんのところね。
ジャンプでお店の前まで行き、扉を開けると、
「また、来ましたー」
「ハーイ、あらっ、あなたどうしたの?」
「あのー、手提げ袋が完成したのでお持ちしました」
「もう出来たの?」
「はい、最初に作ってもらった50枚の方に印刷をしてもらったんです。見てください」
出来上がった手提げ袋を1枚お姉さんに渡すと、
「へー、素敵な絵ね。動物ギルドのマークなんだ。あら? うちの店も載ってる!」
「はい、今回協力してもらったお店の名前と住所も載せさせてもらいました。どうぞ使ってくださいね」
「わー、ありがとう! これならうちの宣伝にもなるわね」
みんなに喜んでもらえて良かった。
かなえはお店から出ると、ゆっくりまかない亭のある路地を歩き始める。
いい匂いがして来るなー。
「シロン、今何時?」
「12時15分です」
……大変! リリララ姉妹のランチを渡してない!
かなえはジャンプで自分の部屋に戻り、地下まで行くと扉をノックする。
「ハーイ」ララちゃんが扉を開けてくれる。
「ごめんね。遅くなって。ランチまだでしょ?!」かなえが慌てて言うと、
「はい、でも今朝の残りが少しあったので、今温めていたところです」と、リリちゃん。
「でもそれだけじゃ足りないでしょ? じゃあー、1人前だけ届けるわね。ちょっと待ってて」
かなえは急いで部屋に戻ると、ほうれん草のキッシュにひよこ豆サラダ、ピクルス。オリーブ入りのパンそしてパイナップルジュースを選んで、地下に届ける。
「はい、おまたせー。ゆっくり食べてね。遅れてもいいから」
かなえも自分の部屋に戻って来ると、2人に渡したのと同じメニューで食べ始める。
おいしー。でもピクルスはあの二人には酸っぱかったかな……?
食べ終わると13時になったので、かなえは1階の動物ギルドに降りて行く。するとすぐに足音がして来てリリララ姉妹がやって来る。
「早かったね。ランチちゃんと食べた?」
「はい、おいしかったです」「お腹いっぱいです」
「そう、良かった」
保育器の中の猫たちはグッスリ眠っている。
かなえはポーチから今日出来上がったばかりの、手提げ袋を二人に一つづつ渡して、
「はい、どうぞ。今日出来上がったの。使ってね」
「ありがとうございます」とリリちゃん。
ララちゃんは早速肩に掛けている。ちょっと2人には手提げの部分が長すぎるようだ。
いつか、子供用のサイズも作ろう。
かなえはうっかりしていたが、明日は日曜日だ。リリララ姉妹は動物ギルドを始めた初日の月曜日から来てもらっているから、明日はゆっくり休んでもらおう。猫の世話もかなえが1日やればいい。
その事を二人に伝えると、とても喜んでくれた。
やっぱり休みは必要よね……。
しっかりしててもまだ子供なんだから、遊ぶことも大切ね。かなえは見た目はリリララ姉妹と並んでも、歳の離れたお姉さんで通るが、実際は親子程の開きがある。
「ねぇ、馬に乗った事ある? 私、乗馬体験のチケットがあるから興味があればあげるわよ?」
「馬に乗ってみたいです」と、リリちゃん。「ララも乗りたい!」とララちゃん。
かなえはポーチからチケットを取り出すと、1枚ずつ渡した。
「はい、これどうぞ、別にいつでも気が向いた時に行ってね」
家の前を走る乗合馬車に乗れば30分位で行けるだろう。かなえは乗馬教室までの道順も教えておく。
子猫の世話を二人に任せて、かなえは自分の部屋に戻って来る。
寝不足なのに、午前中で結構動いたのでもう眠くて仕方がない。
「シロン、ちょっとと休むね。子猫が起きるか、何かあったら起こして」
かなえはシロンに頼むと、ソファーに横になった。
「かなえ、かなえ、子猫が起きましたよ」
「……は?」
かなえはシロンに声を掛けられてソファーから起き上がる。
「ありがとう、シロン。私どれくらい眠ってた?」
「45分です」
そうなんだ……ちょっと眠っただけで頭がスッキリして眠気が取れた。
かなえは保育器に近寄ると猫たちの世話をする。
子猫達は、まだここに来て三日目だけど、ミルクを沢山飲んで一回り大きくなったような気がする。最初は衰弱してたけど、ここまで来れば一安心だ。
「ミュー、ミュー」と元気に鳴いている。かなえが頭を撫でてやると気持ち良さそうにしていて、しばらくすると、眠りに着いた。
次は何からやろう……手提げ袋を他に渡していない人は、
そうだ、ハッピーキッズのお婆さんだ。あの人に仕立屋のお姉さんを紹介してもらえたから助かった。
かなえは早速ジャンプでハッピーキッズを訪ねた。
「こんにちはー」
「おや、あんたかい。いらっしゃい」
「あのー、今日は出来上がった手提げ袋を持って来ました。どうぞ使ってくださいね。良い仕立屋さんを紹介してもらい助かりました」
かなえは手提げ袋をお婆さんに渡す。
「へぇー、そうかい。もう出来たんだね。ふーん。良い柄じゃないか。あの子の店の名前も入っているのかい?」
おばあさんは、見た目もよりも、自分の娘が作った手提げ袋自体が気になったようで、裏返して縫い目を見たりしている。
「良く出来てるねー」
良かった。専門家の人にも褒めてもらえた。
「ありがとうございます。それじゃーまた来ますね」
かなえはお店を出るとお菓子な店が近いのを思い出したので、行く事にする。ジャンプでお店の前まで来ると、扉を開けて中に入って行く。
「こんにちは」
お店の中は甘いおいしそうな香りが立ち込めている。
「あら、いらっしゃいませ」
かなえを迎えてくれた人は前と同じお菓子職人の人。今日は光沢のあるグリーンのジャケットに幅の広い黒いボトムス。真っ赤な靴を履いていて……顔を白く塗ったらピエロになれそうな雰囲気だ。今日もみかけは迫力があるが、言葉遣いはとても柔らかい。
動物ギルドの宣伝の為に来たが、おいしそうなお菓子を見ると何か欲しくなる。
そういえばニンジンを練り込んだお菓子があるって言ってたな……。リリララ姉妹のお土産にしよう。
「あのー、野菜の嫌いな子供がいるんですが、野菜が好きになれるようなお菓子はありますか?」
「あるわよ。こちらは野菜シリーズ。ニンジン、ピーマン、ほうれん草、セロリ、レンコン、インゲンを使ったお菓子よ。その隣はフルーツシリーズ。結構人気があるのよ」
どのお菓子も色や形が洗練されていて、そのままずっと飾っておきたくなる。
「それなら、野菜とフルーツのお菓子をお任せで10個入りと4個入りの箱に入れてください」
「はい、ありがとうございます」
そのお菓子職人さんは大小の箱を用意すると、お菓子を慣れた手つきで詰めていく。
「このお菓子は特殊なコーティングがされているので1週間は持ちますよ」と、お菓子職人さん。
結構もつんだな……。
箱にリボンをかけて、袋に入れてくれる。
料金を支払うと、かなえは手提げ袋を取り出しお菓子職人さんに渡す。
「あのーこれ、私が始めた動物ギルドの為に作った手提げ袋です。良かったら使ってください」
「まぁ、あなたがねぇー。動物ギルド? いいじゃない。使わせてもらうわ」
良かった。受け取ってもらえた。お菓子も買えたし……。
かなえはもう一つ質問してみた。
「あのーこの辺りでお勧めの食事をテイクアウト出来るお店はありますか?」
「そうねー、それならいいところを教えてあげるわ。ここからすぐよ」
かなえはお菓子職人さんにお店と場所を聞くとお礼をいい、教えてもらった店に徒歩で向かう。
あった、この店だ。お菓子な店の15軒位先に「スープ屋」はあった。
扉を開けて入って行くと、白い料理人の恰好をした、とてもガタイの良いプロレスラーのような人がかなえを出迎えてくれる。栄養がしっかり取れているのか、血色が良い。
「へい、いらっしゃい」
そして、魚屋さんみたいに威勢がいい。
テーブルにスープが入った深い鍋がズラリと並んでいる。
「あのー、お菓子な店で勧められて来たんですけど……」
「そうかい。ジルから聞いて来たんだ」
あの人ジルって言うんだ。
「あのー野菜の苦手な子供に、お勧めなスープはありますか?」
「それならこの辺がお勧めだ。この白い野菜のポタージュ。野菜が10種類以上入っている。それと、ももいろスープ。数種類の根野菜入りでこの色はビーツとサワークリームで作っている」
その他にもきれいな色でおいしそうな香りのするスープを勧めてくれる。
かなえはその中から、10種類を一人分の容器に3つづつ入れてもらう。次回から空になった容器を持参すると、割引してくれるそうだ。
会計を済ませると、リュック(大)に次々とスープを詰めてポーチのフォルダに送って行く。
リュックの中は空になったが、代わりにポーチから大きなボールを移動して膨らませて置く。
重そうなリュックを軽々と持ったかなえを見て、スープ職人さんは、「嬢ちゃん、力持ちだなー」と目を丸くしている。
かなえはポーチから手提げ袋を出すと、スープ職人さんにも渡す。
「あのー、これ。動物ギルドを始めたので、作ったんです。良かったら使ってください。何か動物に関するお困りの事があれば連絡してくださいね」
「へー……そうか」
スープ職人さんはしばらく考えていたようだったが……。
「手提げ袋、使わせてもらうよ。ありがとよ」と言われ、
かなえも挨拶してお店を出ると、ジャンプで自分の部屋に戻って来る。
「シロン、今何時?」
「15時45分です」
そうか、早めだけど、リトくん達を迎えに行こう。
かなえはジャンプでジジさんのところに飛ぶと、リトくんとピーちゃんがジジさんの背中で毛繕いをしている。
よかった。2羽が寝入る前に迎えに来れた。
「ジジさん、お世話になりました。リトくん、ピーちゃん帰ろうか?」
『うん、カナ、カナ、かえろ』とリトくんは言いながらかなえの肩に飛び移り、ピーちゃんも『まって―』と、リトくんに続いて肩にとまる。
もう一度、ジジさんにお礼を言い、2羽を肩に乗せたかなえはジャンプで自分の部屋に戻って来る。
「ピーちゃん、牧場楽しかった?」
『うん、いっぱいあそんだよ』とピーちゃん。
『あそんだ、あそんだ』と、羽をパタパタさせるリトくん。
「ぴーちゃん、これからは外に行きたくなったら、リボンをほどいてね? わかった?」
『うん、わかった』
「じゃーお家に帰ろうか? ピーちゃんここからお家まで近いの知ってる?」
ピーちゃんは首をかしげている。
「リトくん、ピーちゃんに、ここから一緒に飛んで行って、お家の場所教えてあげてくれる?」
『いいよ。ピーちゃんいこ』
もうリトくんは窓の隙間から飛んで行き、ピーちゃんも後に続いて飛んで行った。
かなえもジャンプで先回りする。
すると、1分も掛からずにリトくんとピーちゃんが飛んで来て、かなえの肩にとまった。
……この距離は鳥達にはあっという間だな。
「ピーちゃん、もう場所わかったでしょ?」
『うん、ちかい、わかった』
かなえはリアちゃんの家の扉を鳴らすと、すぐお婆ちゃんが開けてくれる。
「かなえさん、ありがとう。まぁ! ピーちゃん鳥かごに入らなくても家に戻って来てくれるのね!」
かなえはうっかりしていたが、今朝ここを出る時にピーちゃんの鳥かごを持たないで出てしまっていた。
もしかしたら家の人達は心配してたかも……まぁー今更しょうがないか。
ピーちゃんは居間にいたリアちゃんの肩に飛び移ると嬉しそうに甘えている。
今日牧場で沢山遊んで自由に飛んでも、ピーちゃんにはリアちゃんがいる所が家のようだ。
「あのーおそらくもうピーちゃんには鳥かごは必要ないかもしれません。窓の隙間を開けておけば、ピーちゃんは好きな時に出入りして、夕方には戻って来ます」
「でももし戻って来なかったら?」と、リアちゃん。
おばあさんもリアちゃんも不安そうな顔をしている。
「私が全力でリアちゃんを探します。ピーちゃんとリアちゃんには信頼関係があります。ピーちゃんはいつもリアちゃんの居る所に戻って来ます。急には無理だと思いますが。少しづつ変えて行きましょう」
あまり強引なのは良くないな。今日はこれで帰ろう。
かなえはリトくんと一緒にジャンプで部屋に戻って来る。
「リトくん、お腹空いてないの? 何か食べた?」
『ぼく、きのみたべた。パンちょーだい』
やっぱり食べるんだ。かなえはいつもよりちょっと少なめにあげると、
『おいしいぱん、ちょっとパン』
ちょっとって……でも満足しているみたいだからいいや。
かなえは動物ギルドに降りて行く。
リリララ姉妹は楽しそうに話している。
「ご苦労様。なにか変わったことはなかった?」
「いいえ、子猫達はミルクを沢山飲んで寝てます」とリリちゃん。
「そう。ありがとう。なにを二人で楽しそうに話していたの?」
「あした何をするか話していたんです」とリリちゃん。ララちゃんは横で「うんうん」とうなずいている。
明日が休みなのが嬉しいんだな。
「そう。どうするか決まったの?」
「いいえ。でも洋服は買いたいと思ってます。あと時間があれば馬にも乗りたいです」
「そうね。今から全部決めない方が楽しいかもね」
かなえは一応ハッピーキッズの子供服のお店も教えておいた。
一度子猫達を連れて部屋に戻ると、リリララ姉妹の食事を選び地下に届けに行く。
「はい、お待たせー」
今日行ったスープ屋のスープを2種類と惣菜屋で買っておいたおかず2種類にご飯。それにサラダにパン。ヨーグルトとピンクベリージュース。そして今日、お菓子な店で買ったお菓子の詰め合わせ10個入り。
「きょうも沢山ありがとうございます」とリリちゃん。ララちゃんも目をキラキラさせている。
「それじゃー、明日は休みだから楽しんできてね」
「「はい!」」リリララ姉妹は大きな声で返事をした。
かなえも部屋に戻って来ると、今日買ったスープと、パンにサラダ。トーフハンバーグにピンクベリージュースを出して食べ始める。
かなえも明日はゆっくりしようかなと考える。牧場には朝行くけれど、他には何も予定を入れないで過ごそう。子猫達の世話をしながら昼寝をするのもいいかも。
かなえはゆっくりお風呂に入り子猫達の世話を終えると、ベットに入り眠りに着いた。
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<かなえのIDカード>
表示
名前 カナエ リュウゼン
年齢 16才
職業 動物ギルド長
特技 動物の世話、歌声
ポイント 10000
お財布 10000
パワー 5
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非表示
名前 竜禅かなえ
年齢 16才(32才)
職業 アニマルレスキュー、女神様の子分
特技 人間、動物とのコミュニケーション、癒しの声
持ち物 ブレスレット、ポーチ
ポイント
プラス 1000 ジジの目に効く塩飴
1000 疲れ目用目薬 印刷職人
1000 筋肉疲労の飴 仕立屋
マイナス 2800 お菓子の店 お菓子14個
9000 スープ屋 スープ30個
残り 98万8500
パワー 497
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動物ギルド用
手提げ袋関係 3万 手提げ袋(100枚 仕立屋)
5千 デザイン画(看板屋)
2万 印刷職人
カード追加分 1万 印刷職人
合計マイナス 6万5千
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立て替え 80000(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)
5回分の乗馬体験チケット うち2回分リリララ姉妹へ




