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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
21/229

021 かごの中のピーちゃん 



『カナ、カナ、おはよう、パンちょーだい、ぼくじょー』

「ふぁー……リトくん? おはよう」

 挨拶に牧場が加わってた?


「リトくん、牧場楽しかった?」

『うん、うしおおきいよ』

 かなえは昨日買っておいた、ハーブとナッツの入ったパンをリトくんにあげる。


『パン、パン、パン、いいにおい』

 良かった。このパンも好きなんだね。

「リトくん、昨日は牧場で何食べたの?

『かたいみ、たべたよ、おいしいよ』


「そう、良かったね。きょうはどうする? 牧場行く?」

『ぼくじょーいく。うし、むしいる』

「そうね、牛さんの背中に虫がいたら取ってあげないとね」


 かなえは支度をして牧場へ行く準備をする。ネイビーのつなぎに赤いギンガムチェックのエプロンと、茶色い長靴を選ぶ。するとポーチは赤に変化した。


 髪は二つに分けて三つ編みにし、かなえのイメージする「牧場むすめ」が出来上がった。

 ジャンプでリトくんを、牧場の黒い雄牛さんのところへ連れて行く。


「おはよう、牛さん。今日もリトくんをよろしくね」

『ああ、あんたか。いいぞ。わしも話し相手が出来て、良かったよ』

 リトくんは「パタ、パタ」っと飛んで雄牛の頭にとまる。


『うし、むしないね』

「そうね、今はいないね。リトくん、じゃー行くよ。また夕方迎えに来るよ」

 かなえは牛舎にジャンプする。


 さぁー、今日も一気にきれいにするぞー! 

 

 かなえは牛舎の中にウオッシュをかけて行く。あまり力を入れ過ぎると、新品になってしまうので、適度に力を抜きあくまでも汚れや、淀んだ空気を掃除機で吸い込むように……。


 毎日使っていると微妙なコントロールが出来るようになって来る。

 1か所、天井にシミがあるのを見つけたので、少し念入りにウオッシュをかけておいた。もし雨漏りをしたら、大変だから、屋根の上からもきれいにしておく。

 

 今日も牛舎には牛は来ていないが、餌や水は減っているので全く顔を出さないわけではないんだろう。


「シロン、今日の牛達の様子はどう?」

「はい。皆、パワーも健康度も高いです」

 良かった。それなら大丈夫ね。

 

 かなえは自宅にジャンプで戻る。



 服を牧場むすめ風から、ドームシティーの町娘風に変える。メロングリーンのワンピース。襟とウエストに白いレースが付いていて、爽やかな感じだ。


 さて……今日は何からやればいいかな?

 地下用の家具が午後に来る予定だから、それはリリララ姉妹に任せればいいわね。あとは、手提げ袋のサンプル作りね。その前にお隣さんに行ってみよう。 


 かなえは戸締りをすると、左隣の家に行きドアノッカーを鳴らした。


「……」

 

 やっぱりお留守ねー。今日こそは夕方に出直そう。

 このまま連絡が付かず、お隣りに誰が住んでいるのかわからないのも不安だ。


 次は……まかない亭の側の「仕立屋」にジャンプして行く。

「こんにちは」

「はい、いらっしゃい。出来てるわよ」

 

 仕立屋のお姉さんは包みを棚から取り出し、かなえに渡した。中を開けるとシンプルな布袋。


 肩ひもの長さは少しかなえには長めだが、一般の人には問題無いだろう。


 色も生成りだから印刷の色が映えるだろう。大きさも、丁度買い物に良さそうだ。


「これ、大きさもいいし使いやすそうで気に入りました!」

「そう、よかったわ」


 仕立屋さんが作る枚数は一人では限りがあるので、周りの人にも声をかけてくれることで決まった。金額もぎりぎりかなえの予算内で出来そうだ。とりあえず100枚注文し料金を支払うと、次の看板屋にジャンプして行く。



「こんにちは」

「いらっしゃい、出来てるよ」


 看板屋のご主人は引き出しから紙を出してきてかなえに渡した。そこにはかなえが作ってもらった動物ギルドの看板のデザインが、そっくりそのまま精密に描かれていた。


「わぁー! こんなに素敵に描いて頂きありがとうございます」

「やぁー、いいんだよ。ちょっと面白そうだから、力が入ってしまってね」

 

 料金はいらないと言われたが、そうはいかない。

 このデザイン画は使い終わったら額縁に入れて飾ろう。


 かなえは材料費だと言ってお金を支払い、お礼を言うとお店を出た。

 

 次は……印刷職人の店ね。かなえは再びジャンプしてお店の前に行くと、


「あらっ、いらっしゃい」

 入口から見えるカウンターで作業をしていた印刷職人さんが出迎えてくれる。


「こんにちは、昨日の手提げ袋の件で来ました」

 かなえは手提げ袋の注文を100枚した事を説明し、看板職人が描いたデザイン画を見せる。


「あら、良い絵ねー。鳥が飛んでいて平和な感じがするわ。今度のあなたの動物ギルドのカードの絵もこの絵を使う?」


「あーっ、それはいいですね。是非お願いします!」

 

 プロの看板職人の書いたデザイン画をカードに使う方が断然いい!

 

 かなえは前のカードと同じ文で絵だけ変えて200枚注文した。それから手提げ袋のサンプルを渡し、1枚印刷してもらうように頼むと、お店を出る。


 あとは何をすればいいだろう……そうだクッキーの材料を多めに仕入れておこう。かなえは仕立屋の側の店に行き一通り仕入れ、クッキーの型も手に入れる。

 

 もう一つすることを思い出した!


 ……仕立て屋さんを紹介してくれたお婆さんのところへ報告に行かなきゃ。

 かなえは、ハッピーキッズにジャンプしてお店の扉を開ける。


「こんにちは」

「おや、あんたかい。今度はどうしたんだい?」


 かなえは、仕立屋さんの娘さんを紹介してもらい、手提げ袋を作ってもらえるようになったことを、報告した。


「そうかい、それは良かったじゃないかい。楽しそうな仕事で娘も喜んでいるだろうよ」

 

 あー、来て良かった。やっぱり、私が言わなければ、お婆さんはどうなったか知らなかったんだな。ちゃんとお世話になったら報告しないと……。


 かなえはお婆さんにお礼のクッキーを渡すと、一旦家に戻る。


「シロン、今何時? 12時30分です」

 えー大変!

 かなえは向かいのテラスカフェからスープとピザブレッドにピーチアイスティーをテイクアウトし家に戻って来る。

 

 テーブルにランチを並べると、急いで食べ始める。


「あっつー!」 スープが熱すぎて口の中を火傷しそうになり、慌ててアイスティーを飲んで冷ました。


 ピザブレッドもおいしいからゆっくり食べたいけど……。


「そうだシロン、リトくんはどうしてる?」

「今は雄牛や、この前助けた牝牛の親子と一緒にいるようです」

 そう。なら大丈夫そうね。


 ―― カン、カン ――


 きゃー、リリララ姉妹ね……。


 かなえは最後の一口を飲み込み、食べ終わった物を片付け、自分にウオッシュをかけて下に降りて行く。


「「こんにちは」」

「こんにちは、もう鍵を渡してあるから明日からは、そのまま入って来ていいよ」

 

 今日の姉妹はお揃いのピンクのセットアップで、ひな祭りが似合いそうな雰囲気だ。

 可愛いとなんでも似合うなぁー。


 かなえはどんな家具が運ばれて来るかを説明して、配置を考えるために3人で地下に降りて行った。


「ベットはどうする? 二段ベットになるから一部屋に重ねて置いてもいいし、二部屋あるから別々に置いてもいいよ」


「「……」」

 悩んでいたようだが、結局届いてから決める事になった。


 ―― カン、カン ――


 あっ、家具の配達かな。


 するとリリララ姉妹は身を翻して階段を駆け登って行った。


 さすが子供たち。動きが速い。

 かなえも後に付いて、動物ギルドの扉まで行き、扉を開ける。


「どーも、家具を運んで来たよ」

「こんにちは、ご苦労様です」

 

 リサイクル倉庫の、ジョーさんの家具を売ってくれた人だ。家具は全て住宅用の玄関から入ってもらい、地下に運んでもらった。

 

 他の家具の配置はすぐ決まったが、ベットはしばらく二人で考えて、結局一つの部屋に二つ並べて置いた。

 

 ベットとベットの隙間が1メートルぐらいあるから問題ないだろう。

 配達の人達が帰ると、ベットにシーツを敷いたり、小物雑貨を置いたりして大分部屋らしくなって来た。


 ……とりあえず最低限の物は揃ったな。


 二人だけで住むのは初めてだそうで、凄い喜びようだ。まだ救済センターに二人の私物が置いてあるので、今晩は向こうに泊まり、明日引っ越して来ることになった。


 次に二人にやってもらいたいことは……。


 ―― カン、カン ――


 あれっ? 誰だろう……。

 

 かなえは、動物ギルドの扉を開けると、外にリアちゃんとリアちゃんのおばあちゃんが立っていた。


 ちょっと笑顔が無いな……どうしたんだろ?

「こんにちは、リアちゃん、おばあちゃん」

 おばあちゃんが挨拶を促すと、リアちゃんが小さな声で、


「こんにちは」

「かなえさん、こんにちは。ちょっとピーちゃんの事でご相談があって来ました」

「そうですか。どうぞ中にお入りください」

 

 かなえは、窓際の明るい席に案内する。リリララ姉妹は緊張した表情でカウンターのところに待機している。


「実はリアの小鳥ピーちゃんなんですが、最近食欲が無いんです」

 

 そうなんだ……リトくんが「ピーちゃん外に出たがってる」って言ってたけど。


「そうですか、それはご心配ですね」

 リアちゃん泣きそうだよ。

 何かいい方法が無いかな? うーん……。そうだ!


「あのー、よろしければ私にピーちゃんを預からせてもらえませんか? 今日から……二日間、私に様子を見させてください」


「リア、どうする? カナエさんがピーちゃんを見てくれるって。治ったら明日お家に帰れるわよ」

リアちゃんはかなえを見ながら、


「ホント? ピーちゃん治る?」

「努力してみるから、ピーちゃんを私に任せてくれる?」

 リアちゃん、このままではいけないと思ったのか、

「うん。わかった」

 

 了承してくれたので、お婆さんに動物ギルドの依頼として、書類に要件を書いてもらう。料金も一旦動物ギルドで預かり、依頼完了後に報酬としてもらえる形となる。


 リリララ姉妹も私とおばあさんとのやり取りを見ていたので、これからの仕事に生かせるだろう。

 

 かなえは15時の鐘の時に、ピーちゃんを引き取りに行くことを伝え、お婆さんとリアちゃんには先にお家に戻ってもらった。

 

 リリララ姉妹には何か質問が無かったか聞き、一つ一つ説明しながら、依頼に来た人への対応の仕方を覚えてもらう。

 

 もう動物ギルドの準備は出来ていると思ったが、一つだけ無いものがあった。報酬を一時預かりするための金庫だ。


 他のギルドではどうしているんだろう? 


 とりあえず今、お婆さんから預かったお金はかなえのポーチに入れておいた。


「私はこれから出掛けるから、二人は引っ越しするための準備をしていいわよ。食料品を買い出しに行ってもいいし……明日は13時迄に来てね。午前中から来たかったらどうぞ。私はいないかもしれないけど……戸締りだけは気を付けてね」

 

 かなえは二人に伝えると、2階の自分の部屋に戻った。


 まだ、ピーちゃんの事はどうするか今は決められないな。とにかくピーちゃんに話を聞いてみないと。


 少し時間に早いが、かなえはリアちゃん達の住む家の前にジャンプした。


 ―― カン、カン ――


 扉を鳴らすと、すぐ足音が聞こえて来て開いた。


「どうぞ、カナエさん。お入りください」

 かなえはおばあさんに居間に案内され、部屋の隅の鳥かごに歩み寄った。

 

 ピーちゃんは鳥かごの中でジッとして動かない。


 うーん、ホントだ。ピーちゃん元気が無さそうね……。

 隣で、リアちゃんが心配そうにしている。

 

「そうですね。ピーちゃん、元気が無さそうに見えます。やはり私が一旦お預かりしますね」

 

 かなえは鳥かごを受け取ると、リアちゃんの家の前からジャンプで自分の部屋に戻って来た。

 急に景色が変わったので、ピーちゃんは驚いているようだ。


「ピーちゃん、私かなえよ。どうしたの? お腹空かないの?」

『あたしそとにいきたいの』

「外に行けないのが悲しくて、食欲無くなったのかな?」

『そう』

 

 やはり食欲が無いのは、鳥かごに入れられて飛べないストレスね。

 そうとわかれば……。


「シロン、リトくんはどうしてる?」

「木の枝にとまって木の実を食べています」

 そう、丁度いいわね。かなえは鳥かごを開けピーちゃんを肩にとまらせて、


「ピーちゃん、リトくんのところへ遊びに行こう!」

 リトくんのいる農場にジャンプした。


 かなえは地上からリトくんを呼ぶと、リトくんはパタ、パタっと木の上から舞い降りて来る。

『カナ、カナ、なに? ……ピーちゃん!』


 リトくんは、私の肩にとまっているピーちゃんを見つけて嬉しかったのか、上にパーッと飛び上がり、ゆっくり降りて来てピーちゃんの隣にとまった。


「リトくん、ピーちゃんと仲良く遊んでね」

 

 もうすぐ夕方だからあまり時間はないが、ピーちゃんも少しは気がまぎれるだろう。あとは、リトくんに任せよう。


 かなえは2羽が飛んで行くのを見届けると、部屋に戻って来る。


「シロン、動物ギルド用に貴重品を入れる金庫みたいなものはあるの?」

「金庫ではありませんが、箱に鍵を付けて移動できないように設置することは可能です」

 

 正式にリリララ姉妹に働いてもらう事になったら、お金の管理も頼むことになるしなー。そうか! 無いなら作ってもらえばいいよね。カウンターの中に移動できないように設置すればいいんだ。

 

 ジョーさんにこの切り株の形のカウンターの中に鍵付きの箱を付けてもらおう。一段棚が付いてるからここに、収まるサイズにすればいいし。貴重品はこの中に入れて鍵を私とリリララ姉妹で持っていれば貴重品入れが使える!


「シロン、ジョーさんのところに行くけど、その前にリトくんとピーちゃんはどうしてる?」

「今は、雄牛の背中に2羽とも乗っています」

 そう、なら安心ね。


 かなえはジョーさんのお店の前にジャンプして中に入って行く。

「すみませーん、ジョーさんいますか?」

「……」


 なんか静かだな。扉は開いていたから中にいると思うんだけど……。

「シロン、ジョーさん、今どこにいるか教えてくれる?」

「今は奥の部屋でうたた寝をしているようです」

「えっ? 体調が悪いのかな?」

「いえ、健康の数値は高いですが、パワーが落ちています」

 そう。それなら、手の調子は良いんだろう。家具作りでエネルギーが切れたかな。また明日にでも出直そう。


 かなえはそこから、農場にジャンプした。

 

 本当だ。リトくんもピーちゃんも、雄牛の背中に乗っている。カメラがあれば撮りたいくらい、和んでいる。


「リトくん、ピーちゃん、迎えに来たよ。雄牛さん面倒見てくれてありがとう」

 雄牛さんにはお世話になっているから今度、何かおいしいものを持って来よう。


「ピーちゃん、牧場は楽しかった?」

『うん、たのしい。でもいっぱい飛べない』

 そうか。いつも籠の中にいたら急には沢山飛べないよね。


「そう、でもピーちゃん、また牧場に来たい?」

『うん、きたい。いっぱい飛びたい』

「そう、じゃー明日も来ようね。きょうはもう遅いからお家に帰ろ?」

 

 するとリトくんが、

『ピーちゃん、あしたもボクジョーうれしいなー』

 すごく喜んでるみたいだ。

 

 かなえは雄牛に挨拶をすると、ピーちゃん、リトくんを連れて家にジャンプで戻って来る。

 リトくんはいつもの食事の催促を元気よく、

『パン、パン、パン。たべたいパン』とさわぎ出す。

 

 ピーちゃんも真似して、『パンたべたい』と遠慮がちに言うのが可愛らしい。

 かなえは雑穀パンと、ピーちゃんの預かって来た餌も出すと、2羽に与えた。

 

 良かった。ピーちゃん食欲戻ったみたい。リトくんに負けないくらい、パクパク食べてる。

 これで元気になってくれるだろう。あとは、たまにでもピーちゃんを外に連れ出せたらいいんだけど。


「ピーちゃん、元気になって安心したよ。今日はここでリトくんと一緒に泊まってね」

『え、リアは?』


「リアちゃんはお家にいるよ。ピーちゃんは明日もリトくんと一緒に遊んで、夕方お家に帰ろう? 明日どこ行きたい? 牧場? それとも公園が良いかな?」


『うーん、リアにあいたい』

「えっ? じゃあ今からお家に帰って、また明日お出掛けする?」


『うん』

「わかったそうしよう」

 

 かなえはピーちゃんを鳥かごに入れると、ジャンプしようとして……リトくんが『ぼくも行く』と、かなえの肩に乗って来たのでそのままみんなで、リアちゃんの家の前にジャンプした。


 ―― カン、カン ――


「ハーイ」

 扉を開けてくれたのはなんと、ギルド室長。リアちゃんのお爺さんだ。


「あっ! こんばんは。急にこんな時間にすみません」

「いいんだよ。かなえさん、どうぞ中に入って。ピーちゃんを連れて来てくれたのかい? おっ? 肩に乗っている雀はかなえさんの鳥かい?」


 かなえは居間に案内されソファーに座ると、

「はい、私の鳥というより、友達みたいな感じですけど……リトくんと言います」

 

 奥からお婆さんとリアちゃんが出て来て、ピーちゃんに気が付くと、


「あっ、ピーちゃん!」と、リアちゃんが駆け寄って来る。

 かなえの家に泊まる予定だったのに、思いがけずピーちゃんに会えたのが嬉しい様だ。


「今日は短い時間でしたが、リトくんがピーちゃんと遊んでくれたので、ピーちゃんも大分元気になりました。餌も沢山食べましたよ」

 

 リトくんはかなえの言葉が分かったのか、ちょっと偉そうに胸を膨らましている。


「まぁ、それは良かったわ。食欲が戻ったなら安心ね」

「ピーちゃんがリアちゃんに会いたそうにしていたので、連れて来たんです。もしよろしければ明日の朝迎えに来ますので、もう1日リトくんと一緒にいさせてもいいですか? 2羽は仲良くなれたので、ピーちゃんも体力が快復すると思うんです」


「そう。それがいいわね。リア、今晩はピーちゃんお家で過ごして、明日の朝お出掛けしてもいいわよね?」


「うん」

 リアちゃんはピーちゃんと今夜一緒にいられるので、明日は送り出してくれるらしい。すると室長が、


「それにしても、その雀は随分慣れているね。逃げないのかい?」

「はい、リトくんは私が飼っているいるわけでは無いので、鳥かごはありません。会うたびにパンをあげてたら、夜私の家で寝るようになりました。窓の隙間を開けているので、好きな時に出入りしています」


「へー、それは凄いじゃないか」


「ピーちゃんを見ていて思ったんですが……今まで鳥かごで飼われていた鳥が、この間のように、一度広い空の下で飛ぶことを知ってしまうと、またとり籠の中に戻るのは辛いと思うんです。もしピーちゃんをたまに私に預けてもらえたら、リトくんと一緒に過ごしもらって良い気分転換になると思います」


「そうよね。リアもピーちゃんに元気でいて欲しいわよね?」と、お婆ちゃんが言うと、


「うん。ピーちゃんごはん食べてくれないのいや」


 良かった。リアちゃんはわかってくれたみたい。

 夕食に誘われたが辞退して、明日の朝ピーちゃんを迎えに来ることを伝えると、今日はお暇した。

 

 リトくん、いつの間にか私の肩にとまって寝てた……もう寝る時間過ぎてたね。

 

 かなえは、部屋に戻るとリトくんを椅子の背のところで寝かせる。


 今日は、リトくんがいてくれて助かったな。ピーちゃんも元気になれたし、お家の人達も、鳥が自由に空を飛べる幸せを理解してくれた気がする。いつかリアちゃんに、ピーちゃんが飛んでいるところを見せたいな。

 

 そろそろ何か食べよう。このまま横になったらすぐ寝られそうだけど……。

 

 かなえは日本にいる時は自炊をしていたのだが、この世界に来てから料理らしい料理は作っていない。

 夕食はは適当にあるもので済まし、寝る支度をするとベットに横になる。


 動物ギルドが軌道に乗って少し余裕ができたら何かおいしいものを作ろう。それまでは……テイクアウトを多めに買ってポーチに入れて置こう。

 

 かなえは灯りを消すと眠りについた。




――――――――――――――――――――


<かなえのIDカード>

 表示

 名前  カナエ リュウゼン

 年齢  16才

 職業 動物ギルド長

 特技  動物の世話、歌声  

 ポイント 10000

 お財布 10000

 パワー 5 

 ――――――――

 非表示

 名前  竜禅かなえ

 年齢  16才(32才)

 職業  アニマルレスキュー、女神様の子分

 特技  人間、動物とのコミュニケーション、癒しの声

 持ち物 ブレスレット、ポーチ

 

 ポイント

 プラス   

 マイナス 1000(ランチ+パン テラスカフェ)             

 残り   96万0200

 パワー  498


 ――――――――――――――――

 動物ギルド用  

 

 手提げ袋関係  3万  手提げ袋(100枚 仕立屋)

         5千  デザイン画(看板屋)

         未払い 印刷職人 

               

 カード追加分  1万  印刷職人 

 


 合計 マイナス 4万5千

      



――――――――――――――――


 立て替え  80000(地下の家具、リリララ姉妹を雇えばギルド科からの補助金で賄われるので保留)




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