表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
17/229

017 受付係りの申請 

    

  

  あーよく寝たー。あれっ? 


 リトくんは……いつもの椅子のところで、まだ眠っている。

 めずらしー、リトくんがまだ寝ているなんて。


 かなえはそーっと起きて、シャワーを浴びに行く。


 あースッキリした。シャワーを浴びて出て来るとリトくんは待ち構えたように……、


『カナ、カナ パンちょーだい』と騒ぎ出す。


「リトくん、朝は『おはよう』って挨拶しようね」

『カナ、カナ、パンちょーだい、おはよう』


 えー、順番ちがうよー……。


 かなえは朝食を終えて、部屋に戻って来ると今日の予定を考える。


 ジョーさんの家具の配達が15時にあるからそれまでに出来る事は……。


「シロン、今日やるべきことは何?」


「急ぎではありませんが、動物ギルドには受付を一人は置いた方がいいと思います。かなえは、動物の治療に行ったり、いずれミルクドームに通うようになれば、誰かいた方が良いでしょう」


 うーん、そうよね。でもな……。

「受付を雇う場合、私の希望も言えるのかな?」

「はい、書類を提出する時に、記入する欄があります」


「その書類はギルド科に提出するの?」

「はい、短期で人を雇う場合は、ハローギルド等でも見つかりますが、長期でしたらギルド科から申請したほうが確実です」

 

 かなえは、オクタゴンのギルド科に行くことにした。

 服装は……ちょっと真面目な感じで、ピンクベージュの丈の短めのジャケットにお揃いのフレアスカート。中は白いボータイのブラウスで首元のリボンがポイントになっている。


 

 かなえは出掛ける支度を終えると、リトくんを肩に乗せ公園に連れて行き、ギルド科にジャンプして行く。

 

 ギルド科はまだ開いたばかりなのか、並んでいる人はいない。

 動物ギルドの受付の派遣をお願いすると、記入するようにと書類をもらい、一旦席に着き慎重に記入して行く。


 希望の欄には……年齢性別は特に希望は無く、動物が好きで、神経質でない人。最終的には一度会って話を聞いてから決めたいと書いておいた。書類を提出すると、ギルド科から連絡が来るまで待つように言われた。

 

 ギルド科から出るとふと、ギルド室長にクッキーを預けてリアちゃんに渡してもらう事を思いついた。その足で3階のギルド室に行き、受付の人にギルド室長に会いたいことを伝えると、しばらくして室長の部屋に通された。


「こんにちは、お仕事お忙しいですか?」

 室長は難しそうな書類を見ていた。


「ああ、かなえさん、良く来てくれた。そこへ坐ってくれ」

「あのーすぐ帰りますから、ちょっとこれをリアちゃんに渡してもらいたくて……。クッキー焼いたんです」


 急におじいさんの顔になり、ニッコリ笑いながら……。

「ほう、それはありがとう。リアが喜ぶよ」

「じゃぁー、これで……」かなえが帰ろうとすると、


「ちょうど仕事の区切りが出来たから、話し相手になってくれないかい?」と言われたので……机の上の書類の山を見ながら「はい、じゃー少しだけ」と席に着いた。

 

 まずは先日行われたギルドの会議の話になり、無茶ぶりなのに良く話せたと褒められ……。

 かなえは今日ギルド科に来た理由を話す。


 ギルド長は少し顔色が悪かったので、そっとシロンに頼んで出してもらった飴を渡した。その場で舐めてもらい、暫らくすると大分顔色が良くなって来た。


 そして前回のようにいろいろアドバイスをもらい、仕事の邪魔にならないよう早めにお暇する。クッキーに新しく出来た動物ギルドカードも添えておいた。

  

 時間が空いたので、パティさんにもクッキーを届けることにした。その場でブレスレットに向かって、不動産ギルドにジャンプで、到着する。



 中に入って行くと受付にパティさんは不在だった。他の受付の人に聞いてみると、今日はお休みだそうだ。かなえはまた出直すことを伝えて外に出る。

 

 次は……カイさん、男の人はクッキー食べるかな? まあ行ってみよう。


 ハローギルドにジャンプする。スクーターを出さないで、かなえの身一つでジャンプ出来るのは慣れるとと便利だ。


 ハローギルドの中へ入って行きカイさんは……あれ? カイさんもいない。受付の人に聞くとやはりお休みだそうだ。まーそれなら仕方が無い。かなえは外に出ると一旦、新居に戻った。


 

 少し時間が早いけどランチにしようかな……。

 時間が空いたので、かなえは早めに食べることにした。


「シロン、この辺りでお勧めのランチは?」

「それでしたら、向かいのテラスカフェでしょう。人が集中しています」

「向かい? 向かいは公園だけど?」

「公園の向こうの6番通りです」


 へーそうなんだ。知らなかった。公園の中を通っていたので、6番通りの方は見てなかったな。じゃーそこにってみよう。

 

 かなえは、公園を横切り6番通りに出ると、テラスカフェの前に出た。1階は窓際がオープンテラスになっていて、テーブルが歩道沿いに並んでいる。


 2階もカフェになっているようで、バルコニーにもテーブルがあるようだ。テーブルの一つ一つに白いパラソルが付いていて、その辺りだけ時間がゆったりと流れているように見える。


「わー! ステキ。リゾートに来たみたい」

 まだ早い時間だがテラス席は埋まっている。

 

 中に入ると、テイクアウトとお土産専門のカウンターがあり、小物やお菓子が並んでいる。パンやデニッシュに飲物等の軽食が注文できるようになっていて、コーヒーの良い香りがしている。


 ここでテイクアウトして向かいの公園のベンチで食べるのもアリかも……。

 そのまま奥に進むと、受け付けの人に2階のバルコニーの席に案内される。



「かなえ? かなえじゃない!」と聞き覚えのある声がして、振り返ると……奥のテラス席にパティさんとカイさんが座っていた。


 かなえは驚いて近寄ると「こんにちは。偶然ですね。ランチですか?」と2人に挨拶する。


 パティさんは真っ赤なサマードレスを着て相変わらず目立っていて、カイさんはゆったりとした白いサマーセーターを着ている。


「そうよ。一緒に食べましょ。私達も今、来たところなの」

 

 かなえは喜んで、同じ席に坐らせてもらう。そんな元気なパティさんをカイさんはニッコリ、温かい目で見守っている。


 二人はこのお店を気に入っていて、たまに食べに来るんだとか。夜は暗めのキャンドルの照明で、楽器の生演奏もあり、ロマンチックなんだそう。


 これは……あれでしょ。この2人付き合ってるわよね? 私、お邪魔なんじゃ?

 

 かなえは2人のお勧め、ランチセットを選んだ。飲み物はピンクベリーソーダ、2人は白ワインをもう飲み始めている。


「あなた、ギルドのパーティーいつの間にか消えてたわね?」

 あ、そうだった!


「すみません。急に眠くなってしまって、ご挨拶しようと思ったんですが、賑わっていたので……」

「わかるよ、パティの周りは賑やかだからね。側に寄るのが気が引けたんだろ?」

 その通りです。カイさん……。


「そんな! 酷いじゃない。私はそんなに賑やかじゃないわよ」

 いえいえ、今喋っている声も大きいですし……。


「そうだな、賑やかじゃなくて華やかかな?」


「そうですよ。パティさんは私も華やかだと思います」

 するとパティさんはニッコリして機嫌が直る。私は話を変えようと……、


「あのー私、今日お二人のところに行ったんですよ。でも休みって言われて……」

「あらっ、何か御用だったかしら?」


「いえっ。ただ、クッキーを焼いたのでお届けに行ったんです」

 かなえはクッキーにカードを付けて渡すとパティさんは「あらー嬉しいわ、ありがとう」カイさんにも渡そうとすると「カイと一緒に食べるから1つでいいわよ」と言われる。

 

 2人の事を聞くと、なんと結婚して5年になるそう。なので休みの日はなるべく合わせて、出掛けたり、外食してのんびりするそうだ。


 結婚といっても色々な形があるそうで、名前も変更する必要はないし、一緒に住まない人もいるんだとか。

 パティさんも名前は変えていないそう。でも住まいはギルドの2階ではなく2人で一緒に、この6番通り沿いの市場の側に住んでいる。


 かなえも、今日ギルド科に行って受付係りの申請をしたことや、午後から家具が届くことなどを話した。


 料理もおいしかったのだが、話に夢中でいつの間にか食べ終わっていた。

 ランチはクッキーの御礼だと言って2人が奢ってくれた。


 いっぱい話して笑って楽しかった……二人と知り合いになれて良かったな。


 かなえはお礼を言い、家に戻っ行く。


 

 

 お昼にゆっくりしたので、もうすぐジョーさんの家具が届く時間だ。

 

 しばらくキッチンの棚を整理していると……。

 

 ――カン、カン――


 1階のドアノッカーの音が響いて来る。


 あっ、家具が届いたんだ! 


 かなえは急いで階段を下り動物ギルドの扉を開ける。すると、やはりジョーさんだった。

「こんにちは。ご苦労様です」

「ああ、じゃー運んでいいか?」

「はい、お願いします」


 かなえは扉を大きく開いて、案内する。するとジョーさんと、家具を乗せた荷馬車から降りて来た男性が、手際よく家具を運び始めた。どの家具も気に入っているが、一番はやはり、木の切り株のようなカウンターだ。部屋の奥の目立つところに設置してもらった。 


 かなえはシロンにジョーさんともう1人の男性に、飴を出してもらい渡して舐めてもらう。


 運び終わって帰る前に、2人にクッキーとカードも渡しておく。ジョーさんが「また何か欲しいものがあれば作るぞ」と言ってくれた。


 そんなこと言われたら、また頼みたくなってしまう。まぁーユックリ考えよう。

 

 二人が帰った動物ギルドの部屋を見渡す。家具が入り、いつでも始められる雰囲気になって来た。


 カウンターの前に立って「次の人どーぞー」なんて、1人で言ってみたりもする。


 動物の置物でも置こうかな。森の中のような雰囲気もいいな。壁に絵でも飾ろう……。

 

 気が付くと外はもう夕日でオレンジ色になっている。


「シロン、今何時?」

「17時30分です」


 わぁー。時間が経つのは早いなー。


「リトくんはどこにいるかな?」

「今、2階の窓からオアシスインの方角へ飛び立ちました」 

 ちょっと、遅かった! 向こうにいると思ったのかも。


 かなえは戸締りをして、オアシスインにジャンプして行く。


 ルルちゃんがカウンターにいたので、クッキーにカードを添えて渡しておく。可愛い笑顔に癒される。

 部屋に戻ると、もうリトくんが辿り着いて窓のところで待っている。


『カナ、カナ、おなかすいた』とクチバシで窓をコツコツ鳴らしている。

「ハーイ、ちょっと待ってね」かなえは窓を開けると、リトくんにパンをちぎってあげる。


『おいしいパン、おいしいな』

 リトくんは喜んでる。昨日買っておいた押し麦とドライフルーツ入りのパン。


「リトくん今日はどこに行って来たの?」

『ぼく、ピーちゃんはなしたよ』

 ピーちゃん? リアちゃんの家に行ったのかな……?


「そう、良かったね。ピーちゃん元気だった?」

『ピーちゃんそと、とびたいいったよ』

 えっ、そうかー。そうだよね。うーん。

 

 ピーちゃんがたまに外を飛べたらいいんだけど……鳥だったら空を自由に飛びたいはず。

 良い方法が無いか考えてみよう。

 

 リトくんはやっとパンが食べられ、お腹がいっぱいになったのか、もうウトウトし始めた。

 毎日餌をやっていると、日に日に情が湧いてくる。

 

 リトくんに助けられてるなぁー。かなえは眠ったリトくんを見ながら心が温かくなった。



――――――――――――――――――――


<かなえのIDカード>

 表示

 名前  カナエ リュウゼン

 年齢  16才

 職業 動物ギルド長

 特技  動物の世話、歌声  

 ポイント 10000

 お財布 10000

 パワー 5 

 ――――――――

 非表示

 名前  竜禅かなえ

 年齢  16才(32才)

 職業  アニマルレスキュー、女神様の子分

 特技  人間、動物とのコミュニケーション、癒しの声

 持ち物 ブレスレット、ポーチ

 

 ポイント 

 

 プラス   3000 パワーキャンディー(ギルド室長、ジョー、御者、……女神様からのご褒美)

 マイナス   0 テラスカフェ(パティさん、カイさんの奢り)

             

 残り    97万6400

 パワー   498


 ――――――――――――――――

 動物ギルド用 

       

       15万(ジョーさんの家具)

       3万(看板)

       5千(ギルドのカード)

       返済済み


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ