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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
109/229

109 ジョンソンさん一家 


 森のドームの管理人の家の周辺は、大きな木造の倉庫が並んでいて中から木を削ったり切っているような、大きな音が響いている。

 

 きっと、ここの森で伐採した木から建築等に使う木材を作っているのだろう。


 正面に大きな木造の2階建ての家が見えて来た。

 スミス夫妻はこの家に、来たことがあるようだ。 

 

 ララちゃんは、静かにかなえに手をつながれて歩いている。

 リキさんは、自分の生まれ育ったこの場所をマリーに色々説明しているみたいだ。


 家の前までやって来ると、大きな扉のドアノッカーをジョンさんが鳴らす。

 すると重そうな足音が近づいて来て、扉が開いた。


「やぁー、ジョン、メラニー、よく来たなぁー。おお、リキ―! お前元気そうじゃないかー!」と、大柄な男の人が出て来た。

 

 リキは、再会が嬉しいのか男の人に飛びついて、尻尾を思い切り振っている。


 ああ、この男の人は表彰式で話していたこのドームの管理人ね。

 

 確か……ジョンソンさん。


 ジョンさんが、かなえとララちゃん、それにマリーをジョンソンさんに紹介する。


「リキが世話になったな。ゆっくりして行ってくれ」と、太い声で歓迎してくれる。


「あ? リキ、おまえ足はどうなったんだ」と、大型犬のリキさんを軽々と持ち上げて足を見ると、


「なんだ、もうどっちの足かわからない位治っているじゃないか! それに何だ。このいい匂いは。毛もツヤツヤだし!」


 ジョンソンさんは、リキさんの変化にすぐに気が付いたようだ。

 今日も朝からずっと温泉に入っていたから、ここに居る誰よりもキレイかもしれない。


「あんた、お客さんをほっといたままでダメじゃないか。中に入ってもらいなよ」と、奥から出て来たのは大柄で、ジョンソンさんに負けない位大きな声の女性。


「ジョン、メラニー、よく来たわね。皆さんもようこそ。さぁ―、こっちへどうぞ」と、居間に案内してくれる。


 この女性は、ジョンソンさんの奥さんで名前はアンさん。

 メラニーさん達よりは若い夫婦だが、長い付き合いの様だ。

 この前の品評会の時も、メラニーさん達は泊まらせてもらったそう。


「ほら、アン、リキの足を見てみろ。こんなに良くなるなんて! リンジーに知らせてやらなきゃな」


 かなえ達は大きなソファーに並んで座り、マリーもかなえの足元に座った。

 ララちゃんは知らない家が面白いのか、キョロキョロしている。


「それで嬢ちゃん、リキの足はどうやって治したんだ?」と、大きな声でかなえに聞いて来るジョンソンさん。


「私は毎日、リキさんの足に薬を塗ってマッサージしていました。多分、それが良かったのかもしれません」


「ふーん、俺だって毎晩足をさすったり、薬を塗ったりしたんだがな……」


「今日はリキさんを連れて来ましたが、まだ完全に治ったわけではありません。ですからこれからもたまに、預からせてもらっても良いですか?」


「そりゃーリキの足がもっと良くなるなら、それに越したことは無いが、あまり遠いと送り迎えがな……」


「それは問題ありません。私が送り迎えは出来ます。うちのマリーともいい友達になれたので、たまに会わせてやりたいですし……」


「ワッハッハッ! そうか。リキはもういい年だがそこの元気そうな犬と仲良くなったんだー。やるじゃないかリキ!」と、ジョンソンさんはリキさんの頭をガシガシと、撫でる。


 うーん、まぁーいいか。

 リキさんをたまにアニマルドームへ連れて来ることは出来そうだ。

 

 メラニーさん達とジョンソンさんが、品評会の時の事について話し始めたので、

「すみません、私達はちょっと散歩して来ていいですか?」と聞いて見る。


「おぅ、そうだな。アン、ちょっとリンジーを呼んで来てくれ」

 そう言うと、また話し始めるジョンソンさん。

 

 暫くすると「パタパタパタ」っと足音がしてリンジーが部屋に入って来る。

「あーっ、リキ―!」と、リキさんを見つけて抱きしめるリンジー。


 リキさんは抱きしめられて苦しそうだが、嬉しそうにも見える。

 リンジーもジョンソンさんと同じように足の様子を見ている。


「ワァー! リキの足が治ってる!」と、リンジーは大喜びだ。

 かなえはまたさっきジョンソンさんに、説明した事をリンジーにも話すと、


「うん、リキの足がもっと良くなるなら頼むよ」と、リンジー。


 ジョンソンさんが「おまえ、嬢ちゃん達を案内してやれ。リキが世話になったんだから、良くしてやれよ」と、リンジーに言う。


「うん、わかったよ。付いておいで」と、かなえとララちゃんの方を向いて言うリンジー。


 かなえは預かっていたお土産用のパイを、メラニーさんに渡しリンジーの後を付いて行く。

 


 ララちゃんは大人達の話に退屈していたようで、リンジーの後に付いて外に出て来れたので嬉しそうだ。


「ねー、何処に行くのー?」と、ララちゃん。

「うーん、そうだなー。じゃぁー良いところへ連れて行ってやるよ」と、リンジー。


 今日のリンジーの服装は、半そでのゆったりとしたシャツに膝丈のパンツで、相変わらず少年みたいだ。


 リンジーの後へ付いて森の方へ歩いて行き、しばらく歩くと少し開けた所まで来た。


「ほら、ここだよ。小さい時はいつもここで遊んでいたもんさ」と、リンジーが見せたのは、木の上にあるツリーハウスだ。


 隣にもう一つ小さい見張り台の様な物があり、ツリーハウスと細い吊り橋でつながっている。


「わぁー、木の上にお家があるよー」と、ララちゃん。

「立派なツリーハウスねー」と、かなえ。

「そうさ。父ちゃんや、他のみんなに手伝ってもらって造ったんだ」と、リンジーは自慢げに言う。


「そうそう、ここで昔はアンディーも一緒に遊んでたんだよ」

「えっ アンディーってあの乗馬教室のアンディー?」


「そうさ、アンディーはここの出身だからな。うちの兄弟達とみんな一緒に育ったようなもんさ」

 

 ふーん、アンディーはこのドームの出身だったんだな。


 どうりで仲が良さそうに見えた……。


「じゃー、上に行ってみるかい?」と、リンジーはツリーハウスの長い梯子を慣れた動作で登って行く。


「ララちゃん、どうする? 無理しなくていいよ」と、かなえが言うと、

「ララ、登りたい!」と、全く怖がる事無く梯子を登って行く。


 大丈夫かな……まぁー空中階段をララちゃんにも付けているから、落ちる事は無いと思うけど。


 かなえはララちゃんの後に付いて、梯子を登って行った。


「わぁー、たかーい!」と、ララちゃん。

 2階建てぐらいの高さなのでそこまで高くはないが、ツリーハウスに登ってみると、もっと高く感じる。


「ほらー、中に入って来なよー」と、中からリンジーの声がする。

「お家みたい!」と、先に入って行ったララちゃんの声。


 かなえも入って行くと、木の椅子とテーブルが並んでいて、座れるようになっていた。


「へぇー、中で寝泊まりも出来そうね」

「そうさ、あたしら良くここで雑魚寝してたんだよ」

 

 ちゃんと窓が二つ付いていて、思ったより居心地がいい。


「そうなんだ……リンジーは何人兄弟なの?」

「うちは3人だよ。上に男2人。みんな救済ドーム出身だから血のつながりは無いけどね」

 

 リリララ姉妹と同じなんだな。


「ララも、救済ドームにいたんだよ」

「おお、そうか、じゃぁー仲間だな」と、リンジーはララちゃんの頭をゴシゴシと撫でる。


 その後も暫らくツリーハウスや横にあるブランコで遊んだりして、ララちゃんは大喜びだ。

  

 リンジーは男兄弟の中で育ったからか、動きが大雑把だがその元気の良さが、ララちゃんには新鮮だったようだ。

 

 リンジーもララちゃんを、上手に面倒見てくれる。


 

 そろそろ、帰らないと遅くなりそうだな……。


「リンジー、そろそろ戻ろうか?」

「えっ? もう帰るのか。今日は泊まって行くかと思ってたけど」


「えーっ! ララ泊まりたい!」

 えっ、そんな……。


「そうだよ。泊まって行けばいいじゃないか」

「明日は予定があるからなぁー。ララちゃん、明日迎えに来るから泊まって行く?」


「うん、いいよー」と、ララちゃんは、リンジーとまだ一緒に居たい様だ。


 

 取りあえず、ツリーハウスから降りるとメラニーさん達の居る家へ向かう。

 

 かなえ達はリンジーと一緒に家に入って行くと、メラニーさん達は一通り話しが終わったようで、のんびりとお茶を飲んでいた。


「父ちゃん、このララちゃんが今晩泊まりたいって。でもこっちのかなえは帰るってさ」と、リンジー。


「そうか、いいぞ。ジョンとメラニーも泊まって行けばいいじゃないか」と、大きな声のジョンソンさん。


「うーん、そうねー」と、悩むメラニーさん。

「明日ララちゃんは迎えに来る予定ですから、メラニーさん達も好きにしてください」


「そう?」と、メラニーさんはジョンさんの方を見ると、

「はは、そうだな。じゃぁー、今晩は泊まらせてもらおうか」と、ジョンさん。


 

 結局、かなえだけが帰る事になった。


 忘れないうちにと、リキさんの足の塗り薬をジョンソンさんに渡し、やり方を教えると、



「うちのマリーは何処にいます?」と聞く。

「ああ、リキと一緒にその辺にいるだろう」と、窓から外を見るジョンソンさん。


「わかりました。じゃぁー明日この時間に迎えに来ますね。ララちゃん、ちゃんとみんなのいう事を聞くのよ」


「うん、わかったー」と、全く人見知りしないララちゃん。


「かなえ、悪いけど明日よろしくね」と、メラニーさん。


「はい、大丈夫ですよ。それではララちゃんを宜しくお願いします」と、かなえは頼むと、玄関に向かう。



「かなえ、馬車まで送るよー」と、後ろから走って来るリンジー。

 えっ……それは困るかも。すると、


「ちょっと、リンジーこれなんだけど……」と、居間からメラニーさんの声がして来る。

 フッー、良かった。今のうちに行こう。


 かなえはシロンに、マリーの居場所を聞きジャンプして行く。

 かなえは森の中を走って行く、マリーとリキさんを見つけた。


「リキさん、もしかして走っていたんですか?」

『ああ、あんたか。試しに走ってみたんだが、上手く走れていたか?』と、リキさん。


「ええ、何も問題無い様に見えましたよ」

『そうよ。リキはもう普通に走ってたわよ』と、マリー。


「それで、マリー、私は帰るけどあなたはどうする? 他のみんなはここに泊まるから明日迎えに来る事になったけど」


『そうなんだ。どうしようかな』

『そうか、それなら泊まって行け。まだ案内していないところがあるからな』


『うーん。そう? いいけど……かなえ、子猫達はお願いできる?』

「いいよ。今はバニーちゃんもいるから大丈夫だと思うよ」


『じゃぁー、決まりだな』と、嬉しそうに尻尾を振るリキさん。


「それじゃぁ、明日のこの時間に迎えに来るね」と、かなえはその場から離れると、スクーターを出して、リトくん達を迎えに行く。



「リトくーん、ピーちゃん!」と、いるはずの場所に見当たらないので、名前を呼ぶと、


『あーッ、カナ、カナ』と、声がしてリトくんとピーちゃんがかなえの所へ飛んで来た。


「迎えに来たよー。森のドームはどうだった?」

『いっぱい木の実だべたよー』

『おもしろかったよー』と、ここのドームをリトくん達も楽しんだようだ。


「それじゃぁー行くよー」と、かなえは肩に乗ったリトくん達を連れて自分の家までジャンプする。


『えー、空とばないのー?』と、すぐに家に戻って来たのでリトくん達はガッカリしたみたいだ。

「あなた達、いつも空飛んでるのに、まだ飛びたいの?」


『だって、のりもの早いしたかいよ―』

『そうだよ、いっぱい遠くまでいけるよー』と、リトくん達は思った以上にカーペットでの飛行を気に入ったようだ。


「でももう今日は遅くなるから、また今度連れて行ってあげるわ」

『うーん、こんどねー』

『やくそくねー』と言うと、2羽は窓の隙間からリアちゃんの家へ飛んで行く。


 

 かなえはシャワードームに行きウオッシュを掛け、眠っている動物達を送り届けると、猫達の様子を見に行く。


 入口にいるクーちゃんが、かなえの気配に目を開けたので、


「クーちゃん、どう? 何か変わったことはないかしら?」

『ああ、カナカナ、みんなは昨日よりはマシになったみたいだよ』と、クーちゃん。


「そう、それは良かった」


 かなえは小屋の中に入って行き、ウオッシュをかけ餌とお水を補充する。

 猫達は眠っているが、餌は昨日よりも減っているので、食欲も出て来たんだろう。

 

 かなえは小屋から出ると、

「クーちゃん、また明日来るね」と、声をかけジミーさんの所へ向かう。


 今日はいつもより遅くなったので、ジミーさんはリリちゃんと庭の椅子に坐っていた。


「遅くなりましたー。リリちゃん、今日はララちゃんはメラニーさん達と森のドームに泊まりたいって言うから、明日迎えに行く事にしたの」


「えっ? そうですか。わかりました……ララ、一人で泊った事なんて無いから大丈夫かな?」


「森のドームの、私より少し年上のリンジーと仲良くなったから、面倒見てくれると思うよ」


 かなえは夕食の準備をしながら、今日の事を話す。

「じゃぁー食べましょー」と、テーブルに並べたのは、


 プロの実とアスパラ入りのクリームリゾット、ベビーほうれん草とニンジンのサラダ。

 オレンジポテトフライ。それにメラニーさんからのチェリーパイ。

 飲物はピンクベリ―ジュース。最後にパイと一緒にアップルティー、ジミーさんにはコーヒーだ。


「ララちゃんがいないと、随分静かだなぁー」と、ジミーさん。

 ホントにそうだ。その分森のドームではララちゃんがいつもの様に楽しんでいるんだろう。


 

 ジミーさんは今日一日、仕事場で過ごし、リリちゃんも最近出来ていなかった家の仕事が片付いたそうだ。


「リリちゃん、大変だったら温泉に毎日行かないでいいんだからね」と、かなえが言うと、

「はい、でもあそこでは色々知らないことが学べますし、仲の良い友達も出来たんです」


「そう、でも無理はしなくていいからね」

「はい」と、リリちゃん。


 かなえはジミーさんに、マリーも森のドームに泊まる事にしたと伝えると、

「そうかい、マリーも仲の良い犬が出来たんだな。ちとリキは年上の様な気はするがの」と、ジミーさん。


「今のところはホントに友達みたいですよ」と、かなえは伝えておく。

 実際マリーがリキさんの事を何処まで気に入っているかはわからない。


 食べ終わると「おやすみなさい」と家に帰って行く、ジミーさんとリリちゃん。

 かなえは眠っている子猫達とバニーちゃんの様子だけ見て、家に戻って来る。


 

 はぁー……我が家に着くとホッとするなぁー。

 

 かなえはシロンに、疲労効果と美肌効果のある泡風呂をセットしてもらい、湯船に浸かる。


 気持ち良くて、何度もウトウトしてしまう。

 かなえはお風呂から出て、寝る支度を終えるとベットに入る。


 今日も無事終わったー。

 ララちゃんはもう寝たかな……。


 かなえは灯りを消して目を閉じた。



――――――――――――――――

 ポイント 

 

 プラス 1000 塗り薬 リキさん用

 マイナス 

        

 残り  216万6400 

 パワー 498


―――――――――――――――― 

 予定  リキさんを連れて森のドームへ行く 完了

     職人達と一緒にミーティング

     動物達を連れてお出掛け

―――――――――――――――― 

 給料30日目  牧場の従業員見習い  15万

        動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万

        アニマルドーム管理人 30万 



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