101 職人達の計画
シャワードームへ移動して来ると、キングス達はまだ跳んでいるが、ジジさんとババさんが丁度、休憩場に出て来た。
「ジジさんババさん、休憩の時間ですか?」
『ハァハァ、ああ、そうだ。ちょっと一休みするよ』
『そうね……もう、十分運動したわ』と、横になるジジさんと、ババさん。
「あのー、明日なんですが……」と、かなえはこのアニマルドームに、牧場のメラニーさんとジョンさんが来ることを伝えると、
『そうか。わしは良いと思うぞ』と、ジジさん。
『そうね。ここは良いところだから、あの二人も気に入るわよ……』と、ババさん。
力尽きて目を閉じる2頭の牛達。
「シロン、ジジさん達の体調は大丈夫なのかしら?」
「はい、初めてこのドームに来た時と比べると、大分体力が付いています。ただ、もう年配ですので、休憩は多めに取る必要があります」
そうね、元気になって来たと言っても無理は禁物ね。
温泉にも行くように勧めようかな。
かなえは全体に軽くウオッシュを掛け、マリー達の小屋へ向かう。
子猫達やバニーちゃんの声は聞こえないからその辺で寝ているのだろう。
かなえは小屋の中に入って行きウオッシュを掛け、一旦クッションをしまい、もう一回り大きなダブルベット位のサイズのクッションを設置する。
そして、その上に肌触りの良いブランケットを敷いておく。
このぐらい広ければ、みんなで広がっても寝られるわね。
マリー達の小屋が終わり、隣のバニーちゃんの小屋へ行くと、なんとバニーちゃんと子猫達が眠っていた。
フフッ、可愛いなぁー。
仰向けのバニーちゃんを枕にして眠っている子猫達。
ウオッシュを掛けると、起こさない様にそっと外に出て来る。
すると『カナ、カナ』と、すぐ横の木から飛んで来てかなえの肩にとまる、リトくんとピーちゃん。
「あら、あなた達来てたんだ。ウサギのバニーちゃんには会えたの?」
『うん。ぼく、おおきいうさぎ見たよ!』
『あたし、大きいうさぎはじめて見た!』
「そう、良かったね」
リトくん達はウサギが見れて満足したようで、山の方へ飛んで行った。
そろそろ、お昼の時間ね。
かなえはジミーさんの仕事部屋へ行き、
「ジミーさん、お昼にしますかー?」と、声を掛ける。
「ああ、今行くよー」と、ジミーさん。
仕事場の棚には、素焼きの器が並んでいる。
これから色を付けて行くのだろう。出来上がるのが楽しみだな。
かなえはテーブルの上をウオッシュして、ランチの準備をする。
お昼は、かなえの好きなアボカド入りのチーズバーガーに、オレンジポテトフライ、ビーツとサワークリームのスープとサラダ。
それに、かなえはピンクベリーソーダ、ジミーさんにはアイスラテだ。
ジミーさんに、午前中に牧場にもジャンプミラーの準備した事を伝えると、
「そうかい、あの二人の驚く顔を見るのが楽しみだな」と、ジミーさん。
その後も、明日どのように二人をもてなすか、2人でアイデアを出し合う。
驚かすと言えば、シャワードームが一番効果的だろうけど、ちょっと刺激が強すぎるかもしれない。
「そういえば、ジミーさんの仕事場には、大分素焼きの器が並びましたね」
「ああ、もう暫らく乾燥させてから、色を付けて行くんだよ」
「仕事場に設置した窯ですが、もしよろしければ外に移しましょうか?」
「うーん、でも今からでは大変だろう?」
「いいえ、すぐに出来ますよ」
かなえはランチを食べ終わると、ジミーさんの仕事場の模様替えをすることにした。
仕事場は、全てかなえが大体の感じで造ったので、改善すべき所もあるだろう。
まず、ジミーさんの製作途中の器を、机ごと庭へジャンプで移動させる。
仕事場の隣に土台を敷きその上に、大型冷蔵庫の様な前開きの窯を移動させる。
その周りに小屋を造り、出来上がった器を置く台や、棚を作る。
大きな窓と、換気口を付けて窯の小屋の方は完成だ。
「ジミーさん、小屋は出来ましたから、見て下さい」
問題無いようなので、次は仕事部屋の配置を決めて行く。
棚は皿や花瓶など、大きさの違う器に合うように、高さを変えて設置する。
窯が無くなった分、広くなったので作業台を一回り大きくし、イスも二つ置く。
素焼きの器も全て元に戻し、模様替えは終わりだ。
「立派な仕事部屋になったなぁー」と、ジミーさん。
ララちゃんや他のみんなも興味が出て来たら、ジミーさんに陶芸教室を開いてもらうのも良いだろう。
「そろそろラウンドカフェに、注文した料理を受け取りに行く時間です」と、シロン。
そうだった。
「ありがとう、シロン」
かなえはジミーさんの所を終わらせると、ラウンドカフェに移動する。
お店の中に入って行くと、カウンターの横にかなえの注文した、6人分の料理が重なって置いてあった。
「ちょうど出来たところですよ」と、お店のお姉さん。
蓋を取って中を見せてもらうと、何種類もの料理がキレイに並んでいて、いい匂いがして来る。
いつもよりワンランク上の上品な感じだ。
瀬戸物の器なので、6人分だがかなえがいつも注文する10人分位の重さがある。
お姉さんが、かなえがカバンに積めて行くのを手伝ってくれる。
全て入れると、ポーチのフォルダに移動し、かなえは重そうに空のカバンを抱えてお店を出る。
ジミーさんの家の庭にジャンプして来ると、準備しておいたテーブルの前まで行きシールドを解く。
コンテナ「中」を出して、出来上がったばかりの明日のランチを、コンテナに入れてテーブルの横に台を出し置いておく。
低めの花瓶に採って来た花を入れ、色のバランスを考えながら活ける。
テーブルの中心に置くと、一気に華やかになる。
花瓶をコンテナの中へしまい、全体にシールドを掛けておく。
これで明日のランチの準備は出来た。
次は何をしよう……。
かなえは時間が出来たので、動物ギルドのパーティーに来てくれた人達の所へ挨拶に行く事にした。
お土産用にアニマルドームのフルーツを小さな袋に幾つも詰めておく。
まずは、フィーナさんね。
かなえは仕立屋のフィーナさんの所にジャンプすると、お店の中に入って行く。
「いらっしゃいま……あらー! かなえが顔を出すのを待ってたのよー!」と、大きな声を出してかなえに近寄って来る。
「えーと、お久しぶりです?」
「そんな挨拶なんていいから!」
フィーナさんが言うには……、
あのパーティーで、動物ギルドの手提げ袋を作った職人さん達が、顔を合わせたが「またみんなで何か作ろう」と、話が盛り上がったそうだ。
「それで、かなえの考えた手提げ袋を真似て、自分達用に造ろうってことになったの」
なるほど……仕事はみんなで分担すればいいから、おもしろい物が出来そうだな。
「それで、あなたにも仲間に入ってもらいたいのよ」
「えっ私もですか?」
「そうよ。かなえは顔が広そうだし、こうやってみんなを集められるんですもの、きっと良いものが出来るわ」
私が顔が広い? そうかな?
「それで、手提げ袋もいいけどその他にはコースターやポストカード、キーホルダーやなんか、私達が集まると色々おもしろいものが作れそうでしょ?」
そうか、フィーナさんは布を使ったもの。看板屋のアナンさんはキーホルダーなど金属加工、印刷職人のジョディ―さんは布や紙に印刷できる。
アナンさんは絵が上手だからデザインも出来そうだ。
うまく行きそうだったら、ジミーさんの瀬戸物で、コーヒーカップを作るのも良いだろう。
そうか、自分達の店の宣伝用にお店のグッズとして売ればいいんだ。
「良いものが出来たら、最近できた温泉の売店で売る事も出来るでしょ?」
「ああ! そうですね。あそこがありましたね」
1時間売店で働くだけで、商品が置けるのだから良いものが出来れば、売れるかもしれない。
かなえが昔暮らしていた日本の事を思い出しながら、浮かんだアイデアを話すと、フィーナさんはメモを取り始めた。
かなえが手提げ袋でやったように、自分の店の名前を入れたりグッズを作って売る事は、ドームシティーでは誰もしていないって言ってたな。
「そうそう、そう言う斬新なアイデアが欲しかったのよー」と、フィーナさんが頷いている。
かなえが普通だと思っていたことが、ここではまだ珍しい事の様だ。
話が終わり、アニマルドームのフルーツを渡すと、かなえはお店を出る。
看板屋のアナンさんの所へ行くと、
「やー、いらっしゃい」と、かなえをにこやかに迎えてくれるアナンさん。
かなえはお土産のフルーツを渡し、仕立屋のフィーナさんの所へ寄って来たことを話すと、
「そうなんだよ。話が盛り上がってしまってね」と、アナンさんも嬉しそうだ。
「私の知り合いに瀬戸物職人がいるので聞いて見ますね」と、アナンさんに言うと、
「それも面白そうだな。自分の店の名の入ったカップか……」と、アナンさん。
アナンさんに図案を書いてもらい、それを見ながらジミーさんに作ってもらう事は出来るな。
結局今度の土日のどちらかで、都合のいい日に皆で集まろう、という事になった。
「わかりました、みんなに聞いて来ますね」と、かなえはお店を出る。
次に印刷職人のジョディ―さんの所へ行くと、
「あら、いらっしゃいませ」と、いつもの様に出迎えてくれる。
かなえはお土産のフルーツを渡し、仕立屋のフィーナさんや、看板屋のアナンさんと話した事を伝えると、
「私も是非、参加させて欲しいわ」と言うので、日曜日の13時にアナンさんの所に集合する事にした。
その事をもう一度フィーナさんの所ヘ行き、知らせると、
「ほらね、あなたがいると話がどんどん進むのよねー」と、言われる。
フィーナさんも日曜日で良いそうなので、もう一度アナンさんに報告し、かなえはアニマルドームの砂浜に戻って来る。
「はぁー、何か疲れたー」
ジャンプを何度もすると体にも負担になるのかな……。
かなえは砂浜に横になり30分だけ休む事にした。
「かなえ、時間ですよ、起きて下さい」
「うん……」
かなえは起き上がると自分にウオッシュを掛け、シャワードームの動物達の所へ向かう。
良く眠っているみんなを、送り届け最後にリキさんの足に薬を塗る。
リキさんはもう、ほとんど普通に歩けるから走れるようになる日も近いな。
毎日運動しているので足にも筋肉が付いて来ている。
かなえはジミーさんの庭に移動し、テーブルにウオッシュを掛け終わるとジミーさんの所へ呼びに行く。
「ああ、ありがとう」と、ジミーさん。
夕食を出しているとリリララ姉妹達も温泉から戻って来る。
「お帰りー」
リリララ姉妹はジャンプミラーが利用できるようになって、帰宅に時間が掛からなくなったので、その分友達とゆっくりできるみたいだ。
しっかりしていてもまだ子供なんだから、遊ぶ時間も大切よね。
4人揃ったので食べ始める。
今日の夕食は、総菜屋のプロの実と野菜のフライに特製ソース。大盛りサラダ、トーフのチーズグラタンに、フワフワの焼きたてパン。
デザートはパパイアのアイスクリームの乗せ。飲み物はレモンソーダ。ジミーさんにはコーヒーだ。
「ララねー、今日ねー」と、ララちゃんも1日楽しんだようで、話したいことが沢山あるようだ。
一通りララちゃんの話が終わると、明日のメラニーさん達訪問での話をする。
庭の中心にあるシールドした四角いものは、中に明日使うテーブルが入っていると、説明しておく。
ジミーさんに、今日の職人さん達との話をすると、
「そうかい。なかなか面白そうだな」と、ジミーさんも興味がありそうだ。
日曜日に一緒に来てもらってもいいな……。
食事が終わり、ララちゃんは眠い目をこすりながら、リリちゃんと一緒に家に帰って行く。
ジミーさんにも挨拶し、バニーちゃん達の様子を見てからかなえも家に戻る。
お風呂に入り寝る支度をすると、ベットに入る。
今日も……何も問題は無く良い一日だったな。
いよいよ明日はメラニーさん達をアニマルドームに迎えるんだ……。
なんだか楽しくなる予感がする。
「みんな、おやすみー」と、島にいるみんなや動物達を思い浮かべ、かなえは目を閉じた。
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ポイント
プラス
マイナス 3万 ラウンドカフェ 秋の味覚6人前
残り 206万9400
パワー 499
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予定 牧場のスミス夫妻を招待
職人達と一緒にミーティング
動物達を連れてお出掛け
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給料30日目 牧場の従業員見習い 15万
動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万
アニマルドーム管理人 30万




