セイカイ 第4話
Level3
(まずは①って書いてるところからやってみようと思ったんだけど……案外難しい)
「これ、カジノのゲームか何か? それなら、黒はノワール、赤はルージュ?」
「私達に聞いても教えませんよ。ご自分で考えて下さい」
「シオンのケチ、ヒントくらい良いじゃん」
「まあまあ、お堅いシオン様に言っても答えなんか帰ってこねーよ。それより、俺が教えてやろうか?」
ギセルがニッコリと笑う。
「え、それな――」
「ギセル!」
私の声を遮り、突然シオンが大きな声を出した。
驚いてシオンの方を見ると、底冷えするような青い瞳がギセルを見据えていた。
「そんな事言って、水鏡香から対価をもらう気ですね」
「たい……か?」
「あ、ばれた? つっても、ヒント程度の対価だから、そんなに獲らないって」
ギセルはそう言いながらけらけらと笑い、近くに生えていた真っ赤なキノコをむしり取った。
「あの、私今お金とか持ってないから、対価って言われても……」
「金? そんなんいらねーよ。それよりも……」
ギセルはスッと私の目の前に指を突きつけた。
「目が良いな」
「?」
ニタリと笑ったまま、ギセルが話を続ける。
「その黒い瞳……それだけで良いぜ」
「は?」
「今なら右目だけでも教えてやる。どうだ?」
「……な、何言ってんの?」
冷汗が背筋を伝う。
「お前こそ、ただで教えてもらおうなんて甘すぎるんじゃねーか?」
「そ、そっちこそ、たかがヒントに目一個差し出せなんてどうかしてるでしょ! だいたい差し出すものが全然対等じゃないじゃん!」
「お互いに欲しい物が手に入るんなら、対等だろう?」
ギセルの鋭い眼光を受け、身体が震えた。
☆ ★ ☆
Level3 ヒント①・1
(こ、怖い――コイツ、住む世界が違うっていうか、闇社会で生きてきてる奴か何かなの? てか、どんだけブラックなんだ……ん?)
☆ ★ ☆
「さて、言い争いはそこまでです。ほら、時間も少なくなってきていますよ」
シオンが空中に浮かんでいる大きな砂時計を指差した。
「な、何あれ……」
「あなたのタイムリミットです。砂が落ち切ればゲームオーバーです」
「ああ、もう! 夢でもなんでも絶対抜け出してやるんだから!」
「そうですね。抜け出すなら早めにしていただけると助かります」
「はいはい。それから、①の答え分かった。答えは【 】で、①の文字は【 】でしょ」
「へぇ、正解。よくできたじゃねーか」
☆ ★ ☆
Level3 ヒント①・2
「これだけ答えの欄が違ったからね。あとは文字数に注意すれば答えに辿り着ける……でしょ!」
☆ ★ ☆
「おお、頼もしいね。まあ、次に分からねー暗号があったら遠慮なく俺に聞けよ」
ニヤニヤしながらギセルが②の暗号が載っている看板に片手を置く。
「遠慮しとく……目、獲られたくないし」
「賢明な判断ですね。次の暗号に移りましょう」
☆ ★ ☆
Level3 ヒント②
「ええと、②の暗号では、見つけるには頭が大事なんだから……」
☆ ★ ☆
「これは楽勝! 答えは【 】で、②の文字は【 】でしょ」
「ええ、正解です。その調子でさくさく進んで下さい」
シオンに促され、③の暗号を見る。
☆ ★ ☆
Level3 ヒント③
「なんだ、さっきのと似たようなものじゃん。タヌキ言葉の法則ね」
☆ ★ ☆
私は得意げになりながらギセルに言う。
「答えは【 】で、③の文字は【 】でしょ?」
「正解。なんか、さくさく解いっちまってるから、つまんねーなあ」
「私はその方が助かります。ギセル、つまらないからといって変な事をしないで下さいね」
「はいはい、それより、次の暗号に行くんだろ?」
ギセルが渋々といった感じで持っていたキノコを遠くに飛ばす。途端、キノコが飛んで行った方で、爆竹の様な音が連続して響いた。
(何をする気だったんだ! 何を!)
ギセルの行動にツッコミをいれたい気持ちを抑え、私は④の暗号に集中する事にした。
「④の暗号が解ければ、今回の暗号は完成なんだよね! よし、時間もない事だし、さっきの調子でさくさく……」
暗号を見た瞬間、私はピタリと動きが止まってしまった。
☆ ★ ☆
Level3 ヒント④
「……これ、真ん中に漢字を入れて、熟語を完成させるやつだよね?」
☆ ★ ☆
「そうですね」
「これ、暗号って……いや、うん、何でもないです」
シオンの冷たい視線を浴び、とりあえず解くことにする。暗号と言えるかはわからないが、こういった発想力を要するものは、なかなかに時間がかかる事がある。
「うーん……」
「おい、まだか?」
「ちょっと待って」
「チッ……こんなん、さっさと解いちまえよ。ヒントの出しよーもねーし」
ギセルが面倒くさそうに近くの木に寄りかかった。
「ごめん、分かってるんだけど……」
「たく、ここ、天気良すぎて好きじゃねーんだからとっとと――」
「あ、分かった! 答えは【 】で、④の文字は【 】でしょ!」
「正解です」
突然閃いた私に、シオンが頷く。
「やった! じゃあ、①②③④の文字を読むと……最終的な答えは【 】になるんだよね!」
「ああ、正解だ。ようやく次のステージに進めるぜ」
ギセルが口を歪めて笑うのと同時に、文字が光って緑色の球体が出てきた。
「よし、三個目ゲット!」
私がその球体を手にした瞬間、突然周りにあったキノコが破裂していき、あっという間に白い霧に覆われてしまった。
★ ★ ★ ☆ ★ ★ ★
~第3話における暗号の解答~
Level2
それぞれの文字を囲み、その先にある言葉を読んでみましょう。
すると……【たからもの(宝物)】となる。
第3話の暗号はどうでしたか?
楽しんでいただけたのならば、幸いです。
また、第4話で登場した暗号は少し多くなりましたが、全問解けたでしょうか?
第5話の後書きでの解答発表を楽しみにしていてください!!
★ ★ ★ ☆ ★ ★ ★