セイカイ 第2話
Level1
【目には見えないけど確かに存在していて、触れる事は出来ないけど絶えず流れていき、留める事は出来ないけど私達が縛られてしまうものは何?】
暗号へと目を向けていた私は、思わず顔をしかめてしまった。
「ねぇ、これって暗号っていうよりなぞなぞ……」
「うるさいですよ。簡単ならあなたにとっては良い事でしょう? いちいち文句を言わないで下さい」
「ああ、うん。これって、答えは【 】でしょ?」
「正解だ。まあ、どっかで見たような問題だろうな」
ギセルがそう言った瞬間、暗号の文字が輝き、ビー玉くらいの大きさの青い球体が形成された。
「何これ?」
「あなたがここから脱出する為の鍵ですよ」
シオンが小さな白い袋を私へと差し出し、ギセルがニタリと笑う。
「帰るためにはこの鍵を四つ集める必要があるから、失くさずにしっかり持っとけよ」
「はあ……てか、これ鍵じゃなくない?」
「鍵ですよ。それよりも早く扉を開いたらどうです? 次の暗号を解く時間が無くなりますよ」
シオンの視線の先を見ると、いつの間にか部屋の真ん中に白い扉がちょこんと置いてあった。
「は? これ、裏側どこにも繋がってないんだけど……」
「ああ、でも扉だろ? 扉ならちゃんとどこかに繋がってるはずだぜ?」
「ええ、扉ですね。目の前にあるんですから、たとえ繋がらなくても開いてさっさと入って下さい」
「……」
(うん、これは夢なんだから深く考えない方が良いんだよね……)
扉に手をかけて、とりあえず押し開けてみる。
「ねえ、真っ暗で何も見えないんだけギャアアァァァァ!!!」
後ろからシオンに押された私は、絶叫をあげながら暗闇の中へと落ちていった。その姿を見ていたシオンは、一度深いため息をつき、ボソリと呟いた。
「まったく……本当に面倒な方が来ましたねぇ」
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【 】内に入る暗号の答えは、次話の『後書き』へと記入していきます。
少しずつ暗号の難易度を上げていくつもりなので、読者の皆様も香と一緒に考えてみてください。
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