記憶7 仲間
俺の前に二人の男と女が立っていた。誰だ?どちらもスーツを着ている。男は全く俺のほうを見ていない。女は・・・すげぇにらんでる。俺より小さいのに・・・。俺も訝しげな顔をしていると一人のでかい男が俺をまるでいないかのように通り過ぎて、おじさんのほうへ礼をしながら口を開いた。
「お久しぶりです。清吉さん。」
おじさんの名前、清吉だったのか・・・最初に会ったとき、名乗られた気がするがおぼえていない。男の声は若いながらも低かった。よくわからないまま立っているともう一人の女も口を開いた。
「清吉さーん、こいつ誰ですかー」
それはこっちのセリフだ・・・。こっちが聞きたいくらいなのに。女の声は、にらんでいた顔とは似合わず、どちらかというと女の子みたいな・・・女の子なんですけどね。まあかわいい声だった。
「二人とも今回のためによく来てくれた。」
「いえ、清吉さんにまた会えてうれしいです。」
「今回の任務をしにきただけですよー」
あれ・・・?俺忘れられてない?ボーと立っていると、
「で、あんたはなんなの?」
「え・・ああ・・えっと・・・その・・」
女がにらんだまま俺に聞いてきた。こういう時自分の名前がないと困る。人間ですっ!って言ったらどうなる・・いや、やめとこ。
「・・・例の武器<異一型剣>を持つ名前がない青年ですか・・・」
男が苦笑しながら言った。あってるけど、なぜ俺に背を向けたまま言う・・・。おじさんは笑ってるし、
「ふ~ん、こいつが・・・ねえあんた。」
「・・・はい」
「しゃがんで?あ、まって、いっそ土下座して?」
「・・・意味わからん」
「だって、私のほうが実力上なのにその態度が気に入らないの。」
ちょっとまて、聞き捨てならないワードがでてきた。実力ってなんだよ。頭の良さ?それとも力?頭の良さはともかく、力ってこんな女の子がたたかえるのか?
「あ、疑ってるでしょ、いいよー見せてあげる。私の武器っ!」
「ここではやめるんだっっっ!」
急に男の低い声が入ってきたので、俺もビビってしまった。
「ひい、ごめんなさい・・・」
どういうことだ、それほどのものとか?よくわからんが・・・女の顔は下にうつむき、指をかまっていた。
「ぼくや、紹介しよう。この二人は以前、いっしょに仕事をしていた仲間だ。」
「・・・仕事って何してるんだよ・・・」
「悪いことした人たちをこらしめる仕事だよー」
急に女が口を挟んできた。
「いや、小さいお前にはきいてないんだが・・・」
「っな、ななななな、だ、誰が小さいって―――」
やべ、つい口が・・・。
「た、たしかに他の人より、小さいかもだけど・・・ぶつぶつ」
なんかこいつ勘違いしてないか・・・まぁいいか。
「お前たち、早く紹介せんかっ」
「清吉さんが言うのでしたら・・・私は井手口真実です。」
「・・・ども」
「こいつに私の名前知られたくないっ」
「知られたくないっていう名前ですか、どうも」
「っな、なわけないでしょっ満月愛海っていう名前があって・・・って、してやられた―――!」
むがあああっと満月は一人叫んでいた。でも、俺は名前を覚えるのが苦手だ。関わらなければ関わらないほど覚えていられる気がしない。いや、覚えようとしないの間違えか、まあ覚えられるようにしよう。
「さて、ぼくや、本題なのだが・・・記憶の敵について知りたいだろう。だが、知ってしまったらきっと戦うことを選ぶ・・・お前に知る覚悟があるか」
おじさんも井手口さんも満月も静かに俺の回答を待っていた。
「知りたくない・・・なんて言えるわけないだろ、そんな言い方されたらよけいに知りたくなっちゃうよ・・・覚悟だってもうできてる・・・きかせてくれ」
「ああそうだな・・・言い方を間違えてしまった、はっはっはっは、知ってくれと言ってるようなもんか・・・わかった、井手口、情報を彼に。」
「はい、よくきいてください、あなたの言っていた記憶の男は・・・」
次にどんな言葉が出るのか楽しみ・・・なわけがない。正直、覚悟なんてできていなかったのだから。
でも、やっと知る時が来た。俺の記憶の男とはいったい・・・
だいたい記憶編は終わるかな?でも、まだまだですよ~ 新キャラについては考えました。組み合わせただけですのでご理解いただけるとうれしいです。ではまたよろ~




