記憶4 脅威
悲鳴が聞こえた。姫乃の声が・・・。こんなに心が落ち着かない日がまたくるなんて、
「姫乃っっっっ!!!」
俺の目に見えたもの、それは、目が涙でいっぱいの姫乃と姫乃を取り押さえてる女が二人、一人は俺と同じくらい若いだろうか、そして、髪が少し長い黒服帽子のあの男だった。どいつも顔は帽子であまり見えない。でも今はそんなのどうでもいい、
「おにい・・・さん・・」
姫乃の顔は涙で、もうあふれていた・・・俺のせいだ
「お前ら、姫乃を離せよ」
「名前なき青年よ・・・怒る気持ちもわかるが、まずは談話時間としないか?」
黒服帽子の声は静かながら威圧感があった。しかし、姫乃をとらえている二人の女からどうやって姫乃を救い出すかしか頭になかった。
「その前に姫乃を離せっつってんだっ!」
俺は姫乃のほうへと駆けた。片方の女が俺に対して身構えていた。俺は舌打ちをした。手を握り締め、殴りかかろうとした瞬間、
「っぐぅはっっ!?」
「おにいーさんっ!!!」
一瞬にして俺の目線に入ってきた黒服帽子の男の足が腹に入っていた。すげえ痛い・・・。
「やれやれ・・・話を聞いてくれるだけでいいのだが・・」
くそっ・・・さっきの攻撃で腹がズキズキして、動けない。完全に床に膝がついていた。反撃のしようがない。どうすればいいんだ。
「・・・どうやら君は武器を持っていないようだね。それどころか、拳一つでわたしの守護人に挑むとは。」
武器?剣のことか、あんな使えそうにないものでどう戦えというのだ。
「・・・そもそも、なぜ俺たちを・・・」
そうだ、なぜ俺や姫乃がこんな目に合わなきゃいけないのか。何が原因なんだ。
「特別に答えてあげよう。武器の反応があったからさ、そして、どんな脅威があるのか・・・あくまで私の趣味。興味本位で来たのだが、あの時だけでは力が判別できなかったのでね。このような事をしなければならない事態に至ったのだよ。」
「たったそれだけのことで・・・」
「もっとも、心配は無用だったようだ。君たち、その子を離してあげなさい。」
黒服帽子の男の守護人である二人の女は姫乃を離してくれた。姫乃がこっちに駆け寄ってきた。
「おにーいさんっっっ・・・」
「怪我ないだろうな・・・」
腹部に激痛が走り、あまり動くことはできず、姫乃の頭をさすってやることしかできなかった。姫乃がぺたんっと床に座り、泣いていた。
「では、青年よ、もう二度と会うことはないだろう。あと、もう一つ。ご老人への危害は謝罪する」
そうして、黒服帽子の男たちは消えていった。とりあえず、姫乃が無事でよかった。あとはおばあちゃんが心配だ。すると玄関から、誰かが入ってきた音がした。姫乃がそれに反応し、
「・・・おかああああさんんんんー・・・・」
どうやら、姫乃の母のようだ。これで一応大丈夫だな・・・あれ?視界がかすむ・・・ああ、だめだ・・・。
どさっ
気を失う前、ほんのすこしだけ意識のあったとき、姫乃の呼ぶ声が聞こえたが、意識はそこで終わった・・・。




