表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/45

追悼30 惨敗

 追悼編オンライン~


町の人たちが殺された。まだ生きた人の命をこいつが・・・終わらせた。


「なぜ、町の人を殺したんだ!・・・やっぱり恨みか?」


「殺されていい命だ。何も問題はねえ。それにそうでもしなければ、俺の感じた力を探し出すことはできねえ」


「お前も黒井と一緒だな・・・。そんなことをしたら、殺された町の人が悪魂間としてまた生まれてくるだけだぞ・・・。同じことをこれ以上繰り返しても、意味はねえ!」


「確かに意味なんてねえな。だが、てめえらも、生きることに意味なんてあるのか?」


「なっ・・・に・・・」


 すると、男は俺の目の前から一瞬にして消え、気づいた時には、背後に回られ、銃ごと――――――

 殴り飛ばされる。


「っぐ!!」


「ああ?・・・てめえもそんなもんか?」


 いつの間に後ろに・・・こいつは強ええな。さすがはインディペンデント・・・


「・・・今頃になって、何でお前みたいなやつがここに・・・」


「聞いてなかったのかカス。俺たちと同じ力をここで強く感じたんだ」


「感じた?」


 同じ悪魂間であるためか、同種の力を感じ取れるらしい。黒井にも最初に出会ったとき、武器の反応がどうのとか言っていた。

 ふと俺はあることに気がつく。


「そうか・・・! 長刀なぎなたの武器か!」


 この町がこんな惨状になる前、俺と真由香はここのデパートの中にいた。そして、変な連中に絡まれ、長刀に助けてもらったとき、長刀の武器から悪魂間の力を感じた。それをこの男が感じ取り・・・ここへ来たってことか。

 黒井といい、この男といい、日本にいるインディペンデントが多すぎだろ・・・


「ああ?・・・終わりか?」


 男はまた、目の前から消える。


「っまたか!」


 俺は背後に体を反転させて、剣を構える。


 あいつは―――――


「っっ!?」


 自分に今何が起きたのかわからない状態に襲われる。

 体にくる衝撃に気がついた時には俺は瓦礫の上でうつ伏せになっていた。

 背中に痛みがある。どうやら、俺が読んでいた後ろに来る予感を逆に読まれたらしい。


「くそ・・・」


 男は余裕そうに銃を向け・・・

 





―――――ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!


 激しい音からは赤黒い炎が無数に俺に向かって撃ち放たれる。

 そこからすぐ立ち上がり、俺は走る。


 何とか当たることもなく、上手く避けきれ、飛んでくる炎は止んだ。その瞬間―――――

 

 


 男は俺よりも後ろの遠くから一瞬にして、目の前に現れた。


「くっ!?」


 走ってきた距離はだいぶあるはずなんだが・・・移動速度が速すぎる・・・


 男は長い足を振り上げ、俺に目掛けて振り落としてくる。

 ―――――咄嗟とっさに俺は自分の足を踏み止め、男に目掛けて剣をぎ払う――――― 



 ―――――ガッッッ!!!


 





 「ぐぁ!」


 内臓から押し出たその声は、まさしく俺で、いとも簡単に地面に叩きつけられた。

 薙ぎ払ったはずの剣は、俺の手から離れ、遠くの瓦礫の上に落ちていた。

 男は剣の斬撃を回避しただけではなく、足による打撃で俺の頭身ごと剣を弾き返したのだ。


「つまらねえ・・・消えろ」


 男は銃口を俺に向ける。


 こんな・・・ことが・・・




――――――――――ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!


 まるでトンネルの奥から放たれたような激しい音が通過する。


「ちょっと! にい君から・・・離れてよ!!」


 真由香の武器から放たれた閃光は、俺と男の距離を離させ、男を後退させる。


「真由香!? どうして・・・!長刀は!?」


「怪我してるみたい・・・」


「っ!・・・俺の心配より、貴様のその姿は何だ!」


 長刀は真由香に続くように現れたが、片足部分のスーツが破れて、そこから血が流れているのが露わになっていた。 


「お前こそ足を・・・。でも、無事そうで良かった」


「こ、こ、こんな時に貴様ってやちゅは!」


 長刀は必死に冷静を保とうとしているのか、顔を逸らしながら、腕組みをする。噛んだが・・・


 男の様子は俺から視線がずれて、真由香たちの方向を向いている。

 何を考えているんだ・・・? 何にせよ、弾かれた剣を取りに行かないと・・・

 俺は立ち上がり、男に警戒しながらも、後退りをして剣を取る。


「おい」


 男は視線を変えずに、低い声で俺に問いかける。


「あの女の持っている武器・・・見覚えがある。以前にもあんなような武器を所持して、この俺に殺された女がいたが・・・まさかな。量産型の武器か・・・」


 それを聞いた瞬間―――――俺は忘れていた怒気を思い出し始める。


「どういうことだ・・・」


「ああ? てめえは俺が殺してきた人間にも興味があるのか?」


 眉間にしわを寄せ、こちらに振り向き直る男。


「その女っていうのは・・・どこでどういう殺し方をしたんだ」


「おいおい、この世には変わった人間のカスもいるもんだなあ! それを聞いてどうするかは知らんが、そう簡単にはてめえは殺さんぞ」


「・・・この町から遠く離れた林道・・・脳天に一発。肩にナイフのようなもので刺された刺し傷。」


 そう言うと男は眼光を鋭くしながらも、気味悪く薄ら笑いを浮かべる。


「一般人の人間カスが・・・、ふは、ふはっは、はっはっはっはっ!!! こいつはいい! 大分お詳しいようだなあ!」


「お前が・・・満月みつき井手口いでぐちさんたちを殺したんだな・・・」


「だからなんだというんだ? カスはカスらしく、廃棄しただけだ。――――――――――ぶっはっはっはっはっはっはっは!!!!」


 









「ぐぐ、ぐっぐ、ぐああああああああ!!!お前だけは許さねぇ――――!!!やっと会えたな、このくそ野郎――――――――――!!!」


 心の奥底から燃え上がるような怒りと力を爆発させる。

 剣に赤黒い炎をたぎらせ、これまでにない速攻をかける。


 ひたすら剣を振り回す。


 無我夢中に――――――――――



 井手口さん―――――俺に教えてくれた。戦い方やガンズのことも、最後の最後まで仲間のことを・・・

 

 満月のことを・・・・・・

 

 満月―――――そういや、最後まで名字で呼んでたな・・・。名前は最初に出会ったとき名乗ってたけど、覚えちゃいねえや・・・。










 待ってろ―――――お前らの恨み―――――


 晴らしてやるからな・・・




「―――――――――――――――!!」


 真由香の声がする。


 何言ってんだ・・・


 男は笑う。


 背後から俺に銃を向けて――――――――――

 そして、気づいた時には――――――――――――――

 赤黒く放たれる炎に―――――





 ――――――――――のまれていた。

 次話投稿を待たれよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ