追憶24 激突
辻おじさんの車は目的の地、<日本部ヴィジランティー>本部へと向かっている。勿論、運転はおじさん、助手席に俺、後部座席に相澤もいる。満月の銃を持って・・・。
本部が奇襲攻撃にあった。現状どこまで維持しているのか・・・最悪の場合、壊滅だろう。いったい相手はどんなやつなのか。油断はできない。
突然、後ろからトントンッと肩をたたかれた。
相澤?何か話したいのかな・・・
俺が顔を振り向いた瞬間、頬に当たる人差し指。
「あはっ、引っかかった!」
「こ、こいつ・・・」
なるほど・・・恥ずかしい上にムカつくな・・・
「こんな時にお前は」
「まぁまぁ、それより君のことなんて呼べばいいと思う?」
そうか・・・俺の名前ないしな。呼びようがないもんな・・・。とは言われても俺自身あんま気にしてなかったが、どうしたもんかな。
「ぼくや」
辻おじさんが口をはさむ。古い言い方なのか、人に対して呼びかける言葉としては聞いたことがある。現にこのおじさんが使ってるのさ・・・。
「絶ッッッッッッッ対いやだああ!!!」
「そこまで拒絶することはないだろう・・・。」
「あんたもあんただっ!いい加減その呼び方やめろって何回言ったらわかるんだっ!ああ?」
「いつからこんなに口が悪くなったのか、先が思いやられる。」
「子ども扱いするあんたが悪いっ!」
相澤はそんな俺たちの様子を見て、くすくす笑っていた。
「で、結局どんな呼び方がいいの?」
「そうだな・・・旦那様かお兄様で」
「ハイ、却下ね。」
即取り下げられた。名前ないんだからそれくらいしかないだろうが・・・。相澤は勝手に呼び方を決め始める。
「君が私の兄か・・・君が私の・・・おにいさん、アニキ、でもでも・・・君が・・・~?」
「・・・大丈夫かお前。」
相当お悩みのようである。そんなに俺が兄という立場に不満なんだろうか・・・
「あ! にい君 なんてどう!?これがいいよ、うん!」
「・・・慣れないな。」
「これから呼ばせてもらうぞよ、にい君よ、ふぉっふぉっふぉ~」
どっかの師匠か。いや、今どきの師匠ですら使わねえだろ・・・。誰が使うかなんてどうでもいいわ。
「お前たち、その辺にして気を引き締めておけ。本当に何が起きてもおかしくない。本部まではまだ時間がかかるが・・・。」
「そうだな。」
「ねえねえ、にい君。にい君の武器はどこなの?」
やべえな、相澤が幼い感じに見える。実際は普通に女の子であって、それで戦う運命にあって・・・でも相澤自身も可愛いしなあ・・・。ツーサイドでしょ?華奢でしょ?あとなんか俺の役に立ちたいとかってことは、つまり・・・
「はっ・・・また騙されるとこだった。あぶねえあぶねえ。」
「なんで私が君を・・・にい君を騙すの・・・」
「俺の武器?ああ、言ってないもんな、この腕だ。」
俺は左腕を上げ、相澤に見るように諭す。俺の武器は剣だ。しかし、特性として防具に変えることもできる。防具変化によって常に左腕に装着することにした。意識さえ高ければ剣に戻らないので助かる。
「それがあの剣みたいなのになるってこと?考えられない・・・。」
「俺もつい最近知ったんだよ。それより、お前、武器扱えるのか?」
「さっきも出たことは出たんだし・・・大丈夫だと思うけど。」
「でも、危なくなったら逃げ・・・」
「それはできないって言ったじゃん。」
俺の言葉が言い終わる前に断言された。まあ、戦わせるのはまずいだろう。俺もなんだが、実践が足りない。そもそもまだ戦うと決まったわけじゃ―――――――――――――――
キイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!
いきなりの急ブレーキ。狭い車内で、安全装置であるシートベルトが引き上げられ、体が投げ出されるのを防いでくれた。とはいえ衝撃は強かったが・・・。
「ぐっ・・・おじさん、どうしたんだよ・・・」
「痛ったあ~・・・」
「・・・ぼくや、前を見ろ。」
人差し指を指された方向を見る。確かに急ブレーキをかける理由がわかった。一人の男が道路の真ん中に立っていたからだ。見るからに怖い形相でこちらを睥睨している。どうやら、俺たちを止めたのは故意だったらしい。俺たちは車から降りる。
男はこちらに向かって走ってくる。二本の刀を出して・・・。
「お前ら、下がってくれ!」
前にいるおじさんを無理やり下がらせ、前に出る。
「にい君!」
そして、男が俺のほうへ飛びかかる。左腕の防具を剣に変え、防御の体勢に入りつつ―――――――
ヒュンンッ――フュンンッ――――
相手の刀の風邪を切る音。
避けてからの―――――――――速攻!!!
最大級の力を込め、下から斬り上げるように相手の刀のごと・・・
―――――――――弾き、飛ばすっ!!!
ガキィィィィィィィィィンンンン!!!
相手の刀は空へと舞い上がった。すかさず相手はもう一方の刀の方向変える。
キィィィィィィンンン!!!
交差する剣と刀はキリキリと擦れ合う。
「死ネ、死ネ、死ネ、死ネ、死ネ、死ネ、死ネ、死ネ、死ネエエェェェ」
相手の呪文のように言葉を連呼する。しかし、生身の人間が発する声の波長ではない。
「この口調・・・!悪なんとかってやつか!悪いがそれは叶わない願いだぜ!」
そう、まだ俺は・・・
「死ねない!!!!!」
俺は相手との距離を置く。そして、舞い上がった刀が落ちてくるのを見計らい、再び速攻!!!
カァァァン―――――――――――
ズバァァァァァァァァァァァ―――
立てる気力をなくし、朽ち果てる屍。
さっきまでの時間が一瞬すぎて記憶が飛びそうである。車の後ろから二人がやってくる。
「にい君!大丈夫!?」
「ああ、なんとか・・・」
「ぼくや、最後がよく見えなかったが・・・どうやって・・・」
「俺が向かえば、当然、相手は防御とるだろ?上から刀が落ちてくるのが見えたから、俺の剣を囮にして、その刀で相手を斬ったのさ。」
我ながら、勘が鋭くてよかったと思う。落ちてくる刀も見事にキャッチ・・・って・・・
「ナンダコリャアアァァァァァァァァァァアアア!?」
「わ、わわ、すごい血・・・。ど、どうしよ!!!」
「馬鹿なやつだなあ!!手当してやるから来い。」
どうやらキャッチしきれず、思い切り、刃を持っていたようです。
でですね、主人公たちは悪魂間はそのまま、アクゴンゲンですが、正式名はマル・アルマ・ウマーノでお願いしますです。あとついでに主人公の剣、殺気持つと軽くなりますが、ガチで何も持っていない感覚です。だから素早い攻撃も可能なわけです。実際は実践とかもっと積むべきでしょうけど(笑) ではでは次の話まで
待たれよ




