追跡13 第二回戦
目の前には黒服帽子の男がいる。そして、俺は軽い好戦的な状態だった。剣もなぜだか軽い・・・。
「君はもう私の趣味に付き合う必要はないのだよ・・・武器を持ったところでね・・・まずは彼らの武器について知りたかったというのに、いい邪魔をしてくれた。」
「へっ、よく言うよ、俺の特訓を邪魔してくれたくせに・・・それに、いろいろ借りがあるしな。」
吹き上がりそうな怒り。こいつには姫乃を危険な目にあわせた借りがある。自分の弱さにも憤りを感じていた。
「面白い・・・そういうのも悪くない。君自身の強さが脅威となるなら、もう一度付き合ってあげよう。」
剣が軽いため、適当な構えが取れた。足を開き、バランスを保ちつつ、前を向く。
そして、突っ走る。やつに向かって、横から薙ぎ払うように剣をふるう。
「ほう・・・速い・・・」
しかし、黒服帽子の男は、なんなく飛んで回避した。そして、黒く細い足が俺を襲いかかる。
激しく打ち合う音―――――――――――――――――――――――――金属音・・・?
俺が剣で相手の攻撃を防いだわけでもないのに、右腕で防いでいた。だが、金属音がした。そして、いつの間にか、左手に握っていた剣が消えていることに気づく・・・。
「・・・完全に入ったと思ったのだがね・・・」
「すげえ・・・なんでだ・・・痛くない・・・」
気づけば剣は左手に握っていた。いや、わけわからん・・・。
「痛くない・・・か・・・・・・では、遠慮なく武器を使わせてもらおう。」
すると、どこからかハンドガンらしきものを取り出す。
妙だ。ハンドガンみたいな形状をしているが何か違う。トリガーがない。どう撃つんだ?
静かに銃口が向けられる。
銃口を向けられ、数秒はしただろうか・・・何も起きない・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・!?っっぐぅっっっ」
突然、胸のあたりが燃え上がるように熱くなった。
「は・・・ぐ・・・はぁ・・・なんだ・・・今の?・・・」
そして、胸に傷と痛みがある。何が起きたのかわからなかった・・・。ちっ
また、銃口が向けられる。俺も走った。剣を振り上げ、一気に近づき、振り落す。
ガッギィィィ―――――――
やつのハンドガンは俺の剣をしっかりと受け止めていた。嘘だろ、どうやったら―――――――――
「ぐっっっ!?」
また、やつの足が俺の腹を貫くように蹴られる。そして奥へと飛ばされる。
「いつまでも黙っていると思わないように・・・」
あれは・・・井手口さんか・・・。黒服帽子の男の背後に、いつの間にか井手口さんがいた。
「ほう・・・私の趣味に付き合ってくれるとは・・・だが、まずあの青年が先だ。」
井手口さんの武器と、やつの足が交差するように連続しながら攻防する。林の奥で何とか体制を持ち直した。満月が走ってくる。
「あ、あんた・・・っその・・・無事?」
「お、おう、まだまだ・・・」
そう言い残すと、彼らのほうへ駆ける。
くそっ、油断した・・・、でも妙だ・・・、最初に蹴りを食らった時よりかは、全然動ける。
彼らの武器と足が動きを止めている間に、やつの背後につく。
「!?・・まだ動けるのか・・・」
「いくぜっ・・・」
急に視界が暗くなった。夜になったというわけではない。ただ、黒服帽子の男が目の前にいる。そして俺が赤い何かに包まれていた、剣から何か感じる。とても優しくて、力が湧く感じ。
ズバァァァァァ―――――――――
「ぐ・・・・・・・・」
「へっ、へ、へ・・・やり~・・・」
刃は黒服帽子の脇腹を通り抜けた。やつの脇から血がしみ込んで広がっていくのがわかる。
「・・・・・・・・・・・・黒井様!?」
黒服帽子の守護人であるリンが叫ぶ。黒井?・・・日本人か・・・どうでもいいや・・・
「連携での攻撃・・・といったところか・・・。私に傷をつけるとはね・・・」
「・・・・・・・・・・参加します」
「今日はもういい、大分情報がつかめた。青年よ、見事な勝利だ。また会おう。」
「おい、まて、そんな簡単に・・・つか、姫乃に謝ってから・・・」
俺の言葉を言い終える前に、リンが魔法陣らしきものを出して、彼らは消えてしまった。
「・・・・・くそ・・・・」
なんか納得がいかない。黒井とかいうやつはまだ、戦えたのではないだろうかと思ってしまう。
「井手口、大丈夫なの?」
「はい、ご心配に及びませんよ。」
あれ~、満月さん?彼らを追い返したのって俺なんですけど・・・。先に心配するのそっちなのね。まあ普通はそうか。連携みたいなものだったし。
「って重!!!」
剣がさっきまで軽かったはずなのだが、すげえ重くなっていた。肩、はずれるっつの。
しかし、やつを切り裂いたときに感じたのはなんだったのだろう。赤い何かに包まれ周りは暗くなったこと、あと、剣が左手から消えたように見えたのは・・・。
剣の特性・・・なのか・・・




