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 プロローグ

こんにちは、こちらでは初めましてです。

あらすじにも書きましたが今回から、五人の著者が一つの世界を共有して物語をそれぞれ書いていくというコンセプトでこれからやっていきます。

五人それぞれの進行速度はばらばらにはなりますが、私は数日間で投稿して以降と思います。最初のほうは1~2日で投稿するかもです。

ではこれからよろしくお願いします!ぜひお楽しみください!

そして、始めるにいたってプロローグを含め5話を一気投稿いたします!お楽しみください!

プロローグ 人は終わり、人は始まる。


 

 ――世の中は平和である。


―たとえ村の集落が魔物に襲われようとも

―悪徳領主が領民から税を搾り取ろうとも

―川が氾濫し、橋が壊れ、家が壊れようとも

―人さらいにあい、奴隷として売られようとも




それは少数であり、昔の大戦などを考えれば平和である。


―国どうしの戦争もなく

―大災害が起き、いくつもの人命が呑み込まれることもない


そうして、世界は回っていく。大陸は回ってく。時間は過ぎていく。

 そう、この大陸に住む知性ある者たちはずっと続くと思っていた。


 でも、平和という名の時間は困難の後に築かれたもの。ならば必然と平和の後には困難があるのだ。


 ここサヤルアペス大陸でも確実に困難という足跡が聞こえ、水面下から顔を出そうとしていた。


 これは複数の国と主人公数人が困難に立ち向かい、戦っていくお話。





 とある国のとある地方。


 山に囲まれ木々が多く茂る森の中。その奥に一つの屋敷が建っていた。


 隠れるように建つ施設は外から見れば寂れた、決して裕福とは思えない施設である。壁には緑色のこけが付き、所々ヒビが入っている。でも、実は施設に住む人間たちが困窮するほどの,財がないというわけではないのだ。

 ただ、住む人間たちは訳ありの人間であり特別な目的を持ち日々をすごしている。


 「はぁぁぁああ!」


 そんな施設の中、あるいは外から気合をこめた声が聞こえてきた。聞こえてきた声はまだ幼い声にしか聞こえない。


 「やぁ!」


 「おらぁ!」


 「くそ!これでも食らえ!」


 他にも少女の声、大人の男の声も聞こえる。鉄と鉄がぶつかり合う音の他、地面を抉った様な地鳴り、雷が落ちたような光と音が響く。


 しばらくその様子が続いた後、突如ある一人の女性が声を上げた。


 「それまで!」


 すると先ほどまであれほど音がしていたのが嘘のように静かになる。


 静かになったことを確認した女性は広場に並ぶ数十人の少女、少年を見渡して告げた。


 「今回の優秀者はミリエスとエルの二人だな」


 「やったぁ!」


 「……」


 ミリエス、エルと呼ばれた二人はそれぞれの反応をする、亜麻色の髪をしている少女は喜び、黒い髪の少年は微妙な表情をした。でもそれを気に入らなかったのだろう、ミリエスは少年の名前を呼び怒り出す。


 「エルったら何でそんなに微妙な表情をするの?もっと嬉しそうにしなよ!」


 するとエルという少年は反論する。


 「いや、嬉しくないわけではないけど。でもさ、この後またミリーと戦わないといけないんでしょ?正直めんどうかな……」


 「なにおぅ!エルが毎回勝ってるからってその言い方はないんじゃない!」


 「けどさ、こっちが手加減して負けても怒るでしょ?」


 「手加減したエルに勝ってもしょうがないよ!」


 「でも、勝った場合でも文句を言うでしょ?」


 「悔しいもん!」


 「どうしろっていうのさ。面倒だと思わないほうがすごいと思うけど」

 

 「さすがエル!」


 「そこを褒めるのか!」


 「はいはい、二人とも。夫婦漫才はいいからさっさとこっちに来てくれる?」


 すると二人のやり取りがいつまでも終わらないと判断し、最初に大声を出した女性がからかいつつ、二人に催促する。


 催促された二人の反応は両極端だった。


 エルは怒られたことに、顔をしかめ。


 ミリエスは顔を赤くして俯いてしまった。


 注意をした女性は


 (あー、ミリエスはそこを気にするんだ)


 と考えながらも二人の子供が感じている貴重な経験、そして感情、青春を眩しい物を見るような気分である。


 女性が注意したことにより渋々と出てきた二人、向かい合いお互いに視線を交わらせる。ここにくると日頃の訓練の賜物か、自然と張り詰めた空気をかもし始めていた。


 女性も二人が真剣になったことを確認して、後ろのほうに『下がる』。そうしなければ本気になったことで被害を被るからだ。それほどに二人の技量は目を見張るものがある。特に固有魔法を応用した戦闘を確立した二人は神童といっても過言ではないだろう。施設にいる大人を相手に先ほども圧勝していたのだから。


 「よーし!今日こそはエルに勝つんだから!」


 「……まあお手柔らかに。適当にやるよ」


 「適当じゃダメ!本気できて!」


 「あー、わかったよ。でも泣き言は言うなよ?」


 そうして二人はそれぞれの武器を構えて斬り結ぶのであった。


 世間から見れば非日常のような施設の生活、けれども本人達にとっては充実した生活。


 でも彼らの生活は突如崩れ去り、青春は灰に帰す。


 エルがその時覚えている最後の光景といえば


 炎に包まれ崩れ落ちる施設の姿だけであった。


いかがでしたでしょうか。

まだまだ始まったばかりで、だけど主人公がどういう育ちなのか少しだけ見れた会でした。

けれどこのときから主人公の物語は始まったのです。

といっても、その前にも少しだけ秘密が隠されているのですが、それはまた別のお話で明らかになっていくでしょう。

ではまたあとでお会いしましょう!

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