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永遠のバラ園  作者: rara3
3/4

永遠の愛

???な感じになったらすいません。

永い時の中上界で驚くべき事が起こった。


フランソーズライズ様を殺害しようとした天使が

目の前で天使兵に両腕を捕えられている。


「人間の女との間に子を授かるなんて、私はあの方の側にいて、

 愛していた。気分がすぐれない朝も、眠れない夜も香を調合して

 あの方のすごしやすい環境を整えてきた。神に近いあの方は

 誰しもを平等に愛する方のはず・・、なのに人間の女と!!!

 それでも神はあの方を許し、人間の女を許した。

 でも私は許さない、だからあの方を永遠に私のものにしようとしたまで。

 本当に腹の立つくらい優秀な右腕ね、エストロニース。」


上界の異変には優先して見張ってきた。だがまさか調香師のフローラ様が

フランソーズライズ様を殺害しようとお考えになっているとは思いもしなかった。


「もう少しで、首を切れたのに。」

「フローラ様!」


私の隣で立っているニエントサイロが苛立った様に名を呼ぶ。

彼の肩に手をおいてたしなめる。


「あなたは、ジャスティスの裁きにより地界に幽閉する事になりました。」

「そう。それよりニース、ラッセンブレッド様はお元気かしら?」


私は眉をしかめる。何故今そんな事を聞くのか。


「正直ニース、あんたはあの方より神に近いと私思ってるの。

 下界に出てきた地界の狂人を一瞬で閉じ込めたのはすごかったわ。

 全て分かってるものね。上界、人間界、下界、地界の動向が

 手の内だもの。でも弱点があるのは残念ね。弱点さえなければ最強の天使だったのにね。

 くだらない「永遠の愛」なんてあるかしら?ねえ、あんたはラッセンブレッド様の心が

 本当に分かっていたのかしら?」

「フローラ様!!早く地界にお連れしろ!!!」


サイロが言葉を遮る。私は顔が青白くなっていくのが分る。


「あはは、あんたのその顔が見たかったのよ。幸せ面したくそ生意気な天使!!」


もうフローラ様の言葉が頭に入ってこない、ラッセンブレッド様は今バラ園にいるはずだ。


「後は頼んだぞ、サイロ。」

「分かった、早く行け。」


何も考えられなかった、ただ走りバラ園にいるあの人を探す。

どうか、最悪な事態でない様に。安心しきっていた、強い人だと思っていた、

私が思い込んでいたけだったのだ。フローラ様に付け込まれる事なのないのだと。

違った、私は知っていたはずだったのだ、子供の時に会ったあの人、

告白した日のあの人は弱かったのだと。


「ラッセンブレッド様。」


息を切らしてバラを触っている想い人を見つける。


「どうしたんだ、ニース。」


ああ、良かった。普通に私の前にいる。


「顔が見たくて。」

「はは、変な奴だな。」


いつもの笑顔だ。だが今は早く、本題を言わなくてはいけない。


「フローラ様にお会いになられましたか?」


少し間おいてラッセンブレッド様は口を開く、


「ああ、会ったよ。」


そういって私の目の前に赤い一輪のバラを差し出す。


「これを貰った。」


何の変哲もないバラだ。フローラ様から渡されたという事は・・


「!」


「ビックリした顔してるな。このバラにはそう香が調合されている。

 俺はね、ニース、わがままなんだよ。ずっと傍にいて欲しくて、

 今の上界には兄上よりお前の方が必要だ。だから忙しいのは分かっていた。

 それでも俺は、寂しかった。愛していてくれる事を一度も疑った事もない。

 ただ俺は弱かったんだ。」


この人に見合う男になろうとしていたのが、逆に寂しい思いをさせていた。

その事実が私という愚かな男を浮き彫りにさせる。


「永遠の愛なんてあるんだろうか?」


不安な思いをさせて、こんな言葉を言わせてしまっている。

私は私を許せない。だからこれは罰なのだ。


「その答えはここにあります。永遠にあなただけを愛します。」


ラッセンブレッド様は顔をほころばせながら涙を流す。


「ありがとう、ニース。私も愛してる。」


そして私はラッセンブレッド様を抱きしめる。

強く、強く。


彼は私の腕の中眠りにつく、いつ目覚めるかも分からない眠りに。


3END

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