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CHIP―チップ―  作者: 篠崎 海斗
1/5

―嵐の前の騒がしさ―

……俺は巻き込まれてしまった。そこで起きていた出来事に……


その事件が起こる日の朝、俺は、いつもより遅い時間に家を出た。もっと早く家を出ていれば、あんなことにはならなかっただろう。俺は消されかけた。いや、正確に言えば、消された後に蘇らされたの方が適切かもしれない。


俺の名前は雨宮健吾(あめみやけんご)。一見すれば、普通の男子高校生。しかし、普通の男子高校生と違う点といえば、親、兄弟、そして親戚がいなくて、小さいころから一人暮らしってところかな。他には特に変わったところは無い。頭がずば抜けていいとか、運動神経があるとか、そういうのではない。ただの平凡な……いや、下手をすれば、平凡以下のステータスかもしれない。つまりそういうどこにでもいる高校生なのだ。


ここは遠音(とおん)。人口270万人ぐらいの都市。自国の中枢都市であり、科学が非常に進歩している。政権というものがひとつしか存在していない。そのせいで近頃までは、独裁政治が続いていた。


家を出て、電車に乗り、しばらく歩くと俺が通っている天雅崎学園(あまがさきがくえん)に着く。


「いい匂いだ。」


この学園の校門には、毎年見事な梅の花が咲き誇り、もし色で表すならばピンク色の、誰もが和むような香りを放っている。その香りをかぐたびに、俺は少し心が広くなる気がするのだ。


すると突然、後ろから殺気を感じた。棒状のものが綺麗な放物線を描きながら、俺めがけて飛んできたのである。それを俺は間一髪でよけた。そしてその棒状のものの落下地点を見てみると、それはまぎれもなく矢であった。


「バカかお前は!!俺を殺す気か!!」と俺は叫んだ。すると


「チッ!はずしたか……」と矢を放った人物が悔しげにつぶやいた。


「おっはよー健吾!!元気してた!?私はバリバリ元気だよー」俺を殺そうとしていた人物が何事も無かったように会話を始めた。


「人を殺そうとしておいてよくもまぁそんなに豹変できるもんだなぁ。」冷静に返した。


「あはは。だって私信じてたもん。きっとよけるだろうって。最悪当たったときは当たったときだしね!!そのときは運が悪かったって地獄で一人で愚痴をこぼしとけ!!」


この女は、白峰可憐しらみねかれん、鬼だ。俺の幼稚園時代からの幼馴染。外見だけなら、学園一の美少女と言っても過言ではない程かわいい。普通の男子なら、そんな美少女の幼馴染がいるだけで幸せだと思うはずだが、こいつの場合は違う。こいつは悪魔だ。ものごころがついたころからずっと、俺をサンドバッグ同然の扱いをしている。運悪く、俺はこいつと一緒の学園に通うことになってしまっている。家も隣で近いため、毎朝一緒に学校に行こうと誘いに来るのだが、俺はこいつと並んで学園に行くのが怖いため、毎朝家を出る時間を変えて学校にいっている。弓道部主将であり、地方の大会で何度も優勝をしている強者だ。よく俺はこんなやつの放った矢をよけることができたなぁ。と思う読者の方も多いかもしれない。安心してください。僕は毎日あの女の弓矢を喰らっているので、矢をよける能力だけは世界一です。もうこんなやつの矢なんて当たりませーん。


「なんで天国じゃなく地獄なんだ?」俺はさっきの可憐の発言に対する疑問をぶつけた。


「だって、近頃私を置いて一人で学校に行ってるんだもん。寂しかったんだよ!!」


言えない!!絶対に言えない!!それは、お前と並んで学園に行くのが怖いからだよ。ハハハ。なんて口が裂けても言えない!!言ったら確実に殺される!!どうする俺?この場を切り抜ける方法は……うん?なんでこいつこんなに涙目なんだ?そういえば最後のセリフの「寂しかったんだよ」がちょっと引っかかるなぁ。まさかこいつ、ひょっとして俺のこと……

もしそうならこれで助かるかも知れない!!


「だってアレじゃん。俺、お前の、サンドバッグ。一緒に歩く。すると、お前、俺殺す。OK?」よし、100点満点だ。これだけ助詞を抜いたら、あの馬鹿にも理解できるだろう。これで俺の清々しい朝は守られそうだ。やったね。応援いただいた読者の皆様、誠にありがとうございました。つきましては、今度の週末、パーティーでも開こうと思います。ぜひ、参加ください。うーん、応援者への謝礼も済んだし、可憐の顔色を見てみよっかな。きっと天使のようなかわいい顔になってるんだろうな。


「……コロス」


「へっ?」聞き取れなかったな。妙に暗い顔をしているし……なにか悩み事でもあるのだろうか?


「何か悩み事かい?俺でよければ相談に乗ろうか?」今日の俺は、あの梅の香りのおかげかどうか知らないが、ものすごく気分がいいんだ。ちょっとやそっとの悩みぐらいなら解決できるさ。


「オマエヲコロス!!」


……背筋に悪寒が走った。やばい殺される。でもなんで?俺の言動は完璧だったはず、なのになぜ?ひょっとしてこいつ、風邪を引いているのか?そうだ、そうに違いない。いつもはカモ並みの頭の悪さなのに、風邪を引くとさらに悪くなるって言うのか。だとすると爆笑ものだな。ハハハ。よし、風邪を心配してやったら好感度アップだな。すると俺に対する邪知暴虐な行為も少しは改善されるだろう。俺って天才だな。


「あなたの風邪はど……」最後まで言う前に、ヤツは俺に向けて矢を放っていた。さすが弓道部主将。みごとに矢は、俺の自慢の頭に突き刺さっていた。




初めまして篠崎海斗(偽名)、中学三年生です。(受験前なのに大丈夫か?)

初投稿初執筆ですので失敗や、読者の方々からするとチンプンカンプンな表現が多いことや、何コレぜんぜん面白く無いじゃん(笑)とかあると思いますが、ぜひよろしくお願いします。

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