見えたもの
能力については大体わかった。
一つ、能力の発動中は眠気が消えるが、喉が乾いたりお腹が減ったりといった生理現象は続く。
二つ、能力によって体の形や可動域は変化しない。
アーマーを着ければ着けるだけ動きづらくなる。変形も不可能だ。
三つ、飛行は出来る。大体は「こっちにこう動く」のイメージがあれば飛べるが、「ここのバーニアをこの向きに吹かす」とかも出来る。あと、飛ぶとめちゃくちゃ疲れる。
四つ、能力で生成した銃火器を使う時はある程度腕力とエイムに補正がかかる。現実じゃ片手持ち出来ないサイズの銃も止まっている的ならほぼ当たる。動いてる的に当てるのは多少コツが要る。
五つ、アーマー、武装の生成速度は全て一定。大きな物を生成するのは時間がかかるが、体から染み出すように生成するため、アーマーの生成は時間がかからない。長いのは大型の銃や実体剣の生成。太刀一本の生成に約3秒かかる。これならエネルギーソードを生成するのが得策だろう。
六つ、能力発動時で無くとも身体能力やエイムに多少の補正がかかっている。オリンピックに出れば全種目3位以内に入れそうなくらいの強化だ。
七つ、無限に能力で戦い続けられる訳ではない。飲まず食わずで戦えるのはせいぜい20時間ってとこだろう。それ以上はガス欠を起こしたように能力を使えなくなる。ご飯を食べたら回復した。
八つ、銃火器の弾は時間経過で復活する。大体3秒で1発だ。カートリッジ生成して交換する方が早い。
九つ、生成した物は俺が意識を離せば消える。能力の武器で武装した部隊を作るのは無理そうだ。
そんな実験をしている内に2日が経っていた。
俺が今いるのは…病院だ。ややこしい身体検査の結果、俺の能力に関しては「何も分からない」ということだけが分かった。
「琴葉の病室は確か…」
琴葉はあれ以来入院しているらしい。まあ無理もない…
「入るぞ」
琴葉は俺を見て一瞬驚いた表情を見せたが、また目を伏せてしまった。俺はとりあえず椅子に座る。
「…琴葉」
「みんな…みんな死んじゃった」
絞り出すような声。よく見れば目元は赤く腫れている。
「恵美も、藍子も、賢一くんも、みんな死んじゃったって…」
かけるべき言葉が見つからない。
「そうか…本当に…みんな死んだのか…」
今まで、実感がわかなかった。
さっきまで喋ってたクラスメイトの腹に空いた大穴を見ても、無造作に転がる先生の首を見ても。
切り取った映画のワンシーンを見ているようで。
でも。それでも。
「俺達は生きてる」
「え?」
「俺達はまだ生きてるし、俺には奴らをブチのめせる力がある。なら、これからやることは決まってる。奴らをー」
「待って」
「え…」
「ハンカチ…あげるから…」
気付けば、視界がぼやけている。頬を何かが伝った。
「俺まで…泣くつもり、無かったんだがなぁ…」
「アンタのことだから、気付かないふりしてたんでしょ…?部屋に入って来たときからそういう顔してたもん。」
「慰めに来たつもりなんだけど…慰められちまったな…」
「私は時間あったから。それに…」
「なんだよ」
「颯真の顔見て、声聞いたら、私はちょっと楽になったから。だから…今は泣こうよ。泣いていいんだよ。」
「…ありがとう」
俺は決めた。俺のこの力は、全て今を生きる人のために使うことを。
くそ長い説明パートでした。無理があったなと思ってます。
すんません




