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鋼鉄英雄譚  作者: Negi
1/8

侵攻、ありきたりな力を君に 前編

今日もまた同じ日を繰り返す。

朝起きて、長い坂を登って高校へ。

小難しい授業を一通りやり過ごして、友達とちょっと話す。

放課後は部活。まだ1年だから、板挟みの心配はない。去年は大変だった…

部活は剣道部。小学生からやっちゃいるけど、結果は生憎。まあ楽しいからいいや。

帰ったらアニメ見て寝よ…


今日もまた同じ日を繰り返す。

朝起きて、長い坂を登って高校へ。

小難しい授業を一通りやり過ごして、友達とちょっと話す。

放課後は部活。今日は基礎トレーニングか…

帰ったらアニメ見て寝よ…


今日もまた同じ日を繰り返す…はずだった。


教室の窓から見える景色は、ここら一帯を見渡せる。

青空と町のコントラストが、俺は好きだ。

ここで一つ自己紹介をしよう。俺は浅儀颯真(あさぎそうま)。アニメの見すぎで、心の中でナレーションを入れて遊ぶようになったイタい中二病高校生だ…ちゃんと友達はいるぞ?

アニメはだいたいロボットアニメとか戦争ものをよく観る。昔のアニメばっかりだから分かるやつはすくないけど。


っとまあこんな感じで外を見て物思いに耽っていたときだった。


ドン、という大きな音と一緒に、地面が揺れた。外には黒煙と炎。戸惑っていると、声。

「オイあれ、なんか浮いてるぞ!?」

ふと見ると…なんだあれ、飛行機…?形はステルス機みたいだが、デカすぎる。グラウンドよりもデカいぞ?

そのステルス機?はあろうことか地上に向けて光線?っぽいものを乱射している。着弾地点からは爆発。

教室はパニックに包まれた。先生がなんか言ってるけど分からん。

「オイオイ勘弁してくれよ…」

何故か俺は冷静だった。


俺達はなんとかグラウンドに避難した。もみくちゃになって死ぬかと思ったよ…

「颯真!」

女の声。

振り返れば、中学校が一緒だった俺の数少ない女友達、鈴野琴葉(すずのことは)が立っていた。

「何が起こってる?」「分かると思う?」「だよな」

琴葉は友達と合流できず、知った顔の俺を見つけて話しかけて来たとのこと。

「とりあえず、スマホで情報を…」

ナイスだ琴葉、俺はスマホの通信速度制限を食ったんで使えなかったんだ…

「未確認飛行物体が全世界の都市を襲撃しています。ヒト型の機械兵器も確認されており、被害は甚大です」

オイオイマジか、映画じゃないんだぞ?


バシュゥ…ズドン。

今までの発射音、着弾音とは違う、重たい、ひときわ大きな音。近い。見れば、コンテナのような、金属の黒い箱が、地面にピンクのシミを作っていた。

悲鳴、失神、慟哭、嗚咽。

「おぐっっ…おえぇっっ」

「琴葉!!」

無理もない。グロすぎる。やばい。にげろ。

とっさに琴葉の手をとって反対方向へ。そのとき、俺は視界の端に赤い光を捉えた。


ロボット。フレームとかシリンダーとか丸出し、細い肢体に赤く光る目。黒光りする全身は冷たさと硬さを感じさせる。背中には…よく分からん。箱…?まさか重火器の類い?どこから?あのコンテナか?だとすれば、あれが世界各地で被害を出している機械兵器?いや、そうとしか考えられない。逃げなきゃ。

「琴葉!立て!」


ドン。

危ない。今しがた走ろうとしてた場所がステルス機の光線で消し飛んだ。煙い。

後ろは機械兵器。前は大穴。飛び込むか…?いや、機械兵器くんが人を攻撃しない可能性も…あ、一人殺した。あの腕どうなってんの?抜き手で生徒の土手っ腹ぶち抜いたぞ?やばい。飛び込め。


ハァ、ハァ、ハァ。

助かった…のか?自衛隊はどうした?なんでこうなってる?

色んな疑問が頭をよぎる。クソ、ありがちな展開だ。なんかこう…秘密アイテムとか、ヒーローとかないものか…うん?

なんだこれ、金の指輪?嘘だろこんなんありか?いやいやこんなご都合展開あるわけ…そうだきっと誰かの落とし物だ…一応嵌めてみるか…

その時。

目の前に、あのロボット。その腕は返り血でベットリと汚れている。このままじゃ二人とも…せめて琴葉だけでも…


待て。さっきからどうして俺はこんなに冷静に頭が回る?普通なら琴葉みたいに震えてびびるだろう。俺なんてホラー映画とかからっきしなんだぞ?それにさっきからのご都合展開。何がどうなってる?まさか…

「主人公は…俺…?」

そんな馬鹿な。でも、このままじゃどうせ死ぬ。それなら…

「賭ける…この指輪に!

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