傀儡の目覚め
初連載ですね。不定期オブザ不定期の予定です。
―――私は目を覚ました。
今日やるべきことは見つからない。ちょうど昨日、すべての根源を絶やしたからだ。
その元根源(以降ソレとしようか)を見る。ソレは仰向けに転がっており、恍惚とした表情をしている。はっきり言って気持ち悪い。ソレに目立った外傷はないが、首を絞められたあとが残っている。なぜ酸欠の中でこのような恍惚とした表情が浮かべられるのか、不思議でならない。ソレは少し太っていて、更に背は低く、中肉中背とは言い難い。だが脂肪ならばあるだろう。正直食指が動かないが今はソレしか食べるものがない。
手を伸ばす。
肉を掴む。
腐っていたのか簡単に千切れる。腐っていようが肉には変わりない。
口元へ運び――
――ガチャッ
ドアが開く。
ドアを開いたものを見る。
そこに立っていたのは、
「――やっと見つけたよマーティ…!」
男者のようにボーイッシュな服を身にまとった少女だった。
「あぁ久しぶりだ…!ずっと会いたかったよ…!」
しかし彼女はかなり背が高く、髪も短く切られているためとても良く似合っている。と思う。
「ずっと君を探していたんだ!ようやく、ようやく見つけた!!」
彼女は私に抱きつき、涙を流しながら、しかしはっきりとそう言ってのけた。
「こんなにもぼろぼろになって…!本当に申し訳ない…!だけどもう大丈夫だからな!!」
彼女は感極まっている様子だった。しかし、私には聞かなければいけないことがあった。
「――あの」
「なんだいマーティ?お腹が空いたのか?ならば――」
「いえ、そうではなく。」
「…マーティ?」
ここでようやく私の様子に気がついたのか、不安を顕にする。
「あなたは、どなた様でしょう?」