第6話 チートですか?
とりあえず静かにして待っていた。少ししたら伯爵が
「彼が噂の・・・確かに普通ではないな」
言われて気付いた生活を楽にしようと子供なのに色々やってしまったかと。
異世界にきて色々想像(妄想か?)が膨らんで思いつくことは色々してしまった・・・が特にこれといった目立つことはないはずだ。
「こ・・・好奇心旺盛な子供ですが特に革新的な事など出来る筈もございません」
伯爵はなんか面白い子供だ、近くで何をするのか見たくなり
「いや・・その話し方が既にな・・・とりあえず成人まで我が領地で働いてみないか?」
そういえばこちらの世界では労働基準なんて聞いたこともない。
貴族に逆らうと命の危機という小説の知識でとりあえず両親の許可を取り承諾した。
両親はあと数年で成人したら基本は独立するのだからその練習だと。
いつでも帰ってきていいからと少し寂しそうに笑っていたのが印象的だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キリトレマセン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後急いで準備して馬車に乗せてもらい伯爵領まで移動していたのだが途中道が凍って進めなくなった
この世界にも四季があり現在は寒い季節(日本でいう冬)に変わりつつある頃なのでまだ大丈夫だろうと考えていた一行は
停止してどうするか話し合いをした。
少し待って暖かい日に移動すべき派と氷を割って進む派である。
人数は護衛込みで20名ほどは居るし道具はあるが車輪の前だけ割るとしてもほとんど進めないだろう。
みんな考えたが伯爵と護衛だけでも歩いて進むと言い出したころに発言した
「あの・・・穴を掘ってもいいですか?」
「気付かなかったが男だしそのあたりで適当に・・・」
伯爵・・・厠に行きたいのではないよ・・・
「そうではなく雪を溶かせると思います」
「少量の水分で溶かしても馬車は進めないぞ」
未だ拘るか・・・まあいいや
「少しだけ道具を借りていいですか?」
「話はまだ決まりそうもないし退屈か・・・短時間ならいいぞ。子供なのだしあそんでおいで」
意外と優しかった。この人相手なら秘密知られてもいいかと管理者にもらって最近気付いた魔法を使った。
”穴を掘る魔法”これが貰えた能力だろう。他の人は使えないらしい。
集落の長老のテイさんに聞いても知らなかった。
少し不便なのは穴を掘るとその数倍穴をあけれるということだ。魔法のみでは穴が開かない。手で掘っても穴は小さい。
道具を使ってそこそこの穴が開く。
掘った部分の土は任意の場所に出せるが先に場所を決めておかないと穴の周りに山になる。
これで出れなくなり助けてもらったこともある。そのあと無茶苦茶怒られた・・・・
そんなことも有り最初に道の反対側に土を出すイメージをして穴掘り開始!
一撃ごとに小さな山ができていくので普通に会議していた皆も一人気付き二人気付き・・・
無言になり見ていた。信じられない光景だった・・・だが何がしたいのかわからない。
大きな穴は危険ではないか?人が落ちたりしないか?と謎の不安の後氷が解けてきた。
少年の近くに行くと穴から水が出ていた。皆意味が分からななかった。