表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類よ、大志を抱け!  作者: 聖ひじき
一章-始まりの出会い[1]-
4/19

1.2

明津一彩(あかつ ひいろ)はヒトである。野望はまだない。

生まれも育ちも野良猫よりか遥かにいい「僕ら」は、いかにして生きていくのか。

動物として欠陥を抱えたヒトたちの、苦悩と未来の物語。

「お気に召したようでよかったよ。あんまりあっさりしてるようだと、誘い甲斐がないからね。」


そう言うと同時にバチコンと放たれたウィンクで、明津は正気を取り戻す。


「そ、それで俺は、ここでなにをさせられるんですか。」


思えばここは、普通に学校生活を送る上ではまず立ち寄ることのない旧校舎。しかも歩いた距離的に、そのなかでもかなり奥の方だ。

校内は治外法権ーーーなんてアニメみたいな事はないだろうけど、こんな人気のない場所で起こったことなんて簡単に偽装できそうだ。

それに、この先生は何かがおかしい。

真面目なわけでもなく礼儀正しいわけでもなく、生徒のお手本になる立場の人間だとは到底思えない。さっきのウィンクだって新宿の東宝ビル前辺りで醸成されたものにも思えるし、へんに顔が良いのも、この状況下では不安要素になる。


一彩は医務室(旧)への感動から図らずとも近付いていた柚月との距離を一歩あけて、慎重に目的を(ただ)そうとして。


「そんなことは私に聞くよりもひなたに聞いた方が速いだろう。」


たった一言でさらりと(かわ)された。

だから他人は嫌いなんだ…とやりづらさに苦い顔をする一彩をよそに、柚月は「入るぞひなた」と一声かけてドアに手をかける。

ドアとその枠とが擦れて、布を引きずるような音を出しながら扉は開く。

聞いたことのない木と木が摩擦を起こす音に、なんだか新鮮なものを感じて、少し和んで。

直後、脳を直接ぶん殴られたような衝撃を受けるのだった。

拝読ありがとうございます。

この作品は毎日20時〜21時ごろ更新になります。

指摘や感想は自由なので、遠慮なく書き込んでもらえると嬉しいです。

*全てに目を通しますが、スケジュールの都合上、返信や内容への反映はこちらの独断を持って適宜行わせていただきます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ