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8-8 憧れのエミリア⑧

 一方で、実務計子は、襲われた直後に、たまたま、すぐにエミリアに相談されたことで、まだ身体にかすかに残していた、浴び損ねた気体の匂いを感じ取ることができた。そして、そのことにより、顔の神経を麻痺させて、その表情を凍結させる作用のある気体であることを特定し、疑うべきものを3つに絞ることができた。


「それは、まず、特殊ガスの研究者として第一人者であり、過去に自分と対決もしている、ミレニス・ジャクリーン・ペネストリアが上がってくるわ。


 次に、私の母国であるコトールルミナス国の留顔の刑に使用される特殊ガスと、含まれている成分の匂いが87%の割合で、とても近い。


 そして、3つ目は、かつての敵国であったアルタコーネス国で、やはり静顔の刑に使用される特殊ガスが、ほぼ近いのではないかということになるわね。ただ、そうなると、まず、ミレニスの使用するものは、本当に微量だけど、必ずラベンダーの香りがするので、確実に、彼女ではないということになるわね。


 そして、次に、今回残っていた匂いは、どう考えても、母国コトールルミナス国に関連するような匂いではないと、90%以上の割合で感じることができる。ということは、このエミリアを襲った気体は、アルタコーネス国のものではないかということがほぼ確定的ね。その上、この匂いから、これを放出する銃だけど、どうやら武器である可能性はとても低い。それは、なぜかというと、この特殊な匂いなのよ。実際は、ほとんど普通人であれば、絶対に感じない匂いだけど、私のようにわかる人には、この特徴的な匂いは、見逃すわけはないのよ。まあ、ミレニスのガスもラベンダーの香りを残すけれども、あの人は、基本的、武器を想定して作っていないからね。まあ、最近では、よくない使われ方もしてはいるようだけども。


 とにかく、最初から、武器として使用するガスであれば、敵に対して使用した後、こんなに、特徴的な匂いを残してはいけない。そして、他国の人間が、わざわざ手間暇かけて、海外からきて、それを奪うなんて、そんなにリスクが高くて、おまけに殺すために使用できないのであれば、誰1人としてそんなことはやらないでしょう。ということは、これは、銃の形をした、国が管理している処刑用のガス銃であり、それもアルタコーネス国で使用されているものであると特定できるものであって、犯人もアルタコーネス人であると言うことができる。


 そして、今、エミリアの首の後ろ当たりに、身体とは別の匂いを感じたので、よく見たら、特殊なフィルム状の、日本で言うGPSのようなものが張り付いていたことが確認できた。これは、いつのまにか、エミリアの首につけられたものであり、これによって、常にエミリアの居場所を特定して襲っていたと思われるわ。


 それでは、今から、このGPS風のこの装置から、逆探知を行ない、受信機を特定して、犯人の居場所を突き止めたい。」


 実務計子は、そう言うと、奥から特殊な探知装置を持ち出し、操作を始めた。すると、あっという間に、探知場所を特定し、その場所を、そばにいるコスメとエミリアに伝えた。


「これは、間違いなく、エレノアの自宅ですね。彼女は、ほぼ98%の割合で犯人であり、アルタコーネス人であることにほぼ間違いないです。ただ、エミリアだけを狙っている動機がわからない。それと、他にも、武器というものは、色々とあるにも関わらず、なぜこのガスを用いているのかも、まだ不明だわね。」


 それを聞いて、驚きをかくせない、コスメとエミリア。そして、他にも驚き、涙目になっているバイオレットとリリアナ。それも無理はない。この2人は、同じアルタコーネス人だったからであった。


 すると、実務計子から、犯人を捕まえるための打ち合わせが始まった。


 エミリアのGPSとエレノアの持つ探知機の両方とも、動きを常に追いながら、エミリアにエレノアが近づくと判断したら、車で近くまで追いつき、今度は、エミリアにガスを浴びせるところまで犯行を行なわせて、現場を抑えることにする。


 もちろん、エミリアには、特殊なゴムシートを顔に被せて、ガスから完全に守られるようにしておく。そして、エレノアは、たとえ、車でエミリアのあとをつけて、車内から犯行を起こしても、ガスが完璧にエミリアの顔に浴びせられたら、必ず車を降りて、顔の状態を確認したいはずである。その時を狙って捕まえることにしよう。


 すると、バイオレットとリリアナが名乗りを上げた。

「それ、私たち2人でやります。やらせてください。」

「えっ、あなたたちが捕まえたいということ?」

「そうです。犯人が同じ国から来た人間として、私たちも、捕まえる協力をさせてほしいんです。」


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