8-5 憧れのエミリア⑤
すると、オービスから、コスメに対して、
「ねえねえ、コスメ。エレノアが、たった半年でランキングトップになれたのは、実に快挙よね。そうでしょ。」
「そうね。誰にもできることではないわ。オービスがトップを譲ったのは、何年ぶりかしらね。とにかくすごいことよ。」
「じゃあ、何かご褒美でもあげないとね。」
「本当ですか。なんでもいいですか。」
やったあ、とか言いながら、拍手しながら、喜んでいるのは、オービスの方。
もう、仕方ないなぁといった表情で、やられたという感じのコスメ。
「もう、オービスったら、本当にやられたわ。そういうことらしいので、エレノアは、なにがほしいの。さすがに、金に糸目はつけないとか、そこまでじゃないけど、かなりのことは、きいてあげるわよ。もう、オービスのせいだからね。」
さらに、笑いながら、拍手をやめずに、喜んでいるオービス。
「ええっ、本当にいいんですか。なんでも?」
「いいわよ。言ってごらんなさい。」
「それじゃあ、ですね。エミリアに会いたいです。」
驚く、コスメと、オービス。
「ええっ、ああ、そ、そういうことなのね。何か欲しいものがある、とかじゃなくて。」
おもわず、お互いの顔を見合わせる、コスメとオービス。
「そ、そうねえ。それは、なかなか難しいことだけど。あなたって、そこまで、エミリアのファンなのね。それに、私じゃなくて、本人次第だからね。ちょっと、今は、なんとも言えないわ。少し時間をちょうだい。もはや、私が決められることじゃないから、簡単なことじゃないからね。」
「時間がかかっても、大丈夫です。そのために、モデルになったようなものですから。ここまで待ってたんです。いくらでも待てますよ、願いがかなうまで。」
早速、エミリアに連絡して、その旨を伝えるコスメ。
数日後、コスメにエミリアから連絡がきた。どうやら、エレノアの希望が叶ったらしい。喜ぶエレノア。そして、1ヶ月後、モデルラボの事務所で会うことが決まった。
当日の朝、エレノアは、エミリアと会うのを楽しみにしていた。そして、いよいよ、エミリアがやってきた。そして、その待ち合わせ場所は、モデルたちの中では有名な、カフェ、スリム。なぜ1ヶ月待ったかというと、その間、エミリアは、もはや現役ではないので、エステや美容院に行ったりして、自分磨きをして、自分のファンに会うのに相応しくなるためなのであった。
「こんにちは。エレノア。」
「はじめまして。エミリア。私、あなたに会えて、とても嬉しいです。感激です。」
「そんな。でも、嬉しいわ。こちらこそありがとう。」
「今日は、もう色々とお聞きしたいことがたくさんあって。」
「なんでも、聞いて下さいね。」
その後、2人は、和気藹々として、話しが止まらなかった。喜びとともに、質問攻めにするエレノアに、笑顔で答えるエミリア。そして、夢のような至福の時が過ぎていった。そして、最後に、自分はもう現役ではないので、これでもう会えることはないでしょうと、エミリアは、そう断って別れ、エレノアはとても別れを惜しんだのだった。




