8-2 憧れのエミリア②
コスメは、事務所の近くにあるカフェに毎日1時間、コーヒーを飲みながら企画を考えると、アイデアが出やすくて、それが毎日のルーティーンになっていた。
この日も、昼食を済ませると、いつものカフェ コーノスを訪れていた。
「そうね、今日は、ちょっと気分を変えて、いつもと違う飲み物にしてみようかしら。」
久しぶりにメニューを見るコスメ。
すぐに、お店の人を呼び出すと、学生風の女の子がやってきた。
「はい、いらっしゃっいませ。ご注文は、何にいたしますか。」
「今日は、、、じゃあ、アイスココアね。」
「承知しました。」
しかし、コスメは、その注文をしたあと、その返事が、全く耳には入ってこなかった。なぜなら、その注文をしながら、何気に見た、そのウェイトレスは、そのビジュアルが、あまりにも衝撃だったからであり、次の瞬間から、コスメの目は、そのウェイトレスに釘付けになってしまった。
な、なんて、美しい子なの!こんなところに、こんな子がいたなんて、これだから、逸材を探すのは、難しいのよ。いくら探していても、みつからないというのに、こんなに身近にいることもあって、見つけられるのは、本当にもう、運と奇跡としか思えないわ。
すると、注文を繰り返して確認をすると、戻ろうとしたので、
「ねえ、ちょ、ちょっと待って。」
すると、ウェイトレスは、その声に振り返った。
「あっ、はい、何か、まだご注文がありますか。」
「えっ、いいえ、そうじゃないんだけど、あなた、この店、いつからきてるの?」
「私は、まだ1ヶ月くらいですね。先週までは、夕方からだったんですけど、今週から、昼間になったんです。まだ大学生なので、週に2回くらいきてます。」
それなら、毎日きても会えなかったわけね。
「あなた、ちょっとだけ話していいかしら。」
すると、店長がやって来て、
「どうしたの、秘比木さん。遅いから、様子を見に来たけど。」
「あっ、店長。そうじゃないんです。こちらの方が、、、。」
「あっ、コスメさん、どうしました?」
「あら、店長の市尾士さん、こちらの子、ちょっとお話しさせてもらえないかなと思って、、、。」
「なんか、秘比木さんに、あっ、この子、大学生で、秘比木麗子さん、って言うんですけど、ひと月前から来てもらっているんです。なかなかの美人さんでしょ。やっぱり、コスメさんのお目に止まりましたか。実は、コスメさんを驚かせたくて、今、注文に行かせたんですよ。これって、大成功でいいですか。私もね、最初見た時は、相当驚きましたよ。もう、その場で採用ですよ。プロのモデルさんでも、ここまで綺麗な子って、なかなかいないでしょ。だって、もう素人だっていうのに、オーラがすごすぎるし、、、これ、スカウトなんですよね、コスメさん。」
「そ、そうね。ぜひ、うちに、モデルで来てほしいわ、お店には悪いけど、、、。」
「いやあ、もうそれは、想定内ですよ。この子がスカウトされないわけないじゃないですか。むしろ、いつ来るなかと、思ってました。もうね、早くモデルになって、多くの人たちに、この子の美貌をみてほしいって思ってましたよ。どうぞ、連れてってください。」
店長は、本人の気も知らないで、まさに、イチ押しでした。
それに、コスメも、店長、市尾士さんのイチ推しにタジタジ、
「そ、そうね、なんだか、話しの順番がおかしくなったけど、改めて、聞くけど、秘比木麗子さん、あなたは、どうなの、モデルとして、やってみない?」
「えっ、私なんかで、いいんですか。よろしければ、宜しくお願い致します。」
「やったわ!決まったわね。これは、とんでもない子がきたわ、オービスと並ぶかも。」




