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2-2 謎のモデル、エミリア

その帰りに、オービスは、蓮津と共に、モデルラボを訪れていた。

「コスメ、今日は、やっと娘を連れてきたよ。」

コスメは、この日を待ちかねていて、嬉しさが爆発していた。

「ようこそ、やっときたわね。歓迎するわよ、オービス。」

コスメの前に行くと、深々と頭を下げるオービス。

「これから、こちらでお世話になります。宜しくお願い致します。」

「本当に、よくきたわ。」


そして、これからのモデルの仕事について、色々と説明するコスメ。それをメモをとりながら、一生懸命聞いているオービス。その横で、蓮津までも、懸命にメモをとっている。そして、



「仕事の内容と、事務所での注意事項は、以上ね。そうそう、それから、実はね、ちょっと聞いてほしいことがあるのよ。


最近は、モデル業界も、あまり話題になるような人がいなかったんだけど、突然、すごい新人モデルの話しが飛び込んできたの。初回の雑誌紹介やネットでの取り上げ方が、ここ最近では群を抜いていて、すごいのよ。それもそのはず、その新人モデルは、エミリア、といって、まだ20才と若いのに、近年ではあり得ないほどの美しさなのよ。


それに、デビューしたばかりの時よりも、その綺麗さは、磨かれ高まっているの。たとえば、芸能人がデビューしたてよりも、年月がすぎると垢抜けていって、綺麗になっていくという例は、特に珍しいことではないけれど、ところが、この新人は、もっと高いレベルで進化していて、肌の手入れであるとか特別な美容法などについても、ネットで多くのファンが議論していたの。


それと、メイクの仕方もすばらしくて、昔、メイクの魔術師と言われた私が絶賛するほどなのよ。私が昔、指導した人はたくさんいるけど、以前、この事務所にいた獅子童さんが、私が教えた人の中では、だんぜんトップだったけど、私の知らない人では、エミリアがダントツじゃないかしら、様々に、メイクを使いわけて、こんなに上手な人、なかなか見たことないわ。


信じられない変わり方で綺麗になっていったので、何か秘密の美容法でもやっているのかとも、ネットで、そんなことも話題になって、みるみるうちに、モデル業界トップに上るようになったのよ。今、他にもトップで活躍するモデルはいるけれど、今、この新人の勢いにはとても及ばないわ。とにかく、直接会った人も、そのオーラがすごかったと、今、全く目が離せない人なのよ。モデル業界に、新風が吹き荒れている状態で、他のどのモデルも、全く目立たなくなってしまっているの。


そこで、オービス、あなたに、ここで、頑張ってもらって、ぜひ話題になってほしいわ。今、このタイミングでは、対抗できるのは、あなたしかいないわ。お願いよ。」



そして、数日後、オービスは、無事、高校合格の通知がきた。そして、学校に、モデルの仕事をする申し出をしながら、今後の授業の予定の打ち合わせを行なうことになった。

またもや、担任ではなく、校長が直々に話しをしたいという。


「蓮津さん、そう、呼び方、オービスでよかったのね。オービス、無事に合格おめでとう。あなたの合格に関することについては、何も言うことはないわ。すばらしいです。それで、やはり、モデルも始めるのね。そこで、あなたは、すでに本校の入学試験についても、トップの成績なので、授業日数も全日ではなく、金曜日はでなくてもいいので、月曜日から木曜日までの4日間だけ。そして、今後の成績によっては、木曜日もなくなって、週に3日だけになりますよ。その分、モデル頑張ってね。プロフィールに、当校の生徒だとアピールして、さらに当校のことを、もっと広めて下さい。よろしくお願いしますね。」

「ありがとうございます。こちらこそ、宜しくお願い致します。」


そして、初登校の日、多くの生徒たちと共に、校庭に集合して、入学式が行われた。周りを見回すと、なかなかの美人揃い。やはり、美人評価値で選ばれた生徒たちの美人度はすごい。普通にモデル並みの子がゴロゴロしてる。この中にいると、自分も目立たなくていい感じ。


しかし、意外にも、モデルをやる生徒は、とりあえず、あたしだけで、他にもモデル向きの子は、たくさんいるのにもったいない。しかし、それは、すぐにモデルを始めたら勉強についていかれないというのが、その理由らしい。まあ、ここは、進学校だから、仕方ないわね。でも、勉強なんて、授業だけで大丈夫なのに、と言ったら、また妬まれそう。


そして、いよいよ、オービスも、モデルデビューを果たした。

今やこの業界も、エミリアの独壇場であり、多くのモデルたちも、その勢いにはとても及ばない。だが、そこに並びつつあるのは、この、16才を迎えたオービスである。彼女こそ、プリンセスの血を受け継いで育ったサラブレッド。その美しさは圧巻であり、まだ16才とは思えないほどのオーラを放ち、まだ成人までしばらくあるとはいえ、既に完成に近いと感じさせる魅力は、そのエミリアに迫っていて、業界では、この2人の話題で持ちきりであった。


そんなわけで、モデルとして、早くも頂点になりつつあるオービスは、学校にモデルにと、忙しい日々を送っていた。そして、学校からは、最初の話しの通り、常に学年トップの成績を保ち続けていたので、木曜日の授業も免除され、1週間の半分はモデルの仕事をこなしていた。

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