7-13 未知の国からの招待13
しばらくすると、エメリスは、舞台の脇から、その変貌した姿で現れた。驚く一同。
すると、所長は、
「こ、これは、なんて美しい。あのエメリスは、あんなに美しかったのに、そのさらに上をいくなんて、こんなことがあるのか。いや、とてもありえないことだ。これが、美のエキスの効果なのか。それに、オーラがすごくて、言葉が見当たらない。これでは、オービスの勝利はとても見込めないぞ。」
「お待たせしました。それでは、対決を再開するわよ。たぶん、今度は、簡単に勝敗がつくと思うわ。」
すると、オービスは、
「ちょっと待って。エメリスは、1時間と言って、結局は、もう2時間以上過ぎたじゃない。」
「それは、そこにいる2人が邪魔をしたからよ。そのせいで、私の変身にも時間がかかってしまったわ。」
「今度は、私の方もちょっとだけ、待ってほしいの。お願い、今度は、私も時間がほしいの。30分か、いや、あと20分もあれば大丈夫だと思うわ。お願いよ。」
「まあ、最後の悪あがきくらいは、聞いてあげてもいいわ。私も鬼じゃないからね。」
そして、10分たち、20分がすぎ、30分が経過している。しかし、まだ始まらない。
「どうしたの。いったい、いつになったら始まるの。もうだいぶ時間はすぎているわよ。第一、あなたは、ただここにいただけじゃない。もう始めるわ。所長さん、ご案内をお願いします。」
「そ、それでは、最後の対決を始めます。」
ゆっくりと目を閉じていくエメリス、一度深く深呼吸をして、そして、1秒、2秒、3秒の後、ゆっくりと目を開ける。すると、その、艶やかな肌が薄っすらと光を放ちながら、全身の皮膚の毛穴が開いて、息づいてゆく。全身が呼吸をしているかのよう。まさに、全身が活性化している。そして、同時に、オーラがほとばしり始める。
対決が開始して数分で、エメリスは、一気にボルテージが上がっていく。すると、オービスも覚悟を決めた。オービスも呼吸を整えると、目を軽く閉じて、気持ちを整えて集中している。すると、オービスの顔が、肌が滑らかになり、ゆっくりと目を開けると、オービスの顔の印象が変わっていく。より綺麗になっていくように見える。
所長は、その場にいて、かつてない体験をしていた。
「こんなにも輝いていく2人を見たことがない。どちらも、その美しさが本当にすばらしい。人は、こんなにも輝けるものなのか。いや、まてよ。少しずつではあるが、オービスの方が押されているように感じる。一方で、エメリスは、そのほとばしるオーラの質が繊細になっていくように感じる。エメリスには、余裕があって、エメリスの、その美しさが、まだまだ増しているようだ。その美しさは、ますます圧倒していて、オービスは不利になっていく。それに、時間ももうなくなってきている。残りは、あと数分で、このままだとエメリスの勝利を認めるしかない。」




