7-11 未知の国からの招待11
すると、いきなり、エメリスが言った。
「この勝負は、とりあえず、ここまでにいたします。なかなかいい対戦だわ。2人ともすばらしいわ。」
確実に、オービスが勝者となるギリギリで、ストップをかけたエメリス、所長が抗議の発言をしようとしたのをさえぎって、
「それでは、こちらの最後のメンバーとして、私、エメリスがお相手するわ、オービス。」
舞台に上がりながら、一気にオーラのボルテージが上がっていくエメリスだが、既に、かつてない本気モードに入っているオービスの光の粒子のオーラは止まらない。一方で、さすがのプリンセスのオーラは、その光の粒子を押し返していくが、なかなか上回るまでには、及ばない。オービスは、プリンセスの血を受け継いでいる底力を発揮して、そこまで本気モードなのである。もはや、両者互角の状態が続いている。もはや、所長もどうしたらいいかわからない。
すると、その状態を再びさえぎったのは、エメリスであった。
「わかったわ。オービスも2人続いての対戦だし、ここで一度休憩させてあげるわ。オービス、2時間後に再開するわ。」
すると、急いで去っていくエメリス。しかし、その展開に疑問を持つバイオレット。
「所長さん、これでいいのですか。」
「もう仕方ない。この勝負を最後の戦いとして、その結果を受け入れるしかない。そうでないと、エメリスは、結果を認めないだろう。」
すると、バイオレットは、
「こういう戦いは、一度始めてしまったら、休憩など入れずに続けた方が勢いがついて、より力が出るはずなのに、あえて休憩を入れるなんて、何かわけがあるはずよ。」
突然、リリアナが気づいたように、
「わかったわ。エメリスは、復活の間にある、美のエキスを取りに行ったのよ。あれを飲んで、美貌のパワーアップをして、オービスに勝利するつもりだわ。」
すると、所長から、
「しかし、君は、一般人でしょう。それなのに、どうして、そんな国家機密レベルのことを知ってるの?」
すると、2人は、申し訳なさそうに、
「実は、大きな声では言えないけど、2人とも、IT関連のことは得意で、一時は、ハッカーとかやってたんです。それで、国の中枢部に入り込んで色々なことを見ていたので、他にも色々と知ってますよ。」
「そうだったのか。」
すると、リリアナが、
「私、先回りして、エメリスが飲む前に取ってくるわ。誰か一緒にきてくれない。」
すると、エミリアが、
「じゃあ、私が一緒にいくわ。案内は、たのむわね。」
「オッケー。私なら、近道を知ってるから。」
すると、すぐに、向かった2人。途中、変な床下のようなところをくぐりながら、2人は小走りに急ぐ。狭い通路を複雑にたどっていくと、いきなり広いところにでてきた。すると、目の前には、復活の間、巨大な扉が現れた。
「ここよ。よかった。エメリスよりも早く着いたわ。」
よく見ると扉の右側に液晶パネルがついている。
「やっぱりね。これは、美顔認証なの。美人のハイレベルの顔でしか開かないのよ。とりあえず、私がやってみるわ。」
それに気づいたリリアナは、パネルに顔を近づけてみる。
すると、
「ブーッ!」と、ものすごいエラー音。
「もう!くやしいわ!やっぱりダメだったわ。ちょっとショックだわ。」
「待って。一応、私にもやらせて。」
今度は、エミリアが顔を近づけてみると、
【 ガッシャーーン! 】
「開いた!開いたわ!エミリア!やった!あなたくらい美人じゃないとダメなのね。さすがよ。」
「ところで、その、美のエキスは、どこにあるの?」
「たしか、中央階段を上がって、正面の強化ガラスの箱に入ってるわ、あった、もうひとつ認証パネルがついてる。エミリア、お願いするわ。」
再び、エミリアは顔を近づけて、
「カッシャッ」
「開いたわ。中の小さなガラス瓶よ。ゆっくりひっぱりだして。」
強化ガラスの箱の中には、さらにガラスでできた箱にガラス瓶がピッタリとはまって入っている。それをゆっくりとひっぱりだしてゆく。急がないと、エメリスが来てしまう。なかなか取り出せないが、ピキーン、という音とともに、とうとう、取り出すことができた。
そして、ポケットにしまい、振り返ると、そこには。
「おあいにくさま。そうはいかないわよ。」
出口には、エメリスが立っていた。




