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7-9 未知の国からの招待⑨

いよいよ、夜があけて、対決の時を迎えた。


所長より、対決の前に、

「それでは、まず、ニ国の対決のメンバーの発表をお願い致します。」


すると、最初、コスメから、

「こちらコトールルミナス国からは、オービスと、エミリアの2人を選出します。」


続いて、エメリス、

「こちらアルタコーネス国からは、私の娘、スターシアと、セリシアを選出します。」

「それでは、ニ国共に、2名ずつということで、行われることと致します。」


そして、所長が考えたその対決方法とは、

「対戦は、1対1で行われます。1回の対戦は、20分と設定しました。これは、審査員が最初から最後まで、私1人であることを踏まえて、第一印象で、一瞬であったり、簡単に決められるという単純なものではないので、ある程度時間が必要であるということと、かといって、あまりに長いのは、私の、気力体力が消耗することで、最後の方で、的確な判定ができなくなることを防ぐために、適度な長さとして、20分と設定しました。


 そして、基本的に、それぞれの美貌を比べて、どちらが上なのかという単純な対決ではありますが、パッと見て、すぐに、どちらが上か決めるのではなく、舞台上にあがったなら、その表情であったり、仕草やポーズ、振る舞いなどを表現して頂きます。立ったままでも、椅子を使い、座ったままでも、両方でも構いません。


 それによって、その美人度は多少なりとも変化したり、アップしていくことは容易に考えられます。その制限時間内に、元々自分の持ち合わせた見た目の美人度をどこまで上げられるかが、最大のポイントとなります。美貌対決というと、ただ容姿を比べるものと勘違いしがちですが、容姿の印象というものは、表情や仕草などによって、より良く見せることができるし、自分のアピールポイントをよりよく表現して、美人度を上げる方法を熟知しているかどうかも大切なことで、自分の持つ魅力や、自分はどのように見られているかをどこまで把握しているか、という、ある意味で、テクニックの対決でもあるのです。雑誌などに載っているスターの写真、これは、たとえ同じモデルであっても、その表情や撮り方によって、信じられないほど全く魅力など感じられないように写ることも珍しくなく、また、その逆に、時には、そのスターの持ち味や魅力をその何倍にも引き上げることもできます。


 ただ、そのテクニックの選択を間違って行なうと、美人度を下げてしまうという落とし穴も存在するので、どんなテクニックを行なうかの選択も逆効果になる可能性もあるということ。つまり、意外にも頭脳対決という部分までも含まれてまいります。それというのも、一般的に、世の中には、とても美人だったり、とても天性の魅力がすばらしいのに、その負の表情や態度によって、持っている魅力を自ら消し去ってしまっている女性が存在する。そういった意味で、自分の魅力をどこまで表現できるか、あるいは、マイナスにしてしまうか、この20分の長さが生かされることも、そうでないこともあるので、単純ではない対決となるでしょう。


 そして、20分後に、私より、どちらかの名前を掲げます。そして、次の組み合わせの対決となり、その後、残る2人で最後の対決を行ないますが、ここで、一方の国の者が2人残った場合は、その時点で、勝者側は決定するので、決勝戦を行なう意味はなくなってしまい、対決は終了となります。ルールは、以上となります。プリンセス、以上でいかがでしょうか。」


「美のプロフェッショナルである所長さんの決めたことですから、私には全く異論はございません。それで宜しいと思います。」

「それでは、対決を開始致します。それぞれ、対戦メンバーを1人ずつ提示して下さい。」


すると、コスメからは、

「私たちは、1人目に、エミリアを指名します。」


続いて、エメリスは、

「こちらは、まず、次女のスターシアを指名します。」


所長より、

「それでは、両者揃いましたので、美の対決、第1回戦を開始致します。」


 すると、まず、最初に登場した、エミリア。しばらくモデルとして活動していなかったとはいえ、その百戦錬磨の魅力は、健在であった。そして、ただでも綺麗が溢れているところに、久々に溢れた笑顔は、その綺麗を何倍にも増幅して放っている。そのオーラは、相変わらず圧倒的であった。


 そして、続いて、登場したスターシアは、まだ10代で、この可憐さが最大の魅力だ。どこまでも透き通る、その笑顔は、所長も、かつて体験したことのないものであり、一見すると矛盾に感じる表現になるのだが、透明な光の放射に沿ってとんでもないオーラを所長は浴びていた。これは、ベテランのエミリアとは、真逆の、若さからの魅力を全開にしたもので、ひたすらピュアであった。


 すると、エミリアは、スターシアの10代の魅力の放出を確認すると、自らを切り替えにいった。セクシーさを加えた大人びた表情でまばたきをすると、再び笑顔に戻って、さらに微笑みかける。その成人した女性として、セクシーにはにかんだ仕草と表情に、まさに、スターシアの10代の魅力とは真逆の魅力を、所長に向けて放出する。これは、まさに、あの時の過去の、高校生だったオービスとの対決を思わせるアピールであった。


 その当時を思わせる、その全開の攻撃には、所長は、思わず、うなってしまった。すると、スターシアは、多少ひるむと、笑顔がぎこちなくなってしまって、それを無理に修正しようと、さらに表情がぎこちなくなる。そこで、エミリアは、スターシアの目を捕えると、スターシアに笑顔を送った。


 すると、それをストレートに受けてしまい、その笑顔に圧倒され、動揺して焦りの表情になるスターシア。勝負はついてしまった。片手をあげる所長。


「タイムオーバーです。勝者は、エミリア。」

一度微笑んで、深く一礼をしてから、下がるエミリア。一方で、涙をにじませるスターシア。そして、納得できないというような真剣な表情になるプリンセス エメリス。


 すると、コスメは、つぶやいた。

あかり、よくやったわ。それにしても、相手に微笑みかけて動揺させるなんて、まだ若くてメンタルが弱い子に、いかにもベテランのそんな攻撃をするなんて、ちょっと相手の子には、かわいそうだったけど、灯、さすがだわね。だけど、今回は、勝ちにいかなければならないから、仕方ないわ。


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