6-5 ドリームドリームドリーム⑤
そして、私は、オービスとの接し方に注意しながら、なんとかして、この夢から目覚めるための方法を色々と考えていた。しかし、龍崎玲子には、ああ言ったものの、実際には、オービスの攻撃を簡単に考えることはできない。侮ってはいけなかった。それというのも、なんだかんだ言いながら、オービスは、自分に会う機会をどんどん増やしているからである。図書館の角の机で隠れていたが、すぐにバレてしまい、すぐに慌てて逃げ去った。今度はわからないように、体育館の裏とか、すぐに探せない場所を考えては、よく移動をしている。しかし、今も、つきとめられて、やってきたオービス。
「ねえ、フランソワ、隣りに座ってもいい?」
とうとう、フランソワと呼ばれるようになってしまった。そこで、絶対に、自分から、梨奈、とは呼ばないようにしている。
「ねえねえ、、、。」
きたきた、いつもの、ねえねえ攻撃である。これに応え出すと、すっかり、オービスのペースにハマってしまう。しかし、勝手に隣りに座ってきた。よし、それでも無視を決め込むぞ。私の平常心を壊せるものなら壊してみろ。返事には応えないし、オービスの方を向いたりはしない。鉄のような鉄壁の意思で、自分を守ってみせる。
すると、オービスは、横に座り、頭を自分の肩に乗せてきた。なんと、すごいいい香りがするぞー。何するんだ!オービスーっ!と言うつもりだったが、うっ、なんていい香りがするんだ、言葉が出てこない。もう、あっちに行ってくれー!
思わず、目を閉じてしまう。すると、しばらくそのままでいると、オービスの頭が肩から離れて行った。そうか、あまりにも、無視して、目を閉じていたから、あきらめてどこかに行ったに違いない。とりあえず、この場は、乗り切ったぞ。そして、気持ちを落ち着かせて、ゆっくりと目を開ける。
すると、おおおっ!なんなんだ!目の前に、目がクリクリした、オービスの顔があった!そんなに近くで、覗き込まないでくれ!なんだと、こんなことばかりじゃ、とても耐えられない!とりあえず、ここから、逃げよう!
私は、さっと立ち上がると、オービスが止める間もなく、全力で走り去って行った。
やっとの思いで、オービスから逃げ去ったフランソワ高木。
しかし、なんだかおかしい。オービスの可愛い攻撃は、別にセクシーなアプローチというわけでもないので、大人である自分には、そこまで通用するはずもないのだが、その時、ふと、さっき言われた龍崎玲子の言葉が思い出された。夢が長引けば、その少年の心の支配がだんだん強くなると言っていた。そう、もはや、フランソワ高木は、少しずつフランソワ少年の心が強くなり始めていたのだった。
そうか、時間が長引けば、長引くほど、さらに自分に不利な状況になるのだな。そうすると、何が1番いい解決になるのかがわからない。告白されて付き合えば、やがてふられてしまい、夢から覚めて、オービスを刺してしまう。だが、このまま、オービスと会い続けると、回を重ねてしまえば、可愛さ評価も溜まっていき、やがて数値が90を超えて夢は終わって、これも刺しにいくしか終わりはない。すると、どちらの道も良い結果にはならない。とすれば、あとは、どんな終わり方があるのか。例えば、告白を断るとどうなるのか。果たして、怒り出すのか、悲しむのか、どちらかが終わりに近づくのか。
とりあえず、今日も授業が終わったので、今日は隣町の公園に行くことにして、オービスとも会わないようにした。商店街をぬけてから、公園がみえてきた。ここでは、最近、遊んでいる子供もほぼいないらしい。遊具があっても、昔のように家族で遊んだり、犬の散歩にもあまり使われていないようだ。今の自分には、好都合だった。
すると、商店街から、こちらに向かう女子高生がみえる。しまった、オービスだ。私は、長い土管のような形をした遊具に入って、奥の方に身を隠した。キョロキョロしながら、オービスは行ってしまった。ほっとした私は、一応、その出口の方に少しだけ進んで、外の様子を確認しに行った。すると、女子高生の脚が、再び目の前に見えてきた。




