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5-6 無敵のモデル アイリスの秘密⑥

彼女、エテリアは、コトールルミナス人であり、数年前までは、母国で家族と幸せに暮らしていた。


あの頃は、美警察に就職をして、数年がたっていた。ところが、ある日、ある山に登山に行った先で、道に迷ってしまった。その山は、アルデオン山という決して登ってはいけないという山であった。しかしながら、近年、ベテランの登山家に言わせると、順路さえ注意して登れば、別に何の危険もない山だと言い、それどころか、頂上に登ると、これまでに見たこともない素晴らしい景色を見ることができるという。その噂を聞いていたので、エテリアは、どうしてもその景色を一度観てみたい、と思い、これまでは登山など普段から全く興味もなかったのだが、なぜか一度登って見てみたいと思ったのであった。


しかし、途中には、左右に分かれる道標があって、片方の順路は、頂上への道であり、もう片方の道は、実は、立ち入り禁止区域となっていた。この山が危険だというのは、この立ち入り禁止区域の方に進むことが、この山が危険だと言われる所以なのであるが、ベテランの登山家たちは、ここの選択さえ間違えなければ、何の問題もない、ということで、この山の危険性を否定していたのであった。


しかしながら、エテリアが登った時、その、一生に一度あるかないかというほどの不運に遭遇してしまったのである。それは、その直前に、心ない登山家が、その順路表示を左右を入れ替えてしまった。何も知らずに立ち入り禁止区域に足を踏み入れたエテリア。すると、頂上に行くどころか、さらに深い道へと入ってゆく。そのうちに、日は暮れてしまい、頂上に行くどころか、もと来た道に戻ることもできない。そして、道に迷い、途中にでてきた広い場所で一休みすることにした。


そして、しばらくすると、遠くから、人の足音が近づいてくる。すると、ある女性が、自分と同じように、間違いの道標の通りに来てしまったのであった。それが、今回特殊ガスを使っていたアイリスこと、ミレニス・ジャクリーン・ペネストリアであった。初対面の不運な2人。


「あなたも道に迷ったの?」

「そういうあなたも?」

「たぶん、道標の表示が左右逆になっていたんじゃないかしら。それ以外には考えられないわ。」

「そうね。だけど、そんなことを、やる人がいるなんて、信じられないわ。とにかく、動くのは、夜が明けてからにしましょうよ。」

「そうね、それがいいわ。」


それが、エテリアとミレニスの初めての出会いであった。やっと、夜が明けて、再び歩き始める2人。しかし、その後、迷った道にしては、きちんとした歩ける道となっていて、そのまま歩いていけば、ひょっとして頂上に行き着くのではないかとも思わせるような、綺麗な道であった。そして、歩き進めると、急に広い場所に出てきた。


しかし、そこは、頂上ではないが、これまで見たことのない、とても綺麗な花畑が広がっていて、その綺麗さに圧倒されて、ゆっくり歩いていくと、金色に光り輝く1本の巨大な木が立っている。その巨木は、この世のものとは思えないほど美しく輝いていて、たくさんの木の実がついていた。その淡い赤い色をした木の実は、とても香しい香りがしていて、2人は、昨日から何も食べていないので、その木の実の香りに惹かれてしまった。思わず、一つもいでみると、とても綺麗な実であり、強く香しい香りがして、とても食欲をそそるものであった。空腹の2人には、それを食べること以外には選択肢はなく、思わず、口に入れる。ところが、それが予想外に美味であり、これまでの人生でもっとも美味しさを感じる不思議な味がした。それは、かなりの中毒性のある木の実であった。噛み砕くと幸せな味が口いっぱいに広がって、2人は空腹を満たされるだけでなくて、迷子になった気持ちまでも癒された気分になった。


しかし、それも束の間、顔全体に異常なかゆみが襲いかかる。それを手でかこうとするも、さわれないほどのかゆみが高まっていく。そのかゆみも激しくなりすぎて、痛みへと変わり、2人は気絶してしまった。すると、気がついて目が覚めて、ふと、見上げると、その木は、全体がすべて黒一色になっていた。2人は、思わず、その木を見て、背筋が凍りつきそうだった。


実は、その木は、その実を食べさせるために、通常は金色に輝いて、人を引きつけ、誰かが食べると、一度本来の黒一色の姿に戻るのであった。2人は、あまりの怖さに全力で、走り出すと、信じられないことに、そのままふもとに戻っていた。そして、大通りに出た2人は、その辺に走っている車に近づいて助けを求めた。車に乗せてもらった途端、2人は、再び意識を失ってしまった。


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