4-2 悲しみの天使
今も、トップは、オービスで、モデルラボには、他にも数十名のモデルが登録している。
2人は、同じ日にきたこともあって、同じように、数ヶ月の研修や、勉強をへて、2人とも、同時デビューを飾った。
雑誌「トレンド通信」のグラビアページが、最初だった。飯島採巣は、トレス、西島 泉は、ステラ、の名前で、それぞれ、正式に、モデルとなったのである。
その後も、2人は、メディアに顔を出すようになるが、トレスは、どちらかというと、やはり地味めな見た目であり、綺麗というよりもかわいいタイプ、もっと言うと、庶民的を感じさせる顔と雰囲気をしている。ところが、一方で、ステラは、典型的なモデルタイプで、そのスタイルの良さも、初対面の人は、彼女の頭の先から脚元までをついみてしまい、おもわず、声が出そうになってしまう。とにかく、2人は、対照的なのである。
トレスは、その庶民的な雰囲気でも、一部でもファンは多く、他の派手なモデルとは一線を画すので、爆発的ではないのだが、それでも、ランキング50では、常に20位以内にいて、安定した人気があった。
だが、ステラは、そのすばらしい見た目で、たちまちモデルランキングでも急上昇、オービスと並ぶようになる。そんな2人は、デビューも同じ時期であるし、年齢も同じことから、とても仲が良く、特に、ステラは、トレスのことが大好きで、本気でトレスの性格と、見た目の可愛いさを絶賛している。2人のランキングは、2位のステラと、12位のトレスだが、そんなことは、全く気にしない仲の良さだった。
しかし、1つだけ不思議なことがあった。それは、ステラは、ランウェイに立ったり、グラビア撮影や、その他、モデルとしての仕事の終わりに、必ず涙を流す、という。しかし、この時は、特に、泣き叫んだり、うなだれたりするようなことではなく、表情は変わらずに、必ず、ただ一筋の涙を流すのである。その、彼女の顔は、まさに、天使のように美しいことから、そのことに絡めて、「悲しみの天使」との異名をとるようになり、とても話題となった。
最初のうちは、その涙に困っていた様子のコスメだったが、特に仕事に支障をきたすわけでもなく、かえって、とても神秘的だと、良い意味でものすごく話題になってしまったので、気にしないどころか、少し喜んでいたようだった。それに、人気が上がるにつれて、その「悲しみの天使」の表情が、とても切なく魅力的だとさらに話題となり、あえて、それをCMや雑誌のグラビアなどに起用したいなどと、かえって、ステラの特色として、多くの業者から、注目され、オービスよりも知名度は上回るようになった。




