3-14 逆転する事態
その後、就任まで、10日を切っていた。もはや、帰国するしかない。とりあえず、国に連絡をするアネット。そして、アネットは、美と命の水を、エミリアとアンティアのそれぞれのビンから、母国からのビンに移し込んだが、非常に微量であり、足りなかったと、担当官に、一応報告をした。
「、、、というわけで、任務は遂行できませんでした。誠に申し訳ありません。」
水のことを説明するアネットだが、すると、国の担当官から、
「その2つのビンの水は、微量であっても、確実に入れたのね。間違いない?」
何を言いたいのか、わからないアネット、
「え、ええっ、たしかに入れました。だけど、本当にほんの少しの量で、おそらくスプーン半分にも満たないくらいの量でした。」
そう言いながら、担当官は、たとえ少しであっても、今、どうしてもほしかった、あの水が少しでもビンに戻ってきたのか確認をしたかったのだと、アネットは思った。
すると、思いがけない担当官の発言が、
「わかったわ。今、すぐに、あのビンをもう一度確認して下さい。今すぐによ。」
ええっ、と驚くアネット。
「とにかく、早く!急いで!」
言う通り、急いで、ビンを出してみるアネット。
しかし、まず、取り出した瞬間に、重さに違和感があった。そして、みてみると、水がビンの口までいっぱいになっていたのだ。
「えええっ、どうして!どうして、戻ったの、信じられない。」
この水は、このビンとの中ならば、スプーン一杯の微量さえあれば、水自体が再生して、
ビン一杯に戻るのであったが、しかし、
「そんなこと、ありえないわ、だって、、、。だって、どちらのビンも合わせた量は、とてもスプーン一杯にはならなかったもの。」
すると、担当官から、
「それは、私も、2人が日本に行く前には、はっきりしたことは言えなかったんだけど、あのビンが、不審者によって落とされて、水は、ぜんぶこぼれてしまったでしょう。だけど、底の方には、ほんの少しだけど、水が残っていたのよ。もちろん、再生できるほどの量ではなかったけれど。ただ、そのことから、もしも日本で、この水が入っていた容器が見つかれば、今回のように、ほんの微量でも、底に残っているかもしれないと思って、今回の日本行きを計画したのです。そして、その3つが、たとえ微量であっても、3つが合わされば、もしかしたら、スプーン1杯分になるかもしれないっていう、1つの賭けだったのよ。よかったわ。」
そして、前回の微量の残りと2本のビンの合わせた量で、無事再生できたのである。
「ビンは、水が、いっぱいになっているわ。本当によかった。」




