3-13 ラストチャンス
間に合わなかったと、落胆するアネット。目の前にある、空になったビンを呆然として、見つめていた。だが、しかし、よくみると、このビンは、とても不思議な形をしていた。
上部が少し横に広がっており、鳥が羽を広げたような形状である。元々、入っていた美容水は、非常に高価で、使用する際に、ビンからだす時に一気にたくさんの量が出ないように左右の広がった部分に溜まりながら少しずつでるように工夫されて作られていた。
そこで、国から持ってきた、元々、美と命の水が入っていたビンの口を開けて、美容水のビンの口をあけて、ゆっくりと逆さにして口同士をくっつけてみた。そのままにして、しばらくすると、美容水のビンの、横の広がりに溜まったところから、少しだけ残った水が出ていったのである。それは、非常に微量ではあったが、持ってきたビンに移っていった。
「ああ、少しだけど、残っていたわ。ほんの少しだけど。一応、これ、もらっていくわね。」
そこで、急いで、灯の本へと、再び急ぐアネット。
「ごめんなさい、エミリア。お願い、あのビンをもう一度、もう一度貸してもらってもいいかしら。」
「ちょっと待っててね、、、、、。はい、これ、いったい、どうするの。」
もう一度ビンを出してもらうと、目を凝らして、ビンをよく見ると、やはり微量ながら、底に水があるのがわかる。
そこで、先程と同じように口と口をくっつけて、しばらくそのままにしてみる。
「ええ、もう残ってないわよ。無理だと思うわ。」
「エミリア、ちょっとお時間ちょうだいね。よく見てて。」
すると、さっきと同様にほんの微量の水が伝え流れていった。
「ああ、出てきたわね、でも、ほんの少し、数滴って感じかしらね。」
「ほんと、これが最後のチャンスなのよ、、、ああ、だめだわ、少なすぎる。」
2本のビンの量をみていたら、とても飲めるような量ではなかった。もはや、とても残っているというレベルではない量であった。それに、たとえ飲めたとしても、効果を期待できるようなものではない。もう水は、これ以上残っていない。




