3-11 オービスへの説得
2人は、気絶しているコスメを事務所のソファに運び、何事もなかったかのように、自分の席に戻った。
すると、しばらくして、コスメが目を覚ました。
「あら、私、どうしたのかしら。」
その声を聞いて、イレーネは駆け寄った。
「社長、やっと気がつきましたか。大丈夫ですか。」
「あら、なんだか少し頭痛がするわ。どうしたのかしら。」
「社長、私と打ち合わせをしていたら、急にめまいがするって言って、倒れてしまったんですよ。びっくりしました。」
「そうなのね。ごめんなさい。私、なんか体調が悪いみたいだから、今日はこれで帰るわね。」
「それがいいですよ。あとは、お任せ下さい。ゆっくり休んで下さいね。」
とりあえず、2人は、今、できることと言えば、オービスの帰国と次期プリンセス就任の説得だ。2人は、オービスを呼び出した。
「オービス、よく聞いてちょうだいね。実は、私たちは、コトールルミナス国から約半年前にやってきた、コトールルミナス人なんです。」
驚いたオービス、
「ええっ、いつきたんですか。お母さんは、お母さんは元気ですか。ていうか、コスメの娘さんじゃないのですか。ていうか、皆をだましていたの?」
「実は、色々とわけがあってね。ちょっと待ってね。」
ポケットからコミュニケーターを取り出して、プリンセスの画像をみせるアネット、
「これが、1番最近のお母さんよ。」
そこには、アネットと微笑むプリンセスの明るい笑顔があった。
「ああっ、お母さん。」
しかし、もはや、消え去るまで年を取らないプリンセスは、アネットと2人ならんでいても、20才くらいの若い女性が2人いるとしか見えなかった。
「お母さん、ぜんぜん変わらないわ。私と同い年に見えて、笑っちゃうわ。」
この写真を見せた以上、このことは、いつまでも言わないわけにはいかなかった。そして、意を決したアネットは、
「実はね、オービス。私は、あなたの妹なんです、お姉さん。」
なんということ、アネットは、エレンが帰国したあとに、しばらくして生まれた妹だったのです。
「ええっ、アネット、あなた、私の妹なの?信じられないわ。だけど、どうして、コスメは、あなたのことを本当の娘だと思っているの。だましてるとか、そういうのとは、また違うわよね。自分からそう言ってるもの。」
「ごめんなさい。私の名前は、アネット・ビクトリア・フランチェスカです。このことは、言わずに帰るつもりだったけど、あなたの顔をずっと見ていたら、お母さんのことを思い出して、言わずにはいられなくなったわ。こんな形で、初めて会うなんて、本当にごめんなさい。それから、コスメが私を娘だと思ってることについては、これから説明するから、とても長い話しになるけど、もちろん、このことは、事務所の他の人たちにも、とりあえず内緒にしてね。」
すると、オービスは、
「うーん、よくわからないけど、何か特別な事情がありそうね。それにしても、あなたが、初めて会う、私の妹、アネットなのね。私がプリンセスを継がないせいで、色々と迷惑かけているわね。ごめんなさい。そして、色々と、ありがとう。」
「やはり、プリンセスになるのは、だめなのね。ううん、大丈夫よ。お姉さんは、一度も祖国に帰ったことがないんですもの、仕方ないことよ。」
「それで、私がプリンセスに就任しないと、アネット、次女のあなたがプリンセスになるの。」
「ううん、私は、わけがあってなれないのよ。だから、今回、お姉さんを説得にきたのよ。」
「そうだったの。悪かったわね、本当に。」




